PAGE TOP

2025(R7)年度 都内国立大附属・私立高入試を振り返って③

入試情報

NEW!

2025.10.10

2025.10.10

東京都立高校受験の仕組みや選抜方法

前回に引き続き都内私立高入試の概況を見ていきましょう。

上位大学附属校の状況③

日本大学第一

日本大学第一は2024年度に近隣の安田学園の影響を受けて応募増となり実質倍率も上がりました。2025年度はその反動が起こり男子の応募者が減少し,さらに男女とも合格者を増やしたことから実質倍率も下がっています。
元男子校の伝統があるせいか,常に男子の応募者が多く,合格者も女子は男子の半数程度です。しかし実質倍率は男女間で大きな差はありません。
募集要項の変更が少ない学校で2026年度も大きな変更はありません。一般入試には併願優遇制度がないので得点力をつけて臨む必要があります。

日本大学第一

日本大学豊山

日本大学豊山の推薦入試には,一般的な推薦入試のほか特別推薦があり,それぞれに出願基準があるものの,毎年多くの不合格者がでています。一般入試にも併願優遇のほか,学業とスポーツがあり,こちらも不合格者がいます。
推薦入試の不合格者が一般入試に再受験した場合は優遇措置がとられるので,本校第一志望であれば,推薦入試からの挑戦を考えましょう。
2025年度は基準を上げた京華からの移動があったのか,推薦,一般入試ともに応募増となり実質倍率も上がって厳しい入試になりました。2026年度はその京華が基準を元に戻すのでその影響を受けそうです。本校の募集要項の大きな変更はありません。

日本大学豊山

日本大学豊山女子

日本大学豊山女子は推薦入試,一般入試ともに応募者は減少傾向が続きます。2022年度から推薦入試に適性検査を導入し不合格者がでるようになったことやB推薦の入試日を2日間から1日にしたことなどがきっかけになったと考えられます。しかし2025年度はAB推薦それぞれにⅠとⅡの基準を設定して受験者全員が合格,一般入試も不合格者はでませんでした(受験者45人,合格者45人)。
2026年度はAB推薦基準を利用しやすいⅡの基準に一本化,一般入試では第一志望優遇の基準を緩和し,入試日に2/14を加え2日間としました。これにより応募者増が期待されます。併願可能なB推薦や併願優遇制度を設けているものの,実際は第一志望者の応募者が中心になっています。
なお,2026年中ごろから約3年間かけて図書館や体育館,教室棟などを建設する予定になっています。

日本大学豊山女子

武蔵野大学

武蔵野大学の応募者数は推薦,一般入試ともに増加傾向で人気が上昇中です。共学化してからの進学実績が好調であることや新しい施設が誕生していることに加え,近隣の聖徳学園や明治学院東村山などの基準の変更の影響もあるのかもしれません。2025年度は一般入試で例年になく不合格者が増え,実質倍率が上がりました(1.05→1.29倍)。本科の不合格者が多かったことからフリー受験者が増えたのかもしれません。
2026年度は本校で募集要項の変更があります。募集人員が減少するほか,ハイグレードと本科に3科の基準が必須条件となりハードルが上がります。これにより応募状況にも変化がありそうです。

武蔵野大学

東海大学付属高輪台

東海大学付属高輪台は推薦入試では女子の,一般入試では男子の応募者が増加しました。女子は一般入試が減っているので推薦入試にシフト,逆に男子は一般入試にシフトした形です。一般入試には第一志望加点制度があるので,推薦入試の出願基準に達しない第一志望者は検討するといいでしょう。併願優遇制度がありますが,国公立併願のみとなっており,私立併願が当たり前のようになっている現状の中で利用者が限定されているのかもしれません。
2026年度も募集要項に大きな変更はないようです。

東海大学付属高輪台

明星

明星は2024年度に推薦応募者が増加,それが一般入試のA志願(第一志望)入試に影響したようで実質倍率が急騰しました(1.17→3.22倍)。合わせてB志願(フリー)もアップ(1.21→1.98倍)しています。そして2025年度はさらに推薦,AB志願ともに応募増となり実質倍率はA志願3.67倍,B志願2.04倍とさらにアップしました。都立併願校としてよく利用される小平南,府中,小平などの応募者が減少していることから,私立志向の高まりが本校にも影響を与えたと考えられます。
ただ,2026年度は募集要項に大きな変更があるので注意が必要です。まず募集人員が330人から230人に減少します。そして一般入試のA志願(第一志望)がなくなり,併願とオープンのみになります。さらに本科の出願基準が推薦,併願ともに上がるなど受験生にとっては利用しづらくなるので応募状況が変動しそうです。

明星

工学院大学附属

工学院大学附属は一般入試の応募者が変動しています。2024年度は出願基準のうち,9科の選択肢を廃止したことや地域加点を単願推薦のみに限定したことで応募減。2025年度は文理を除いて地域加点を併願優遇に復活させた結果,文理先進の応募者が3割強の増になりました(75→99人)。一方,文理は推薦入試の応募者が大幅に増加しました(68→85人)。これは都立併願校としてよく利用される多摩科学技術からの移動と考えられます。
2026年度は募集要項に大きな変更はありません。地域加点は相変わらず併願の文理には適用されないので注意が必要です。

工学院大学附属

目白研心

目白研心は募集要項の変更が多い学校です。2023年度は総合の基準を上げたことから,推薦応募者が大幅に減,2024年度は全コースから3科の選択肢をなくし,2025年度には復活させています。それに合わせて推薦,一般②(2/11)の応募者が影響を受けました。ただ一般①(2/10)の応募者数はそのような動きとは連動せずに増えたり減ったりを繰り返しています。都立の井草,石神井,武蔵丘などの併願校として定着しているからかもしれません。
2026年度は理数教育に力を入れたグローバルサイエンスコースを新設します。出願基準はSECと同じ推薦5科18,併願5科19ですが,それぞれ英数理各[4]という条件も加わります。

目白研心

二松学舎大学附属

二松学舎大学附属も毎年のように募集要項を変更しています。2022年度は9科に1不可から2不可に変更したことなどから推薦,一般入試ともに応募者は減少しましたが,翌2023年度は1不可にもどしています。2024年度はAC推薦の基準を上げたものの変動はなく,基準を据えおいた併願が増加しました。2025年度は併願基準から9科の選択肢を廃止し応募者が減少するなど基準の変更によって動きも変わります。
AB推薦と併願は基準をクリアしていれば合格の可能性は高くなりますが,C推薦や一般入試は不合格者も多く厳しくなるばかりです。特に一般入試の実質倍率は高騰し,ⅠⅡ合わせて4倍を超えました(内訳はⅠが3.64倍,Ⅱは6.50倍)。またC推薦は出願基準を毎年のように変更するので注意が必要です。
本校志望者はAB推薦か併願優遇での利用を検討すべきかもしれません。
2026年度は特進の推薦基準が併願と同じ5科21に上がるほか,C推薦の基準が5科のみになります。進学では数検3級も加点対象となり利用しやすくなります。

二松学舎大学附属

日本工業大学駒場

日本工業大学駒場も毎年のように募集要項を変更しています。2024年度に応募者数が激減したのは全コースで推薦,併願ともに基準を上げたからです。特に総合進学と文理未来は2ポイントも上げたことから大幅な減になりました。2025年度は特進の基準を2023年度の水準に戻し応募増(推薦2→12人,一般59→79人)になったものの,総合進学は募集人員を削減(105→70人)したことが影響したのかさらに減り(推薦24→19,一般203→148人),理数特進の募集停止も含め推薦,一般ともにこの5年間でもっとも少ない応募数になりました。
2026年度は総合進学の募集人員を元に戻し,加点制度の加点項目を増やすなど利用しやすく変更しますが,文理未来の基準は上がっています。

日本工業大学駒場

順天堂大理数インター

順天堂大理数インターは応募者数が減少傾向になっています。2025年度は本科の基準を上げたため応募者数は100人を切ってしまいました。中学入試がメインで高校入試の募集人員は20人のみ。しかも基準が高いため小規模の入試になってしまいます。
出願基準が高い上,併願の合格ラインも設定していることからか,フリー受験者が併願より多いのが特徴です。しかし実質倍率は医学進学1.58倍,本科1.73倍とやや高めです。
2026年度は医学進学の併願優遇の基準が緩和されるほか合格点も65%から60%に下がるので,応募者が増えそうです。

順天堂大理数インター

進学校の状況

次に進学校の状況を見ていきましょう。

広尾学園

広尾学園は一般②2/12の応募者が増えたり減ったりしており,2025年度は増加の年にあたりました。一方で合格者は,一般①②ともに絞ったことから実質倍率は上がり厳しい入試になっています。
グラフにはありませんが,男女別では女子の応募者が多く,合格者も同様です。その結果,2022年度,2023年度は男女の実質倍率は同程度(2022年度は男子2.77倍,女子2.91倍,2023年度は男子5.81倍,女子5.92倍)でした。しかし2024年度から男女の差がつき始め(男子3.50倍,女子2.57倍),2025年度は男子8.50倍,女子4.13倍と大きな差が生じ男子に厳しい入試が続いています。
2026年度も募集要項に大きな変更はありません。
本校は推薦入試がなく,一般入試に優遇制度もないことから,実質倍率が高く変動も激しいため,志望者はほかに確実な1校を受ける必要があります。

広尾学園

青稜

青稜は一般A(オープン)の男子の応募者が,一般B(併願)は男女ともに減少しました。朋優学院や國學院などへの移動があったのかもしれません。一般Aでは男子の合格者も絞ったため実質倍率は2024年度並みを維持しました。併願基準が高いためか,一般Aの応募者は男子が多く,一般Bは女子の方が多くなっています。
2026年度は加点項目の英検準2級が2級に変わりハードルが上がったので注意が必要です。その他は大きな変更点はありません。

青稜

朋優学院

朋優学院は人気校で,毎年多くの応募者があります。募集要項の変更も多く,学力レベルも上昇している学校です。
2025年度は基準の変更がなかったことから応募者が増加し,この5年間では2022年度に次ぐ多くの応募者を集めました。例年,5科型は併願者が多く,3科型はOPの応募者が多いという傾向があります。5科型は公立併願者,3科型は私立併願者が多いのかもしれません。
2026年度はSGの基準が上がります。加点制度を導入するものの,応募者は減少する可能性があります。

朋優学院

東洋

東洋も変更が多く,応募者数も激しく増減します。2022年度は総合進学コースの募集を停止し,特選,特進の基準をアップ,応募者は激減しました。2023年度は特進の推薦B・併願優遇を復活したため約330の応募増,そして2024年度は推薦,併願ともに基準を緩和したことからさらに増加,特に一般B(併願)は260人の大幅増になりました。そして2025年度は大きな変更点がなかったことからさらに応募者が増加,その結果,一般A(フリー)で合格者が絞られ,実質倍率は特進選抜(2.86→4.17倍),特進(3.52→13.83倍)ともに急騰しました。
2026年度は特進の併願が再度取りやめになり,さらに基準も上がるので応募者はかなり減りそうです。

東洋

錦城

錦城は募集人員の少ない特進コース(2025年度は120人)の応募者が進学コース(同一般200人)よりかなり多くなっています。これは特進の併願基準に達していなくても進学の基準をクリアしていれば特進に出願でき,選考は学力検査の得点で判定され,特進で不合格になっても進学で30点加点して選考されるからです。
2023年度は特進の推薦入試をやめたため,特進受験者が一般にスライドして応募者は1,000人を超えました。2025年度は出願基準を緩和,推薦入試の応募者が増加したものの,一般入試は拓殖大学第一の影響を受けたようで減少に転じています。
2026年度は基準の変更はありませんが,加点制度のハードルがやや上がるため応募者数に影響しそうです。

錦城

八王子学園八王子

八王子学園八王子は進学コースの募集人員(110人)がもっとも多いのですが,応募者は特進(募集人員90人)の方が多く上位レベルの受験校として定着しています。一方で総合は利用しやすいのですが,2025年度は基準を上げたため応募者は減少しました。その結果,フリー受験者が増えたのか実質倍率が上がり(1.08→1.14倍),学力レベルの底上げが図られています。併願優遇を利用する際,公私や校数の制限はありません。しかし入試日10日と11日では10日の応募者が圧倒的に多く,八王子東や立川,相模原,日野台などとの公立併願がメインのようです。
2026年度は募集要項に大きな変更はありません。

八王子学園八王子

順天

順天は2026年度より北里大学の附属校となる予定で,今後注目される1校になるでしょう。
2025年度は推薦入試の募集人員を半減(60→30人)したほか,東京と神奈川以外の生徒が利用できる推薦Ⅲ(1/25)を廃止したため,推薦全体の応募者は減少しましたが,第一志望の推薦Ⅰが増加し関心度が上がっていることを示しました。推薦Ⅱの増加はⅢからの移動と考えられます。
一般入試の応募者は3類型合わせるとほぼ前年度並みですが,この5年間では少ない方です。しかし不合格者もでていて理数(1.21→1.39倍)と英語(1.12→1.35倍)の実質倍率が上がりました。併願優遇といっても加点優遇なので気は抜けません。
2026年度は一般入試の募集人員のうち理数と英語が減って特選にシフトします。また英語と特選の推薦基準が上がるなどの変更があるので要注意です。

順天

駒込

駒込も毎年募集要項の変更があり,それに伴って学力レベルも少しずつ上がってきています。
2023年度は特SとSの推薦,併願基準を上げたことから応募者数は大幅に減少,翌2024年度は特SとSの推薦基準の選択肢を戻しましたが数値は上がりました。一方併願基準には変更がなかったためか,一般応募者は増加しています。そして2025年度は特Sの推薦基準が緩和されたため推薦Ⅰの応募者が増加しました。
2026年度は理系先進の基準が変更になるので志望者は要注意です。その他の大きな変更点はないようです。

駒込

聖徳学園

聖徳学園も募集要項の変更をよく行います。2024年度に応募減になったのは基準を上げたからで,この年にデータサイエンスコースを新設しました。2025年度はデータサイエンスに推薦入試を導入したほか,併願基準の緩和,加点制度の導入など利用しやすく変更しましたが応募者は減少,新しいコースはいまだ浸透していないようです。また文理の応募者も減少しています。武蔵野大学や東京電機大学などに移動したのかもしれません。
2026年度は文理の加点が難関国公立と同じ準2級が対象になるのでハードルが上がることになります。

聖徳学園

あなたの条件に合った

志望校検索サイトを
見てみよう!

あなたの条件に合った
志望校検索サイトを
見てみよう!

Research

1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)の志望校探しのお手伝いをいたします。
「単願入試」「併願入試」「都立高校入試」に特化したサイトをはこちらから。