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2025(R7)年度 千葉県公立高入試を振り返って【地域別】①

入試情報

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2025.08.08

2025.08.08

千葉県の公立高校受験の仕組みや選抜方法

今回から地域別に千葉県の公立高入試概況を見ていくことにします。第1回は千葉市の学校です。

千葉市の生徒数は前年度より約500人6.3%の減となったことから,募集人員も360人7.0%減りました。市立稲毛が募集停止になったほか,幕張総合,土気など6校が学級減になっています。志願者数は前年度より449人7.1%減で募集人員の減少率と同じになったため志願倍率は変わりませんでした。この倍率は2学区(1.25倍)に次ぐ高倍率です。隣接学区からの流入が多く,市原市や木更津市などの9学区,船橋市,市川市,八千代市などの2学区からは特に多くの受検生が挑戦しにきます。

千葉

県を代表する千葉の志願者数は2022年度から406→380→356→323人と年々減少しており,倍率も1.69→1.58→1.48→1.35倍と下降傾向です。今年度は新しい入試制度になった2021年度以降で最も低い倍率でした。また,受検棄権者が前年度(11人)からほぼ倍増し私立高へ転換した生徒も増えています。一発勝負の入試に変わったことで挑戦志向が薄れ少数精鋭の入試になっているのかもしれません。

千葉東

千葉東は2023年度より3年間1.3倍台で安定した入試が続いています。志願者数は420人前後になることが多く,2021年度以降で異例な入試になったのは2022年度の志願者数529人,倍率1.65倍になった1年間だけでした。この学力レベルにしては受検棄権者も少なく,強い志望を持った受検生に絞られているようです。高い進学実績や多くの大学と高大連携を結んでいるところが特徴ですが,ユネスコスクールとして国際理解教育に熱心なところも魅力になっています。

市立千葉

市立千葉「普」は高倍率激戦が続きます。今年度もほぼ前年度並みの多くの志願者を集め,受検生の約3割が不合格になりました。校舎が比較的新しく,施設設備が整っているほか,SSHの指定校であり普通科の生徒にSSHに特化したコースが設けられていることなどで高い人気を得ているようです。市立稲毛が高校募集を停止しましたが,その影響はほとんどありませんでした。「理数科」の志願者数は2022年度より60→69→71→74人と少しずつ増加しており,こちらも高い人気を得て厳しい入試が続きます。

幕張総合

幕張総合「総合」の志願者は19人の微増でしたが,1学級の募集減によって倍率は1.53→1.65倍にアップ,2021年度以降の最高倍率を記録しました。この結果,受検生の約4割に該当する400人以上の不合格者がでる激戦でした。公立高校3校分のマンモス校ですが,受検棄権者は一桁(2021年度より5→5→8→8→6人)に過ぎず人気の高い学校です。進学型の総合学科高校で大学進学を目指した系列(人文系,文理系,理工系,芸術系)が設置されています。

千葉西

千葉西は志願者が15人の減で倍率は1.15倍にダウン,2021年度以降でもっとも低い倍率になりました。千葉市の生徒数減の影響を受けたようです。また受検棄権者は増加傾向(1→3→5→9→9人)なので千葉敬愛や千葉明徳など近隣の私立高へ流出している可能性もあります。

検見川

検見川の2021年度から2024年度の志願者数は430→407→442→404人と増減を繰り返し,倍率は1.34→1.27→1.38→1.26倍と上がったり下がったりしていました。隔年現象の動きで,今春は志願者増,倍率アップの年に当たりましたが,志願者数はほぼ前年度並みの403人,倍率も動かず本校としては低い方でとどまりました。市内の生徒数減のほか,受検棄権者が前年度の6人から10人に増えていることから私立高へ流れたのかもしれません。進路実績が好調であることや,2026年度に制服が変わるため来年度は倍率アップの可能性があります。

千葉女子

千葉女子「普」の倍率は変動が激しく,2021年度より1.05→1.34→1.45→1.05→1.13倍と揺れ動いています。今年度は前年度の倍率ダウンの反動で志願者増になりましたが1.1倍台でとどまりました。共学志向によって志願者数を安定的に確保するのが難しくなっているのかもしれません。現在,体育館の改修工事中です。その後は校舎の工事が始まり2028年まで続く予定です。その間仮設校舎での生活になるので入試の倍率にも影響がありそうです。

千葉南

千葉南は2021年度から2023年度まで1.2倍台で普通科の平均倍率より高い入試が続いていました。しかし2024年度に志願者が54人減って(413→359人)1.12倍に落ち込み,その年の普通科の平均倍率1.15倍を下回ってしまいました。そして今年度も志願者が増加せず,ほぼ前年度並みの1.13倍(普通科1.16倍)と本校としては緩やかな入試が続きました。市内の生徒数減に加え,隣接する9学区の生徒数も減っていることから志願者が伸び悩んでいるのかもしれません。

磯辺

磯辺の志願者は90人の大幅減で倍率は前年度の1.37倍から1.09倍に急降下しました。2021年度以降の最低倍率で不合格者数も前年度の5分の1に減り緩やかな入試になりました。市内の生徒数減の影響もあるでしょうが,併願校としてよく利用される東京学館浦安や東海大学市原望洋の単願志願者が増加しており,これらの私学に移動した可能性もあります。ここまで倍率が下がると来年度は志願者が増える可能性が高くなるので注意が必要です。

千葉北

千葉北は学級減での募集となりました。その影響で72人志願者が減って倍率は1倍を切ってしまいました。こちらも2021年度以降の最低倍率です。近隣の四街道が前年度の倍率ダウンの反動で50人の志願者増になっていることから同校に移動したのかもしれません。来年度は志願者が戻ってくる可能性があるとともに募集学級数にも注意が必要になります。オーストラリア姉妹校との交流や地域活動が特徴です。

千城台

千城台は31人の志願者減となり,倍率が0.1ポイントダウン(1.20→1.10倍)し,3年前の水準に戻りました。2023年度,2024年度とやや高めの倍率が続いたことの反動とともに,市内に加えて隣接学区である4学区の成田市,八街市の生徒減の影響を受けたようです。併願校としてよく利用される桜林や東京学館浦安などの単願志願者が増加していることから,私立高への流出も考えられます。来年度は志願者増が予想されますが,私立志向の高まりにより大幅な倍率アップにはならないかもしれません。

若松

若松は2023年度に女子の制服がマイナーチェンジしたためか志願者が66人増加し,倍率が1.18倍から1.38倍に高騰,不合格者120人を超える激戦になりました。しかし翌2024年度は59人減って1.20倍にダウン,今年度も志願者はほぼ前年度並み(384→373人)で倍率も1.17倍と普通科の平均倍率(1.16倍)に近い水準で留まっています。私立併願校の植草学園大学附属や桜林など単願志願者が増加しており,近年の私立志向を考えると来年度も志願者はそれほど増えないかもしれません。

土気

土気の志願者数は2022年度より315→295→276→263人と減少傾向になっています。倍率も1.13→1.05→0.99倍と下がってきていましたが,今年度は1学級減で募集したため1.10倍にアップしました。地理的に大網・東金などの6学区,茂原・一宮の7学区,市原の9学区からも多くの生徒が集まります。しかし最近は私立志向によってこれらの地域からの流入が抑えられ志願者数が増えないのかもしれません。加えて今年度は地元緑区をはじめ,市原市や茂原市などでも生徒減になっており,その影響も考えられます。今年度より保育基礎コースが開設されています。

柏井

柏井の志願者数は45人の減ですが,学級減での募集になったため倍率は前年度(1.16倍)とほとんど変わらず,不合格者数も40人弱で前年度並みの入試になりました。千葉市の学校ですが入学生は八千代市からの生徒の方が多く,約4割を占めています(千葉市からは約3割)。八千代東の志願者数が増加しており,同校への移動があったと考えられます。国際コミュニケーションコースがあり,中国語や韓国語を学ぶことができます。

生浜

生浜は全日制のほか三部制を併置していることから各課程の募集人員が80人と2学級募集になっています。全日制の志願者数は80人台が続き,比較的安定した入試になります。今年度も志願者は81人で,不合格者は1人だけでした。9学区に近いため入学生の約3割が市原市の生徒です。

犢橋

犢橋も1学級減での募集でした。志願者数は2022年度より257→237→274→238人と増減を繰り返す隔年現象の動きがあり,今年度は志願者減の年でした。しかし募集人員が少なくなったため倍率は1.19倍に上がり,2021年度以降でもっとも高い倍率を記録することになりました。来年度は志願者増の年ですが,今年度の倍率アップの影響と通信制志向の高まりを考慮すると大幅な増加は見込めないかもしれません。

地域連携アクティブスクールのも1学級減で120人の募集になりました。志願者数は前年度より5人増,倍率は募集減の分上がって0.88倍でした(前年度0.63倍)。これで4年連続定員割れになっています。志願者数も2021年度より162→150→120→101→106人と減少傾向で,今年度は底をついた形です。通信制高校と競合する関係にあることから志願者数は伸び悩んでいるようです。

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