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2025(R7)年度 都立高校全日制等志望予定調査の結果について

入試情報

2025.01.17

  • #私立高校受験

2025.01.17

東京都立高校受験の仕組みや選抜方法

1月8日、東京都中学校長会から2025(R7)年度 都立全日制等志望予定(第1志望)調査の結果が発表されました。その特徴をまとめましたのでご参照ください。

なお、調査結果は以下からご覧ください。

令和7年度 都立高校全日制等志望予定(第1志望)調査の結果について

https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/high_school/application/release20250108_01.html

1.志望予定調査結果の概要

2025(R7)2024(R6)2023(R5)2022(R4)2021(R3)
志望校決定者数68,26868,67368,94668,57365,891
都立高志望予定者数45,72049,43149,36248,81847,033
志望率66.97%71.98%71.60%71.19%71.38%

全日制高校の志願者(志望校決定者数)のうち、都立高を志望する人は45,720人で、前年度より3,711人減少。志望率は66.97%で、前年度より5.01%ダウンしました。志望率は2年連続で上昇傾向にありましたが、今年度は大きく下がっています。都立高の志望率が60%台まで下がるのは約30年振りのことで、過去最低の志望率になりました。

2025(R7)2024(R6)2023(R5)2022(R4)2021(R3)
募集人員39,52239,80740,20239,53838,375
志望予定者数45,48049,17649,09648,52546,750
志望率1.151.241.221.231.22

志望予定者数は、前述の「都立高志望予定者数」より産業技術高専の志望者を引いた人数です。

次に、全日制全体の倍率を見てみましょう。募集人員に対する全日制の志望予定者数は45,480人で、前年度より3,696人減少。倍率は1.15倍と前年度より0.09ポイントダウン。こちらもこれまでにない低倍率を記録しています。2021(R3)年度のコロナ禍以降、1.22~1.23倍で推移していて、前年度は1.24倍にアップ。コロナ禍以前の倍率に戻ったかと思われましたが、今年度は志望率と同様に大きく下がりました。都立高志望予定者の激減が、倍率の減少にも表れています。

以下は全日制私立高(国立・他県公立を含む)の志望予定者数と、卒業予定者に対する比率の推移です。

2025(R7)2024(R6)2023(R5)2022(R4)2021(R3)
全日制私立高
志望予定者数※
22,54819,24219,58419,75518,858
割合28.96%24.64%25.21%25.85%25.83%
割合の増減+4.32-0.57-0.64+0.02+0.48

全日制私立高志望予定者数には国立・他県公立を含みます。

全日制私立高志望予定者数(国立・他県公立を含む)は22,548人。前年度より3,306人増加、割合も大幅にアップしています。就学支援金の拡大やコロナ禍によって私立志向が高まりを見せていましたが、この2年間は減少傾向で、増加に歯止めがかかったかに思われました。それが一転して、今年は4.32%増となり卒業予定者の約3割が私立高を志望する結果になりました。

2024(R6)年度より、都の『授業料軽減助成金』の所得制限が撤廃され、授業料実質無償化の枠が拡大されたことで、私立を志望する受験生が増加したと考えられます。

また、近年増加傾向にある都立以外の通信制(定時制を含む)は志望予定者数3,880人。比率は4.98%で前年度より0.27%アップ。変わらず上昇傾向にありますが、これまでのように急激な上昇(2021年度入試より0.81→0.30→0.54→0.66%の上昇)は抑えられています。

2.学科ごとの志望状況

以下の表は、帰国、在京を除いた過去5年間の男女計による全日制普通科の志望倍率です。今年は志望予定者数が33,157人で前年度より3,124人減。志望倍率が1.22倍で、前年度より0.10ポイントダウンしました。過去の倍率を見ると普通科が1.20倍台まで落ち込んだことは過去10年でなく、近年にない低倍率を記録しています。

募集人員志望予定者数志望倍率
2025(R7)27,11933,1571.22
2024(R6)27,40436,2811.32
2023(R5)27,80436,4551.31
2022(R4)27,14035,8601.32
2021(R3)26,14334,4101.32

帰国、在京外国人募集を除く

専門学科全体では在京を除くと0.91倍で前年度より0.01ポイントダウン。志願者数も約90人減でほぼ変わりませんでした。

学科別に見ると、農業科が1.17倍で前年度より0.09ポイントアップしました。前年度、定員割れになった農産(0.99→1.06倍)、瑞穂農芸(0.97→1.15倍)の2校の倍率アップが影響しているようです。

工業科は0.81倍で0.02ポイントアップ。微増していますが、相変わらず学科全体での定員割れが続いています。

科学技術科では科学技術多摩科学技術で志望者数が減。多摩科学技術は1.31→1.07倍と大きく倍率が下がり、学科全体で定員割れを起こしています。

商業科は2021(R3)年度より上昇傾向にありましたが、今年度は0.89倍で0.02ポイント下がりました。

ビジネスコミュニケーション科は0.91倍です。こちらは千早が1.01→1.10倍にアップしましたが、大田桜台が0.82→0.68倍でダウンし、学科全体で見るとほぼ前年度と変わっていません。

理数科は1.33倍で0.15ポイントアップ。前年度、倍率が落ち着いたと思われた立川が再び2.0倍台の高倍率となったことが影響しました。一方で、新設2年目の科学技術は0.60倍と1.0倍を下回っています。

国際科は例年高倍率が続いた影響か、今年は1.51倍と2年連続(2023(R4)年度より2.34→1.80→1.51倍)で大きく倍率を下げています。

単位制普通科では全体の倍率は1.13倍で前年度より0.11ポイントダウン。高倍率が続いていた新宿が1.58倍と前年度より0.69ポイント下がり、同じく人気の高い芦花も1.85→1.72倍と倍率ダウンしたことが影響しているようです。また、忍岡(0.88→0.65倍)、飛鳥(0.81→0.85倍)、板橋有徳(0.88→0.88倍)、翔陽(0.73→0.65倍)など例年定員割れになる学校のほか、墨田川(1.13→0.90倍)、美原(1.11→0.90倍)など、低倍率で安定していた学校でも1.0倍台を下回ったことが学科全体の倍率低下に影響していると考えられます。

総合学科は1.11倍で前年より0.05ポイントダウンしています。前年度人気のあった晴海総合(1.76→1.45倍)、王子総合(1.34→1.15倍)、青梅総合(1.45→1.29倍)の倍率がダウン、東久留米総合は例年の低倍率から抜け出して1.29倍までアップしていますが、全体的に倍率ダウンした学校が目立ちます(世田谷総合(0.93→0.77倍)、町田総合(0.92→0.89倍)、若葉総合(1.08→0.92倍))。

主な学科の志望状況

このように学科ごとの志望状況を見ると、志願者数や倍率が大きく減少しているのは普通科のみに留まるとわかります。専門学科や総合学科では多少の増減はあるものの、大きな変化は見られていません。このことから、全日制の志望者数が大きく減少したのは、普通科の志望者減によるものと考えられます。

3.グループ別の志望状況

次に、各校をいくつかのグループに分けて見てみましょう。前年度の入試では、重点校で倍率が低下し、中堅層で倍率は増加。学力レベルが高いほど倍率が高くなるという、都立高入試の傾向が崩れる動きが見られました。今回はどうなっているでしょうか。

※2024(R6)年度入試より普通科も男女合同募集になっています。2023(R5)年度以前と比較する場合は男女合わせた人数を計算して比較しています。

進学指導重点校

全体の倍率は前年度より0.04ポイントアップで1.50倍、志望予定者数も95人増です。前年度入試では、進学重点校は全体で応募者数が減少し倍率も下がったため、その反動で倍率が上がる学校が目立っています。日比谷戸山青山などの人気校は、今年は倍率、志望者数ともにアップしました。しかし以前のような激戦とまではいかず、例年と比べると比較的落ち着いた倍率になりました。

日比谷は前年度入試で受検生が激減しました。その反動で今年は志願者451人、倍率は1.42倍で0.05ポイントアップと微増していますが、日比谷としてはまだまだ低い倍率です。入学生の25%ほどが足立区や江東区、江戸川区などの旧5、6学区の生徒です。その6学区の生徒数が減少したことも志望者数が伸びなかった原因として考えられます。過去5年間で最も倍率が低かった前年度入試は、応募倍率が1.8倍台までアップしました。今年度も2.0倍近くまで上昇する可能性があります。

戸山は志望者数57人増で倍率は1.78倍でした。前年度倍率が下がった反動で志望者数、倍率ともにアップし、2023(R5)年度の倍率に戻りました。例年、予備倍率が下がっても実際の入試での応募倍率は2.0倍前後まで上昇する学校です。今年度も激戦になることが予想されます。

青山は志望者13人増で倍率も0.05ポイントアップして1.75倍。例年、予備倍率は2.0倍近くまで上がりますが、ここ3年間は1.70倍台で推移しています。過去5年間でもっとも倍率が低かった前年度も、応募倍率では2.0倍を超え、予備倍率よりも高い倍率になりました。今年度も実際の入試では倍率がアップする可能性がありますので注意しましょう。

西は志望者50人減で倍率は1.22倍、前年度より0.15ポイントダウン。2年連続で倍率が下がっています。今回は例年にない低倍率のため、このままであれば実際の入試でも前年度よりも倍率が下がると予想できます。例年、杉並区や中野区、練馬区の旧3学区から3~4割の生徒が入学します。3学区は私立高への進学者の多い地域のため、早稲田系、中大系の大学附属や錦城など内申基準を緩和した学校に流れている可能性があります。

八王子東はここ2年程、予備調査でも実際の入試でも低い倍率が続いています。今年度は1.06倍で前年度より0.05ポイント下がり、志望者も減少しています。今回の倍率は1.0倍を超えなかった2023(R5)年度の倍率に近く、この時の応募倍率は1.2倍台まで上がりました。今年度も実際の入試では同等の倍率になると考えられるでしょう。

立川の普通科は76人増で倍率は1.88倍。前年度より0.27ポイントアップしました。隔年現象が見られ、前年度倍率が下がった反動で今年は上昇したようです。過去5年間で最も高い倍率になりましたが、同様に1.8倍台まで上昇した2023(R5)年度の実際の入試では、応募倍率が1.4倍台までダウンしています。この3年間は予備倍率が上がっても応募倍率は1.3~1.4倍台で落ち着くため、今年度も倍率は下がると考えられます。創造理数科は28人増で倍率が2.05倍にアップしました。前年度の低倍率の反動で受検生が集まったようです。募集定員が40人と、少ないので、志望者数によって倍率が大きく変動します。開設初年度の予備倍率は2.08倍でしたが応募倍率は4.0倍台にまで上昇しているので今回も注意しましょう。

国立は志望者数32人減で倍率も1.42倍と前年度より0.10ポイントダウンしました。2021(R3)年度より隔年現象が続いています。今回は前年度の倍率アップの反動で志望者が減ったようです。今年度の予備倍率は2021(R3)年度の1.41倍に近いため、応募倍率も1.5倍台までアップする可能性があります。

進学指導特別推進校

進学指導重点校で倍率がアップした一方で、進学指導特別推進校は志望予定者数、倍率合わせてダウンしました。志望予定者数は188人減で2,742人。全体の倍率は1.37倍で前年度より0.07ポイントダウンしました。学校ごとに見ると、人気の高い国際新宿の倍率が下がっているのが目立ちます。例年高倍率になる学校を敬遠する安全志向の動きが見られています。

小山台は志望者増で1.17倍。前年度より0.07ポイントアップですが、小山台としては低めの倍率です。予備の倍率がアップすると実際の入試でも応募倍率がアップすることが多いため、今年度も応募倍率が上がる可能性があります。

駒場は志望者が39人増加して537人に増加。また、今年度は募集定員が1学級減での入試になります。その影響もあり、倍率は1.95倍と2018(H30)年度の2.01倍に次ぐ高倍率になりました。そのほか、新宿や国際の高倍率を敬遠した受検生が駒場に流れている可能性もあり、このままであれば応募倍率も高倍率になる可能性があるので注意しましょう。

小松川の志望者数は前年度とほぼ変わらず、倍率も1.10倍と同率でした。2023(R5)年度より低倍率が続いています。実際の入試では、応募倍率は1.2倍台までアップしますが、それでも小松川としては低い倍率です。応募倍率は今回も前年度同様、1.2倍前後までアップすると考えられます。

町田は志望者が76人減で倍率は1.09倍。前年度より0.24ポイントダウンしました。前年度が1.33倍と例年よりも高倍率になったため、安全志向により狛江などに移動した可能性があります。予備倍率は2023(R5)年度の1.05倍と2020(R2)年度の1.06倍に近い倍率のため、その年の応募倍率1.1倍台まで上がると見込まれます。

国際は志望者数40人減で212人、倍率は1.51倍でした。前年度と比べ0.29ポイントダウンしました。例年、実際の入試でも応募倍率が2.0倍を超える人気校です。それが敬遠されてか、2年連続で志望者が減少しています。1.50倍台まで倍率が落ち込んだことは過去5年間になく、実際の入試でも倍率が下がることが予想されます。しかし、予備倍率が1.76倍だった2021(R3)年度の最終応募倍率は2.20倍だったので、下がると言っても2.0倍前後は確保するでしょう。駒場のほか、国際教育に力を入れている狛江に移動している可能性があります。

新宿は志望者数219人減で498人、倍率も1.58倍まで落ち込んでいます。前年度と比較すると0.69ポイントダウンです。前年度の最終応募倍率は2.42倍で、例年高倍率を維持する新宿でも特に高い倍率になりました。その反動で、今回は倍率が大きく下がっています。予備倍率が1.43倍だった2021(R3)年度でも、実際の入試では応募倍率が1.9倍台まで上昇しているので注意しましょう。安全志向により駒場に移動したほか、私立に流れている可能性があります。

国分寺は志望者84人増で429人、倍率は1.53倍で前年度より0.27ポイントアップしています。前年度の応募倍率は、例年にない1.4倍台と低い倍率だったので、その反動で志望者が集まったようです。また国分寺市や西東京市、小平市などの旧9学区からの入学者が約4割を占める学校ですが、ここ2年間は同地区からの入学生は減少傾向でした。前年度の低倍率を見てこれらの地域から受検生が戻ってきている可能性があります。

進学指導推進校

進学指導推進校では全体の倍率は1.47倍で前年度より0.11ポイントダウン。志望予定者数は6,296人で約430人の減です。学級減になった城東で約200人減、学級増の竹早が60人減になったほか、三田墨田川日野台などで大幅な志望者減になり、安全志向によって志望校のランクを下げる動きが見られました。一方で上野豊多摩昭和など応募倍率が2.0倍近くまで上昇する人気校では志望者が増加し高い倍率を維持しています。また江東区や江戸川区などの旧6学区の生徒数が約240人減少しており上記の墨田川城東江戸川などに影響が表われました。

三田は志望者数56人減で458人、倍率は1.79倍で前年度より0.22ポイントダウンしています。前年度1学級減での募集により倍率が上がったことで敬遠されたようです。男女合同募集の影響により、今年の入学生の男女比が約3:7になりました。それも倍率ダウンの原因として考えられます。

竹早は倍率が1.31倍、前年度より0.5ポイントダウンです。志望者数も60人減で342人でした。学級増と志望者減により大きく倍率が下がっています。予備倍率1.3倍台は近年にない低倍率です。前年度の応募倍率は1.7倍台で、竹早としては高くはない倍率ですが、例年の高倍率により敬遠された可能性があります。今年の入学生は24%が江東区や葛飾区、江戸川区など旧6学区からの入学生でした。6学区は在籍数が減少しているため、志望数が下がったのはその影響もあると考えられます。

上野は志望者数47人増で572人。倍率1.81倍で0.15ポイントアップしました。前年度の応募倍率は1.95倍と高い倍率だったにもかかわらず、今年も志願者が増加しています。安全志向により城東から受検生が移動してきている可能性があります。2021(R3)年度の予備倍率とほぼ同じです。実際の入試でも2.0倍前後までアップするでしょう。

墨田川は志望者数74人減、倍率は0.90倍で4年振りに定員割れを起こしています。予備調査で1.0倍を下回っても、実際の入試では1.0倍近くまで上昇する学校です。しかし、0.90倍は過去にない低い倍率のため、上がっても高い倍率にはならないでしょう。旧6学区からの入学生が6割を超える学校です。在籍数減少の影響を強く受けているようです。

城東は1学級減での募集で、例年の募集枠に戻りました。志望者204人減で512人、倍率は1.62倍で前年度より0.39ポイントダウン、大きく倍率が下がりました。学級減での募集の場合、倍率がアップすることが多いですが、それ以上に志望者数が減少しています。例年続く高倍率により上野に流れたこと、6学区からの入学生が6割を超えるため、在籍数減の影響を受けたことが志望者激減の原因として考えられます。

豊多摩は志望者数35人増で565人、倍率は1.79倍で前年度より0.11ポイントアップしました。前年度の実質倍率が1.60倍と、例年に比べて低い倍率だったため、反動で生徒が集まったようです。予備倍率は3年ぶりに1.7倍台まで回復。2022(R4)年度の1.78倍に近い倍率のため、実際の入試では2.0倍を超える可能性があります。

北園は志望者数10人増で倍率は1.61倍。前年度と比べ0.04ポイントアップしました。推進校のなかでは珍しく大きな変化がない結果になりました。例年、志望倍率よりも実際の入試倍率が高くなる傾向があるので注意が必要です。

江北は志望者数93人増で倍率が1.73倍。前年度と比べて0.29ポイントアップしました。前年度の実質倍率は1.4倍台で、江北としては低めの倍率でした。その反動で志望者が集まったようです。今回の予備倍率は2023(R5)年度に次ぐ高倍率です。実際の入試でも倍率が上がる可能性がありますので注意しましょう。

江戸川は志望者が41人減で倍率は1.44倍。前年度より0.13ポイントダウンしました。前年度は学級減で倍率アップ。今年度はその反動で下がったようです。また、6学区の学校のため在籍数減も倍率の低下に影響したと考えられます。今回の予備倍率は例年より低いため、実際の入試でも倍率がダウンする可能性があります。

武蔵野北は志望者数が17人減で倍率は1.19倍。前年度より0.07ポイントダウンしました。2年連続で倍率が下がっており、今年の1.1倍台はこれまでにない低倍率です。錦城や拓殖大学第一など、併願校として選ばれやすい私立高の内申基準が緩和されたので、受検生はそれらの私立へ流れた可能性が高いと思われます。

昭和は志願者数21人増で倍率が1.75倍、前年度より0.06ポイントアップしました。前年度は応募倍率が1.5倍台で例年よりも低めの倍率でした。今回はその反動で倍率がアップしていますが、微増で留まっています。予備倍率より実際の入試の倍率の方が低くなる傾向があります。今年度も1.7倍前後までダウンする可能性があります。

調布北は志願者数7人増で倍率が1.34倍と微増です。コロナ禍により地元志向で倍率がアップしましたが、この2年間はコロナ禍以前の倍率に戻っています。予備倍率は前年度と大きく変わらないため、実際の入試でも1.5倍台までアップすると見込まれます。

小金井北は志望者数49人減で341人、倍率は1.44倍で前年度より0.21ポイントダウンしました。前年度は例年以上の高倍率を記録したため、その反動で倍率が下がっています。今回の予備倍率は2020(R2)年度と2019(H31)年度に近いため、実際の入試では応募倍率が1.6倍台までアップする可能性があります。

日野台は志望者数が93人減で倍率が1.10倍まで下がりました。前年度と比べると0.31ポイントダウンです。予備倍率が1.1倍台は近年にない低倍率です。実際の入試で倍率が上がったとしても、例年よりも緩やかな入試になるでしょう。拓殖大学第一で加点制度の上限拡大などを行い出願しやすくなっており、それも影響した可能性があります。

多摩科学技術は志望者数51人減で倍率は1.07倍。前年度と比べて0.24ポイントダウン、近年にない低倍率を記録しました。実際の入試では、応募倍率が例年1.8倍台まで上がる人気校です。高倍率により敬遠されたこと、東京電機大学の推薦入試に地域点が導入されたことなど私立への流れで倍率が大きくダウンしたと考えられます。

4.その他注目校の志望状況

今年度の予備調査では、普通科の志望者数が激減し、倍率も1.22倍と過去にない低い倍率になりました。指定校の中でも急激に倍率が下がった学校が散見されています。では、ほかにはどのような学校で倍率が下がったのか見てみましょう。

目黒は志望者数125人減で254人、倍率は1.07倍で前年度より0.53ポイントダウンしています。1.0倍台は近年にない低倍率です。前年度の応募倍率は1.9倍台で、高い倍率ではありますが目黒としては標準的な倍率でした。しかし今年度は例年の高倍率により敬遠されたと考えられます。また、品川区や大田区などの旧1学区からの入学者が多く5~6割を占めています。この旧1学区は私立へ流れやすい地域のため、支援金の拡大により志望者が激減した可能性があります。

井草は志望者数93人減で329人、倍率が1.19倍で0.33ポイントダウンしました。前年度は倍率がアップしたため、その反動で志望者が減少したようです。安全志向により石神井に流れたか、豊島学院や目白研心で内申基準の緩和があったため、そちらに流れたと考えられます。

杉並は志望者数127人減で304人、倍率は0.96倍で予備調査では3年ぶりに定員割れになりました。前年度は例年にない高倍率だったため敬遠されたようです。2022(R4)年度も予備調査で定員割れになりましたが、実際の受検では1.0倍を超えたため、今回も1.0倍台まではアップすると思われます。

向丘は志願者数が107人減で364人、倍率は1.32倍で前年度より0.39ポイントダウンしました。前年度の最終応募倍率は2.00倍で、例年にない高倍率だったため反動で志願者が減少したようです。また、豊島学院で内申基準を緩和したため、私立への流れもあったと考えられます。

高島は志願者数が98人減で275人、倍率が0.87倍で定員割れになっています。3年ぶりの定員割れで、0.8倍台は例年にない低倍率です。2021(R3)年度は予備調査で定員割れになったまま、実際の入試でも1.0倍に満たなかったため、今回も高い倍率にはならないでしょう。板橋区や文京区、豊島区などの旧4学区は私立に流れやすい地域のため私立推薦に流出している可能性があります。

淵江は志願者数が110人減で159人、倍率は0.70倍で定員割れになりました。志望者数が100人台になるのは3年ぶりです。倍率も近年にない低倍率になりました。予備倍率が定員割れになっても、実際の入試では1.0倍を超える傾向がありますが、今回は定員割れになる可能性もあります。

本所は志望者数が175人減で331人、倍率は1.40倍で前年度より0.74ポイントダウンしました。前年度は例年以上の高倍率になったため、その反動で今年度は志望者数が激減しています。6学区からの入学者が約6割を占めていることから、生徒数減少の影響も受けたようです。また、関東第一で内申基準のないC推薦を導入したことも影響したのかもしれません。

日本橋は志望者数が99人減で207人、倍率が0.91倍で定員割れになりました。予備倍率で定員割れになったのは2018(H30)年度以来ですが、志望者数としては2018(H30)年度(220人)よりも少ない人数になりました。6学区からの入学者が7~8割を占めています。生徒数の減少が志望者数の減少に影響していると考えられます。

篠崎は志望者数が97人減で223人、倍率は0.80倍で定員割れになりました。2022(R4)年度も定員割れになり、実際の入試でも1.0倍を下回っています。今回はそれ以上に倍率が低いため、応募倍率も定員割れになる可能性があります。入学生のほとんどが6学区からの入学者です。そのため、生徒数の減少が志望者数の減少に大きな影響を与えていると考えられます。

小平西は志望者数91人減で299人、倍率は1.08倍で前年度より0.32ポイントダウンしました。例年低倍率で推移していましたが、前年度は近年にない高倍率になりました。そのため今年度は例年の倍率に戻ったともいえます。

府中は志望者数93人減で366人、倍率は1.16倍で前年度より0.50ポイントダウンしました。予備倍率が1.1倍台は近年にない低倍率です。ここ3年間、高倍率が続いたため敬遠され、私立に流れたたと考えられます。

以上のように、例年高倍率になる人気校で大幅な志望者減が目立ちました。授業料助成金制度の制限撤廃によって都立志望者が激減しましたが、残った都立第一志望者は安全志向となり高倍率校を敬遠していると考えられます。

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