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2022(R4)年12月15日現在の埼玉県進路希望調査(第2回)

入試情報

2024.01.30

2024.01.30

埼玉県の公立高校受験の仕組みや選抜方法

1月11日、埼玉県教育委員会から2024(R6)年度入試に向けた、12月15日現在の第2回進路希望調査の結果が発表されました。

詳細は以下のページをご覧ください。

令和6年3月中学校等卒業予定者の進路希望状況調査(令和5年12月15日現在) – 埼玉県 (saitama.lg.jp)

昨年の10月に発表された第1回進路希望調査から何か変化があったのでしょうか、また今回の結果から2024(R6)年度の入試はどのような傾向が予想されるのでしょうか。

1.第1回 埼玉県進路希望調査からの違い

まず第1回からの違いを見ていきましょう。

進学希望率が96.6%から98.3%に上がったのは、「進学希望校未定者」が1,493人から371人に減ったためで、これは例年の動きです。

また、公立の希望率が下がり、私立、県外、定時制、通信制が上がりましたが、公立高から私立単願への変更など、より現実的な進学先を希望するようになったことを示しています。

※上段は人数、下段は卒業予定者数に対する割合

<2023年10月15日現在の第1回進路希望調査の結果>

次に過去5年間の推移から特徴を挙げてみましょう。

全日制希望率は年々下がってきていますが、公立高はほぼ前年度並みでそれまでの下降傾向に歯止めがかかりました。一方で2020(R2)年度から3年間18%台を維持していた私立希望率が17%台にダウンしました。定時制希望者は2年連続で増加し、今回は最近の5年間で最も多い1,000人台に上りました。また通信制希望率も6%台の過去最高希望率を更新しています。

このように全日制私立高の希望者が定時制や通信制に移動したような形になりました。

2.公立高校の学科別希望率

次に公立高校の学科別希望率を見てみましょう。※<>は実際の入試の志願締め切り時の倍率です。

第1回の調査より普通科の倍率が下がり、農業科、商業科、理数科などが上がって普通科から専門学科へ移動しています。これも第1回の調査時から志望校選択が進み、より自分に合った現実的な志望校を選んだ結果といえます。

今回の第2回の調査結果を過去のものと比較すると、全体の倍率は1.13倍で前年度より0.01ポイントアップしました。これまでの推移から考えると2024(R6)年度の志願倍率は前年度と同じ1.11倍かやや上がって1.12倍程度になりそうです。

普通科の倍率はこの5年間1.19倍か1.20倍で安定した倍率になっています。ただ実際の倍率は2021(R3)年度の1.14倍から2023(R5)年度の1.17倍まで差があり、今後まだ動く可能性があります。

現段階では、2020(R2)年度や2021(R4)年度の1.15倍程度で落ち着くのではないでしょうか。

一方で専門学科は例年のことですが大きく動いています。これは募集規模が普通科と比べて小さいためで、多少の希望者の移動で倍率が上下します。

農業科は前年度同期より0.06ポイントアップ、H31年12月の調査時に近い倍率まで上がりました。また商業科は0.2ポイントの大幅アップ、0.96倍はこの5年間の最高倍率です。希望倍率が1倍を超えたのは商業科15校27学科のうち9校10学科で前年度の5校5学科から倍増しました。特に普通科でも人気の高い市立川越は国際経済が1.61倍、情報処理科1.70倍の高倍率になりました。

外国語科も大幅にアップ、7校中5校で前年度の希望者数を上回りました。コロナ禍で国際交流が制限されていたことや私立高への流れによってここ数年は低迷していましたが人気が復調してきたようです。

理数科は逆に0.19ポイントのダウン、例年の高倍率が敬遠された形です。

総合学科も倍率アップしH31年12月に次ぐ倍率です。9校中7校で倍率アップ、特に川越総合は400人近い希望者を集め(399人)、倍率も1.68倍の高倍率になりました。

3.各地域代表校の希望状況

次に各校の希望状況を見ていきましょう。最初に各地域を代表する高校の状況です。

県立浦和は前年度の高倍率の反動で希望者減、2021(R3)年12月の1.37倍に近い低めの倍率になりました。その年は志願倍率1.4倍と浦和にしては低い倍率になったことから、今春の入試でも1.4倍前後の少数精鋭の入試になりそうです。

浦和第一女子は第1回目より希望者は40人増加し倍率も1.3倍台に上がりましたが、それでも浦和一女としては高い倍率とは言えません。ただ、この3年間は実際の入試で志願者はさらに増えているので、今回も1.4倍程度まで上がるかもしれません。

大宮は第1回より希望者が約100人減少し倍率は前年同期とほぼ同じになりました。この3年間、希望時の倍率は1.7倍台前半で推移していますが、実際の入試の志願倍率は1.5倍台に下がっており、今春も同様の入試状況になりそうです。

春日部は調査時では低い倍率になるものの実際の入試で志願者が増加し倍率アップするということを繰り返していましたが、今年度の調査ですでに1.2倍台と最近の5年間でもっとも高い倍率になっています。例年のように、今後も志願者が増加すると実際の入試ではかなり厳しい入試になるかもしれません。

県立川越は希望者が前年度同期より約50人増加し、最近の5年間でもっとも高い倍率になりました。浦和からの移動があったのかもしれません。例年、第2回の希望者数と実際の入試の志望者数にそれほど大きな差がないことから、今春の入試はかなり高い倍率になる可能性があります。

一方で川越女子は希望者減、最近の5年間でもっとも低い倍率になりました。2年連続で国公立現役合格100人以上と高い実績を上げていますが、この段階では希望者増には結び付いていないようです。ここも希望者数と入試の志願者数の差が小さいため、このままで推移すると緩やかな入試になるかもしれません。

熊谷は希望者数が第1回目よりは増えたものの、募集人員を満たすことはできませんでした。実際の入試では希望調査時より増える年が多く、今後志願者増が見込まれますが、前年度よりは倍率が下がる可能性があります。

熊谷女子も熊谷同様、第1回目より希望者は増えましたが1倍には達していません。第2回の調査時に定員割れになったのは2021(R3)年度の0.99倍でした。今回はその時よりさらに低いので、今後志願者が増加したとしても低めの倍率になることが予想されます。

越谷北は2023(R5)年度入試で倍率ダウンし、今年度は希望者増が予想されましたが、第2回目の希望者は1回より減少し、結局前年度並みになりました。このままで推移すると倍率は上がらず1.2倍前後の入試になりそうです。

不動岡は第1回目から大きな変化はなく、しかもこの時点での1.30倍は前年度同期とまったく同じ倍率です。例年、希望倍率と入試の志願倍率に大きな差がないので、前年度と同じような入試になると予想されます。

松山の志願倍率には隔年現象があり、今年度は倍率アップの年でしたが、第2回目の調査でも1倍に足りず、前年度並みの倍率で留まりました。このままで推移すると2年連続で定員割れになる可能性があります。

は実際の志願倍率に隔年現象があり、今年度は倍率アップの年に当たります。1回目の希望調査から100人以上減少したものの前年度同期より多いので、1.4~1.5倍程度の高倍率入試になりそうです。

市立浦和は1回目の希望調査から100人以上が減少し希望倍率は2.3倍台まで下がり、前年度同期より低くなりました。実際の入試では例年、志願者はさらに減るため2倍程度の志願倍率で落ち着きそうです。

4.2023(R5)年度入試 激戦校の希望状況

次に上記の学校以外で2023(R5)年度入試で激戦になった学校の希望状況を見ていきましょう。

浦和北は前年度の2023(R5)年度入試で志願倍率が1.4倍まで急騰し厳しい入試でしたが、今回も敬遠されることなくほぼ前年度同期と同じ希望状況になりました。例年希望者数と実際の入試の志願者数は大きく変動しないので、今年度も前年度同様高倍率入試になりそうです。

浦和西は1回目より希望者が約130人減ったものの、越ケ谷と並ぶ3番目の高倍率となりました。このあと、さらに減少が見込まれますが、前年度と変わらない希望倍率であることから、厳しい入試が続きそうです。

川越南も1回目は2倍を超えていましたが、150人以上減って1.62倍と前年度同期よりやや低めの倍率になりました。例年、志願者は希望者数より100人程度減少するので、実際の志願倍率は1.3倍台になりそうです。

越ケ谷は前年度入試で倍率がアップしたことから、今年度は希望者減が予想されましたが、ほぼ前年度並みの希望者を維持しました。進路実績が好調であることから敬遠されなかったのでしょうか。このままで推移すると前年度並みの厳しい入試になりそうです。

越谷南は2023(R5)年度、2022(R4)年度入試と厳しい入試が続いていましたが、今年度はその反動が表れやや倍率ダウンしました。このあと、希望者はさらに減少すると見込まれ、実際の入試では志願倍率は前年度(1.48倍)より低い1.3倍台程度になると見込まれます。

所沢は人気が上昇中です。この2回目の調査の希望倍率は2021(R3)年度より1.23→1.44→1.56→1.67倍と3年連続で上がっています。実際の入試では前年度は志願者が60人減少し倍率は上がりませんでしたが、今回は2019(H31)年度並み(志願倍率1.49倍)の高倍率になりそうです。

和光国際は希望者が400人を超え、最近の5年間で最も多く倍率も高くなりました。実際の入試でも2年連続で高倍率激戦が続いていますが、人気はさらに上がっているようです。このあと志願者は減すると見込まれますが、前年度入試以上の高倍率が予想されます。

市立川越は毎年高倍率になる人気校です。3学科併設しているため普通科の枠が狭く倍率も上がりやすくなっています。実際の入試では2022(R4)年度、2023(R5)年度と倍率は下がってきていますが、2回目の希望者は前年度同期より約90人増えて2.6倍まで上がりました。今後、志願者は減少する見込みですが志願倍率1.5~1.6倍の高倍率になりそうです。

市立浦和南は2022(R4)年度、2023(R5)年度と2年連続で厳しい入試が続いたためか、今回の希望者数は前年度同期より45人程度減って1.5倍台まで下がりました。この希望倍率は2020(R2)年度の1.53倍に近く、この年は志願倍率1.36倍と同校としてはやや低めの倍率になったため、今回も1.3倍台で落ち着きそうです。

川口市立は前年度同期の希望者数より約270人も少なくなりましたが、それでも希望倍率1.7倍台の高倍率を維持しています。川口市立としては最近の5年間でもっとも低いとはいえ普通科の中では5番目に高い倍率です。2020(R2)年度に希望倍率1.86倍で実際の入試では志願倍率1.20倍まで下がったことがあります。今回はそこまで下がらないかもしれませんが、同校にとっては緩やかな入試になりそうです。

5.学級減になる学校の希望状況

募集学級が増減する学校の状況を見てみましょう。

まず学級減になる2校の状況です。

朝霞西は2年間続いた増学級の9クラス募集から本来の8クラス募集に戻りました。2023(R5)年度入試では志願倍率1.0倍台と緩やかな入試になったことから、今回は希望者が増加したうえでの学級減になったため倍率は最近の5年かでもっとも高い1.2倍台にアップしています。希望者数と実際の入試の志願者数はそれほど大きな差がないので、今度の入試でも1.2倍台のやや高めの倍率になりそうです。

所沢西も朝霞西と同様、9クラス募集から元の8クラス募集に戻っています。入試の志願倍率は2021(R3)年度より3年間1.0倍台の低めの倍率で推移していましたが、今回はその反動で希望者が前年度同期より約30人増、学級減も影響し倍率は3年ぶりに1.2倍台までアップしました。しかし、その3年前の2021(R3)年度は志願倍率1.05倍であったことから、今回もそれほど高い倍率にならないのではないでしょうか。

6.学級増になる学校の希望状況

次に学級増になる3校の状況です。

越谷東の志願倍率は2020(R2)年度より0.99→1.12→0.99→1.10倍と上がったり下がったりする隔年現象の動きになっています。今春の2024(R6)年度入試は倍率アップの年に当たり、第2回の希望者数は前年度同期より約20人増加しましたが、学級増に吸収されて倍率は1倍に足りませんでした。このまま志願者が増えなければ定員割れのまま入試を迎えることになります。

鶴ヶ島清風は2020(R2)年度より4年間5クラス募集が続きましたが、久しぶりに6クラス募集に戻りました。1倍前後の緩やかな入試が続く中で、前年度の2023(R5)年度入試は1.13倍に上がり例年よりやや多い不合格者が出るに至りました。今年度はその反動があったのか希望者は前年度同期より約50人減少し0.5倍台という近年にない低い倍率で、今後志願者が増えたとしても定員割れになる可能性が大きいと予想されます。

ふじみ野も鶴ヶ島清風と同様、普通科は2020(R2)年度より4年間3クラス募集が続き,今年度に久しぶりに4クラス募集に戻りました。2回目の希望者数は前年度同期と似たような人数でしたが倍率はダウン。募集人員より30人不足しており、今後志願者が増加しても定員割れの入試になると予想されます。

7.その他注目校の希望状況

その他の注目校の状況を見てみましょう。

過年度生ですが東大への合格者を出した朝霞は第2回の希望倍率が1.2倍台と前年度同期より0.1ポイントアップ、希望者も約30人増加しています。このままで推移すると実際の入試でも1.2倍台のやや高めの志願倍率になりそうです。

2024(R6)年度より制服が変わる川口北は前年度同期より約80人希望者が増加し、最近の5年間でもっとも高い1.4倍に上がりました。増加したのは全員女子で新制服効果といえるでしょう。ここまで高くなると次善校に変更する生徒がでてくると思われますが、例年、望者数と実際の志願者数では志願者の方が多くなるので、高倍率入試は覚悟しておいた方がいいでしょう。

現役進学率や国公立大への合格者数が過去最高を記録した熊谷西は1回目より希望者が減少したものの、前年度同期より約60人多い423人、最近の5年間で最も多い希望者を集めました。熊谷女子からの移動があったのかもしれません。今後志願者は減少すると見込まれますが、かなりの高倍率入試になりそうです。

過去最高の大学進学率を記録した草加東は2回目の希望調査時はこの4年間1.2倍台で安定していますが、実際の入試になると2020(R2)年度より1.14→1.20→1.09→1.23倍と隔年現象の動きになります。今年度は倍率ダウンの年に当たるため、今後志願者は減少するかもしれません。

理数科から東大合格がでた所沢北は2回目の調査で希望者が100人以上減り1.1倍台まで落ち込みました。最近の5年間で最も低い倍率です。所沢へ移動しているのかもしれません。実際の入試になると志願者は希望時より減少することが多いのですが、今回は逆に増える可能性があります。しかし増えても低倍率入試になるでしょう。

本庄は2024(R6)年度より全クラス特進とし進学指導をより強化します。2回目の希望状況はこの3年間1.1倍台で安定していますが、実際の入試では2023(R5)年度に倍率ダウンしているので、今度志願者増加見込まれます。

市立大宮北はこの2年間、2回目の希望倍率が高くても実際の入試で1.1倍程度まで落ち込むという変動の激しい入試が続きます。今回も希望倍率は1.4倍ですが、志願者は減少する可能性があります。

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