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2024(令和6)年度 都内私立高入試概況③

入試情報

2024.07.19

  • #私立高校受験

2024.07.19

東京都立高校受験の仕組みや選抜方法

前回に引き続き2024(R6)年度の都内私立高入試の概況をみていきましょう。

上位大学附属校の状況③

【推薦】

20202021202220232024
日本大学第一10889708861
日本大学豊山278431253225211
日本大学豊山女子245297192168150
武蔵野大学308115148145160
東海大高輪台179193185178174
明星971478186104
工学院大学附属1111019613999
目白研心123115181123103
二松学舎大学附属146244186229226
日本工業大学駒場11612316820583
順天堂大学系属理数インター685310

【一般】

20202021202220232024
日本大学第一170136174150215
日本大学豊山290417276264240
日本大学豊山女子9681826250
武蔵野大学436214267310336
東海大高輪台396343346249214
明星599718630644679
工学院大学附属251203303338233
目白研心402389466471419
二松学舎大学附属236342243372425
日本工業大学駒場454512696780455
順天堂大学系属理数インター230227182110128

日本大学第一高等学校

20202021202220232024
男子【応募】111105112113147
男子【合格】5063789590
女子【応募】5931623768
女子【合格】2717443339

日本大学第一の一般入試は男子の応募者が多く、女子はその半分程度になっています。男子は2020年度より2023年度まで、110人程度の応募者数で推移していましたが、合格者数を増やし続けたため実質倍率は下降傾向。女子の応募者数は増えたり減ったりする隔年現象的な動きの中で、やはり合格者を増やして実質倍率は下がっていました。

ところが2024年度は男女とも応募増。特に男子は大幅に増えました。これは安田学園の進学コースが募集停止になったことと、実質倍率が下降傾向にあったことが影響したと思われます。合格者数は男女ともほぼ前年度並みとしたことから、一転して実質倍率もアップしやや厳しい入試になりました。

日本大学豊山高等学校

20202021202220232024
男子【応募】278431253225211
男子【合格】167221158152157
女子【応募】290417276264240
女子【合格】160120129122141

日本大学豊山の推薦入試には、一般的な推薦入試のほか特別推薦があり、それぞれに出願基準があるものの、毎年多くの不合格者がでています。一般入試にも併願優遇のほか、学業とスポーツがあり、こちらも不合格者がいます。

推薦入試の不合格者が一般入試に再受験した場合は優遇措置がとられるので、本校第一志望であれば、推薦入試からの挑戦を考えましょう。

2021年度のコロナ禍の中での入試では中学校からの特別証明書による加点があったためか応募者が増えましたが、それ以外は比較的安定した応募状況になっています。

2025年度も募集要項に大きな変更点はないようです。

日本大学豊山女子高等学校

日本大学豊山女子は、2022年度の推薦入試で適性検査を導入し、A推薦でも不合格者がでるようになったことから応募者が減少。以降100人に満たない応募者数で推移しています。しかし、A推薦不合格者の一般再受験は第一志望扱いとなり、この2022年度は出願者全員が合格。以降20232024年度と少ないながら第一志望出願者に不合格者はでていません。

一般入試も2023、2024年度と応募者数は多くなく、本校は第一志望者が中心の入試になっているといえるでしょう。

なお、校舎棟と体育館棟の建て替えを予定しており、完成は2028年3月ということです。

武蔵野大学高等学校

武蔵野大学の2021年度の応募者数が激減したのは、この年に本科の推薦、併願基準を上げたためです。しかし、その後は増加傾向で人気が回復しているのがわかります。

高校は2020年度に共学になり、その1期生が昨年の春に卒業しました。それまでの大学合格実績を大幅に上回る成果を上げており、今後も高い人気は続くでしょう。

東海大学付属高輪台高等学校

東海大学付属高輪台はグラフにあるように推薦、一般入試ともに男子中心の入試になっており、在校生も約3分の2が男子です。

卒業生の80~90%は東海大学に進学することから、高校の3年間部活動に全力を尽くすことができるのが魅力です。

2020~2022年度までは男女とも比較的安定した入試が続いていましたが、2023年度に一般入試の応募者が大幅に減少しました。これは東京女子学園が芝国際に改編された影響を受けたためと考えられます。そして2024年度もさらに減っており、減少傾向からぬけだせないでいます。

明星高等学校

明星の2021年度の一般C(併願)応募者が増加したのは、出願基準に3科の選択肢を追加したほか、欠席日数の条件を廃止したためです。しかし、翌2022年度は3科の選択肢を廃止し、欠席日数の条件も復活させたため応募者は減少しました。2024年度は5科の基準のみ上げましたが、9科は据え置いたことから微減でとどまっています。

一方で一般A(第一志望)と一般B(フリー)は2022年度から増加傾向で、特にB(フリー)の応募者は2024年度に100人を超え(118人)、AB合わせて200人台に上る多くの応募者を集めました。

募集要項の変更が多い学校なので、最新の入試情報をキャッチするようにしましょう。

工学院大学附属高等学校

工学院大学附属は一般入試の応募者が変動しています。2022年度は基準緩和で100人増、2024年度は出願基準のうち9科の選択肢を廃止したため100人減と、募集要項の変更があったからです。一方で推薦入試は比較的安定しており、一定の人気を維持していることがわかります。2023年度の応募増は、2022年度の基準緩和が1年遅れて効果が現れたような形です。

目白研心高等学校

目白研心も毎年のように募集要項を変更し、それによって応募状況も増減します。2021年度は一般入試②を2/11から2/12に移動。この年の応募者数は変化ありませんでしたが、2022年度は入試日を元の2/11に戻し、総合コースの出願基準を緩和。応募者は推薦、一般入試ともに大幅に増加しました。2023年度は、その基準を元に戻し一般①が微減、それほど大幅に減らなかったのは豊島学院が基準を上げた影響があったのかもしれません。そして2024年度は3科の選択肢を廃止し、今度は一般②の応募者が減少しました。

なお、来春の2025年度入試でも、募集人員の減少(230→200人)、総合コースの出願基準で3科の選択肢を復活。そして加点制度の加点項目から生徒会役員、部長、都県大会出場がなくなるなどの変更があります。

二松学舎大学附属高等学校

二松学舎大学附属も毎年のように募集要項を変更しています。2020年度は推薦募集人員を減らし(120→110人)、進学コースの出願基準をアップ。2021年度は募集人員を増やし(推薦を120人に戻し、一般は120→130人)、さらに出願基準に9科の選択肢を追加、進学コースは併願基準にすでに9科の選択肢がありましたが緩和しました。2022年度は特進コースの基準から3科と9科の選択肢を廃止し5科のみとし、進学も3科を取りやめたほか、9科に2以下がある場合は不可としました。しかし2023年度は9科2不可を1不可に戻しています。そして2024年度は、進学コースのAC推薦の基準をアップしたものの、A推の5科は据え置いたためA推は増。併願基準は変更しなかったことから、一般入試の応募者も増加しました。

20202021202220232024
C推薦応募2570324523
一般ⅠⅡ応募731165811280

2つ目のグラフは、不合格者がでるC推薦と一般ⅠⅡの応募状況と実質倍率を抜き出したものです。

C推薦、一般ⅠⅡともに実質倍率は変動が激しく、3倍を超えることもある厳しい入試になっていることがわかります。

本校志望者は、AB推薦か併願優遇での利用を検討すべきかもしれません。

なお、2025年度も募集要項に変更があります。まず、進学コースから9科の選択肢がなくなり、C推薦は5科or9科から3科or5科に、AB推薦と併願優遇は5科のみになります。また、加点項目から漢検がなくなります。

日本工業大学駒場高等学校

日本工業大学駒場は2020年度に基準を上げて応募減になってから、以降は推薦、一般入試ともに増加傾向です。2021年度に工業科の募集を停止し、普通科専一校に改編されたことも影響しているのかもしれません。また2020年度、2022年度、2023年度と募集人員を減らしていますが、人気は落ちませんでした。募集減は中学入試での入学生が増加しているためで、中高とも人気が上がっているといえるでしょう。2024年度の応募減は全コースで基準を上げたためですが、2025年度はまた増加に転じるでしょう。

順天堂大学系属理数インター高等学校

宝仙学園の共学部理数インターが2024年4月より順天堂大学の系属校(大学と連携関係にあるが法人は別)になり、校名を「順天堂大学系属理数インター」に変更しています。

高校入試は小規模で、2020年度からの募集人員は40→30→15→35→20人(推薦は2022年度より若干名)と推移。応募者数も減少傾向です。

しかし、2025年度には医学部進学コースを新設するほか、現在新校舎建設中で2028年3月完成予定とのことなので、入試にも影響がでてきそうです。

進学校の状況

次に進学校の状況を見ていきましょう。

【推薦】

20202021202220232024
広尾学園
青稜
朋優学院7613317887112
東洋736669340398504
錦城208160153137191
八王子学園八王子
順天245237214205157
駒込634606614437438
聖徳学園2535322828

【一般】

20202021202220232024
広尾学園231162195277241
青稜8661,4179839921,196
朋優学院1,9292,2493,2152,4072,547
東洋1,026914497768996
錦城1,2761,2761,1961,4591,480
八王子学園八王子1,3891,3891,5441,7691,696
順天227227246229164
駒込698698615432582
聖徳学園302302473535434

広尾学園高等学校

20202021202220232024
一般①【応募】1056989115109
一般①【合格】1819261733
一般②【応募】12685102150121
一般②【合格】2323312332

広尾学園は、2021年度に前年度の高倍率の反動と広尾学園小石川開校の影響で応募減になったあと徐々に回復していましたが、2024年度は2023年度の激戦が敬遠されたのか、2020年度と同じような応募状況に戻りました。ただその時と異なり、合格者を当時より多く出したため実質倍率はやや低めになっています。

一般①2/10より一般②2/12の応募者が多く、私立高同士の併願者が多いことを示しています。

本校は推薦入試がなく、一般入試に優遇制度もないことから、実質倍率が高く変動も激しいため、志望者はほかに確実な1校を受ける必要があります。

青稜高等学校

20202021202220232024
男子【応募】107109154197213
男子【合格】684786132133
女子【応募】53688791100
女子【合格】3133445663

青稜の一般A(オープン)の応募者数は2022年度より男女とも増加傾向です。男子の応募者が多いのは併願基準が高い(3科15or5科24)ためと考えられます。また、合格者も増加傾向になっていることから実質競争率もそれほど高くなく、挑戦しやすいことも受験者増に結び付いているのかもしれません。

一方で一般B(併願)は女子の応募者が多くなります。高い内申を武器に確実に合格を勝ち取りたい受験生が利用していると考えられます。入試日が2/12ということもあり、私立併願者も多いようです。

朋優学院高等学校

朋優学院は近年急激に伸びてきている人気校で、応募者数も都内でベスト5に入るほどの多くの人数を集めています。募集要項の変更も多く、学力レベルも上昇している学校です。

2022年度に応募者が約1,000人増加したのは、最難関コースの国公立TGコースを新設し、5科入試を導入したことや、5科入試では国公立TGのほか、国公立、特進の判定も行うというスタイルが受け入れられたのかもしれません。この国公立TGコースに1,100人余りが応募しました。2023年度は国公立コースの推薦基準をアップし、併願優遇制度を廃止。特進も基準を上げたため、約800人の応募減になっています。2024年度は大きな変更はなかったものの芝国際からの移動があったためか、140人の応募増になりました。

東洋高等学校

東洋も変更が多く、応募者数も激しく増減します。2021年度は推薦基準をアップしたものの微減でとどまりましたが、一般入試は特進コースの併願優遇を廃止し、一般B(併願)は約170人の減。2022年度は総合進学コースの募集を停止し、特選、特進の基準をアップ、応募者は激減しました。2023年度は特進の推薦B・併願優遇を復活したため、約230の応募増。そして2024年度は推薦、併願ともに基準を緩和したことからさらに増加。特に一般B(併願)は260人の大幅増になりました。東洋大学京北の出願基準のハードルが上がったことの影響もあったと考えられます。その結果、一般A(フリー)の実質倍率が特選1.71→2.86倍、特進1.79→3.52倍に上がりました。

なお、2025年度は募集要項の大きな変更はないようです。

錦城高等学校

錦城は募集人員の少ない特進コース(2024年度は120人)の応募者が、進学コース(同一般200人)よりかなり多くなっています。これは特進の併願基準に達していなくても、進学の基準をクリアしていれば特進に出願でき、選考は学力検査の得点で判定され、特進で不合格になっても進学で30点加点して選考されるからです。

2022年度は一般入試に特進のみの2/12入試を設定しましたが応募者は微増。2023年度は特進の推薦入試をやめたため、特進受験者が一般にスライドして応募者は1,000人を超えました。

そして2024年度は特進の募集人員を増やし、特進に重心を移しつつあります。

八王子学園八王子高等学校

20202021202220232024
文理特選323307
文理特進476443642640608
文理選抜483324401
文理進学209154224439418
総合176139235324322
アスリート4544424341

八王子学園八王子も人気が高い学校で、しかも学力レベルも上がってきています。2021年度に応募減になったのは、神奈川の桐蔭学園が基準を緩和し応募増になっているので、その影響を受けたのかもしれません。

2022年度は優遇制度の50点加点を、入試相談重視に変更したことが応募増につながったと考えられます。

翌2023年度は、最難関大学を目指す文理特選を新設。300人以上の応募者が集まりました。また文理選抜が文理進学に統合されたことで、その文理進学と総合コースの応募者が増加しています。2024年度は加点制度の変更があったものの、応募状況に大きな変化はありませんでした。2025年度は総合コースの出願基準が上がる予定なので注意しましょう。

順天高等学校

順天は2026年度より北里大学の附属校となる予定で、今後注目される1校になるでしょう。

入試では加点制度の加点の上限をよく変えており、推薦Ⅰの応募者数はそれに連動して動いています。2020年度は推薦+1まで、併願+2までであったところ、2021年度に推薦、併願ともに+2とし応募者が増加(43→52人)しました。しかし翌2022年度は併願も含めて+1に縮小し応募減(→46人)に、2023年度はまた+2に変更し応募増(→51人)。そして2024年度は出願基準自体を上げたため減に(→41人)なりました。

推薦ⅡとⅢの応募者は加点の変更とは関わりなく減少傾向が続いており、都外からの流入が抑えられているような形になっています。

一般入試も加点の変更とは無関係に応募者が増減しています。

2021年度の応募減は桜丘がコース改編した影響、2024年度の応募減は推薦同様基準アップのためです。

なお、2025年より北里大学への指定校推薦枠が拡大されるようなので、応募者は増える可能性があります。しかし募集要項の変更もありえるので、最新の入試情報を得るようにしましょう。

駒込高等学校

駒込は2020年度の出願基準で、すでに設定済みのSコース(併)以外の特S(推併)とS(推)に9科の選択肢を追加し、推Ⅰが80人から120人へ。推Ⅱは415人から514人へと増加しました。すでに9科の選択肢があった一般は、634人から698人と微増でとどまっています。

その後、2022年度まで安定した入試を行っていましたが、2023年度になると特SとSの基準を上げたため大幅な応募減になりました。

そして2024年度は推薦Ⅰで特Sに3科の、Sに3科と9科の選択肢を加えたことで微増となりましたが、2022年度までの100人を超える人数には至りませんでした。一方で、併願基準に変更はなかったものの、一般入試の応募者は150人増加しています。東洋大学京北や順天の基準が上がったことで影響を受けたのかもしれません。

聖徳学園高等学校

聖徳学園は近年伸びてきている学校で、応募状況を見ると2023年度まで増加傾向になっていることがわかります。2024年度の応募減は出願基準を上げたためですから、人気が落ちたわけではありません。ただ、推薦入試は募集人員が少ないこともありますが小規模入試になっており、あくまで併願入試が中心です。

2024年度よりデータサイエンスコースを新設。かなりハイレベルのコースであったことからか14人の応募でとどまりました。実際には女子のみの6人が入学したようです。

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