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2025(R7)年度 千葉県公立高入試を振り返って【地域別】②

入試情報

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2025.08.15

2025.08.15

千葉県の公立高校受験の仕組みや選抜方法

千葉県の地域別公立高入試概況の第2回は市川市、船橋市、松戸市など第2学区の学校です。

第2学区 市川市 船橋市 松戸市 習志野市 八千代市 浦安市

※合格者数に特別募集の合格者含む

第2学区は全体の志願者数が約180人の微増でしたが、募集人員が120人減少したことから志願倍率が前年度の1.21倍から0.04ポイント上がり、1学区(1.24倍)を超えて県内でもっとも高い学区になりました。

上記の32校中倍率アップ(0.05ポイント以上の差)したのは半数の16校。ダウンは9校。7校が横ばい(±0.04ポイント以内)でした。この倍率アップした16校のうち10校が八千代東から浦安南の13校に集中しています。増加した志願者数の約9割がこれらの学校で占めており、今年度の大きな特徴になりました。これらの学校は通信制高校と競合する位置にあり、近年の通信制志向の高まりにより低倍率入試を余儀なくされていました。しかし今年度はやや盛り返し、学区全体の倍率を押し上げる原動力になりました。一方で津田沼から市立松戸までの中堅7校では国分を除いて倍率ダウン。志願者数は合わせて約160人減少するというように学力層で正反対の動きがみられています。

この第2学区からは1学区の学校に挑戦する生徒が多く、4学区や3学区からの流入はあるものの、流出の多い学区といえます。それにもかかわらず志願者増になったのは、学区の生徒数が前年度とほとんど変わらなかったこと、人気校が多い1学区への流出が抑えられたことなどが理由として考えられます。また私立高の出願基準が上がっていることから公立に向かわざるを得ないという事情も影響しているかもしれません。

船橋

船橋「普」は県内の普通科の高倍率1、2位を争う人気校で、毎年激戦が続きます。2021年度からの志願者数は563→587→569→641→587人。倍率は1.76→1.83→1.78→2.00→1.83倍と隔年現象があり、今年度は志願者減、倍率ダウンの年でした。しかし不合格者は受検生5割弱から4割強に減っただけでした。ただ、受検棄権者は2023年度より13→29→36人と増加しており私立高への流れも進行しているようです。学校の施設設備についての評価は高くはありませんが、進路指導や部活動に対する満足度は高く、生徒・保護者とも入学して(させて)よかったという割合が100%近くに達しています。入学生は2学区で約3分の2を占めており、地元の船橋市からの生徒は3割弱です。千葉市からも1割程度進学してきています。

薬園台

薬園台「普」も人気校です。2021年度からの志願者数は359→394→409→423→466人と増加傾向で、倍率も1.28→1.41→1.46→1.51→1.66倍と年々上がってきています。今年度は不合格者数が受検生の約4割に達しました。現在校舎の大規模修繕工事中ですが人気は衰えていません。ここまで高倍率になると来年度は志願者減になる可能性がありますが、工事が終了し新しい環境での学校生活になることから、人気はさらに上がるかもしれません。入学生は2学区から8割程度で、地元船橋市の生徒は4割程度となっており、船橋より地元生が多くなっています。

小金

小金「総合」も人気校で毎年高倍率での入試になります。2021年度からの志願者数は483→582→488→523→508人と増減を繰り返し、倍率も1.51→1.82→1.53→1.63→1.59倍と上がったり下がったりする隔年現象の動きになっています。今年度は志願者減、倍率ダウンの年でしたが、志願者は15人減、倍率は0.04ポイントダウンで留まり、倍率アップした前年度とほとんど同じ激戦が続きました。進学重視の総合学科で、昨春までの大学合格実績が伸びてきていることが高い人気を支えていると考えられます。入学生は地元松戸市をはじめとした2学区と柏市や流山市の3学区で半数ずつくらいになっています。

船橋東

船橋東もこの3年間、志願倍率1.5倍台の高倍率で安定した入試が続き、受検生の3分の1が不合格になる厳しい入試になっています。女子の多い学校で生徒数の約6割は女子です。船橋は男子が多く、薬園台は半々、八千代は男子が多い年が目立つというようにそれぞれ特徴があるようです。入学生は船橋市から4割弱で、2学区全体では8割強を占める地元学区中心の入試になります。2027年度より校舎の大規模改修工事を予定しているとのことで、入試に影響がでてくるかもしれません。

八千代

八千代「普」の倍率は2024年度まで1.3~1.4倍台で比較的安定していましたが、今年度は47人の志願者増となり1.5倍台にアップ。2021年度以降の最高倍率を記録しました。不合格者数は受検生の3分の1に上っています。佐倉が前年度の高倍率の反動で志願者が減少しているので、同校からの移動があったのでないかと思われます。入学生は船橋市と八千代市でそれぞれ2割程度、ほかに千葉市や佐倉市から1割強進学してきており、2学区全体では6割弱で他地域からの入学生が多い学校です。家政科と体育科が併置されており、それぞれの特色を生かして行われる学校行事は盛り上がるようです。

国府台

国府台の倍率は1.2倍台でほとんど動かず、今年度も前年度とまったく同じ志願者数と倍率になりました。この学力レベルにしては倍率は低めですが、地理的に都内の私立高に流れやすく、受検者層が薄くなっているのかもしれません。受検棄権者が比較的多いのも私立へ移動しやすいことをしめしているようです。そんな環境の中で一定の人気を保っているのは、大学合格実績が好調なことが要因なのかもしれません。ただ校舎と体育館の大規模改修工事のため、2026年度より仮設校舎での生活になる予定なので、これが入試の倍率に影響を及ぼす可能性があります。

津田沼

津田沼は2023年度、2024年度と1.4倍台の高倍率が続きましたが、今年度は24人の志願者減で1.3倍台に下がり、2021年度以降最も低い倍率になりました。それでも不合格者数は受検生の4分の1を占め、100人を超えています。入学生は船橋市がもっとも多く約3分の1、地元習志野市は1割強です。ほかに千葉市や佐倉市からも約1割の進学者がおり通学圏は広くなっています。県内で唯一音楽コースがある県立高校です。

松戸国際

松戸国際「普」の志願倍率は2021年度から2024年度まで1.40→1.37→1.53→1.40倍と上下し、隔年現象の動きがありました。しかし今年度は、上がる年に当たっていたのにもかかわらず30人の志願者減で倍率は1.2倍台に落ち込み、2021年度以降でもっとも低い倍率になりました。前年度に倍率ダウンし、今年度志願者増になった国分に移動したのかもしれません。来年度は志願者が戻り、倍率アップする可能性が高いと予想されます。

国分

国分は倍率が変動し安定していません。2021年度より1.13→1.42→1.53→1.25→1.46倍と大きく上下します。かといって隔年現象でもありません。今年度は前年度の倍率ダウンの反動で69人の志願者増となり不合格者も倍増しました。私立併願校に千葉商科大学、二松学舎大学柏、東葉など出願基準を変更する学校が多いため影響を受けているのかもしれません。入学生は地元市川市から4割程度、船橋市や松戸市、習志野市などの2学区全体では8割強を占め、自学区中心の入試になります。他学区では白井市と印西市の4学区から合わせて1割強が入学しています。4年制大学への現役進学率が高く、2021年春より83.8→85.6→86.3→86.8%と上昇傾向です。

船橋芝山

船橋芝山は2021年度に定員割れとなったものの以降志願者は増加し、制服をモデルチェンジした2024年度には121人の大幅な志願者増となり、倍率も1.19倍から1.57倍に急騰、受検生の3分の1が不合格になる激戦でした。そして今年度はその反動で、志願者減になったものの1.3倍台でとどまり、不合格者は100人を超えたまま(受検生の4分の1程度)で厳しい入試が続きました。入学生は地元の船橋市の生徒で半数を占め、2学区全体で9割と地元学区中心の入試になっています。

市川東

市川東は2年連続志願者減です。今年度は42人減って倍率は1.0倍台に落ち込み、2021年度以降でもっとも低い倍率になりました。不合格者も減って、合格率は82.7%から92.5%へと10ポイントアップしています。船橋啓明や市立船橋への移動があったほか、私立併願校の関東第一や東京学館浦安の推薦、単願志願者が増加していることから、これらを中心とした私学への流れも考えられます。ここまで低い倍率になると来年度は志願者増になる可能性が高いといえるでしょう。入学生は地元の市川市から4割程度、船橋市、松戸市、浦安市など2学区全体で9割を占め、地元学区中心の入試になっています。

市立習志野

市立習志野「普」は2021年度からの志願者数が266→304→264→293→253人、倍率が1.11→1.27→1.10→1.22→1.05倍と隔年現象があります。今年度は志願者減、倍率ダウンの年で、志願者は40人減、倍率は0.17ポイント下がり緩やかな入試になりました。来年度は倍率アップの年になるので注意が必要です。

市立松戸

市立松戸「普」は県内屈指の広大なキャンパスと充実した施設設備などで人気の高い学校です。倍率はこの3年間、1.5~1.6倍台で推移。今年度も受検生の3分の1が不合格になる激戦でした。入学生は松戸市の生徒中心で5割弱。ほかに船橋市と市川市から各1割程度で2学区全体では7割程度です。ほかに柏市、流山市、鎌ヶ谷市などの3学区から1割弱が進学してきています。

船橋啓明

船橋啓明は今年度より制服をリニューアルしました。その影響なのか志願者が25人増加し1.3倍にアップ。2021年度以降の最高倍率を記録し、受検生の2割以上が不合格になる厳しい入試でした。来年度は反動で志願者減になる可能性があります。入学生は船橋市で約半数、2学区全体で8割を占め、地元学区中心の入試になります。他に鎌ヶ谷市から1割強の進学者がいます。進学重視型の単位制高校で自分の進路にあった授業選択が可能なところが大きな特徴です。

市立船橋

市立船橋「普」は志願者が60人の大幅増で倍率が1.4倍台に急騰し、100人を超える不合格者がでる激戦でした。前年度に倍率ダウン(1.28→1.19倍)したことの反動による増加ですが、2021年度以降の最高倍率になりました。来年度は志願者減が予想されますが、制服が変更になるため倍率はそれほど下がらないかもしれません。部活動が活発で多くの種目で全国レベルの高い実績を挙げています。

松戸

松戸「普」は前年度(228人)とほぼ同じ志願者数になり倍率もほとんど動きませんでした。普通科の平均倍率(1.16倍)よりやや低い緩やかな入試になっています。芸術科が併設されていることから教科「演劇」が設けられているところが大きな特徴です。その芸術科は23人の志願者増で1.70倍にアップし、厳しい入試になりました。演劇部は有名で全国大会にも出場しています。

松戸六実

松戸六実の志願者数は2021年度より274→297→365→407→471人と増加傾向で、倍率は0.98→0.93→1.14→1.24→1.47倍と推移しています。志願者が増えた2022年度も定員割れになったのは募集学級数が増加したためです。今年度は受検生の3割強の不合格者がでる激戦でした。柏陵からの移動があったと思われます。入学生は3学区の柏市からの生徒がもっとも多く、3学区全体で過半数を占めています。地元の松戸市の生徒は2割程度。2学区全体でも4割弱にとどまる他学区からの入学生が多い学校です。

実籾

実籾の志願者数も増加傾向です。2022年度より361→380→398→403人と少しずつ増え、今年度は400人台を突破しました。倍率は1.24→1.26倍でほとんど変わっていませんが、2021年度以降の最高倍率になりました。2024年春までの4年制大学の進学実績が上昇傾向であることも人気を支えているのかもしれません。入学生は船橋市から3分の1、2学区全体で8割弱と地元学区中心の入試になっています。千葉市に近いことから同市からも2割弱の進学者がいます。

市川昴

市川昴の志願者数は2021年度より354→329→422→382→394人と増減を繰り返し、志願倍率は1.11→1.03→1.32→1.19→1.23倍と上下する隔年現象の動きがあります。今年度は志願者増、倍率アップの年でした。女子の多い学校でしたが、今年度は男子の入学者が増加し、男女比は5:5になりました。3年次の選択科目に韓国語と中国語があるところが特徴のひとつです。

八千代東

八千代東は志願者が19人の増となり、2021年度以降で初めて1倍を超えました。入学生は地元の八千代市の生徒で約3割、船橋市で約2.5割、佐倉市が約1.5割、習志野市が約1割などとなっており、2学区全体では約7割を占め、地元学区中心の入試になります。また千葉市からも1割程度の進学者がきています。今年度、柏井が学級減で志願者が減少していることから、千葉市からの受検者が増加しているかもしれません。2028年度に八千代西と統合し「学びの多様化学校(単位制普通科)」に改編される予定です。そのため体育館や教室棟の大規模改修工事が準備されています。来年度の入学生が高2になった2月(2028年)頃から仮設校舎の設置工事が始まるとのことで、統合の影響も含め入試の倍率が大きく動く可能性があります。

市川南

市川南は前年度の倍率ダウンの反動で志願者が12人増えましたが、1倍にはかろうじて届きませんでした。この5年間で4度目の定員割れです。通信制高校と競合する位置にあり、受検者層が薄くなっていると思われます。来年度以降も高倍率にはなりにくいと予想されます。保育士や幼稚園教諭を目指す生徒に対応した保育基礎コースが設置されているところが最大の特徴です。

船橋二和

船橋二和は2021年度より2023年度の3年間、定員割れの入試でした。しかし2024年度に学級減になって1倍を超え、今年度は志願者が61人の大幅増になり1.2倍台で最高倍率になりました。来年度はこの反動で志願者減が予想されます。入学生の6割強が地元船橋市の生徒で、地元中心の入試になります。ほかに鎌ヶ谷市から2割程度の入学者がいます。現在、校舎の大規模改修工事中です。

松戸馬橋

松戸馬橋も22人の志願者増で、2021年度以降の最高倍率になりました。1.2倍台も初めてです。学力的に通信制高校と競合する関係にあり、近年の通信制志向によって受検者層が薄くなっている中で、今年度は本校以外の同レベル校も志願者増になっている学校が多くあります。中堅層では志願者減になっていることからこの学力層の公立回帰が際立ちました。本校は部活動が活発であることのほかに国際理解教育に熱心で、オーストラリアの姉妹校と交流などの特徴があります。

船橋法典

船橋法典の志願者は19人増えたものの1倍には届かず、2021年度以降5年連続で定員割れの入試になりました。入学生は地元船橋市から約4割、市川市から約3割、2学区全体で約8割と地元学区中心の入試になります。他学区からは鎌ヶ谷市の生徒が約1割います。

船橋北

船橋北の志願者は16人減って倍率は0.8倍台にダウン。こちらも2021年度以降1倍を超えた年はありません。入学生は地元船橋市からの生徒で約半数を占めています。ほかに鎌ヶ谷市から1割、松戸市と八千代市でそれぞれ1割弱の進学者がいます。2028年度より船橋豊富と統合し総合学科高校に改編される予定です。新しい学校は船橋豊富の校舎が使用されることから、本校への志望者は今後変動する可能性があります。

浦安

浦安は24人の志願者増で倍率は1.04倍。2023年度から2年間定員割れが続いていましたが、3年ぶりに1倍を超えました。周辺地域の行徳や浦安南の志願者も増え、併願校としてよく利用されている東京学館浦安や東京学館船橋の志願者も増加していることから、通信制からの回帰といえそうです。学校行事が多彩で「よさこいソーラン発表会」が特徴になっています。

松戸向陽

松戸向陽「普」は2年連続で志願者増になり、倍率は1.1倍台に上がりました。2021年度以降の最高倍率を更新しています。福祉教育に熱心で福祉コースもあります。2022年度の魅力ある高校づくり大賞で優秀賞を得てから人気も上がってきているようです。しかし、今年度は数十人の不合格者もでたことから、来年度の入試ではやや敬遠されるかもしれません。

船橋古和釜

船橋古和釜の志願者は23人増えて、2021年度以降で初めて1倍を超えました。統廃合が予定されている船橋北や船橋豊富からの移動があったのかもしれません。地域連携アクティブスクールという特徴があり、学び直しを重視しするとともにきめ細かい教育相談体制も整っています。入学生は船橋市の生徒で約6割を占め、地元中心の入試になります。

八千代西

八千代西は1学級減での募集になりました。それに合わせるように志願者が27人減となり倍率ダウン。2021年度から1.14→0.85→0.62→0.47→0.41倍と下降傾向が続きます。2028年度より八千代東と統合され「学びの多様化学校(単位制普通科)」に改編される予定です。統合校は八千代東の校地に設置されることから、今後本校の入試状況に影響がありそうです。入学生は地元八千代市の生徒で約5割を占め、地元中心の入試になっています。

船橋豊富

船橋豊富も1学級減での募集でした。志願者数は21人の減で倍率はほぼ前年度並みであったものの、2021年度以降の最低倍率を更新しています。2028年度より船橋北と統合し、総合学科高校として生まれ変わる予定です。校舎は改修され、来年度の入学生は高3のとき新しい施設・設備で学ぶことになるようです。本校では高2より福祉、情報、文理の3コース設置されていますが、統合校の総合学科でもこれらのコースを系列として継続し「ウェルビーイング」「情報クリエーター」「スポーツ科学」「一般教養」の4系列を設置するとのことです。

行徳

行徳は前年度に0.5倍台の低い倍率を記録したことから、今年度は反動があり志願者が17人増えて0.6倍台にあがりました。しかし2021年度以降1倍を超えたことはありません。2024年度から地域連携アクティブスクールとなり、入試の検査項目が変更になったほか、インターンシップを導入するなどキャリア教育にも力を入れるようになりました。

浦安南

浦安南は1学級減で募集し、そのうえ志願者が9人増となったことから倍率は0.7倍台に上がり、2021年度以降でもっとも高い倍率になりました。しかし定員割れは変わっていません。通信制と競合する位置にあることから受検者層が薄くなっており、高倍率になりにくい環境にあります。近隣の浦安や行徳も志願者増になっていることから、今年度は通信制高校からの揺り戻しがあったようです。

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