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神奈川県の公立高校受験の仕組みや選抜方法

入試情報

2021.05.27

2021.05.27

神奈川県の公立高校受験の仕組みや選抜方法

神奈川県の公立高校の受験は、2月に実施される学力検査+面接ほか、内申点(調査書)、学校によって実施される特色検査による「共通選抜」です。合否判定は2回で、第1次選考でおよそ90%の合格者が決定します。

内申点は中学2年、3年の成績と学習態度などを点数化したもの。内申点・学力検査・面接の比率は、高校ごとに異なり、偏差値上位校ほど学力重視の傾向があります。

今回は、神奈川県の公立高校受験について、仕組みや選抜方法についてご紹介します。

神奈川県の公立高校受験の仕組み

神奈川の公立高校受験では、全日制・定時制・通信制ともに、受験者全員が一斉に入試(学力検査)を行います。全日制の入試は1回だけですが、合否判定は第1次選考・第2次選考の2回に分けて行います。

第1次選考では、合格者のおよそ90%が決定します。内申点(調査書)・学力検査・面接に加え、場合によって特色検査(実施した場合のみ)を実施する高校もあります。これらの合計得点をそれぞれの高校で設定した係数をかけて求める「S1値」が高い順から選抜していきます。
S1値とは、内申点(調査書)、学力検査の得点、面接の得点、特色検査の得点をもとに算出した数値です。第2選考では、内申点(調査書)を除いて算出したS2値が用いられます。

内申点・学力検査・面接の比率は、各選考資料が2以上、合計10になるよう、高校独自の配分で決められています。進学校ほど、学力検査を重視する傾向があります。

例えば、神奈川県最難関の横浜翠嵐高校と湘南高校の2校の点数配分を例に見てみましょう。

例)横浜翠嵐高校 内申点2:学力検査6:面接2
  湘南高校   内申点3:学力検査5:面接2

特色検査を実施した場合は、1〜5の範囲で比重を決定して加算します。

第2次選考では、内申の評定を使用せず、学力検査・面接・特色検査(実施した場合のみ)で「S2値」を求め、数値の高い順から、募集人員まで選抜します。

市立高校は市外からの入学者に上限がある場合も

神奈川県では、2005年に公立高校18学区が撤廃、学区が統一されました。神奈川県に住んでいる生徒であれば、県内の公立高校を自由に選択できます。
一方、市立高校には学区があり、高校によっては市外からの入学者数に上限を設けています。

2021年度時点で、市外からの入学者数に上限を設けている神奈川県内の市立高校は次のとおりです。

横浜市の市立高校
東高校・桜ヶ丘高校・みなと総合高校・戸塚高校定時制(普通)定員の8%
金沢高校・南高校定員の30%
川崎市の市立高校
橘高校(普通)・川崎高校(普通)・高津高校定員の8%

神奈川公立高校受験の共通選抜について

神奈川県の公立高校受験は、内申点(調査書)・学力検査・面接ほか、実地された場合のみ、特色検査が選考に使用されます。それぞれの特徴や評価基準などを、詳しく解説します。

1. 中学校での学力・学習態度などが点数化された内申点

共通選抜に使用する「内申点(調査書)」とは、受験生の中学2年、3年生のときの成績や、学校での生活態度などを評価してまとめたものです。国語、数学、理科、社会、英語の5教科ほか、保健体育、音楽、美術、技術・家庭の実技4教科も評価の対象となります。

9教科の点数は、5段階評価によって点数化し、中学2年で45点満点、中学3年の成績は5段階評価を2倍にして計算し、90点満点とします。(合計135点満点)

それぞれの高校の判断で、特定の教科を重視したい場合、9教科中3教科まで、1教科ごとに2倍の範囲内で重点化できます。実技教科に関しては、結果よりも真面目に取り組んだかどうかといったことが評価される傾向があります。

内申点は、学力だけでなく、宿題やレポートなどの提出物や授業態度なども評価対象となります。倍率の高い進学校、人気校に合格するためには、日頃の生活態度もしっかりとする必要があります。

2. 全5教科のテストが行われる学力検査

学力検査では、基本的に国語、数学、理科、社会、英語の5教科のテストが実施されます。各教科100点満点で、マークシート方式の選択問題と記述問題が出題されます。検査時間は各教科50分です。(計500点満点)
特色検査を実施する高校は、学力検査が3〜4教科になる場合もあります。

内申点同様、特定の教科の学力を重視する高校では、2教科まで入試得点を2倍の範囲内で重点化する場合もあります。

3. 1人10分程度の個人面接

学力検査とともに実施される個人面接は、受験生1人につき10分程度の時間が与えられます。面接は事前に記入した調査書の内容を元に進められ、面接官となる教員は2名以上です。

面接は◎(優れている)、◯(満足できる)、△(満足できる水準を下回っている)の3段階で評価され、面接結果は評価を100点満点で換算したのち、高校ごとに定められた2以上の比率を乗算して面接点を算出します。
採点基準は各高校が独自に設定することができ、受験生の間で、ほとんど差が出ないこともあります。

面接では、次の2つの観点から質問されます。

共通の観点

面接シートの内容を参考に、すべての高校で質問される項目です。
面接シートには、次のような項目を記入します。

  • この高校への入学を希望した理由
  • 中学校での学習活動について、どのような意欲で取り組んだか
  • 中学校での学習以外での活動について、どのような意欲で取り組んだか
  • 自分自身の長所

面接シートはあくまで参考資料です。記入した内容自体を評価対象として点数化することはありません。

学校ごとの観点

高校に入学してからの学校生活について、学習意欲や部活動への意欲、将来の展望ほか、自分の良いところ、悪いところなどについて質問されます。
質問される内容は、受験する高校や学科によってさまざまです。

4. 特色検査

特色検査とは、内申点や学力検査、面接では測れない特性・能力を判定するために設けられた検査です。難関校を中心とした17校で実施されており、実技審査と自己表現検査の2つがあります。検査の内容は高校ごとに決められています。
各学校の特色検査の概要・詳しい評価基準については、神奈川県の公式HPにて紹介されています。

神奈川県公立高等学校入学者選抜について

実技審査

実技審査は、美術系ならデッサン、音楽系なら独唱や楽器演奏など、特色を持つ学校・学科ならではの課題が実施されます。検査時間は1人につき50分です。

自己表現検査

表現検査は、テーマに基づくスピーチやグループ討論、作文ほか、中学校までに学習したことを総合的に活用した記述問題などが実施されます。検査時間や形式などは高校ごとに定めています。

神奈川公立高校の選抜方法を理解して受験対策を立てよう

神奈川県の公立高校の仕組み・選抜方法についてご紹介しました。神奈川県の公立高校受験の特徴は、選抜方法や評価基準が可視化されている点です。入試前にある程度の合格判定がしやすく、受験対策をしっかり立てられます。
学力検査の難易度が高いことでも有名です。日頃の勉強で学力を身につけておきましょう。

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