高校入試のための会場模擬テストが都内では6月より開催されます。
会場模擬テストを受けるにあたって心がけてほしいことや、その活用法などについて見ていきましょう。
目次
なぜ会場模擬テストを受けるのか
会場模擬テストを受ける目的を上げてみましょう。
- 入試本番で自分の力を十分に発揮できるように場慣れをしておくこと
- 志望校選択の参考資料として活用すること
- 自分の学習状況を分析しその後の受験勉強に役立てること
場慣れすること
緊張してしまって解けるはずの問題を間違えてしまった。時間が足りなくて最後の問題に手を付けることができなかった。試験官の話を聞きそびれ、注意されて頭が真っ白になってしまった。
入試の感想でこのような話をよく聞きます。どれも会場模擬テストで場慣れしておけば防げたのではないかと思わざるを得ません。
会場模擬テストの第一の目的は「自分の力を十分に発揮できるように緊張することなく入試に臨む訓練をすること」です。
従って、会場模擬テストを受けるときには以下の点を意識してのぞみましょう。
時間に余裕をもって会場に着くこと
普段できていることも緊張するとうっかり見逃したり、忘れたりするものです。時間に余裕をもって会場に到着し、試験に必要な情報を確認することに慣れておきましょう。
- 掲示板や案内板に注意。黒板に注意事項が書いてある場合もある
- トイレの場所を確認
- わからなかったら係の人に聞く
試験官の話をよく聞く
試験官の話をよく聞きましょう。入試本番でも合否に関わる重要なことが話されるからです。机の上に出しておく物、カバンにしまっておく物、次の試験までの着席時間などしっかり聞くようにしましょう。
マークシート方式
都立高入試はマークシート方式(記述問題もある)のため、普段受験勉強をしていて答えを書くのとはやや勝手が違います。マークシート方式は訓練する機会があまりないので、意識して慣れるようにしましょう。
<マークシート方式の注意点> ♦ マークは濃く塗りつぶす。芯の太さは0.5mm以上、濃さはHBかBがよい。 ♦ マークを消すときにはしっかり消す(よく消える消しゴムを2つ用意しておく)。 ♦ マークする場所を間違えないように(「この問題は後回し」という時には特に注意。マークが1つずれるとそれ以降の問題が誤答になってしまう危険性あり)。 ♦ マークは記号だけでなく数値を塗りつぶすものもある。 |
時間配分に注意
都立高入試は各教科50分で行われます。
- 国語では200字の作文が必ず出題されています。みなさんは200字の作文を書くのにどれくらいの時間が必要でしょうか。時間を計って確認しておきましょう。
- 英語では試験時間の最初の10分程度リスニングテストがあります。従って残りの40分でほかのすべての問題を解く必要があります。
- 数学にも2問の証明問題が出題され、ある程度の時間を要します。
問題の難易度によってかかる時間も変わりますが、会場模擬テスト(Vもぎの都立そっくりもぎ)では入試本番と同じ50分で行いますので、時間を意識しながら解くようにしましょう。何回か訓練することで、大問1つ解くのに自分はどれくらいかかり、すべての問題を解くのにどれくらいの時間が必要かわかるようになるでしょう。
<都立高入試の時間割(2024(R6)年度実施の例)>
時刻 | 時間 | 教科 | |
---|---|---|---|
集合 | 8:30 | ||
第1時限 | 9:00~ 9:50 | 50分 | 国語 |
第2時限 | 10:10~11:00 | 50分 | 数学 |
第3時限 | 11:20~12:10 | 50分 | 英語 |
第4時限 | 13:10~14:00 | 50分 | 社会 |
第5時限 | 14:20~15:10 | 50分 | 理科 |
休み時間の過ごし方
教科間の休憩時間が20分あります。トイレに行くにしても時間は余るでしょう。この休憩時間をどう過ごすかを決めておくことも重要です。何回か経験することで、あのノートを持ってくればよかった、あの参考書を見たかった、など思うようになり、本番ではベストの1冊で休憩時間を過ごすことができるようになるかもしれません。
志望校選択の参考資料
いくらその高校に進学したいと望んでも入試に合格しなければ入学することはできません。志望校を決めるには、自分の適性や希望、将来の進路、高校の校風や教育目標、または学校行事や部活動、通学時間などさまざまな面から検討して自分に合うベストの選択をする必要があります。
しかし学力が合わなければ仮に入学できても苦労することになるでしょう。高校は学習の場でもあるからです。
従って、最終的には志望校と自分の学力を比べて学力面でも自分に合う高校を選択せねばなりません。会場模擬テストではその学力面から志望校選択する際のもっとも正確なデータが得られます。
一度の判定で一喜一憂しない
合格の可能性が高いといってもたまたま問題との相性が良かったのかもしれません。コンスタントに同じような高い判定がでていないと安心はできないでしょう。またB判定の人はA判定を、A判定の人はS判定を目指して努力することも重要です。
合格の可能性が低い場合、あきらめずにあとどれくらい頑張れば合格ラインに達することができるのか確認し、それを目標として努力してみましょう。しかしあまりに点差が大きい場合は志望校の変更を考えなければならないかもしれません。
Vもぎの成績表には「今回の成績から見た学校紹介」の欄があり、志望校のほかにどのような高校があるのかでているので、自分にとってベストの志望校をみつけるための参考にしましょう。
学習状況の分析
会場模擬テストの活用法の3つめは、自分の学力アップの資料として活用し、その後の受験勉強の参考とすることです。
会場模擬テストを受けると、志望校の判定だけでなく各教科の学習状況も分析してくれます。ここをよく読んで自分ができたところ、できなかったところを確認して、間違えたところは次回同じような問題がでたときに確実に得点できるように復習をしておきましょう。
自分の弱点がわかったら、それを受験勉強にいかすことも重要です。学習計画の中にその単元を入れて完全にマスターするようにしましょう。テストを受けたらそれで終わりにせず、見直しをすることが学力アップにつながります。
都立もぎは都立高入試の出題傾向に合わせて作成されているので、その問題をとっておき、折に触れて復習するのも効果的です。
会場模擬テストは何回受ける?
すべての回を受ける必要はありませんが、1回だけの診断では十分とはいえません。夏休み前の6月か7月に1回受けて、現状の学力を把握したうえで9月か10月に1回受け、夏休みにどれだけ力がついたか確認してください。さらに11月と12月に受けて本番に備えましょう。従って、合わせて4回程度受けるのがいいでしょう。
なお、塾から申し込む場合は塾の先生の指示に従って受けてください。
Vもぎの年間予定
※都立Vもぎは8月以降すべて「そっくり」型です。
実施月 | 都立Vもぎ | 都立自校作成対策もぎ | 私立Vもぎ |
---|---|---|---|
6月 | 2日 | ||
7月 | 14日 | ||
8月 | 25日 | ||
9月 | 1日、8日、29日 | 1日 | |
10月 | 6日、20日、27日 | 20日 | 6日 |
11月 | 3日、17日 | 17日 | 3日 |
12月 | 1日、8日、15日 | 8日 | 1日 |
1月 | 12日、19日 | 12日 |