前回に引き続き、2024(R6)年度、私立進学校の概況をみていきましょう。
目次
進学校の状況
【推薦】
2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | |
---|---|---|---|---|---|
桜丘 | 248 | 244 | 590 | 229 | 371 |
安田学園 | 528 | 588 | 713 | 805 | 899 |
郁文館 | 137 | 107 | 85 | 110 | 57 |
明法 | 64 | 112 | 134 | 159 | 116 |
東京 | 191 | 203 | 211 | 260 | 206 |
八王子実践 | 185 | 171 | 116 | 120 | 156 |
実践学園 | 130 | 130 | 151 | 162 | 138 |
杉並学院 | 130 | 105 | 110 | 113 | 126 |
豊島学院 | 152 | 174 | 198 | 137 | 92 |
大成 | 213 | 237 | 215 | 185 | 209 |
【一般】
2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | |
---|---|---|---|---|---|
桜丘 | 427 | 373 | 861 | 136 | 269 |
安田学園 | 883 | 782 | 730 | 580 | 535 |
郁文館 | 283 | 232 | 240 | 385 | 256 |
明法 | 237 | 210 | 347 | 355 | 402 |
東京 | 515 | 497 | 619 | 541 | 583 |
八王子実践 | 2,219 | 1,717 | 1,504 | 1,824 | 1,939 |
実践学園 | 367 | 396 | 473 | 465 | 400 |
杉並学院 | 1,232 | 843 | 988 | 987 | 1,018 |
豊島学院 | 735 | 889 | 1,010 | 830 | 762 |
大成 | 831 | 851 | 800 | 748 | 926 |
桜丘高等学校
桜丘の大学合格実績はほぼ一貫して伸びていますが、高校入試の方は変動の激しい入試が続きます。募集要項を頻繁に変更するからです。
今の4コース制になったのは2021年度からで、2022年度に出願基準を緩和して応募者が急増しました。その結果入学者数も募集人員を大幅に超えたため、翌2023年度は人数を絞らざるを得ず、基準を上げたほかGとCの併願優遇を廃止しました。
これにより応募者は激減。今度はGコースで併願優遇を復活させ、他コースは基準を緩和したため応募は増えるというように増減を繰り返しています。
埼玉からの併願受験者はおもに併Ⅰ(1/23)を受験しますが、2023年度から推薦の応募者数より少なくなりました。在校生の約3割は埼玉県の生徒ですが、全応募者に対する併願Ⅰの割合は2割程度でとどまり、都外からの流入が減っているような状況です。
2025年度はGとC(単)の基準が上がるほか、加点制度の変更もあるのでよく確認するようにしましょう。
安田学園高等学校
安田学園も伸びてきている学校です。また毎年のように募集要項を変更する要注意の学校といえるでしょう。
応募者数は2023年度まではB推薦、一般(併願・フリー)とも右肩上がりで人気が上がっている様子が窺えます。特にS特はB推薦の応募者が多く、千葉県から多くの受験生が流れ込んできています。これは千葉県の公立高入試が前後期制から一本化されたことで公立志望者が私立併願校を受けざるを得なくなったことや、千葉県内の私立高の出願基準が上がっており都内私立へ流出する動きが生じていることなどが原因と考えられます。本校の場合、2023年春の大学合格実績で、早慶上理ICUやGMARCHなどの難関大学の合格者数が飛躍的に向上していることも、受験生が集まる要因になっているのかもしれません。ただ1月15日以降の千葉県前期選抜で市川や専修大学松戸、芝浦工業大学柏などを受験し、1月22日に本校「S特」のB推薦に出願する受験パターンが多いのか、S特B推薦の受験棄権率は毎年3割超に上っています。
同じくS特の2021年度一般応募者が激減したのは、2020年度の一般②(2/11)入試の実質倍率が13.50倍という激戦になり、一般②の応募者数が147人から8人に減ったためです。
また特進コースの2022年度B推薦の応募者が増加したのは、市川市の日出学園の基準が上がった影響を受けた可能性があります。また、2024年度のB推薦の応募減は出願基準を上げたからです。
進学コースは2022年度にB推薦と併願優遇を廃止、2024年度に募集停止になっています。
2025年度も募集要項に変更があります。高校募集の募集数を240人から200人に減らし、中学募集を180人から240人に増加。また特進のB推薦、併願優遇を廃止するとのことです。
郁文館高等学校
郁文館は単願推薦の応募者が減少傾向になっていますが、これは出願基準を上げているからです。2022年度は進学コースの9科の基準をアップ。2024年度は特進の5科を上げ、進学は9科の選択肢をなくしました。
2023年度の一般併願応募者数が大幅に増加したのは、駒込や豊島学院で出願基準を上げ応募減になっているので、その影響を受けたためかもしれません。
来春の2025年度入試では募集人員が増えるほか、出願基準のひとつ3年間の欠席日数が緩和されたり加点項目が追加されるなどの変更があり、やや利用しやすくなる予定です。
明法高等学校
明法は2019年度に男子校から共学に改編され応募者が急増。翌2020年度に基準を上げて応募減になったあと、推薦・一般入試ともに増加傾向に転じています。2021年度の一般応募減は特進コースが減ったためですが、拓殖大学第一で基準を緩和し応募増になったことから、その影響を受けたと考えられます。しかしその後は高い人気に支えられています。2024年度の推薦入試はC推薦を廃止したことや、増加傾向の反動があったのか応募減になりましたが、一般入試の増加傾向に変化はありませんでした。
2025年度は募集要項に大きな変更はないようなので人気は衰えず、むしろ、明治学院東村山の男子の基準が上がるので、その影響を受ける可能性もあります。
東京高等学校
東京は高1の段階でコース分けせず、全員が同じスタートで学校生活を送ります。
入試ではこの5年間、募集要項の変更はありません。従って比較的安定した入試になることが多いのですが、受験生の志向や周辺地域の学校の動きに影響されることもあります。
推薦Ⅰの応募者数は2020~2023年度まで140人前後で安定していましたが、2024年度はやや減少しました。品川翔英の特進で出願基準に9科の選択肢を追加して応募増になっているのでその影響を受けたのかもしれません。
本校の推薦Ⅱは併願推薦ではなく、第一志望で推薦Ⅰの基準に達しない受験生が対象です。ただ適性検査があり、若干ですが不合格者がでます。
2023年度に応募者が急増したのは立正大学立正の進学コースの基準が上がったことや、推薦不合格者の一般再受験は加点があることから、一般から推薦Ⅱにシフトしたのかもしれません。
しかし、その動きもこの年限りで2024年度には減少しました。
2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | |
---|---|---|---|---|---|
一般①応募 | 441 | 445 | 538 | 453 | 472 |
一般②応募 | 57 | 46 | 61 | 63 | 81 |
一般③応募 | 17 | 6 | 20 | 25 | 30 |
一般入試は①2/10、②2/13、③2/17の3回ありますが、併願優遇は①のみのため、①の応募者が圧倒的に多くなります。②と③はフリー受験で、小規模入試になり不合格者も多くなります。ただ2024年度は合わせて100人を超える応募者を集め、私立併願者が増加したような動きになりました。入試日が競合校の少ない日程のため併願しやすいようです。
八王子実践高等学校
八王子実践は近年伸びてきている学校のひとつです。ただ入試の中心は一般入試で、推薦入試の応募者数は推薦募集人員に達していません。
2020年度に普通コースを総合進学コースに変更し、J特進と特進の間に特選を新設。特進コースが3クラス編成になりました。2021年度はもっとも利用しやすい総合進学コースの併願基準を上げ、文理選抜と文理進学を選抜コースに統合。2022年度は総合進学の推薦基準を上げました。
しかしその後は2023、2024年度と基準の変更がなかったため、応募者は2年連続で増加し高い人気ぶりを示しました。
2025年度は制服を変更するほか、総合進学コースに看護医療クラス(2年次)を新設するなどの変更があるため、応募者はさらに増えると見込まれます。
実践学園高等学校
実践学園は堅調な入試が続いています。2021年度はLA&Sの併願基準を上げましたが、スポーツと学習施設「共学館」が完成したためか、一般応募者は微増しました。また2022年度の応募増は東亜学園の基準アップの影響と考えられます。2024年度はLA&Sの基準を上げ、特進と同基準としたことから推薦、一般ともやや応募減になりました。
グラフにはありませんが、推薦入試は男子の応募者が多く、併願優遇は女子の利用が多くなっており、部活で頑張りたい男子が推薦に向かっているような動きがあります。
杉並学院高等学校
杉並学院は募集要項の変更が少ない学校です。入試は一般入試の併願受験がメインで、推薦入試は2024年度に近年で初めて推薦募集人員(120人)を満たしたような状況です。
一般入試は通学の便も良いことから多くの受験生が集まってきます。2021年度に応募減になったのは、出願基準のハードルをやや上げたことや、近隣の文化学園大学杉並が基準を緩和したり、新渡戸文化が検査料を無償化した影響があったものと考えられます。
翌2023年度は上げたハードルを元に戻したことや制服のマイナーチェンジがあり、応募者は増加に転じました。
2024年度は文化学園大学杉並が基準を上げたため、本校の応募者が増加しています。
なお、2025年度は募集人員が減少するものの、出願基準に変更はないようです。
豊島学院高等学校
豊島学院も併願校として人気の高い学校で、一般入試に多くの受験生が集まります。
ただ、募集要項を頻繁に変更するので注意が必要です。
2021年度は基準を緩和し、推薦・一般入試ともに応募増。2022年度は推薦基準を上げましたが加点の拡大や新6号館の完成などで応募増。併願も基準を据え置いたため増えました。2023年度は推薦、併願ともに上げて応募減。2024年度は大きな変更はありませんでしたが、桜丘の基準緩和の影響を受けたのか、さらに減っています。
2025年度は特進と選抜進学の基準が緩和され、加点制度も利用しやすくなる予定なので、応募者増が予想されます。
大成高等学校
大成も併願校として人気の高い学校です。募集要項の変更も少なく、応募者数も比較的安定しています。
2023年度に推薦、一般応募者が微減になったのは、藤村女子や新渡戸文化が基準を緩和した影響かもしれません。
また、2024年度の応募増は文化学園大学杉並や日本工業大学駒場が基準を上げたことから、本校に移動してきた可能性があります。
一般入試を入試日別でみると、一般①(2/10)の応募者が圧倒的に多く、公立併願者がメインであることがわかります。しかし2024年度は私立併願の一般②(2/12)の応募者が大幅に増加し、例年になく私立併願者が増えました。
2025年度は募集人員、検査日の変更はありませんが、出願基準などについては説明会などで確認するようにしましょう。
【推薦】
2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | |
---|---|---|---|---|---|
錦城学園 | 241 | 97 | 122 | 163 | 148 |
八雲学園 | 11 | 6 | 11 | 11 | 11 |
品川翔英 | 103 | 417 | 74 | 74 | 92 |
駒場学園(普) | 151 | 141 | 111 | 93 | 154 |
正則 | 119 | 100 | 176 | 134 | 123 |
SDH昭和第一 | 195 | 154 | 158 | 175 | 243 |
昭和第一学園(普) | 158 | 190 | 190 | 198 | 158 |
東京立正 | 75 | 58 | 110 | 132 | 85 |
関東第一 | 817 | 659 | 715 | 941 | 947 |
豊南 | 155 | 197 | 209 | 196 | 197 |
日本学園 | 78 | 121 | 99 | 112 | 81 |
自由ヶ丘学園 | 103 | 147 | 95 | 382 | 85 |
芝国際(東京女子学園) | 5 | 8 | 9 | 99 | ー |
羽田国際 | 66 | 46 | 29 | 28 | 131 |
【一般】
2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | |
---|---|---|---|---|---|
錦城学園 | 496 | 182 | 245 | 328 | 284 |
八雲学園 | 8 | 20 | 23 | 34 | 50 |
品川翔英 | 416 | 1,285 | 332 | 425 | 545 |
駒場学園(普) | 1,671 | 1,180 | 1,224 | 1,085 | 1,811 |
正則 | 382 | 369 | 555 | 432 | 486 |
SDH昭和第一 | 712 | 617 | 634 | 660 | 643 |
昭和第一学園(普) | 1,726 | 1,995 | 2,736 | 3,035 | 2,669 |
東京立正 | 318 | 229 | 331 | 426 | 393 |
関東第一 | 1,553 | 1,388 | 1,669 | 1,869 | 1,616 |
豊南 | 771 | 738 | 842 | 993 | 767 |
日本学園 | 130 | 161 | 150 | 277 | 222 |
自由ヶ丘学園 | 595 | 464 | 278 | 1,187 | 440 |
芝国際(東京女子学園) | 14 | 22 | 10 | 659 | 73 |
羽田国際 | 94 | 92 | 57 | 66 | 182 |
錦城学園高等学校
錦城学園は東京高校と同じく、コース分けせず全員が同じスタートラインに立って高校生活を送ることができる学校です。
募集要項の変更は多くはありませんが、近隣の二松学舎大学附属と競合しており影響を与えあっています。
2021年度に急激に応募減になったのは、出願基準のハードルを上げたからですが、二松学舎大学附属の進学コースの基準が緩和されたことも影響したと考えられます。2023年度は基準のハードルを緩和し応募増。このとき二松学舎大学附属ではハードルが上がっています。2024年度も二松学舎大学附属の一般応募者は増加しており、本校はやや減少しました。
八雲学園高等学校
八雲学園は中学入試が中心で高校募集人員は推薦25、一般25人の小規模入試です。しかし2021年度に男女共学に改編されてからは、一般入試の応募者数は増加傾向で、高校入試も徐々に浸透してきているようです。
募集要項の変更は少なく、2021年度に共学化したあとは推薦、一般入試の検査日を変更するくらいでとどめています。
ただ2025年度は一般入試の2回目を2/13から2/12に戻すほか、英検準2級の場合の加点の上限の幅が拡大されるという変更があります。
品川翔英高等学校
品川翔英は共学化2年目の2021年度入試で、総合進学コースの出願基準に3科と9科の選択肢を追加したり、加点制度の加点項目を増やしたりしたことから応募者が激増し、入学生が募集人員の3倍を超える大人気となり話題になりました。翌2022年度は募集人員を減らして基準を上げたため激減。今度は募集人員を満たせないという不安定な入試が続きました。しかし2023年度以降は募集要項の変更はあるものの、応募者数は落ち着きを取り戻しています。
2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | |
---|---|---|---|---|---|
難関進学 | 23 | 47 | 33 | 42 | 44 |
国際教養 | 11 | 54 | 49 | 50 | 49 |
特別進学 | 70 | 401 | 129 | 131 | 221 |
総合進学 | 312 | 783 | 121 | 202 | 231 |
4コースあるうち、もっとも利用しやすい総合進学コースの応募者が多くなりますが、そんな中で特別進学コースの人気が上がっており、2024年度は総合進学に近い人数を集めました。
募集人員も特別進学コースがもっとも多く、今後このコースが学校全体の核になってくると予想されます。
駒場学園高等学校
駒場学園も併願校として人気の高い学校で、一般入試の応募者は1,000人を超えています。
近隣の日本工業大学駒場と競合関係にあり、お互いに影響し合っています。2021年度の応募減は出願基準から9科の選択肢を廃止したこともありますが、日本工業大学駒場の総合進学コースの基準を緩和したことも影響したと考えられます。以降、比較的安定した応募状況になりましたが、2024年度は推薦、一般入試ともに大幅に増加しました。これも進学コースの出願基準に9科の選択肢を追加したことのほか、日本工業大学駒場の基準が上がったことが大きかったと思われます。
2025年度は5科に+1される地域加点の地域に渋谷区、調布市、三鷹市が加わります。また進学コースの併願基準が上がるなどの変更があるので要注意です。
正則高等学校
正則も東京高校や錦城学園同様、高校単独校でコース分けされておらず、入学生は全員同じスタートラインから高校生活が始まります。
入試状況をみると、2021年度に併願基準を緩和していますが、品川翔英や二松学舎大学附属も緩和しており、応募増には結び付きませんでした。2022年度になると、本校の出願基準は変わらなかったものの、品川翔英と二松学舎大学附属が上げたことから大幅な応募増となりました。
そして2023年度は二松学舎大学附属が元に戻し応募減。2024年度は揺り戻しがあってやや増加しました。
推薦Bは併願推薦ではなく、推薦Aの出願基準に達しない第一志望者が利用する入試です。適性検査があり毎年数人の不合格者がでています。2024年度も実質倍率は1.15倍になりました。この推薦Bの不合格者は一般再受験の場合受験料は免除され、第一志望者として加点されて選考されるので、本校が第一志望であれば推薦Aの基準に達しなくても挑戦することを検討しましょう。
なお,2024年度から併願推薦の推薦Cが廃止されています。この入試は実質的に千葉県の生徒が対象ですが、応募者が少ないためと考えられます。都外からは神奈川県の生徒が多く応募しています。
昭和第一高等学校
SDH昭和第一は近年出願基準が変わっておらず、そのほかの募集要項の変更も一般入試日の2回目を2/17か2/18に変更するくらいです。
そのため、受験者層が固定し応募者数も比較的安定しています。
2021年度に一般ⅠⅡの応募者が減少したのは、コロナ禍の影響で試験の結果で選考されるフリー受験が敬遠されたためと考えられます。
2024年度の推薦Ⅰが増加したのは郁文館の基準が変更され、ややハードルが上がったことが影響したのかもしれません。
2025年度も募集人員、出願基準など大きな変更はなく、一般Ⅱが2/17から2/18になるだけです。
昭和第一学園高等学校
昭和第一学園も併願校として人気の高い学校で、一般入試には数千人の応募者が集まります。また、募集要項の変更も多く、その点でも要注意の学校です。
2021年度に推薦、一般入試の応募者が増加したのは加点制度の項目を増やしたことが影響したと思われます。翌2022年度は工学科を募集停止し、普通科専一校になり合わせて総合進学コースに文理進学と探究の2クラスを設置しました。探究クラスの出願基準が利用しやすい設定になったことから、一般入試の応募者は大幅に増加しています。2023年度は大きな変更はなく、さらに応募者が増加したものの、2024年度は探究クラスの基準を上げたため減少に転じました。この年に新設されたデザインコースには推薦に9人、一般に54人の応募があり、男子1人、女子17人が入学したとのことです。
なお、2025年度は最難関コースの特別選抜コースを英語コースに改編する予定です。また、その他の募集要項にも注意しておきましょう。
東京立正高等学校
東京立正はここ数年で人気が上がってきている学校です。募集要項の変更も少なく、2020年度にスタンダードの、2021年度にイノベーションの基準に5科の選択肢を追加したほかは募集人員の若干の変更にとどまっています。そのため受験しやすく、2022年度、2023年度と推薦、一般入試ともに応募者は増加しました。入学生も増えており、2023年度は募集人員を超過したようです。
2024年度はやや落ち着き応募減になりましたが、2025年度も募集要項に変更がないことから、人気が衰えることはないでしょう。
関東第一高等学校
2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | |
---|---|---|---|---|---|
特進 | 201 | 182 | 245 | 342 | 345 |
進学A | 614 | 497 | 713 | 821 | 913 |
進学G | 1,461 | 1,272 | 1,344 | 1,563 | 1,205 |
スポーツ | 74 | 96 | 82 | 84 | 100 |
関東第一は人気の高い学校で、毎年多くの受験生が集まります。
2021年度にスポーツコース以外で応募者が減少したのは、コロナ禍によって千葉県からのB推薦応募者が減少したことが影響しています。しかしその後は増加傾向に転じました。2024年度は進学Gコースの併願基準が上がったため応募減になりましたが、その他のコースは増加し続けています。
2025年度はコース名の変更があり、特進はハイパーコース、進学Aはアドバンストコース、進学Gはアグレッシブコース、スポーツはアスリートコースになります。また、アグレッシブとアスリートの推薦基準が上がり、アドバンストとアグレッシブの加点項目に「数検準2級は+2」が加わるという変更もあります。
新校舎の完成は2026年3月末とのことです。
豊南高等学校
豊南も人気が高く、公立高との併願校としてもよく利用されています。
2021年度に推薦応募者が増加して以降多いままで推移し、第一志望者も安定的に確保しています。
一般入試は2022年度に選抜コースの出願基準が利用しやすくなったためか、進学コースも含めて応募増。2023年度は進学の併願基準が利用しやすい設定になりさらに増えました。
そして2024年度は利用しやすくした進学の併願基準を元に戻して応募減と、一般入試の方はやや動きがあります。
募集要項の変更は少ない方ですが、必ず最新の情報を得るようにしましょう。
日本学園高等学校
日本学園は2026年度より明治大学の系列校に改編されるため、明治大学付属世田谷と校名を改め、男子校から男女共学校になります。
そのため2025年度が男子校の日本学園としての最後の募集になります。新校舎は2025年秋に完成する予定です。
明治大学の系列校になると発表されたのは2022年4月ですが、多くの注目を集め、翌2023年度入試では推薦、一般入試ともに応募増になりました。2024年度はスポーツコースの募集を停止し、特進、進学の基準を上げたことから応募者は減少したものの、一般入試は200人を超え高い人気を示しました。
2025年度は募集人員が248人から227人に減少するほか変更はないため、応募者増は必至といえるでしょう。
自由ヶ丘学園高等学校
自由ヶ丘学園は2023年度に男子校から共学校に改編され、応募者が急激に増加し募集人員の倍以上の入学生を迎えることになったことから、2024年度は基準を上げ、アカデミック(AC)コースでは併願優遇制度を廃止しました。その結果、応募者は激減し2022年度以前の入試状況に戻りました。
共学化前から募集要項の変更を頻繁に行っており、徐々に学力レベルアップを果たしてきた学校なので、2025年度入試でもなにかしらの変更がありそうです。
自由ヶ丘学園と似たような入試を行っている学校に芝国際があります。前身は東京女子学園という女子校でしたが、2023年度に校名変更。男女共学化に加えて新校舎も建設しました。その結果、応募者は激増。入学生は募集人員を大幅に超過しました。2024年度は4コース制(最難関、難関、特進、国際AC)から最難関と国際の2コース制に縮小。さらに推薦入試をやめ、併願優遇制度も廃止するという大きな変更を行いました。その結果、応募者数は758人(推薦+一般)から73人へと10分の1に減少しています。来春2025年度は推薦入試を最難関15人、国際15人で復活させ、出願基準を5科24としています。2023年度入試の最難関の推薦基準は5科23であったので1ポイント上がりました。
2024年度に共学化した羽田国際(旧蒲田女子)は特別進学、総合進学、幼児教育(女子のみ)で募集し、推薦入試に131人、一般入試に182人が応募しました。校舎も新しくなり、まったく新しい学校に生まれ変わったような形です。