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2025(R7)年度 都内国立大附属・私立高入試を振り返って②

入試情報

2025.09.26

2025.09.26

東京都立高校受験の仕組みや選抜方法

前回に続いて2025(R7)年度の都内私立高入試の概況をみていきましょう。

上位大学附属校の状況①

上位の大学附属校の状況をみていきましょう。

国際基督教大学

国際基督教大学は2021年度にコロナ禍によって落ち込んだ応募者数が翌2022年度以降復活し,以降300人前後で安定していました。しかし2025年度はまたコロナ禍の時の数にもどり,実質倍率も1倍台に落ち込みました。この5年間でもっとも低い倍率です。
早稲田実業の応募増の影響を受けたのかもしれません。2026年度は応募増,実質倍率アップが予想されるので要注意です。
なお,2026年度入試も一般入試は募集人員80人(国際生含む),検査日2/10で実施される予定です。

国際基督教大学

明治学院

明治学院の男子の応募者は500人台を維持しましたが,女子は2割近く減ってこの5年間でもっとも少ない数になりました。
男女とも実質倍率はダウンし男女の差はさらに縮まりました。
この応募減は2回目の入試日を2/17から2/20に繰り下げたことが影響しており,男女とも2回目の応募者が2割以上減少しました。
2026年度も2回目は2/20で変わっていません。またその他,募集人員,推薦基準(9科36)なども変更ありません。

明治学院

成蹊

成蹊は募集人員が少ない(推薦25人,一般60人)ということもあり,変動の激しい入試が続きます。
前年度の2024年度は女子の合格者を増やしたことで実質倍率が大幅にダウンし,男女の差が広がりました。そして今年度の2025年度は男女とも合格者を絞ったため実質倍率がアップしたものの,男女の差は縮まりませんでした。
2026年度は推薦基準が男女9科38に変更になり,男子は基準アップになります(2024年度まで9科37)。このため,推薦入試においては男子の応募者減が見込まれ,一般入試にシフトする可能性がありますから,来春の入試でも変動が起こりそうです。

成蹊

国学院久我山

国学院久我山の一般入試は男子の募集人員(約60人)が女子(約35人)より多いため,応募者数も常に男子の方が多くなっています。合格者数も男子を多く出しますが,近年は年々減少しており実質倍率は上がったり下がったりを繰り返しています。2025年度は84人に絞ったため実質倍率はこの5年間でもっとも高くなりました。一方,女子は応募者が増えたものの,合格者は前年度並みでとどめたため,こちらも実質倍率は上がっています。
2026年度は推薦入試の出願基準のハードルが上がり,5科22に英検準2級が必須になります。これによって一般入試も含め変動が起こりそうです。

国学院久我山

國學院

國學院は3科または5科の選択式入試を3回目から2回目の2/12に移動したことから応募者が激増し1回目の応募者と変わらないほどになりました。ただ合格者は前年度並み(250→252人)でとどめたため実質倍率は4倍台に上がっています。さらに第3回の入試では応募者が増えたものの,合格者を92人から37人に減らしたため実質倍率が急騰し14倍まで上がりました。推薦入試の応募者が大幅に増加(129→193人)したことから,一般入試で合格者を絞ったのかもしれません。

なお,2026年度は推薦基準が3科13and5科22and英検準2級から3科14and5科22and英検準2級に上がるので要注意です。

國學院

日本大学第二

日本大学第二は前年度に増加したA志願(入学手続き期間が短い)の応募者が減ってもとに戻り,それに合わせて合格者も絞ったものの実質倍率は下がりました。とはいえ,この5年間では前年度に次ぐ高い倍率です。
2024年度に次いで繰り上げ合格を多く出しており他の私立高に流出するケースが続いているようです。
一方でB志願(入学手続きが公立発表後)も応募者は減少し実質倍率もやや下がりました。
なお,2026年度も募集要項に大きな変更はありません。推薦不合格者の一般再A受験は加点があるので,本校第一志望者は推薦入試からの挑戦を検討しましょう。

日本大学第二

芝浦工業大学附属

芝浦工業大学附属は男子の応募者が圧倒的に多く,男子中心の入試になっています。一方で女子は応募者が少ない上,合格者も数人に留まることから,この2年間は男子より厳しい入試が続いています。推薦入試にも数学の適性検査があるほか,出願基準も英数理計12という理系の特徴を示しています。一般入試にも数学の基礎と応用があるため,女子にとってはハードルが高いと感じられるのかもしれません。
2026年度入試では。一般入試の加点項目「英検2級は10点加点」が廃止されます。

芝浦工業大学附属

東京都市大学等々力

東京都市大学等々力は応募者が増加傾向で,2025年度は約3割増で350人になりました。東京農業大学第一の募集停止の影響を受けたのかもしれません。一方で合格者は前年度並みでとどめたため実質倍率が上がり2021年度の水準に戻っています。
今春の入学生が多かったのか,2026年度では単願,併願ともに出願基準が上がるので注意が必要です。

東京都市大学等々力

帝京大学

帝京大学の応募者数は減少傾向になっていますが,2025年度は前年度並みで留まりました。周辺地域に八王子学園八王子や桜美林,明大八王子などの人気校があり,本校のように募集人員が少ないと影響を受けやすいのかもしれません。
併願優遇制度がありますが,加点制度(30点加点)のため,毎年数人の不合格者がでています。
なおグラフの実質倍率で1倍を超えているのは,そのほかに一般入試(フリー)の分が含まれているためです。

帝京大学

淑徳

淑徳は2/14の一般応募者は前年度並みを維持したものの,埼玉からの併願推薦,2/11の一般入試の応募者は減少しました。
2/14という日程や併願優遇の受験校数に制限はないことから私立併願者にとって受けやすくなっているようです。ただ,併願優遇は特進選抜コースのみで実施しているので注意が必要です。
2026年度も募集人員や入試日,出願基準等に変更はありません。私立併願校としてよく利用される栄東のハードルが上がるため,本校の応募状況に影響がでるかもしれません。

淑徳

上位大学附属校の状況②

さらに上位大学附属校の状況をみていきます。

拓殖大学第一

拓殖大学第一は一般ⅠⅡとも応募者数は減少傾向でしたが,2025年度は加点制度の拡充があったためか増加に転じ合格者も増えました。またグラフにはありませんが,推薦ⅠⅡの応募者も164人から295人へと大幅に増えています。
この結果,入学生が増えたのか2026年度では,加点制度の加点項目が削減されるので注意が必要です。そのほかの募集人員や入試日,出願基準などには変更はありません。

拓殖大学第一

明治学院東村山

明治学院東村山の推薦応募者は減少傾向が続きます。2025年度より男女別の出願基準を女子に合わせて一本化し,男子にとっては上がることになったため,その影響によるものと思われます。
一般入試でも出願基準は男女一本化されましたが,入試相談ありのS併願(9科40)を新設したためか,応募者は増加に転じました。ただ合格者も多く出したため実質倍率は下がり,この5年間では最も低くなりました。
2026年度は募集要項に大きな変化はありません。

明治学院東村山

淑徳巣鴨

淑徳巣鴨の推薦入試の応募者数は減少傾向でしたが,2025年度は増加に転じました。これは特進の出願基準を緩和したためと考えられます。その結果,合格者を多く出しており
これが一般入試に影響を及ぼしました。
一般入試は出願基準に変更がなかったことから,応募者は微増でとどまりましたが,合格者を前年度より100人以上も減らしたことから実質倍率が跳ね上がりました。
2026年度は加点制度の変更があり,ややハードルが上がります。一般入試は今年度の実質倍率アップの反動も予想されるため応募者は減るかもしれません。

淑徳巣鴨

桜美林

桜美林の応募者数は2022年度から2024年度までの3年間800人台で本校としては少ない人数で推移していました。しかし,今年度は出願基準を緩和したことが影響したようで200人以上増加し,久しぶりに1,000人を超えました。
また,推薦入試を30人の募集人員で導入し30人の合格者を出しています。
2026年度は推薦基準が3コースとも緩和,一般併願も国公立と特進で緩和されるので今春以上に応募者増が予想されます。

桜美林

東洋大学京北

東洋大学京北は2023年度に出願基準を緩和したことから応募者が急増しましたが,翌2024年度は条件を厳しくして応募減,そして今年度は変更がなかったので応募者が戻ってきました。ただ,今年度の応募増は併願ABではなく一般の応募者でした。一般入試は不合格者も多く,実質倍率もかなり高く(2025年度は一般①2.64倍,一般②4.07倍)なっています。条件が合えば併願ABの利用を考えた方がいいでしょう。
2026年度は募集要項に大きな変更はないようです。今年度の一般入試の実質倍率の高さを敬遠して応募減になる可能性があります。

東洋大学京北

成城学園

成城学園は募集人員が少なく小規模の入試になります。一般入試の応募者は2年連続で減少しましたが,2022年度以前よりは上回っていますす。しかし,合格者を多く出したため実質倍率はダウンし,2022年度並みに下がりました。従来,併願優遇制度を設けていないことから第一志望者の応募が多く,合格者も募集人員に近い人数しかだしていませんでした。しかし今年度増やしたのは他校併願者が増えたからかもしれません。

成城学園

日本大学第三

日本大学第三はB志願(併願優遇)の志願者が増加し,合格者も増えたものの,実質倍率は上がりました。併願優遇制度も徐々に定着しつつあるようです。一方で第一志望のA志願はほぼ前年度並みの志願者数と合格者数であったため,実質倍率も大きな変動はありませんでした。
2026年度も募集要項に大きな変化はないので応募者は増えそうです。

日本大学第三

駒澤大学

駒澤大学は推薦入試の地域加点に杉並区を追加しました。そのせいなのか応募者が増加(320→342人)しています。一方で一般入試は併願応募者がやや減少したものの,一般は増加,しかも合格者を絞ったことから実質倍率は3倍台まで上がりました。この一般入試の応募者は増加傾向で,併願の出願基準に達しない挑戦者が多いようです。しかし,ここまで上がると2026年度は反動で応募減が予想されます。
2026年度では推薦,併願ともに英検所持者に対する特例基準が上がるので要注意です。

駒澤大学

東京電機大学

東京電機大学は推薦入試の応募者が倍増しました(35→76人)。一般入試で導入していた地域加点を小金井市のみ推薦でも認めたことや,加点制度を拡充したためと考えられます。
一般入試はグラフにあるように男子の応募者が微減となりましたが,合格者を絞ったため実質倍率は上がっています(1.12→1.42倍)。
2026年度は今春拡充した推薦入試の加点制度を廃止します。このため推薦応募者は減少し,一般入試にも影響がでてきそうです。

東京電機大学

文教大学付属

文教大学付属は一般入試①の応募者が大幅に減少しました。朋優学院の影響を受けたのかもしれません。しかし一般②,③と前年度並みの応募者を集めており一定の人気は維持しています。
ただ,例年一般①,②,③と後の日程になるに従い受験棄権者が多く,今年度は一般①3.5%,②22.5%,③は43.5%でした。一般入試は1回分の受験料で3回受験することが可能(併願優遇除く)なため複数回の応募者が多いのかもしれません。
2026年度は一般③が2/23から2/19に前倒しされるほか,加点制度で変更があり利用しやすくなるようです。また朋優学院の基準が上がるので,本校に応募者が戻ってくる可能性があります。

文教大学付属

日本大学櫻丘

日本大学櫻丘は東京農業大学第一の高校募集停止の影響を受けたのか,一般A(2/10),B(2/12)ともに応募者が増加しました。しかし増えたのは単願(+60.5%)とオープン(以下OP)(A日程+40.2%,B日程+21.5%)で併願優遇の応募者は逆に減少しています。従って,推薦基準には足りないが,本校第一志望の受験生,他校第一志望で併願優遇基準に達しない受験者,学力勝負で挑戦する受験者が増加したことになります。この結果,実質倍率は単願が1.46倍から2.17倍に急騰したほか,A日程のOP1.68→2.36倍,B日程のOP2.30→2.78倍といずれも上がり厳しい入試になりました。
2026年度はこれまで都内生と都外生で分けていた出願基準を一本化します。都外生にとっては基準緩和になるので,現在1~2割程度の神奈川県生の応募が増えるかもしれません。

日本大学櫻丘

日本大学鶴ヶ丘

日本大学鶴ヶ丘は推薦入試の応募者数が減少傾向ですが,一般入試は急増しました。入試日を2/10のみから2/11を加え2日間とし,その2日目の2/11入試に2/10(319人)を上回る364人の応募者があったことからです。その結果,合格者数も361人から596人に65%の大幅増となり入学生も増えたようです。
2026年度は総合進学コースのみで実施していた第一志望の推薦Ⅱを廃止,合わせて総合進学コースの出願基準が利用しやすくなります(5科and9科→5科or9科)。そのため推薦入試の応募者が増加すると見込まれます。

日本大学鶴ヶ丘

目黒日本大学

目黒日本大学の一般入試の応募者数は変動が激しく安定していません。
募集要項の変更が多いためと考えられます。2022年度に併願を2/10と2/12から2/10のみに絞ったことから応募減となり,2023年度はフリー受験者が3倍に膨れ上がり,高い人気ぶりを示しました。しかし実質倍率が20倍程度まで上がったことから2024年度は大幅減,併願基準もややハードルが上がったため応募者は減少しました。

2025年度は2/12の併願入試を復活し応募増,それに合わせるようにフリー受験者も増えました。しかし,推薦応募者が減少(140→83人)したためか合格者を増やしたため実質倍率は下がっています(2.45→1.69倍)。また併願入試では受験棄権者が急増し約半数が抜け,結局受検者(82人)は1日だけだった前年度(86人)とほとんど変わりませんでした。
2026年度は一般入試の併願受験が2/10のみに戻るほか,2/10と2/12の両日受験は2/12の得点に10点加点されるなどの変更があります。

目黒日本大学

専修大学附属

専修大学附属は加点制度の加点項目を削減したことが影響したのか,推薦入試では女子の,一般入試は男女ともに応募減になりました。
一般入試では女子の合格者を絞ったことから実質倍率は上昇傾向が続き,最近の5年間でもっとも厳しい入試になりました。男子は前年度アップした実質倍率が合格者を増やしたことで下がったものの高めの倍率が続いています。

専修大学附属

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