高校受験が初めての受験になる方や保護者の方なら、「受験ってどのような流れで進めていけばいいのだろう…」と不安を感じているかもしれません。地域や志望校によって日程は異なりますが、大まかな流れと仕組みを知っておきましょう。
本記事では、高校受験がいつ行われて、どのような仕組みになっているのかを解説します。入試に関わることについても併せてご紹介しますので、受験に向けてしなければならないことも押さえておきましょう。
目次
高校受験の日程は?
高校受験の日程は私立の場合は高校ごとに、公立高校の場合は自治体ごとに決められていることが一般的です。
高校受験が行われる時期
高校受験は私立高校の入試からスタートし、その後公立高校の入試が行われます。
首都圏における2021年度の大まかな入試日程を見てみましょう。
- 1月中旬〜下旬:私立推薦入試及び特待入試
- 1月下旬:公立第一回(推薦)
- 2月上旬〜:私立一般入試
- 2月下旬〜:公立第二回(一般)
上記の日程は大まかな予定であるとともに、2021年度は新型コロナウイルスの流行に伴い、文部科学省から受験生に配慮した対策を行うよう通知がなされています。
例年はこの日程より繰り上げ・繰り下げがあることもありますから、必ず志望校や各自治体が出している受験日程を確認するようにしましょう。
通常、私立入試が先に行われ、その後公立入試が行われますが、一部の私立高校では3月に入試を行うケースもあるようです。
首都圏などでは公立入試が推薦と一般に分かれている自治体もありますが、自治体によって、入試自体は1回で発表が2回に分けられるということもあります。
受験する予定の自治体がどのような仕組みになっているかは学校の先生からも案内があると思いますが、ご自身でも確認しておきましょう。
出願から入学までの出願から入学までのスケジュール
高校入学までにしなければならないことがいくつかあります。スケジュールは以下の通りです。
- 出願:志望校に願書を提出します。
- 志望先変更:公立高校の一般入試に限り、志望先変更が一度だけできます。
- 試験:受験日当日です。
- 合格発表:通常試験日から数日後に合格発表があります。
- 手続き:合格した高校に対して入学の手続きをおこないます。
- 入学:高校生活がスタートします。
出願を行う期限はあらかじめ発表されていますので、志望校が決まったら出願期限を必ず確認しましょう。私立高校の場合は試験日から数日前までに設定されていることが多いです。出願した書類に不備があった場合、高校受験することができなくなります。
不備があった場合に再提出できるよう、出願期限ギリギリではなく、出願できる期間がスタートしたらできるだけ時間に余裕を持って提出するようにしましょう。
高校受験の仕組みについて
次に高校受験に欠かせない内申点の仕組みや、高校受験の流れについてご紹介します。
高校受験と内申の関係
中学生になると「内申」という言葉を聞く機会が増えます。内申という言葉は知っていても、具体的にはあまりよくわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
内申とは生徒ひとりひとりの学業成績や生活態度のことで、それを資料としてまとめたものが内申書です。中学校の先生が内申書の作成を行い、受験する高校に提出します。内申に加味される度合いは私立・公立、都道府県によって異なりますが、合否判定の材料の一つにされるものです。
学業成績と生活態度がまとめられたものが内申書ですが、学業成績を数値化させたものが内申点です。調査書点とも呼ばれます。
この内申点は9教科(45点満点)の数値 x 各学年5段階評価で算出されたものです。通知表に記載される5段階評価の評定は内申点を決める際にも大きく影響します。
私立高校受験の仕組み
私立高校の受験制度は推薦入試・一般入試です。
推薦は、合格した場合にその高校へ必ず入学することを約束して受ける入試です。高校が定めた推薦基準を満たしたうえで、面接や作文などを受ける必要があります。
一般入試は細かく分けると、書類選考・単願・併願優遇・オープン入試などがあります。
単願とは合格したら必ず入学することを確約して受ける受験方法のことです。確約する代わりに合否判定される際の内申点の基準が低く、合格率も高くなります。
併願とは合格しても入学権利を保持したまま、他の高校を受験できる制度です。単願と比較すると内申点の基準が高くなり、合格率は下がります。
もし、私立高校が第一志望なのであれば、推薦入試もしくは単願での受験を選びましょう。
第一志望の公立(私立)高校の滑り止め、他の私立の滑り止めとしてその私立高校を受験する場合は、併願での受験になります。
オープン受験はフリー受験とも呼ばれますが、内申点が合否判定に影響しない受験です。学科やコースによってはそれに沿った得意分野を伸ばした学力検査が行われることもあります。
高校によっては書類選考やオープン入試がない場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
公立高校受験の仕組み
公立高校も推薦入試・一般入試がある場合がありますが、入試自体は1日で実施されることも多いです。公立高校受験では内申点が加味されますが、どのくらいの割合で加味されるかは自治体によって異なります。
例えば、東京都の場合は学力検査7割・内申点3割となっています。自治体によって基準は異なるものの、公立高校を目指す場合は内申点を上げる対策が必要となるでしょう。内申点をしっかり取れていれば、例え当日の学力検査で思うような成績が取れなくても、合格できる可能性は十分にあります。
公立高校受験の仕組みは自治体によって大きく異なりますので、受験する自治体の案内をしっかり確認するようにしましょう。
入試に関わるイベントについて
出願や受験当日の学力検査以外にも、入試に関わる学校イベントはいくつかあります。
三者面談
三者面談は中学に入学したのち、学年ごとに行われる生徒・保護者・担任での面談です。三者面談は学年によって内容が異なり、中学1年生のうちから進路についての相談を行うわけではありません。
一般的には、2年生の三者面談から進路についての話題が上がることもあり、3年生になると進路・志望校を決めていくことが目的になります。近年は受験できる高校の選択肢も増えていることから、志望校についても担任の先生と話し合うことが多いようです。
学校説明会
学校説明会はオープンスクールと呼ばれることもありますが、学校に実際に訪問して学校の雰囲気や先生・在校生の雰囲気を掴むためのイベントです。
通っている中学単位で参加することもありますが、個人で事前申し込みを行なっていく場合もあります。また、直接高校の先生に入試や学校生活について質問できるチャンスのため、志望校の学校説明会には参加するようにしましょう。
入試相談
入試相談とは多くの私立高校で行われているもので、生徒や保護者が相談に行くのではなく中学校の先生が高校で行うものです。
入試相談は中学校の先生が受験する生徒の内申を高校に持参し、合格の可能性を相談することが目的です。
内申点が足りない場合でも、他の部分で補えるかどうかの相談も行われます。合格確約となるわけではありませんが、合格できる可能性が上がることもあるようです。通常は12月中旬に行われます。
日程や仕組みを確認して不備のない高校受験を
今回高校受験の日程や仕組みを解説しましたが、ご説明したように正確な日程や仕組みは高校や自治体、どの方法で受験するかによって異なります。
受験までに不備があるとスムーズに受験できなかったり、受験自体が受けられなかったりすることもあるので、しっかり志望校の日程や仕組みを確認するようにしましょう。