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2023(令和5)年度 埼玉公立高入試の概況

入試情報

2023.04.21

2023.04.21

2022(令和4)年度 埼玉県公立高校入試の特徴

2023年春の埼玉県公立高入試はどのような入試であったのか、振り返ってみましょう。

志願状況と志願率

全日制の募集人員36,002人に志願変更後の志願確定者数は39,921人、志願倍率は前年度より0.01ポイント上がり1.11倍になりました。

次の表のように、志願倍率は2021(令和3)年度に過去最も低い倍率を記録して以降2年連増で上昇しています。

しかし、この倍率アップは公立高の募集枠が縮小(59.1→58.0%)したためで生徒数に対する志願率は下降傾向が続いており公立離れが進行しています。

埼玉県公立高校志願確定倍率のグラフ(2018~2023)

学科別の志願確定状況

学科別でみると、普通科は1.16倍で2年連続アップしましたが、農業科(0.93→0.91倍)、工業科(0.93→0.87倍)、商業科(0.96→0.91倍)と職業系専門学科はダウンし、普通科との差が拡大しました。これらの職業系専門学科はこの3年間1倍未満の定員割れの状態が続いています。

また理数科は1.8倍台の高倍率を維持していますが、外国語科はコロナ禍の影響なのか下降傾向で普通科の倍率に近づいています。

<学科別志願確定倍率の推移>

201820192020202120222023
普通科1.201.191.151.131.141.16
農業科1.001.060.990.940.930.91
工業科0.981.021.020.920.930.87
商業科1.000.971.010.920.960.91
外国語科1.481.521.271.211.251.20
理数科1.811.821.601.861.831.83
総合学科1.011.031.050.950.930.95

このように、普通科・普通科系専門学科(理数科、外国語科)と職業系専門学科(農業科、工業科、商業科)との差は次のグラフのように歴然としており、互いに重なったり交わったりすることはありません。

普通科高倍率校の状況

普通科でもっとも高い倍率になったのは今春も市立浦和で2.20倍、次いで川口市立「普」1.94倍、県立浦和と川口市立「スポーツ科学」が1.55倍、市立浦和南1.46倍と続きます。

<普通科高倍率ベスト10>

倍率
【1位】市立浦和 2.20
【2位】川口市立「普」 1.94
【3位】県立浦和 1.55
【3位】川口市立「スポーツ科学」 1.55
【5位】市立浦和南 1.46
【6位】浦和西 1.45
【6位】越谷南「普」 1.45
【8位】大宮「普」 1.44
【8位】和光国際「普」1.44
【10位】越ヶ谷1.43

普通科の倍率が上昇するのに伴い、1.3倍以上の高倍率校が2021年度より17→19→21校と増加、一方定員割れの学校も32→34→24校と減少し全体的に倍率の底上げが図られました。

<普通科高校の倍率別学校数>

202120222023
1.3倍以上17校19校21校
1.2倍台14校9校8校
1.1倍台17校16校23校
1.0倍台30校32校31校
1.0倍未満32校34校24校

受検状況と合格者

受検者数は39,606人、合格者数は34,597人、実質倍率1.14倍でした。不合格者数は前年度より約250人多い5,009人、3年ぶりに5,000人台に上りました。

不合格者数は、倍率の下降に伴い減少傾向にありましたが、この2年間は増加に転じ今春は3年前の水準に戻りました。

普通科の実質倍率は1.17倍、不合格者数は4,504人で全体の約9割を占めています。

専門学科は、農業科1.01倍、工業科1.02倍、商業科1.02倍で不合格者の少ない入試で普通科との格差が広がっています。

外国語科は1.19倍、理数科は1.71倍で理数科は受検生の約4割が不合格になる激戦でした。

地区別選抜状況

次の表は県が区分した6つの地域(便宜上3と4を合わせています)に分けて選抜状況を集計したものです。これを見ると、さいたま市と南部の倍率がアップしており都市部の高校に受検生が集まっている様子がうかがえます。

この2つの地域から目立った動きになった学校をいくつか取り上げてみましょう。

2020202120222023
【1】さいたま市1.111.211.271.30
【2】南部
川口市、鴻巣市、上尾市、草加市、蕨市、戸田市、
朝霞市、志木市、和光市、新座市、桶川市、北本市、伊奈町
1.141.151.141.17
【3】西部
川越市、所沢市、飯能市、東松山市、狭山市、入間市、富士見市、
坂戸市、日高市、
鶴ヶ島市、ふじみ野市、入間郡、比企郡、東秩父村
1.161.151.151.15
【4/5】北部/秩父
熊谷市、本庄市、深谷市、児玉郡、寄居町、秩父市、秩父郡
(東秩父村除く)
1.101.101.081.07
【6】東部
行田市、加須市、春日部市、
羽生市、越谷市、久喜市、八潮市、三郷市、蓮田市、幸手市、吉川市、白岡市、南埼玉郡、北葛飾郡
1.111.131.121.13

さいたま市では県を代表する県立浦和の倍率が志願確定倍率1.5倍台(1.55倍)という近年にない高倍率になりました。受検棄権者が33人を数え受検倍率は1.4倍台(1.46倍)で落ち着きましたが合格率は70%を切って厳しい入試になりました。浦和北は志願確定倍率が1.11倍から1.41倍にアップ、募集学級数を9クラスから元の8クラスに戻したことと志願者数が50人増加したため4年ぶりの高倍率になりました。大宮東「普」は2年連続定員割れ(0.94→0.88倍)から抜け出し志願確定倍率は1.08倍にアップしましたが、これは学級減によるもので志願者数は13人の微増で留まりました。今年度より女子の冬服が新しくなっています。大宮南は2021、2022年度と低めの倍率で緩やかな入試が続きましたが、今年度は志願者増となり、実質倍率は1.18倍に上がり大宮南としての標準的な入試に戻りました。岩槻は前年度定員割れで受検生全員が合格しましたが、今春は反動で志願確定倍率は7年ぶりに1.2倍台に上がりました。

南部地域では川口市立「普」の倍率アップが目を引きました(志願確定倍率1.83→1.94倍)。2022年度より文科省からSSHの指定を受けたことや進学実績が伸びていることが影響したのか、開校以来の最高倍率を記録、合格率は51.9%で受検生の約半数が涙をのむ激戦になりました。上尾は隔年現象があります。2019年度からの志願確定倍率は1.43→1.11→1.21→1.06→1.21倍と上がったり下がったりしており今年度は倍率アップの年でした。草加西は志願確定倍率1.1倍台が標準的な倍率ですが、2022、2022年度と1.0倍台で低めの倍率になっていました。しかし今年度は1.1倍台に回復し(1.06→1.04→1.14倍)、本来の入試状況に戻りました。草加東は2019年度までは志願確定倍率1.2~1.3倍台の比較的高めの倍率が続いていましたが、2020年度より下がりだし前年度の2022年度は1.0倍で合格率93.6%の同校としては緩やかな入試になりました。今年度はその反動で1.16倍に上がりましたが、まだ本来の入試状況とはなっていません。今春の大学進学率は過去最高の52%を記録したとのことで、来春の入試に影響するかもしれません。朝霞も前年度は定員割れで受検生全員が合格しており、今春は志願確定倍率0.98→1.09倍に上がりましたが、これは学級減のためで志願者数は前年度より4人の減になっています。

その他の目立った動き

その他、目立った学校を見てみましょう。

浦和第一女子は志願確定倍率が1.47倍から1.35倍にダウン、前年度の高倍率の反動がありました。また受検棄権者が増加傾向で、2020年度までは2~3人程度でしたが、その後6→15→17人と年々増えています。その結果、実質競争率は1.30倍にダウン、同校としては緩やかな入試になりました。

は隔年現象があり、2020年度からの志願確定倍率は1.51→1.36→1.48→1.34倍と推移しています。今年度は倍率ダウンの年で、蕨から市立川口に移動したと思われます。

所沢北は2021、2022年度と志願確定倍率1.4倍台の高倍率が続いたことから、今年度はその反動で1.3倍台にダウン、合格率は80%近くまで上がりました。

越谷北は志願者が約90人減となり3年ぶりに1.1倍台に下がり、実質倍率は1.16倍、合格率86.5%の緩やかな入試になりました。前年度の高倍率を敬遠して越ヶ谷などに移動したようです。

与野は倍率に隔年現象があり、2020年度より1.33→1.16→1.23→1.16倍と推移しています。今年度は倍率ダウンの年で伊奈学園総合に移動したと考えられます。

鷲宮(0.98→1.06倍)と新座(0.93→1.09倍)は3年連続定員割れから抜け出し1倍台にアップ、川越初雁は8年ぶりに1倍を超えました。

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