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2023(令和5)年度 都内国立大附属・私立高入試概況④

入試情報

2023.06.23

2023.06.23

東京都立高校受験の仕組みや選抜方法

2023(令和5)年度の都内国立大学附属・私立高の入試の概況です。今回も引き続き進学校の状況を見ていきます。

前回の記事(上位大学附属校・進学校)はこちらから

2023(令和5)年度 都内国立大附属・私立高入試概況③

進学校の状況

<推薦入試の応募者数>

2020
応募者
2021
応募者
2022
応募者
2023
応募者
桜丘248244590229
安田学園528588713805
郁文館13710785110
明法64112134159
東京191203211260
八王子実践185171116120
実践学園130130151162
杉並学院130105110113
豊島学院152174198137
大成213237215185

<一般入試の応募者数>

2020
応募者
2021
応募者
2022
応募者
2023
応募者
桜丘427373861136
安田学園883782730580
郁文館283232240385
明法237210347355
東京515497619541
八王子実践2,2191,7171,5041,824
実践学園367396473465
杉並学院1,232843988987
豊島学院7358891,010830
大成831851800748

桜丘は2021年度に今の4コース制になってから応募者の増減が激しくなっています。2022年度は出願基準を緩和したため推薦は前年度の2.4倍、一般は2.3倍に膨れ上がりました。その結果、入学生が募集人員を大幅に超過、翌2023年度は募集人員を280人から180人に減らし、基準を上げて絞らざるを得ず、応募者数は激減、推薦応募者は2021年度並みでしたが、一般入試はGコースとCコースの併願優遇制度を取りやめたこともあり2022年度の6分の1以下になりました。学力レベルは上がってはいるものの来年度はどのような募集要項で入試を行うのか注目されます。

安田学園もレベルアップしている学校です。2022年度に募集人員を変更、S特と特進を増やして進学を減らし、同コースの併願優遇制度を廃止しました。この結果、進学の応募者は減少しましたが、千葉県からの受験生が増加してB推薦が大幅増、一般も特進が増えました。2023年度は特進(推併)と進学(推)の基準を上げましたが、応募者数は微減で留まり、基準を据え置いたS特のB推薦に応募者が集まりました。この結果、千葉県からの入学生が都内生を上回りました。2024年度は進学コースの募集を停止し、特進コースの併願基準をアップ、加点制度の変更もあるので要注意です。

郁文館は今年度より国立選抜クラスを新設、東大クラスと合わせて25人の募集数で入試を行い、2クラスを合わせて併願に51人、一般に14人の応募がありました。前年度は東大クラスだけで併願6人、一般8人だったので大幅に増加しています。またこの2クラス以外の応募者も桜丘の影響を受けたのか大幅に増加しました。

明法は推薦入試の応募者が増加傾向です。表中の数字にはB推薦(併願)も含まれますが、第一志望者は確実に増加しています。昨年の春に共学1期生が卒業し、難関大学への合格実績が上がりました。今春も卒業生の数は減ったものの国公立大学に生徒数の約1割が合格するなど実績をあげています。

東京はここ数年、募集要項の変更もなく選抜状況は比較的安定していますが、今年度は推薦入試の応募者が約2割増えました。これは推薦Ⅱ(出願基準なし、適性検査、調査書、面接で判定)の応募者がほぼ倍増したからです。立正大学立正の推薦基準が上がったので移動してきたのかもしれません。

八王子実践も近年伸びてきている学校の一つです。2021年度に総合進学コースの推薦と併願基準をアップ、2022年度はさらに総合進学の推薦基準をアップするというように、もっとも利用しやすいコースのレベルアップを図っています。そのため応募者は2年連続で減少していましたが、2023年度は基準の変更がなかったことから応募者は増加に転じました。

実践学園は2021年度に併願基準を上げましたが微増となり、翌2022年度は大幅増。今年度も前年度並みを維持しました。2/11の併願優遇の応募者が2020年度より129→143→161→189人と増加傾向で私立併願者が増えている様子がうかがえます。

杉並学院は2021年度に出願条件のハードルをやや上げたことなどから応募減になりましたが、2022年度はその条件を元に戻し、さらに制服のマイナーチェンジを行うなどで応募増となり、2023年度も前年度並みを維持しました。

豊島学院は募集要項の変更が多い学校です。2021年度に出願基準を緩和したことから推薦、一般入試ともに応募増、2022年度は推薦入試の出願基準を上げたものの応募者は増え、2023年度は併願を含めてさらにアップし今度は応募減になりました。このようにアップダウンしながらも少しずつレベルアップしています。そのせいか大学合格実績も上昇中です。

大成も人気の高い学校です。出願基準は特進コースや情報進学コースで細かい変更がありますが、メインの文理進学コースは変更なく応募者数も比較的安定しています。

<推薦入試の応募者数>

2020
応募者
2021
応募者
2022
応募者
2023
応募者
錦城学園24197122163
八雲学園1161111
品川翔英1034177474
成立学園450536555208
駒場学園(普)15114111193
正則119100176134
SDH昭和第一195154158175
昭和第一学園(普)158190190198
東京立正7558110132
関東第一817659715941
豊南155197209196

<一般入試の応募者数>

2020
応募者
2021
応募者
2022
応募者
2023
応募者
錦城学園496182245328
八雲学園8202334
品川翔英4161,285332425
成立学園241306281368
駒場学園(普)1,6711,1801,2241,091
正則382369555432
SDH昭和第一712617634660
昭和第一学園(普)1,7261,9952,7363,035
東京立正318229331426
関東第一1,5531,3881,6691,869
豊南771738842993

錦城学園は2021年度に出願基準を厳しくして応募減、2023年度は逆に緩和して応募増というように安定していません。入学者の数もその年によって増減があるようです。募集要項に注意したい学校のひとつといえるでしょう。一方、進学実績をみると上位大学への進学者が増えてきています。

八雲学園の高校募集は小規模ですが、一般応募者は増加傾向です。すでに2024年度の募集要項が発表されていますが、推薦入試日を1月22日に戻したほかは変更なく、出願基準もここ数年変わっていません。推薦入試の特待生制度の特典には海外研修の補助もあります。

品川翔英は2020年度に小野学園女子から男女共学となり校名を変更、多くの応募者を集めました。2021年度は出願のハードルを下げたため応募者は爆発的に増加し、入学生も大幅に定員を超過しました。そのため2022年度は出願基準をアップし応募減、2023年度は総合進学コースをやや利用しやすくしたため応募増と不安定な入試が続いています。2024年度の募集要項に注意を要する学校のひとつです。

成立学園はS特選と特進の出願基準を一本化。S特選は緩和、特進はアップとなりました。その結果、推薦応募者は大幅に減少したものの、一般入試は入試日を2月10日から11日に移動したことや、特進コースの基準の上げ幅が推薦ほどではなかったからか、逆に応募増になりました。2022年度までは特進コースの合格者数がS特選を超えていましたが、今年度はS特選が増えて特進が減り、S特選メインの選抜状況になりました。

駒場学園は推薦入試の応募者数が減少傾向です。一般入試は増えたり減ったりしながら少しずつ減っているような状況です。近隣の日本工業大学駒場の文理未来コースや共学化した自由ヶ丘学園に流れたのかもしれません。しかし普通科の今春の大学合格実績は早慶上理5→15人、GMARCH38→90人と飛躍的に伸びたほか、卒業生が新入生のために制服を提供する循環型制服(解体、裁断、綿状にしたあと衣類用の細い糸にして、糸から生地をつくって新品の制服にする)プロジェクトをスタートし注目されており、来春は人気が復活しそうです。

正則は2021年度に併願基準を緩和しましたが、その影響が2022年度に現れた形です。2022年度は品川翔英が基準を上げており、それも追い風になったと思われます。今年度はその反動で推薦、一般入試ともに応募者は減少しましたが2021年度よりは多く、一定の人気を維持した形です。

SDH昭和第一は一般入試の2回目の入試日をよく変更しますが、出願基準等はしばらく動かしていません。そのため受験者層が固定し、応募者も大きな変動はなく安定した入試が続きます。

昭和第一学園は都立の併願校として人気の高い学校の一つです。2022年度に工学科を募集停止し、普通科単一校になりました。その際、コース改編して総合進学を文理進学と探究に分け、探究は総合進学より利用しやすい基準に設定したことから、一般入試は探究だけで1,370人の応募者を集めました。今年度はそれよりさらに100人増え、一般入試全体で3,000人を超える応募数になっています。一方、上位クラスの特別選抜や進学選抜も好調で応募者は増加傾向です。2024年度は美術系大学への現役合格を目指すデザインコースが新設される予定です。

東京立正も最近人気がでてきました。2021年度に推薦、一般入試ともに応募減になったものの、以降増加傾向です。今年度はスタンダードの募集定員を減らしてアドバンスト、イノベーションを増やしましたが、募集減になったスタンダードにも近年で最も多い応募者が集まりました。

関東第一も人気校で、応募者は増加傾向。今年度は推薦、一般入試含めて3,000人近い応募者を集めました。入学生も多く、現高1は870人在籍しています。来年度はもっとも利用しやすい進学Gコースの併願基準が上がりますが、同時に加点制度の項目も増えるため大きな影響はないと考えられます。

豊南も人気校で多くの応募者を集めています。今年度は進学コースの併願基準を緩和しましたが、基準を据え置いた特進や選抜コースも応募者は増加しました。その結果、募集定員320人を大幅に上回る420人の入学生を迎えています。来年度は募集要項が変更される可能性があるので注意しましょう。今春、4年制大学への進学率が8割を超えました。

男女共学化した学校

最後に今年度、男女共学に改編された3校の応募状況を見てみましょう。

推薦一般
品川学藝(普通)4391
品川学藝(音楽)7040
芝国際(最難関選抜)38227
芝国際(難関選抜)18116
芝国際(特別進学)26253
芝国際(国際生)1763
自由ヶ丘学園(PG)2367
自由ヶ丘学園(ILA,STEAM)89192
自由ヶ丘学園
(GI,SR,AS,HS)
270928

品川学藝は日本音楽から校名変更し普通科を新設。普通科にはeスポーツエデュケーションとリベラルアーツの2コースを設けました。eスポーツを全日制普通科のコースとして設定したのは日本初ということです。音楽科もパフォーミングアーツとミュージックの2コース制に改編しました。出願基準は女子校時代と変わっていなかったこともあり、音楽科の応募者数はほぼ前年度並みで普通科新設の分応募増になった形です。

東京女子学園から共学化し校名変更した芝国際は新校舎の建設もあり注目を集めました。コース編成は全員特待生の最難関選抜、一部特待生も含む難関選抜、そして特別進学、国際生の4コースとなり東京女子学園の校地にまったく別の学校が設置されたような印象があります。応募状況を見ると推薦入試では最難関選抜がもっとも多く、一般入試も特別進学に次ぐ応募者を集め、かなりハイレベルの受験生が集まったようです。来春の入試ではどのような募集要項で入試を迎えるのか注視したい学校です。

男子校から共学に改編された自由ヶ丘学園はコース改編はありませんでしたが、併願優遇の出願基準を推薦入試と揃えて緩和したことから、一般入試の応募者が1,000人を超えました。ここも来春、2024年度入試で募集要項の変更がある可能性があるので要注意です。

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