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2025(R7)年度 都内私立高入試を振り返って④

入試情報

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2025.10.17

  • #私立高校受験

2025.10.17

東京都立高校受験の仕組みや選抜方法

進学校の状況

引き続き進学校の状況を見ていきましょう。

桜丘

桜丘は毎年のように募集要項を変更しており、変化の激しい学校です。
2022年度に急激な応募増になったのは基準を緩和したからですが、翌2023年度は基準アップのほかGCコースの併願優遇制度を廃止し激減しました。2024年度は緩和、2025年度はGCのみアップと揺れ動いています。
2026年度はコース改編があり、SAGCの4コースからSAIの3コース制になります。出願基準は5科のみから3科の選択肢が加わりやや利用しやすくなりました。人気校だけに多くの受験生が集まりそうです。

桜丘中学・高等学校HP

安田学園

安田学園も頻繁に募集要項を変更します。また、それに合わせて学力レベルも上がってきています。

表にあるように進学コースの募集を2024年度に停止。2025年度は特進コースの併願優遇制度を廃止しました。その結果、特進の応募者数は激減しています。

一方でもっともハイレベルのS特はB推薦、一般応募とも一貫して増加傾向が続いているという状況です。

ただ、S特のB推薦は受験棄権者が多く毎年応募者の3割以上が棄権しています。千葉の昭和学院秀英や専修大学松戸、芝浦工業大学柏などとの併願者が多いのかもしれません。

2026年度は一般入試日を2/11の一日だけにするほか、特進のB推薦・併願優遇を復活させます。これにより応募状況がまた変わってくると予想されます。

安田学園中学校・高等学校HP

郁文館

郁文館の2023年度の併願応募者が増加したのは、周辺地域の桜丘や城西大学附属城西、豊島学院などの出願基準が上がったことが影響したと思われます。しかし、翌2024年度は本校の基準が上がったため応募減となり、2025年度は加点制度の拡充によりさらに増加したというような状況です。注目されるのが優遇のない一般入試の応募増です。前年度より70人も増え実質倍率が2倍を超えました。フリー受験者にとっては年々厳しくなってきています

2026年度は推薦入試の募集人員が10人増えるほかは大きな変更はありません。

郁文館高等学校HP

明法

明法は募集人員を180人から115人に減らしての募集でした。推薦入試の応募者は増加したものの、一般入試では増加傾向が減少に転じました。都立の小平や小平南、清瀬など本校との併願が多い学校で応募減になっていることから、私立志向の高まりによる動きと考えられます。一般入試はその都立併願者の推薦へのシフトと東京女子学院が共学化した英明フロンティアの影響があったのかもしれません。

ただ、特進では合格者を絞ったことから実質倍率は2倍台に戻り厳しい入試になりました。

2026年度は募集要項に大きな変化はないので、一般入試の応募者が戻ってくる可能性があります。

明法中学・高等学校HP

東京

東京は募集要項の変更が少ない学校で、応募状況も比較的安定していました。しかし、2025年度は推薦Ⅱの応募者が急増し、推薦Ⅰを上回る多くの人数が集まりました。一般①の応募者が減少していることから、私立志向の高まりにより一般から推薦へのシフトがあったようです。推薦Ⅱの不合格者が一般①を再受験すると第一志望加点が適用されるので、その制度を活用するつもりで推薦Ⅱに挑戦したのかもしれません。しかし、推薦Ⅱの実質倍率は1.08倍で前年度(1.07倍)とほとんど変わらなかったため一般入試で再チャレンジした受験生は多くはなかったようです。

一般入試では①の応募者が減った分、合格者も減少し実質倍率は動かず、②も前年並み(1.78→1.73倍)でした。③は小規模入試になるため変動があり、2025年度は合格者を増やしたため実質倍率は下がりました。

2026年度は珍しく併願基準の変更があります。従来の5科or9科のほか3科の基準や検定準2級を加えた選択肢などを設けています。

東京高等学校HP

八王子実践

八王子実践は近年募集要項も安定しており大きな変更はありません。2025年度は推薦入試の応募者が大幅に増加し一般入試の応募者が減、一般から推薦にシフトしたたような形になりました。特に選抜と総合進学の増加が目立っています。都立の松が谷、日野、府中、府中西などの応募者が減少していることから、私立志向の高まりにより本校の推薦に移動したのかもしれません。

2026年度は久しぶりにコース改編があります。特進コースの特選クラスが募集停止になり、特進クラスに吸収されます。特進は出願基準も変わっていないので、一般入試の応募が増えそうです。

八王子実践中学校・高等学校HP

実践学園

実践学園も募集要項の変更はあまりなく、応募状況も安定していました。しかし、2025年度は二つの大きな特徴が見られました。ひとつが上記の八王子実践と同様、一般入試から推薦入試へのシフトです。推薦入試の応募者が増加し、一般入試は減っています。

ふたつめは、一般入試の2回目2/11の応募者がこの5年間で初めて1回目2/10の人数を上回ったことです。1回目の応募者は減少傾向になっており、これは公立併願者が減っていることを示しています。2回目が減らなかったのは私立併願者が一定数応募しているためと考えられます。併願優遇は公私可で第2志望以下でも構わないため、私立併願者にとっては受けやすくなっています。

2026年度は英検、漢検などの検定資格、皆勤、生徒会役員などを考慮する加点制度が導入されるので応募者が増加しそうです。

実践学園中学・高等学校HP

杉並学院

杉並学院も募集要項の変更が少ない学校です。グラフを見ると推薦、一般入試ともに応募者は増加傾向で人気も上がってきています。特に推薦入試は募集人員120人を大幅に上回る195人の応募があり私立志向の高まりを感じさせました。都立井草や武蔵丘、杉並などの応募者が減少しており、本校の推薦入試に移動したのかもしれません。

一方、一般入試ではフリー受験者の増加が目立ちました。総合進学は近年でもっとも多い100人を超える応募者がありました。ただ、推薦応募者や併願応募者が増加しているせいかフリーの合格者は絞られ、実質倍率は3倍を超える激戦でした。 2026年度は出願基準に「9科に2以下は不可」という条件が加わります。

杉並学院高等学校HP

豊島学院

豊島学院は募集要項の変更の多い学校です。2025年度は特進と選抜の基準を緩和したことから、同コースの応募者は増加しました。一方、基準を据え置いた普通進学も推薦応募者は倍増しましたが(47→96人)、一般(379→291人)は減少し、私立志向の高まりによる一般入試から推薦への移動が見られました。都立併願校の武蔵丘や向丘などの応募者が減少しており、影響を受けているのかもしれません。

1月併願の応募者が半減したのも2025年度の特徴です。第一志望への移動のほか、埼玉県からの応募者が減少しているようです。しかし2026年度に国の就学支援金が拡充されれば増加に転じるかもしれません。

2026年度入試では加点制度の項目が増えますが、ほかは大きな変更はないようです。

豊島学院高等学校HP

大成

大成も募集要項の変更は少なく、応募状況も若干の増減はありますが、比較的安定しています。

2025年度は今までみてきた学校と同様に推薦入試へのシフトが見られました。文理進学は前年度より4割増(175→247人)、情報進学は8割も増えました(29→52人)。その一方で一般入試の1回目2/10の応募者は文理進学が1割強、情報進学が2割強減りました。都立の府中や杉並などの応募者が減少しており、都立から本校の推薦へ移動したと考えられます。

一方、一般②の応募者は前年度に増加したままとなり、私立併願者は減らなかったようです。

2026年度も募集要項に大きな変更はありません。

大成高等学校HP

進学校の状況2

錦城学園

錦城学園は2024年度まで募集人員や基準の変更があったものの、2025年度は大きな変更はありませんでした。それでも推薦、一般入試ともに大幅な応募増になりました。神田女学園や二松学舎大学附属で出願のハードルが上がったため、本校への移動があったのかもしれません。

2026年度も本校の募集要項に変更はないようですが、二松学舎大学附属の加点項目が増えるほか、神田女学園では変更がないので、両校に応募者が戻り本校はその影響を受けるのではいかと思われます。

錦城学園高等学校HP

八雲学園

八雲学園は中学入試が中心で高校募集人員は50人の小規模入試です。しかし、併願を中心に高校入試も徐々に浸透してきているようです。2025年度は推薦、一般入試ともに応募減になりましたが、人気は維持しているようです。

2026年度は募集人員の変更があり、推薦25→20人、一般25→30人と一般入試の募集数が増えるので、併願者の応募が増えそうです。

八雲学園中学校高等学校HP

品川翔英

<一般入試のコース別応募数>

※難関進学は2022年度まで理数選抜

品川翔英は共学化2年目の2021年度入試で、総合進学コースの出願基準に3科と9科の選択肢を追加したり、加点制度の加点項目を増やしたりしたことから応募者が激増し、入学生が募集人員の3倍を超える大人気となり話題になりました。翌2022年度は募集人員を減らして基準を上げたため激減しましたが、以降一般入試の応募者は増加傾向にあります。2025年度は総合進学の併願基準を上げたため、同コースの応募者は減少したものの、他コースは増加しました。コース別応募者数のグラフをみてもわかるように、特別進学は順調に増加しており、ハイレベルのコースへの関心も上がっているようです。

2026年度は国際教養を2コースに分けるほか、若干の募集数の変更があります。

品川翔英中学校高等学校HP

駒場学園

駒場学園は併願校として人気の高い学校で、この2年間の応募者数は1,700~1,800人台と2,000人に迫る多くの人数を集めています。2025年度は進学の併願基準が上がったものの、地域加点に渋谷区、調布市、三鷹市が加わるなどの変更があり、一般入試全体の応募者は微減でとどまりました。一方一般②2/11の方は逆に増加しています。これは、私立志向の高まりにより私立併願者が増加したからと考えられます。

2026年度は基準が上がるほか、地域加点が進学のみに限定されるなどハードルが上がるので注意が必要です。

駒場学園高等学校HP

正則

正則は募集要項の変更はあまりなく、応募状況も大きな変動はありません。そんな中で2025年度の特徴をみると、まず推薦A(第一志望)の応募増が挙げられます(70→95人)。他の多くの学校同様、都立高からの移動によるものと考えられます。また、一般①2/10の応募者は減少したものの、②2/11は増加しており、ここでも私立併願者が増えているような動きがみられました。

本校の推薦Bは他校のような併願入試ではなく推薦Aの基準に達しない第一志望者が対象です。この入試は適性検査を実施し、不合格者もでています。2025年度は合格者を前年度より絞ったため実質倍率が上がり、この5年間でもっとも高い倍率になりました。

2026年度も募集要項に大きな変更はありません。

正則高等学校HP

SDH昭和第一

SDH昭和第一も募集要項の変更が少ない学校です。近年、推薦Ⅰ(第一志望)の応募者が増加傾向で、2025年度は推薦入試の募集人員140人を100人上回りました。一方で併願応募者は例年の人数でとどまっています。

もうひとつの特徴は、フリー受験の一般ⅠⅡの実質倍率が2024年度から急騰したことです。2025年度も3倍近い激戦が続きました。

2026年度の募集要項には珍しく変更があり、3科の基準が「5科の内の3科」から「国数英」の3科になります。これによって応募者数にも影響がありそうです。

昭和第一高等学校HP

昭和第一学園

昭和第一学園は都立高との併願校として人気の高い学校です。一般応募者数は2023年度までは増加傾向でした。しかし2024年度から下降に転じています。2024年度の減少は基準を上げたからで、2025年度は私立志向の高まりにより都立高との併願者が減少したためと考えられます。その結果、推薦応募者が増加し、この5年間でもっとも多くの人数となりました。

2026年度は募集要項に大きな変更はありません。

昭和第一学園高等学校HP

関東第一

※2025年度より、
特進→ハイパー、進学A→アドバンスト、進学G→アグレッシブ、スポーツ→アスリート

関東第一も人気の高い学校で毎年多くの応募者が集まります。グラフを見てもアスリートを除く3コースとも応募者が増加傾向になっていることがわかります。また、募集要項の変更も多く、そのたびに学力レベルも上がっています。

2025年度はコース名の変更があり、アグレッシブは旧進学Gより推薦基準が1ポイント上がりましたが推薦応募者は減りませんでした(176→185人)。

また一般入試で実施していた第一志望入試を廃止し、推薦Cとして1月にアグレッシブとアスリートのみで行いましたが、アグレッシブの実質倍率は3.91倍の激戦でした。

このほか、入試区分別に応募状況をみると、埼玉や千葉県生対象の推薦Bの応募者が急増しているのがわかります。千葉県の私立高校では基準を上げる学校が多く、本校に近い東京学館浦安や千葉商科大学、東葉などでもハードルが上がっているため千葉県生が流れ込んできているからでしょう。併願応募者が減少しているのは都立高との併願者が減っているためと考えられます。その割に推薦Aが延びていませんが、これは基準が上がっているためといえます。

2026年度はアドバンストの基準が上がる一方で、加点制度が利用しやすく変更されます。よく調べておきましょう。新校舎の完成は2026年3月末とのことです。

関東第一高等学校HP

豊南

豊南も人気が高く、公立高との併願校としてもよく利用されています。

2024年度に一般応募者が減少したのは進学の併願基準が上がったためです。また翌2025年度もハードルが上がり、推薦、一般ともに応募減になりました。しかし、学力レベルは徐々に上がっているといっていいでしょう。

2026年度は逆に利用しやすいような基準設定に変更するため、応募者は増えそうです。

豊南高等学校HP

自由ヶ丘学園

自由ヶ丘学園は2023年度に男子校から共学校に改編されました。もともと男子校時代も募集要項の変更が多い学校でしたが、共学化以降も毎年変更があります。2025年度は2024年度に廃止したアカデミックの併願優遇を復活させたため応募者が増加しています。

2026年度はプログレスに難関私大をめざすPGI専攻を新設、それに対応してPGTの基準が上がります。また加点制度も変更されるので良く調べるようにしましょう。

自由ヶ丘学園高等学校HP

大森学園

大森学園(普)は一般入試の応募者が増えたり減ったりしています。2022年度は加点項目に「体験行事への参加+1」を総進などに追加し応募増、推薦入試も増えました。2023年度は本校の変更はありませんでしたが、総合の募集人員を大幅に増やした東京実業に移動し応募減になったと思われます。2024年度は橘学苑が基準を上げており、その影響で応募増、そして2025年度は私立志向の高まりにより一般から推薦へシフトしました。

2026年度は加点項目から「体験行事への参加」が削除される一方で大田区、品川区の生徒は加点するという地域加点が導入されます。

大森学園高等学校HP

そのほかの注目校

このほかの注目校をいくつか挙げてみましょう。

まず、日本学園が共学化して明治大学の付属校となり校名を「明治大学付属世田谷」に変更します。校舎も新しくなりまったく新しい明治大学の付属校が誕生することになります。募集要項も他の明治大学の付属校と似たような内容で学力レベルも高くなりそうです。

また文華女子が共学となり校名を「東京文華」と改めます。出願基準は文華女子のときより推薦、併願ともに上がっていますが、多くの受験生が集まるのではないでしょうか。

1年間の募集停止を経た成女は大きな変更があります。推薦入試にオーデション型を導入、適性検査とプレゼンテーション、面接で選考します。また特待推薦も導入、5科20の基準で国数英の適性検査と面接で選考されます。一般入試の併願優遇は9科35というかなり高い基準を設定しました。新校舎が2026年3月に完成し、その他の施設も2027年3月にはできるとのことです。2026年度はどのような入試になるのか注目されます。

2025年度入試をいったんは停止すると発表したものの、一転して募集することになった藤村女子は40人の少ない募集人数で、しかも推薦も併願優遇も行わずフリー受験のみで実施しました。しかし2026年度は同じ40人の募集人数ながら、推薦、併願優遇ともに実施、一般入試に基礎学力検査を実施する「総合型」も導入します。推薦と併願の基準値は2024年度に実施したアカデミックの基準より1ポイント低く設定していますが、どれだけの応募者が集まるか注目されます。本校も校舎の新築工事を予定しており、今後注目される1校になると思われます。

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