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2023(令和5)年10月1日現在の埼玉県進路希望調査

入試情報

2023.11.24

  • #私立高校受験

2023.11.24

2022(令和4)年度 埼玉県公立高校入試の特徴

10月30日、埼玉県教育委員会から2024(R6)年度入試に向けた、10月1日現在での進路希望調査の結果が発表されました。

詳細は以下のページをご覧ください。

令和6年3月中学校等卒業予定者の進路希望状況調査(令和5年10月1日現在) – 埼玉県 (saitama.lg.jp)

まだ10月の希望状況なので今後変わることもありますが、この時点での特徴を見ていきましょう。 ここでは過去5年分の希望状況を掲載して推移がわかるようにしました。

進路希望状況

卒業予定者数進学希望者
2019(H31)63,09361,144
(96.9%)
2020(R2)61,74059,798
(96.9%)
2021(R3)63,35961,382
(96.9%)
2022(R4)63,42961,243
(96.6%)
2023(R5)62,71460,557
(96.6%)

【全日制】

国立
(県内)
公立
(県内)
私立
(県内)
県外
2019(H31)195
(0.3%)
44,945
(71.2%)
8,971
(14.2%)
3,784
(6.0%)
57,895
(91.8%)
2020
(R2)
141
(0.2%)
42,953
(69.6%)
9,384
(15.2%)
3,751
(6.1%)
56,229
(91.1%)
2021
(R3)
208
(0.3%)
43,433
(68.6%)
9,831
(15.5%)
3,853
(6.1%)
57,325
(90.5%)
2022
(R4)
274
(0.4%)
42,476
(67.0%)
10,158
(16.0%)
3,824
(6.0%)
56,732
(89.4%)
2023
(R5)
292
(0.5%)
41,598
(66.3%)
9,882
(15.8%)
3,706
(5.9%)
55,478
(88.5%)

【定時制・通信制】

定時制通信制
2019(H31)679
(1.1%)
1,307
(2.1%)
2020(R2)665
(1.1%)
1,612
(2.6%)
2021(R3)709
(1.1%)
2,054
(3.2%)
2022(R4)750
(1.2%)
2,449
(3.9%)
2023(R5)821
(1.3%)
2,908
(4.6%)

まずひとつめの特徴は、全日制高校への希望率が年々下がってきており、90%を切った前年度よりさらに下がり、最近の20年間でもっとも低い希望率になったこと、そしてその一方で通信制高校への希望率が上昇傾向で、毎年過去最高を更新しており今回は4倍台に上がったことが挙げられます。

つまり全日制から通信制への流れが生じており、今回の調査でもその流れが変わることはありませんでした。 二つ目の特徴が公立高校への希望率が下降している一方で県内私立高校が増えてきていることです。今回の私立希望率は年度より0.2ポイント下がりましたが、依然高い水準を保っています。これは私立高校に対する授業料の補助制度が背景にあります。

公立高校 学科別希望率

次に公立高校の学科別希望率を見てみましょう。

※[ ]は実際の入試の志願確定倍率です。

R5年10月
(R6年度入試)
R4年10月
(R5年度入試)
R3年10月
(R4年度入試)
R2年10月
(R3年度入試)
H31年10月
(R2年度入試)
普通科1.271.28
[ 1.16 ]
1.28
[ 1.14 ]
1.29
[ 1.13 ]
1.31
[ 1.15 ]
農業科0.960.88
[ 0.91 ]
0.91
[ 0.93 ]
0.86
[ 0.94 ]
0.96
[ 0.99 ]
工業科0.770.83
[ 0.87 ]
0.92
[ 0.93 ]
0.87
[ 0.92 ]
0.96
[ 1.02 ]
商業科0.800.69
[ 0.91 ]
0.72
[ 0.96 ]
0.70
[ 0.92 ]
0.74
[ 1.01 ]
家庭1.081.18
[ 1.01 ]
1.06
[ 0.91 ]
1.16
[ 0.97 ]
1.13
[ 0.88 ]
外国語1.041.00
[ 1.20 ]
1.02
[ 1.25 ]
1.07
[ 1.21 ]
1.13
[ 1.27 ]
理数1.551.56
[ 1.83 ]
1.62
[ 1.83 ]
1.66
[ 1.86 ]
1.43
[ 1.60 ]
総合1.010.91
[ 0.95 ]
0.95
[ 0.93 ]
1.04
[ 0.95 ]
1.00
[ 1.05 ]
全体1.181.18
[ 1.11 ]
1.18
[ 1.10 ]
1.19
[ 1.09 ]
1.21
[ 1.12 ]

R4年度とR3年度の関係でみると普通科の希望調査の倍率は変わらなかったものの、実際の入試では1.14倍から1.16倍へと0.02ポイントアップ、理数科は希望時は下がりましたが1.83倍で変わらず、総合は下がったものの実際の入試では若干アップするというように、希望時と入試で異なる結果になった学科がある一方、農業科、工業科、商業科、家庭科、外国語科はアップダウンに関しては、実際の入試でも同様の動きになりました。

従って、この時点で各科の入試倍率を予想するのは難しいのですが、全体の希望倍率が1.18倍で3年連続低めの倍率で推移していること、普通科の1.27倍は最近の20年間でもっとも低い倍率であることから、来春もそれほど高い倍率にはならないと見込まれます。 普通科で最も高い倍率になったのは市立川越で3.79倍、次いで市立浦和2.82倍、川口市立2.48倍、上尾2.11倍、浦和西2.08倍と続きます。かなり高い倍率ですが、実際の入試でもこのような高倍率になるのでしょうか。

今回高倍率の学校

下の表は、今回高倍率になった学校の前年度の進路希望調査と実際の入試状況を比較したものです。

これを見ると、進路希望調査で2倍、3倍を超える倍率になっても、実際の入試では志願者は大幅に減少し1倍台で落ち着く学校が多いことがわかります。

従って今回の調査でも高倍率校の志願者は実際の入試では大幅に減る可能性が高いと見込まれます。 しかしこの10校のうち、市立浦和は普通科のトップの倍率になったほか、川口市立、浦和西、越谷南、大宮、越ケ谷は高倍率ベスト10に入りました。

平均希望倍率に近い学校

では、今回の調査で普通科の平均希望倍率に近い1.3倍前後の学校は前年度はどのような入試になったのでしょうか。

次の学校は前年度の進路希望調査でも1.3倍程度の倍率になった学校が多いのですが、実際の入試では先の高倍率校同様、志願者が減少して倍率ダウンする学校が目立つほか、普通科の平均倍率(1.16倍)より低くなった学校もありました。

一方で浦和第一女子、川越女子、春日部の3校は希望者数より実際の入試の志願者数が多くなり、倍率も上がっています。

低倍率の学校

さらに進路希望調査で倍率が低かった学校はどのような入試状況になることが多いのでしょう。

次の12校は今回の進路希望調査で1倍前後の倍率になった学校です。これらの学校は前年度の調査でも同じような倍率でした。そして実際の入試状況を見ると,志願者が増加し倍率アップした学校が多く,上記の多くの学校とは逆の動きになりました。

これらのことから,おおむね各校の倍率は固定化していること,進路希望調査で希望者が多く高倍率であった学校は実際の入試では志願者減となり,低倍率校は志願者増になる傾向があることがわかります。

募集学級数に増減のあった学校

では募集学級数の増減があった学校は変化はあったのでしょうか。 学級増になった以下の3校はいずれも前年度同期より倍率ダウン、希望者が増えたのはふじみ野の2人だけでした。3校とも高倍率校ではないので実際の入試時でも緩やかな入試が続くと見込まれます。

一方で学級減になった次の2校はいずれも倍率アップしました。

希望者数は前年度同期より若干の増で留まっています。前年度の倍率が低かったため希望者は増える可能性がありましたが、学級減により敬遠されたのかもしれません。今後、この状況を見て希望者は増加するかもしれません。

なお、進路希望調査は12月にも行われ、その結果が翌1月に公表されることになっています。

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