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【最新情報】2025(R7)年度 都立高入試を振り返って【推薦入試・一般入試】

入試情報

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2025.04.04

2025.04.04

東京都立高校受験の仕組みや選抜方法

今春の都立高入試はどのような入試であったのか振り返ってみましょう。

全体概要

今春の2025(R7)年度の都立高入試は新聞でも報道されたように,一般入試の応募倍率が今の入試制度になった1994(H6)年度以降でもっとも低い倍率を記録した入試でした。
一般入試の第一次募集・分割前期募集では全日制高校の3分の1にあたる延べ60校77学科で受検者数が募集人員より少ない定員割れの状況となり,前年度より550人多い2,537人(分割後期募集分含む)で第二次募集を実施,さらに第三次募集を1,567人と前年度のほぼ倍の募集数で実施しました。

なぜこのような入試になったのでしょうか。それは東京都の私立高に対する授業料助成金制度の年収制限が撤廃されたことが原因といわれています。
都内の受験生であればだれでもこの授業料助成金の対象となったことで都立高校より私立高校などを選択する生徒が増えたと考えられます。

推薦入試

● 応募倍率は1995年度以降の最低倍率
全日制の推薦募集人員9,407人に応募者は21,467人,応募倍率2.28倍で前年度(2.48倍)より0.2ポイントダウンし,普通科に推薦制が導入された1995(H7)年度以降でもっとも低い倍率になりました。
グラフにあるように,近年応募倍率は下降傾向で推薦離れが進行していましたが,今年度はコロナ禍対応で制度変更したときにおこった変動(2020→2021年度の0.23ポイントアップ,2021→2022年度の0.24ポイントダウン)に次ぐ大きな動きになりました。

● 倍率ダウンは普通科中心
学科別の倍率をみると,普通科が前年度より0.26ポイントダウンし2.61倍,単位制普通科は0.33ポイントダウン,コース制含めた普通科全体の倍率も0.27ポイント下がりました。
一方で商業科は前年度と同倍率,工業科(単位制除く)も0.02ポイントダウンで留まり,農業科は逆に上がりました。家庭科(単位制除く)や産業科では大幅に下がったものの,専門学科全体でも0.04ポイントダウンと普通科ほどには下がりませんでした。
ただ,専門学科の中でも科学技術科や理数科,芸術科,国際科など普通科系専門学科は大幅に下がっており,今回の私立高の授業料助成金制度の影響はおもに普通科と普通科系学科に及んだといえるでしょう。

● 高倍率は文化・スポーツ等特別推薦実施校が多い
普通科と単位制普通科でもっとも高い倍率になったのは今年度も新宿でしたが,応募者は前年度より75人減っています。2位の大泉桜は31人増えて14位から躍進しました。しかし4位の三田は64人減で前年度の2位から後退,7位の豊島は42人減で6位からひとつ下がり,8位の城東は104人の大幅減で5位から順位を落とすなど,人気校の多くで応募減になりました。

このように多くの学校で倍率が下がった結果,全体的に高倍率校が少なくなり,次のグラフにあるように3倍以上の学校が3割程度まで減少することになりました。

専門学科の高倍率ベスト10は以下の通りです。その学校にしか設置されていないような学科に応募者が多く集まる傾向があります。また,工芸が5学科中4学科でベスト10に入りました。

一方で,定員割れになったのは普通科が6校,専門学科が10校16学科の合わせて16校22学科になりましたが,前年度の15校21学科とそれほど変わりませんでした。
専門学科では募集枠が広い工業科で定員割れが多く9校15学科に及んでいますが,前年度と同じ数でした。

● 合格者の状況
受検者数は21,404人,合格者は9,243人で倍率は下がったといっても半数以上の受検生が不合格になる厳しい状況は変わりませんでした。

一般入試

● 応募倍率は過去最低の1.29倍
一般入試の募集人員(海外帰国生徒枠除く。以下同じ)29,976人に対し志願変更後の最終応募者数は38,591人,応募倍率は1.29倍で前年度(1.39倍)より0.1ポイントダウン,今の入試制度になった1994(H6)年度以降でもっとも低い倍率を記録しました。
応募倍率は2021年度にコロナ禍の影響で0.05ポイントダウンして以降1.3倍台で推移していましたが,今年度は0.1ポイントの大幅ダウンとなり,私立高の授業料助成金制度の制限廃止がコロナ禍以上のインパクトを与えました。

生徒数に対する応募者数の割合も今年度は5割を割り,普通科の応募率も4割を切ってしまいました。一方で専門学科と総合学科を合わせた応募率は8%台を維持し普通科ほど大きな変動はありませんでした。
従って,この倍率ダウンは普通科の応募率の減少によるものであることがわかります。

● 学科別応募状況
普通科は1.36倍で前年度より0.11ポイントのダウン,コース制,単位制含めた普通科全体の倍率も0.11ポイント下がりました。応募者数は前年度より3,025人で8.6%減っており,相当数の生徒が私学に移動したものと見込まれます。
一方で専門学科は商業科は0.04ポイントダウン,工業科(単位制除く)は0.01ポイントダウン,農業科はアップし,家庭科(単位制除く)は0.1ポイント下がるなど動きはさまざまですが,専門学科全体では0.02ポイント,応募者数は150人3.3%の減で留まりました。
しかし専門学科の中でも科学技術科や芸術科,国際科など普通科系専門学科では大幅なダウンが目立っています。
推薦入試同様,授業料助成金制度の制限撤廃は,普通科と普通科系専門学科がもっとも大きな影響を受け,専門学科は軽微で済んだような形です。
商業科や工業科は近年低倍率が続いていることや,私立高では姿を消しつつある学科のため,これ以上減ることはなかったのかもしれません。
商業科高校7校のうち,1倍を超えたのは芝商業(1.06倍),葛飾商業(1.11倍)と第五商業(1.30倍)の3校だけ,工業高校は15校中12校で学校全体の応募者数が募集数を満たすことができませんでした。また5学科を統合して「ものづくり工学」に一本化した単位制の六郷工科も0.71倍と前年度の学校全体の倍率0.81倍を下回りました。家庭科は赤羽北桜農業が倍率ダウン,瑞穂農芸は上がりましたが定員割れは変わっていません。単位制の忍岡は1.12倍から0.90倍に落ち込むというように定員割れになる学校が多くあります。
また,科学技術科は2校とも倍率ダウン,特に多摩科学技術は1.4倍台に下がり,最近の5年間でもっとも低い倍率になりました。国際も56人減って1倍台にダウン,この倍率も近年では最も低い倍率です。
一方,倍率アップしたのは農業科で5校中4校で応募者が増加,唯一応募減になった農業も1.3倍台を維持しました。福祉科は開校5年目の新しい学校赤羽北桜が前年度の0.2倍台から1.0倍台に上がっています。理数科は立川が66人の大幅増で4倍を超え開設初年度の3年前の倍率が復活しています。
総合学科は0.08ポイント,応募者数は119人5.5%の減と普通科ほどではないが専門学科よりは影響を受けたといえます。総合学科高校10校のうち世田谷総合町田総合が定員割れになったほか,晴海総合王子総合青梅総合若葉総合でダウンしました。

● 合格者の状況
受検者数は35,877人,受検を棄権した人は2,714人,最終応募者数に対する割合は6.8%から7.0%にややアップしました。
棄権率は次の表にあるように徐々に上がってきており,今年度はこれだけ応募者が減ったものの,棄権率は前年度よりさらに上がっており,私立志向の高まりを感じさせました。

受検倍率は1.20倍,合格者数は28,188人,実質倍率(受検者÷合格者)は1.27倍(前年度も1.35倍)でした。
受検倍率より実質倍率が高くなったのは定員割れが多く合格者を出すことができなかったからです。
不合格者数は7,689人で前年度(10,060人)より約2,370人減になりました。

このように,今年度の都立高入試は記録に残る低い倍率になりましたが,それでも首都圏の公立高入試の中ではまだまだ高く,合格率も70%台で不合格者ももっとも多いというのが現状です。
従って,倍率が下がったといっても都立高入試に挑戦する場合は,油断は禁物でしっかりとした対策が必要なのはなんら変わりません。

次回から各地域の入試状況を見ていきます。

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