
10月24日,県教委から2026(R8)年度の公立高等学校募集定員が発表されました。
2026(R8)年3月の県内公立中学校卒業予定者数は前年度同期とほとんど変わらないことから,公立高校の募集定員も前年度並みの40,108人になりました。しかし,新設校が2校誕生するほか募集学級の増減は前年度より多くなっています。どのような学校が誕生し,どのような学校で募集数が増減するのかまとめましたのでご参考ください。
各校の募集定員はこちらからご覧になれます。
令和8年度神奈川県公立高等学校生徒募集定員について – 神奈川県ホームページ
目次
卒業予定者数と募集定員

※R7年度の卒業予定者数は前年度定員発表時のもの
全日制の定員の概要

※()内は前年度(R7年度)との差
2026(R8)年度 全日制募集停止校

2026(R8)年度 新設校

小田原北は小田原城北工業と大井の統合校,普通科はクリエイティブスクールです。
青葉総合は田奈と麻生総合の統合校で総合学科のクリエイティブスクールです。
2026(R8)年度 公立高校募集定員増減表(全日制のみ)
以下は募集学級数が変わり定員の増減があった学校の一覧です。


川和
川和は3年ぶりの学級増です。前回のR5年度のときは志願者数の増減がなく,募集増の分倍率が下がり過去最も緩やかな入試(実質倍率1.16倍)になりました。来春の入試では地元都筑区をはじめ緑区や青葉区の生徒数が減少していることや,今春,志願者が大幅に増加(志願確定者数399→449人)したことから志願者減になる可能性が高く,高倍率にはなりにくい状況にあります。
舞岡・金井
舞岡と金井はR13年度に統合され,舞岡の校地に新校が誕生します。金井はR11年度より募集停止になる予定です。舞岡の学級増は川和と同様,3年ぶりです。その時は志願者が100人以上増加し,過去最も高い倍率を記録しました。その前の学級増はH29年度でこの時も志願者が50人以上増えていることから,学級増になると志願者が増加する傾向があるようです。来春は学級減になる金井からの移動も予想され志願者増になる可能性が高いと思われます。ただ50人増えても1.1倍台と今春並みでとどまるのでそれほど高倍率にはならないかもしれません。一方,金井は今春学級増で募集したため8学級に戻した形です。志願者数はR4年度より390→436→369→404人と増減を繰り返しており,来春は志願者減の年に当たります。仮にR6年度並みの370人とすると1.16倍,R4年度の390人とすると1.23倍になります。志願者減になるにしても1.2倍前後のやや高めの倍率になりそうです。
松陽
松陽はR5,R6年度と2年続いた増学級からR7年度は元の7学級に戻ったものの,また8学級での募集になります。この3年間,志願締切時は1倍前後の低めの倍率で志願変更によって20~30人程度増加し,1.1倍前後まで上がるという入試が続いています。また,志願確定者数はR4年度より376→335→368→313人と増減を繰り返す隔年現象があり,来春は志願者増の年に当たります。従って370人程度の志願者数と仮定すると倍率は1.16倍になり,今春よりやや上がるような形です。
生田
生田は志願確定倍率1.2~1.3倍台で安定した入試が続きます。今春は私立志向の影響か受検棄権者と受検後取消が多かったため,実質倍率が1.1倍台に下がりやや緩やかな入試になりました。今回の10学級募集は3年ぶりで,前回のR5年度入試の時は494人の志願者が集まりました。来春も同程度まで増加すると考えると志願倍率は1.24倍になり例年の倍率になります。しかし今春のように棄権率や取消が多くなれば,今春と似たような実質倍率なるかもしれません。
百合丘
百合丘が10学級募集になるのはH25年度以降で2回しかありません。今回が3回目ですが前回のR5年度の志願者数は501人,H30年度は404人でした。通学圏はそれほど広い方ではなく,川崎市の北部(高津区,宮前区,多摩区,麻生区)で7割強を占める地元生中心の入試になっており,これらの地域の生徒数は今春とほぼ同じです。それ以外では横浜北部から1割強の入学生がいますが,青葉区,緑区,都筑区の生徒数は減少しています。これらのことから来春の志願者数は大幅な増加は考えにくいのですが,仮に今春(376人)より多い400人程度としても1倍をかろうじて超える程度の緩やかな入試になります。
追浜
追浜は3年ぶりの学級増です。横須賀市の生徒数が約100人増加しているのでその対応と思われます。今春の入試では志願者増となり実質倍率1.41倍と受検生の3割が不合格になる厳しい入試だったので,来春は志願者減が予想されるところです。しかし3年前に学級増になったとき志願者は増加したことからも来春はさらに増えるかもしれません。ただ今春と同じ394人とすると1.24倍でH25年度以降でもっとも多かった401人としても1.26倍となり今春よりは楽な入試になります。
鎌倉
鎌倉が増加し七里ガ浜が減少します。鎌倉は3年ぶりの9学級募集,七里ガ浜は前年度の増学級から元の9学級に戻る形です。両校とも人気校で高倍率入試が続いており,今回の募集人員の増減によって緩やかな入試になるとは考えられません。鎌倉が増学級になることから七里ガ浜の受検者の上位層が挑戦しにくる可能性があります。また七里ガ浜もこの5年間,志願者数は500人を優に超えているので,仮にそのうちもっとも少ない516人としても1.44倍の高倍率になります。
藤沢西
藤沢西も人気校で,今回の学級増は受検生にとっては朗報ではないでしょうか。しかし,過去8学級募集であったR5,R6年度入試ではいずれも志願者が410人台で倍率1.3倍程度の高めの倍率になりました。来春も400人を超えるとすると志願倍率は1.26倍以上になります。
西湘
西湘は4年ぶりの増学級です。この年は志願締切時は定員割れで志願変更によってかろうじて1倍を超えるという本校としては緩やかな入試でした。もともとそれほど高い倍率にはならないので,最近の5年間でもっとも志願者が多かったR3年度の377人に増えたとしても倍率は1.08倍で今春(1.16倍)より緩和されます。
伊志田
伊志田も3年ぶりの増学級です。茅ケ崎・寒川地区の生徒数が約50人増加することへの対応のようです。前回増学級になったR5年度入試では志願締切時に定員割れとなり,志願変更で1倍を超えるという西湘と同じ動きでした。また,この5年間の志願者数は300~320人程度で安定しており,来春もこれ以上増えるということは考えにくい状況です。320人としても1.04倍に下がるので緩やかな入試になると予想されます。
座間
座間はさらに志願者数が350~360人台と安定しており,大きく変動することが少ない学校です。学級増はやはり3年ぶりですが,この年も志願者増にはならず倍率は1.10倍に下がりました。しかし,大和・座間・綾瀬地区の生徒数は120人増加するので,この地域から入学生の7割以上を受け入れている本校としては影響を受ける可能性が高く,大幅な志願者増になることも考えられます。ただ仮に最近の10年間でもっとも多いR2年度の390人としても1.23倍になり,これは今春(1.32倍)より低い倍率です。
寒川
寒川は学級減で6学級募集になります。R12年度に茅ケ崎西浜と統合する計画で,本校はR10年度に募集停止となります。この2年間の入試状況はいずれも志願者数が募集人員の半数程度でとどまり,倍率はR6年度が0.54倍,R7年度は0.58倍でした。近年人気が上がってきている通信制高校と競合する位置にいることから志願者が増えないのではないかと思われます。茅ケ崎・寒川地区の生徒数は約50人の増ですが,影響はほとんどないでしょう。仮に志願者が増えて3年前の214人や4年前の223人になっても定員割れからは抜け出せません。
横浜清陵
横浜清陵の学級増は3年ぶりです。8学級募集はH25年度以降2回あり,今回が3回目になります。過去の2回はいずれも志願者が増加し400人を超えました。横浜南部地区(旧横浜南部と旧横浜臨海)の生徒数は120人減少するものの,入学生は横浜市内全域のほか川崎市や横須賀・三浦地区からもきており通学圏が広く,生徒数減の影響はあまりないのではないでしょうか。従って,来春も400人を超える志願者が集まる可能性があり,そうなると倍率は1.31倍で今春(1.35倍)とほとんど変わらない高倍率になります。
座間総合
座間総合も3年ぶりの7学級募集になります。ただし,在県外国人等特別募集の募集数を5人増やして15人にしたことから他校のように39人増ではなく35人の増になっています。7学級募集は過去に4回ありますが,志願者数は280~290人ほどで本校としては多い方の人数になります。先に述べたように大和・座間・綾瀬地区の生徒数は120人増となるため,来春も志願者増の可能性があります。しかし仮に280人とすると1.06倍,290人では1.10倍となりいずれも今春(1.17倍)より緩和されます。