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2025(R7)年度 神奈川県進路希望調査の結果発表!

入試情報

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2025.12.12

2025.12.12

神奈川県の公立高校受験の仕組みや選抜方法

11月28日、神奈川県教育委員会から2026(R8)年度入試に向けた10月20日現在の進路希望調査の結果が発表されました。

その概要をまとめましたのでご参照ください。なお、詳細は以下のページをご覧ください。

令和7年度 公立中学校等卒業予定者の進路希望の状況
「令和7年度 公立中学校等卒業予定者の進路希望の状況」集計結果(概要と統計表) – 神奈川県ホームページ

全体的な特徴

まず、全体的な特徴を見ていきましょう。

※上段は希望者数、下段は卒業予定者数に対する割合。

全日制・定時制・通信制,公立高・私立高への希望状況をまとめた上記の表を見ると、次の特徴を挙げることができます。

  1. 全日制高校への希望率は88.8%で低い水準で推移。
  2. 県内公立高への希望率が一気に2.3ポイントダウン。
  3. 県内外の私立高への希望率が大幅にアップ。
  4. 通信制高校への希望率は増加しているものの0.2ポイントアップに留まる。

全日制への希望率は前年とほぼ同じ88.8%で低いままでした。これに対して通信制は毎年過去最高割合を更新しているものの、上昇率は0.2ポイントに留まりました。

公立高校への希望者数は、72.7%で前年度より2.3ポイントの大幅ダウン。今の入試制度になった2013(H25)年度以降でもっとも低い希望率になりました。一方で県内私立高の希望率は、1.7ポイントアップ。初めて2桁になり、県外私立の希望率も5%に上がり、私立志向の高まりを感じさせる希望状況になりました。

公立の希望率がここまで下がると、実際の入試でも公立高入試の倍率は今春(志願締切時の倍率1.17倍)より下がる可能性が高いと予想されます。

県内公立校希望者の学科別希望状況

※上段は希望者数、下段は公立希望者計に対する割合。

前年度は普通科の希望率が下がり、専門学科と総合学科が上がりました。その結果、実際の入試(志願締切時)では1.24倍から1.22倍にダウン。単位制普通科も1.19倍から1.12倍に下がりました。一方、専門学科は0.94倍から0.99倍にアップ。単位制専門学科も1.20倍から1.26倍に上がり、希望状況と同様の動きになりました。ただ総合学科は1.17倍から1.15倍にダウンし、希望状況が反映されたものにはなりませんでした。

今回の調査では前年度とは逆で普通科がアップし、専門学科と総合学科はダウンしました。従って、全体の倍率は下がっても普通科の倍率は大きくは下がらないかもしれません。

専門学科で目立つ動きのあった学校

専門学科で目立った動きのあった学校を挙げてみましょう。

川崎工科は44人増(127→171人)、隔年現象があり倍率が上がったり下がったりする学校です。今春の入試では倍率ダウンしたので来春は上がる年に当たります。

藤沢工科は37人の減(158→121人)。同じく隔年現象がありますが、川崎工科とは逆の動きで今春は志望者増でした。

市立川崎総合科学は73人の減(272→199人)。今春の入試では「総合電気」をはじめ「電子機械」「建設工学」「デザイン」の4学科で倍率アップ。「情報工学」も高倍率を維持したことから敬遠されたようです。

新設の小田原北は112人で、前年度の小田原城北工業の110人とほとんど変わりませんでした。

商業科では厚木王子が48人増(130→178人)。入試の志願者数は減少傾向で、今春は不合格者が1人のみの緩やかな入試であったため、その反動が現れた形です。

市立幸は38人減(118→80人)。今春の入試では志願倍率が1.5倍台まで急騰し受検生の3割が不合格になる激戦であったため警戒されたと思われます。

総合学科では市立みなと総合の124人減(512→388人)が目立っています。やはり隔年現象があり、来春は倍率アップの年に当たっていますが、今回の調査では逆に希望者は大幅に減りました。学力レベルが近い横浜栄や松陽などに流れているのかもしれません。

学力向上進学重点校とエントリー校の希望状況

単位制含む普通科の希望者は前年度より約1,000人減りました。どのような学校が減ったのでしょうか。

以下、「希望者」「希望倍率」は進路希望調査時の希望者数、希望倍率。「志願者」「志願倍率」は実際の入試の志願者数、志願倍率をいいます。

<学力向上進学重点校とエントリー校の希望状況>

※倍率は志願締切時のものです。

上記の学力向上進学重点校とエントリー校の希望者数は8,936人で前年度とほとんど変わっていません。つまり学力上位層では私立志向の中でも希望状況に変化はなかったということができます。しかし個々には増減があるので、目立った動きのあった学校をいくつか見ていきましょう。

湘南の69人減が目立っていますが、最近の5年間の希望者数は784→921→880→901→832人と増減を繰り返しており、今回もその流れの中での減少といえます。この間、志願倍率は1.69→1.88→1.83→1.76倍と比較的安定していることから、来春の入試でも1.7~1.8倍の範囲で高倍率を維持するものと見込まれます。

多摩は81人の大幅減になりました。希望者数は681→635→640→654→573人と前年度までは650人前後で安定していたので、今回の希望者数は例年にない少なさといえます。入試の志願倍率は1.98→2.07→1.68→1.85倍と高倍率が続いていましたが、来春は倍率が下がる可能性が高いと予想されます。

川和は逆に84人の増。希望者数は550→516→441→526→610人と推移し、今回は近年にない多い人数になりました。多摩からの移動があったのかもしれません。志願倍率は1.39→1.21→1.28→1.49倍と安定していませんが、来春は募集増になることから、志願者が増加しても前年度並みの1.4倍台で留まるのではないでしょうか。

鎌倉は69人の減です。希望者数は726→688→716→629→560人と前年度までは増えたり減ったりしていました。志願倍率もそれに合わせて1.71→1.42→1.67→1.44倍と上がったり下がったりしています。この流れからすると来春は志願者増、倍率アップの年ですが、希望者数は逆に500人台に落ち込みました。しかも募集増になるので志願倍率が下がる可能性が高いと考えられます。

茅ケ崎北陵は79人の大幅増。鎌倉からの移動があったのかもしれません。希望者数は362→415→313→280→359人と減少傾向から増加に転じました。入試の志願倍率は1.51→1.45→1.28→1.19倍と下降傾向が続いていますが、今回の希望状況から志願倍率は上がる可能性が高いと予想されます。

学力・倍率面で比較的入りやすい学校

では、どのような学校が希望者数を減らしたのでしょうか。

以下の15校は学力面でも入試の倍率面でも比較的入りやすい学校です。これらの15校で普通科全体の約4割、370人希望者が減っています。従ってこの学力層が私立志向の影響を強く受けたことを示しています。

<学力・倍率面で比較的入りやすい学校の希望状況>

何校かみていきましょう。

白山は51人の減です。希望者数は306→233→260→237→186人と推移し、今回はこの5年間で初めて100人台に落ち込みました。これまでの志願倍率は1.24→0.80→1.07→1.21倍と推移しています。3年前の2023(R5)年度は募集増になったことで定員割れになりました。今回、募集数に変更はありませんが、これだけ希望者が減ると、志願倍率も1倍に達しない可能性があります。

横浜桜陽は56人減りました。これまでの希望者数は207→217→223→209→153人となっており、今回はこの5年間で初めて200人を切りました。永谷と統合し2027(R9)年度より新しい学校として開校することから、その影響もあったのかもしれません。志願倍率は1.02→1.07→1.01→0.90倍と下がっており、今春の2025(R7)年度は希望者数が200人を超えていたのにもかかわらず定員割れになりました。来春はそれ以上に減っているため、定員割れになる可能性が高いと見込まれます。

は83人の大幅減です。希望者数は232→224→204→199→116人に減少傾向になっています。一方、志願倍率は0.87→0.87→1.00→0.90倍と推移。3年前の2023(R5)年度の0.8倍台から2024(R6)年度に1.00倍台に上がったのは、募集学級数が9学級から7学級に減少したからです。今春の2025(R7)年度入試では志願者減となり、2023(R5)年度に近い倍率に下がりました。志願者数は希望者数より50人以上増加する傾向がありますが、ここまで減ると150人増えても1倍には達しません。

二宮は64人の減です。この5年間の希望者数は163→202→171→161→97人で、やはり最近は減少傾向になっています。しかし実際の志願者数をみると196→206→210→200人と必ずしも減少傾向にはなっていません。倍率は0.82→0.87→0.88→0.84倍で0.8倍台の定員割れの状況ですが安定しています。しかし、希望者数が100人に達しなかったのは近年ではないことなので、志願倍率は例年より大きく下がる可能性があります。

希望者減が目立つ中堅層の学校

中堅層の学校でも希望者減が目立ちました。

藤沢西69人減(694→625人)

元石川56人減(541→485人)

岸根69人減(649→580人)

上溝南58人減(421→363人)

伊志田46人減(361→315人)

鶴嶺46人減(445→399人)

横浜清陵94人減(493→399人)

霧が丘81人減(382→301人)

伊勢原65人減(345→280人)などが挙げられます。

この中には藤沢西(志願倍率1.38→1.54倍)や岸根(同以下同じ1.38→1.80倍)など今春の入試で志願倍率が高騰し、それが今回の希望者数に影響を及ぼしたと考えられる学校もありますが、元石川(1.41→1.38倍)、上溝南(1.03→1.01倍)、伊志田(1.27→1.17倍)、鶴嶺(1.19→1.08倍)、横浜清陵(1.70→1.40倍)、霧が丘(1.28→1.13倍)、伊勢原(1.53→1.34倍)など倍率が下がったのに希望者が減った学校も多いことから、これら中堅層も私立高に向かったと考えることができます。

最後に

今回の希望状況がそのまま実際の入試状況になるとは限りません。この調査は10月20日現在のものなので、その後志望校の変更があり得るからです。

しかし全体的な傾向として、公立高の倍率が下がりそうなことや普通科高校では上位層には大きな変化がなそうなこと、中堅層や入りやすい学校などは倍率が下がる学校が多く出てきそうなことなどは予想できるのではないでしょうか。

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