PAGE TOP

2025(R7)年度 千葉県私立高入試を振り返って

入試情報

NEW!

2025.11.28

2025.11.28

千葉県の公立高校受験の仕組みや選抜方法

千葉県の私立高入試は1月17日からはじまる前期選抜と2月15日からの後期選抜の2期制ですが、後期選抜を実施する学校は2025(R7)年度入試では全日制53校中13校で募集数は193人、全体(12,673人)の1.5%に過ぎません。

従って、実質的には前期選抜で入試が終わるといっていいでしょう。

そんな千葉県の私立高入試が今春どのように行われたのか振り返ってみましょう。

難関3校の応募状況

最初に渋谷教育学園幕張、市川、昭和学院秀英の難関3校の応募状況から見ていきましょう。

渋谷教育学園幕張

※実質倍率は受験者÷合格者です。以下同じ。

渋谷教育学園幕張(学力)の応募者数は男女とも約1割の減でしたが、合格者数が男女異なる動きになったことから、実質倍率では明暗が分かれました。

男子は前年度に絞ったためか、今春は約2割の増となり180人台に上り、実質倍率は2倍台に下がりました。一方、女子は2023年度並みに減らしたため実質倍率が上がり、前年度縮まった男女の差がまた拡大しています。

2026年度は募集人員が55人から35人に減少します。これにより合格者も減る可能性があるため、かなり厳しい入試になりそうです。

渋谷教育学園幕張高等学校HP

市川

市川の実質倍率は2022年度に応募増と合格者減で男女とも2倍台に高騰した後は少しずつ下がってきています。今春も応募者減と合格者増によって、コロナ禍で難関校が敬遠された2021年度入試並みに下がりました。

単願入試は女子の入試状況に変動があります。応募者数、合格者数とも少ないため、多少の人数の変化でも倍率が大きく動くからです。しかし今春は応募者が増え、合格者も若干増加したことから、前年度並みの倍率で落ち着きました。変化があったのが男子で、応募者が3年前と同水準まで減少。一方で合格者数が増えたため実質倍率はこの5年間でもっとも低い1.4倍台まで落ち込みました。

2026年度は募集要項に大きな変更はないものの、渋谷教育学園幕張の募集人員が減るため、本校に影響を及ぼす可能性があり要注意です。

市川高等学校HP

昭和学院秀英

昭和学院秀英は女子の実質倍率が上がりました。男子は応募者も合格者もそれぞれ1割弱の減であったため変動はありませんでしたが、女子は応募者が前年度並みであったものの合格者を2割以上減らしたからです。実質倍率の2倍台は4年前の2021年度以来です。 2026年度は出願条件をクリアした第一志望者に対して、入試得点に5点加点する「第一志望加点制度」を導入します。これにより応募状況に変化が生じ、併願合格者数に影響を及ぼす可能性があるので注意しましょう。

昭和学院秀英高等学校HP

上位校の応募状況①

芝浦工業大学柏

芝浦工業大学柏の応募者数は前期①(1/18)、前期②(1/19)とも緩やかな減少傾向にあります。GSの実質倍率は10倍を超えており、GLも3倍台が続く厳しい入試になっていることから敬遠傾向にあるのかもしれません。今春は男子の応募者が減少したことで前期①②とも最近の5年間でもっとも少ない人数になりました。その結果、実質倍率はGSは応募減の分、GLは合格者を増やした分それぞれ下がっています。

2026年度も募集要項に大きな変更はありません。この傾向が続くのか、反動が起こるのかわかりませんが、県内の生徒数がほとんど変わらないこと、在籍者の約9割が県内の生徒であることから大きな変動はないと見込まれます。

芝浦工業大学柏高等学校HP

専修大学松戸

※E類の合格者数に特待合格含む

専修大学松戸はA類の応募者は約270人。1割強の減になりましたが、合格者も約1割減ったため実質倍率は動きませんでした。日本大学習志野や都内の東洋、安田学園などに流れたのではないかと思われます。

E類もわずかですが減っているものの、A類同様合格者を絞ったためこちらも実質倍率は変わりませんでした。

2026年度も募集要項に大きな変更はありません。しかし、来年度に予定されている就学支援金が拡充されると、県内の受験生が都内の私立高に流出することが予想されるので、東京都に近い本校の応募状況に影響を及ぼすかもしれません。

専修大学松戸高等学校HP

日本大学習志野

日本大学習志野は、2024年度に一般入試日を1/17のみから1/18を加え、2日間設けたため応募者が急増。2,000人を大幅に超えました。今春もさらに約100人増え、人気は衰えませんでした。合格者も応募増の分増やしたため、実質倍率はやや下がったものの2倍台を維持しています。

2026年度は特別入試の出願基準が上がるほかは大きな変更はありません。近隣の東葉のS特進が伸びてくると本校にも影響がでてくるかもしれません。

日本大学習志野高等学校HP

上位校の応募状況②

成田

成田の応募者は減少傾向が続いています。しかしそれに合わせて合格者も絞っており、実質倍率は高めです。

今春は応募者が1割弱減少したものの、合格者は前年度並みに出したため、実質倍率はやや下がりましたが本校としての標準的な倍率を維持しています。

今春の特徴は特進αの合格者が増え、進学が減ったことが挙げられます。受験生の上位層が厚くなっているのかもしれません。

2026年度は英検準2級プラスを加点対象にするほかは大きな変更はありません。英検加点は準2級で10点なので、もっていれば有利になります。

成田高等学校HP

千葉日本大学第一

千葉日本大学第一の応募者は変動が大きく安定していません。募集要項を頻繁に変更しており、その変更に合わせて増減します。2022年度は併願推薦を導入したため応募増。2023年度は基準を上げて応募減。2024年度は進学に推薦を復活させたため増加しました。

今春は珍しく大きな変更がなかったためか、ほぼ前年度並みの応募者数を集めていますが、次のグラフにあるように一般入試の応募者は減少し、合格者も絞られたため実質倍率が上がりました。減った分は併願推薦に移動しており、出願基準が変わらなかったことから、一般からシフトしたと考えられます。

2026年度も募集要項に大きな変更はありませんが、英検加点で準2級プラスは準2級と同じ+5点になります。

千葉日本大学第一高等学校HP

日出学園

日出学園の応募者数は2024年度まで減少傾向にありました。2022年度の基準アップ、2023年度の推薦募集人員減などが影響したと考えられます。2024年度は千葉日本大学第一の進学が推薦入試を復活させたことが響いたようです。しかし2025年度は前年度並みの応募者を確保し、減少傾向に歯止めがかかりました。2024、2025年度と募集要項に変更がなかったので受けやすかったのかもしれません。

特進の出願基準は進学と共通ですが、学力検査で300点満点中200点以上をとる必要があります。特進の応募者も減少傾向が続いており、2025年度も変わりませんでした。一方で合格者は前年度並みにでているため実質倍率が下がり、3年ぶりに1倍台に落ち込みました。

2026年度は推薦の募集人員を20人から50人に増やすので応募者が増加しそうです。

日出学園高等学校HP

流通経済大学付属柏

流通経済大学付属柏の応募者数は増えたり減ったりしています。2022年度は特進、総進ともに基準を上げたため両コースとも応募減。2024年度は総進のみ基準が上がり、特進は変更なかったため、総進のみ応募減になりました。そして2025年度は基準の変更がなかったことから、総進が増えて特進は前年度並みを維持しています。このようにして徐々にレベルアップを図ってきています。

2026年度は中学校からの高校進学があるため、募集人員が大幅に減少(341→191人)するほか、併願基準を廃止し、しかも単願基準が上がるためかなりハードルが上がります。

流通経済大学付属柏高等学校HP

八千代松陰

八千代松陰の応募者数は大きく変動しています。2023年度は出願条件が厳しくなったため、2024年度は進学のみ元に戻したためです。2025年度は一部コースの条件を厳しくしましたが、近隣の千葉英和で併願基準を廃止したため応募者が激減しており、その影響を受けたようで応募者は増加しました。コース別でみるとIGSの増加が目立っていますが、これは2024年度の実質倍率が2.00倍から1.67倍に下がったためと思われます。しかし今春はまた2.04倍と2倍台に戻りました。

2026年度は出願のハードルが上がる可能性があるので要注意です。

八千代松陰高等学校HP

麗澤

麗澤は2024年度にそれまで増加傾向であった応募者数が減少に転じました。これは近隣の二松学舎大学大学附属柏で出願条件が利用しやすく変更になり、応募者が大幅に増加した影響を受けたものと考えられます。しかし2025年度は一転して増加し、近年でもっとも多い800人以上の応募者を集めました。これは、その二松学舎大学附属柏でB推薦のハードルを上げたことのほか、本校でも英検加点の加点幅を拡大したためです。その結果、S特進、特選とも実質倍率が上がり、両コースとも2倍を超え厳しい入試になりました。

2026年度は英検準2級プラスが加点されるほか、複数回受検の加点を新設するなどより利用しやすくなります。

麗澤高等学校HP

中堅~上位校の志願状況

※後期選抜を実施している場合は、その応募者数も含みます。

東海大学付属浦安

東海大学付属浦安の応募者は2023年度に急激に減少しました。その前の2022年度入試の実質倍率が急騰したことで併願者が減少したためです。翌2024年度には増加に転じており、以降、一般併願入試の実質倍率は2.1倍台で安定しています。

2025年度は一般併願の応募者が増加しましたが、合格者もそれに合わせて増やしたため実質倍率は変わりませんでした。

推薦入試も出願条件に変更がなかったため、前年度並みの応募者を確保しています。

2026年度も募集要項に大きな変更はないので、応募状況も変動は少ないと予想されます。

東海大学付属浦安高等学校HP

西武台千葉

西武台千葉は、2024年度に単願、併願ともに合格ラインのハードルを上げたことで応募者が減少しました。2025年度は募集要項に大きな変更はなかったものの、応募者は増えず単願、併願ともに前年度並みの少ない人数のままでした。グラフにはありませんが、1/17と1/18の併願入試では応募者の約9割が1/17を利用します。これは私立併願者より公立併願者が圧倒的に多いことを示します。

2026年度は募集人員がやや増えるほかは大きな変更はありませんが、私立志向が高まると併願の応募者が減るかもしれません。

西武台千葉高等学校HP

二松学舎大学附属柏

二松学舎大学附属柏は募集要項の変更が多い学校で、応募者数も大きく増減します。2023年度は進学コースの募集人員を減らし(85→50人)、B推薦(併願)を廃止。さらに併願入試の加点ポイントをなくしたことから応募者はほぼ半減しました。翌2024年度はB推薦(併願)に加点ポイントを復活し応募増になったものの、進学はB推薦がないままだったので2022年度までの応募数には届いていません。2025年度はまたB推薦(併願)から加点ポイントを廃止したことから応募者は約3割減りました。しかしコース別でみると、S特進が15%、特進が45%、進学が27%減とS特進の減少率がもっとも小さく、学力上位層の本コースへの期待が大きいことを示しています。

2026年度は進学が募集停止になります。近年は応募者も少なかったので、大きな影響はないでしょう。

二松学舎大学附属柏高等学校HP

千葉経済大学附属

千葉経済大学附属は2021~2023年度までの3年間、応募者数に変動はありませんでした。しかし、2024年度に近隣の千葉敬愛でB推薦(併願)が廃止されたため、その影響を受け大幅増。翌2025年度は本校の基準が上がり、約500人の減と大きく増減するようになりました。

2026年度は、本校の募集要項の変更はありませんが、敬愛学園でB推薦が復活し利用しやすくなることからその影響を受けそうです。

千葉経済大学附属高等学校HP

千葉商科大学付属

千葉商科大学付属は募集要項の変動の激しい学校で、しかも年々合格のハードルが上がっています。2022年度に選抜進学と進学が統合し総合進学に改編されたことから、コース別のグラフは2022年度からになっています。2024年度はその総進の基準を上げたものの応募者は増え、高い人気ぶりをしめしましたが、翌2025年になると、特選、総進ともに基準を上げたためさすがに応募者は減りました。

2026年度は総進でまた基準が上がりますが、一方で一般入試の単願受験者に加点制度を導入するなど利用しやすくなる面もあります。

千葉商科大学付属高等学校HP

中央学院

中央学院が2024、2025年度と応募増になったのは、日本体育大学柏のハードルが上がりつづけているからで、本校の出願条件などの変更は近年はありません。2025年度入試の特徴は進学の一般選抜の応募者が急増したことにあります。内申等の出願基準がなく学力検査の結果で合否が決まることから、基準に足りない受験生が集中したのかもしれません。しかし、合格者を増やしたものの、実質倍率が急騰し厳しい入試になりました。

2026年度は日本体育大学柏でコース改編があり、従来のコースよりハードルが高いので、本校の応募者数も多いままで推移しそうです。

中央学院高等学校HP

光英VERITAS

光英VERITASは2021年度に男女共学、校名変更をしてから応募者は増加傾向が続いています。

特待選抜入試で受験すると、特待合格しなくても推薦、一般で合格する可能性があるため、その受験を推奨しており、全受験者の約半数が特待選抜入試を受けています。ただ特待生合格になるのは難しく、グラフにあるように年々実質倍率が上がっており、2025年度も7倍を超えました。

2026年度は基準が上がることから、応募者減が予想されますが、特待選抜の厳しさは変わらないのではないでしょうか。

光英VERITAS高等学校HP

東海大学付属市原望洋

東海大学付属市原望洋の応募者は2年連続で増加しています。これは総合進学の増加によるもので、敬愛学園の進学のB推薦廃止(2024年度)、市原中央の応募者減(2025年度)の影響を受けていると考えられます。この結果、最近の5年間でもっとも多くの応募者数になりました。

2026年度も募集要項に大きな変更はありませんが、敬愛学園でB推薦を復活させるので本校にも影響がでるかもしれません。

東海大学付属市原望洋高等学校HP

敬愛学園

敬愛学園は応募者の減少傾向が続きます。2023年度は基準アップ、2024年度も基準を上げたほか、進学のB推薦(併願)を廃止し、応募者は激減しました。2025年度は募集要項に大きな変更はありませんでしたが、2023、2024年度と一般入試の実質倍率が2倍を超える高倍率になったため、それが敬遠され応募減が続くことになりました。その一般入試の合格者は前年度より30人多い153人になったことから、実質倍率は大幅に下がっています。

2026年度は進学のB推薦を復活させるので、応募増が予想されます。

敬愛学園高等学校HP

東葉

東葉は近年、急激にレベルアップしている学校の一つです。2022年度に基準を上げて応募者が減少したものの、翌2023年度は制服を変更したことが影響したのか大幅な応募増となり、2024年度は進学の併願推薦を廃止し、他コースでは基準を上げました。2025年度は進学を募集停止し学力レベルの底上げを図りましたが、応募者は逆に増加しています。

2026年度は特進の併願推薦を廃止するなどの変更を行います。応募者は減少すると予想されますが、学力レベルはさらにアップするでしょう。

東葉高等学校HP

あなたの条件に合った

志望校検索サイトを
見てみよう!

あなたの条件に合った
志望校検索サイトを
見てみよう!

Research

1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)の志望校探しのお手伝いをいたします。
「単願入試」「併願入試」「都立高校入試」に特化したサイトをはこちらから。