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2023(令和5)年度 神奈川県私立高入試概況

入試情報

2023.07.14

2023.07.14

神奈川県の公立高校受験の仕組みや選抜方法

2023(R5)年度の神奈川県私立高入試はどのように行われたのか振り返ってみましょう。

難関3校の状況

はじめに県内の難関3校の応募状況を見ていきましょう。

まずは推薦・書類選考の状況です。

<推薦・書類選考>

2020202120222023
慶應義塾102819289
法政大学国際212216214212
法政大学第二340354343336
654651649637

続いて一般・学科試験の応募状況です。

<一般・学科試験>

2020202120222023
慶應義塾1,2021,0761,2281,277
法政大学国際473368429423
法政大学第二788693745797
2,4632,1372,4022,497

3校合わせた一般入試・学科試験の応募者数は、2021年度に約330人減少し、2,100人台まで減りました。これはコロナ禍により受験生の安全志向が強まった結果と考えられます。しかし翌2022年度は2,400人台に戻り、今春の2023年度はさらに増加して挑戦志向が復活しました。

慶應義塾は3年ぶりに二次試験(面接)を実施、一次試験では2019年度(576人)並みの575人を合格とし、二次で457人の合格者をだしました(2019年度は440人)。二次試験を実施しなかった2022、2021年度は470人台の合格者がでていたのでやや絞った形ですが、コロナ前の選抜状況に戻ったといえそうです。

法政大学国際の学科試験には前年度並みの応募者が集まりましたが、この4年間の合格者数は118→115→129→139人と増加しており、実質倍率も3.77→3.02→3.16→2.86倍と下降傾向です。今年度は2倍台まで下がって同校としては緩やかな入試になりました。

法政大学第二も学科試験の合格者数が216→185→233→255人と増やしており、それに合わせて実質倍率も3.56→3.69→3.11→3.00倍と下がってきています。両校とも合格者を増やしているということは挑戦志向によって併願受験者が増加していることを示しています。

上位校の状況

次に上位校の推薦・一般入試の応募状況をそれぞれ見ていきましょう。

<推薦>

2020202120222023
桐蔭学園188255265309
日本大学149200147129
中央大学附属横浜34353036
山手学院
桐光学園76556277
日本女子大学附属78788075
日本大学藤沢112153188169
鎌倉学園455402357381
東海大学付属相模161109221243

<一般入試>

2020202120222023
桐蔭学園2,6482,9383,7384,190
日本大学695774560599
中央大学附属横浜581650850813
山手学院1,5101,4841,3381,429
桐光学園688686667628
日本女子大学附属85186158139
日本大学藤沢1,0771,389923706
鎌倉学園1169210481
東海大学付属相模336315352316

桐蔭学園は、2020年度に推薦基準をアップしたものの、翌2021年度は元に戻し、さらに書類選考の基準も緩和しました。2022年度はプログレスの書類選考で検定資格所持の場合の基準を設定したほかは大きな変更はありませんでしたが、青稜が書類選考を取りやめたことや桜美林の出願条件が変更したことが影響したのか、応募者は大幅に増加しました。そして2023年度は募集要項の変更はありませんでしたが、朋優学院の基準アップの影響を受けたのか、さらに応募増となり一般入試だけで4,000人を超えました。また、オープン入試の応募者も2020年度より339→541→807→919人と増加傾向で、挑戦志向と私立併願者の増加が窺われます。

日本大学が2021年度に推薦、一般入試ともに応募増になったのは、横浜創英が基準を上げた影響と考えられます。翌2022年度は横浜創英に応募者が戻り、本校も応募減になりました。今年度の2023年度は一般入試で前年度より微増になりましたが、オープン入試が増えており、ここでも挑戦志向、私立併願者増の動きがみられました。

中央大学附属横浜は2021、2022年度と書類・オープンともに応募者は増えましたが、2023年度はオープン入試で約40人減少しました。オープン入試は実質倍率が3.36→3.63→4.80倍と上昇傾向であったためやや敬遠された形です。しかしそれでも4.12倍と4倍台を維持し厳しい入試が続きました。

山手学院は特進の併願基準がなくなり、進学の基準を満たすものから当日の学力試験の結果で決まることになったため、進学コース受験者にもチャンスが広がったことから約90人の応募増になりました。オープン入試は174→163→155→182人と最近の入試でもっとも多くなりましたが、実質倍率は例年並みでした。

桐光学園の一般入試の応募者数は大きな変動もなく安定していますが、合格者数は2020年度より411→430→452→464人と年々増加しています。その結果実質倍率も1.43→1.39→1.31→1.22倍と下降傾向で、これも併願者の増加を示するものといえるでしょう。

日本女子大学附属は2021年度に単願制度を新設、一般応募者は倍増しました。しかし翌2022年度からは減少傾向に転じ、実質倍率も2021年度より2.48→2.18→1.97倍と下降傾向になっています。

日本大学藤沢は、コロナ禍の2021年度に一般入試を書類選考にしたことから応募者は大幅に増加、しかしその翌2022年度には元に戻り大幅減、さらに今年度も200人以上の応募減になりました。周辺校がほとんど書類選考実施校のため、学力検査実施校の本校が敬遠されたのでしょうか。

鎌倉学園の推薦欄には書類選考の応募者数を掲載しています。その書類選考は2021年度にややハードルが上がったため応募減、2023年度はやや利用しやすくなって応募増と変動があります。オープンの一般入試も応募者が増えたり減ったりしながら減少傾向が見え、実質倍率も2.38→2.14→1.91→1.65倍と下降傾向が続きます。

東海大学付属相模は2020年度に出願基準を厳しくし、推薦応募者は2年連続で減少しました。2022年度は推薦入試の出願基準を緩和したことから2019年度(223人)並みに戻りましたが、一般入試は微増でした。今年度は募集要項に大きな変更はなく、推薦、一般入試とも小幅の増減で留まりました。

各校の動き

その他の注目校をあげて見ていきましょう。

<推薦・書類選考>

2020202120222023
横浜創英16295191185
聖ヨゼフ学園510610
横浜隼人107102133115
横浜清風14083158130
横浜学園62817780
横浜432234180275
横浜創学館193176248277
横須賀学院14312315491
鵠沼66548442
アレセイア湘南60116136136
湘南工科大学附属230205207219
向上151207249233
麻布大学附属21611012384

<一般・学科試験>

横浜創英1,4697511,2781,240
聖ヨゼフ学園10141026
横浜隼人1,6881,8041,8871,643
横浜清風1,4091,2931,7141,404
横浜学園8991,061843962
横浜1,6661,3481,4922,421
横浜創学館1,1161,3541,3791,098
横須賀学院1,8501,7381,7081,512
鵠沼1,0329581,170767
アレセイア湘南377530525737
湘南工科大学附属1,6791,8731,6811,769
向上2,4502,6052,5922,341
麻布大学附属1,5581,3371,4241,169

横浜創英は2021年度に出願基準を上げて推薦、一般ともに応募者は大幅減、翌2022年度は利用しやすい基準を設定し回復、今年度は出願条件に若干の変更があったものの、2022年度並みの応募者を集めました。しかし来年度の2024年度入試では普通コースの募集停止、併願入試を廃止し推薦とオープンのみにするという大きな変更があるので要注意です。

共学化した聖ヨゼフ学園は高校募集の人数が推薦と一般合わせて40人という小規模なため応募者数も少ないのですが、ILコースを新設したことや男子も受け入れるようになったことから、一般入試の応募者が増加しました。なお、高校からの入学生の男女比はちょうど半々だったということです。

横浜隼人は2021年度に一般入試で書類選考を導入し応募増、2022年度は募集人員を若干減らしたものの応募状況に大きな変化はありませんでした。しかし2023年度になると、やはり募集要項は変わりませんでしたが応募者は200人以上減少しました。これは横浜翠陵の出願条件が利用しやすくなったため、同校に流れたためではないかと考えられます。2024年度はその反動で応募増になる可能性があります。

横浜清風の2021年度の推薦応募者が大幅に減少したのは、横浜のアクティブが基準アップして横浜清風と同じ基準になり応募者が分散したためではないかと考えられます。翌、2022年度には出願条件を利用しやすくしたため急激に応募者が増加、そして2023年度は基準をアップして応募減と変動の激しい入試が続きます。2024年度の募集要項には注意したい学校の一つです。

横浜学園も2021年度に書類選考を導入して一般入試の応募者が増加、翌2022年度は書類選考をとりやめ学科試験に戻しましたが、コロナ禍によって再度書類にしました。その結果、応募者は減少し2020年度並みに戻りました。この年に普通コースをアカデミーコースに名称変更しています。そして2023年度は当初より書類と学科を選べるように設定、さらに専願基準を緩和しましたが、併願応募者も併せて増加しました。

横浜は2020年度に男子校から共学校に改編されて以降、高い人気を得ているほか、募集要項の変更も多く変動の激しい入試が続きます。2021年度はアクティブの基準を上げて応募減、2022年度は出願条件を利用しやすくして応募増、2023年度はプレミアとアドバンスの基準をアップしましたが、2月10日の筆記試験は上位コースへチャレンジできることから、この筆記試験の応募者が増加したほか、基準を据え置いたアクティブの応募者が倍増したこともあり2,400人の応募者が集まりました。2024年度は募集要項に注意が必要です。また中学募集は2025年度より中止する予定とのことです。

横浜創学館も募集要項をよく変更します。2021年度は特進と文理選抜で実施していた書類選考を総合進学にも拡大し一般応募者が増加、2022年度は出願条件を利用しやすくしたため推薦応募者が大幅に増えました。そして2023年度は3コースとも出願基準を上げたため一般入試が2割減になっています。ここも2024年度の募集要項に注意したい学校です。

横須賀学院は2022年度に基準をアップしましたが、応募者数はほぼ前年度並みを維持し高い人気ぶりを示しました。しかし2023年度はA進学コースの推薦基準をさらにアップしただけでしたが、推薦だけでなく一般入試の応募者も減少しました。大学合格実績は好調で、この春はGMARCHの実績が過去最高を記録したそうです。また青山学院大学と高大連携をしており20人以上の指定校枠があります。

鵠沼は2020年度から2022年度までは比較的安定した入試状況が続いていましたが、今年度は基準をアップしたため応募減になっています。2024年8月より新校舎の建設が始まるということで、来春の入学生は高2と高3の2年間仮設校舎での生活になるとのことです。

アレセイア湘南は2021年度にそれまで特進選抜と特進のみで実施していた書類選考を進学にも拡大したため応募増になりました。翌2022年度に今の特進と探究に2コース制に改編されています。今年度は入試日程を動かした以外、募集要項に大きな変化はありませんでしたが、一般入試の応募者が200人以上増加しました。これは鵠沼と向上が出願基準を上げて応募減になった影響と考えられます。

湘南工科大学附属は今年度、国公立や難関私立大学を目指す進学特化コースを新設、推薦5人、一般20人の募集人員で入試を行いましたが、推薦には1人、一般で16人の応募がありました。スタンダードコースでは出願基準の変更があったためか応募減、アドバンスは変更なしで応募増となり、普通科の中ではGMARCHレベルの私立大学を目指すアドバンスコースの応募者がもっとも多くなり、学校全体の学力レベルが上位にスライドした形になりました。

向上は2021年度に一般入試の書類選考と筆記試験を書類選考に統合、合わせて出願基準を緩和したため、特進と選抜コースの応募者が増加、2022年度は専願基準を書類の基準と合わせてハードル上げましたが応募状況に変化はありませんでした。しかし2023年度は選抜と文理の出願基準を上げ、今度は応募減になりました。毎年のように募集要項の変更があるので注意しましょう。

麻布大学附属は近年伸びてきている学校のひとつです。2020年度、2021年度ともっとも利用しやすい進学コースの基準を連続してアップ、2022年度はS特進と特進を上げ、2023年度は特進と進学を上げるというように毎年いずれかのコースの基準を上げています。来年度もどのような募集要項になるのか注目される学校です。このように毎年レベルアップしているからか、この春の大学合格実績は国公立6→16人、早慶上理6→20人、GMARCH71→160人と飛躍的に向上しました。

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