2022(令和4)年度の私立高入試もコロナ禍の中で行われ、各校は試験当日の体調不良の場合の対応やコロナ感染、濃厚接触者になった場合の対応などをホームページ上に掲載したほか、面接を取りやめるなど試験内容を変更したり追検査の日程を定めたりしました。さらに2月10日が降雪の予報となったことから、交通機関が遅延した場合の対応を急遽ホームページ上に掲載しなければなりませんでした。
結局当日は雨で降雪による大幅な電車の遅延はありませんでしたが受験生にとっては不安の中での入試であったと思います。
そのような中で行われた国立・私立高入試はどのような特徴があったのか振り返ってみましょう。
目次
難関校に受験生戻る
前年度は初めて経験するコロナ禍により、受験生は感染のリスクをいかに抑えるかが重要になりました。その結果、安全志向の志望校選択になったことや1人当たりの併願校数が減り難関校の多くで応募者が減少しました。
今年度は前年度以上に感染者が拡大し、しかも10代の若者にまで広がりましたが、安全志向から挑戦志向に戻ったような動きが見られました。
国立大学附属
国立大学附属では応募増になった学校が多く、4校合わせた応募者数は近年では最多になっています。
お茶の水女子大学附属は豊島岡女子学園の高校募集停止の影響を受けたのではないかと思われます。実質倍率は3.57倍で近年にない激戦でした。2023年度は揺り戻しで応募減となる可能性が高いと予想されます。筑波大学附属駒場はこの4校の中で唯一応募減になりました。前年度は応募者が増えて実質倍率が2.70倍から3.41倍へと急騰したので、今年度は敬遠されたのかもしれません。しかし応募減になっても実質倍率は3.20倍で3倍台を維持しています。筑波大学附属の男子は応募者が増えたり減ったりする隔年現象のような動きになっています。それに合わせて実質倍率も3.62→4.03→3.33→4.29倍と推移、今年度は近年で最も厳しい入試でした。女子は少しずつ応募者が増加しており、実質倍率も2.85→2.69→3.00→3.10倍と上昇傾向です。男女とも2023年度は応募減になる可能性がありますが、人気は衰えずむしろ上がるかもしれません。
東京学芸大学附属は募集要項の変更などで不安定な入試が続きます。実質倍率の推移をみると、男子は5.75→3.95→3.07→3.82倍、女子は5.29→3.86→3.12→3.03倍となっています。男女とも合格者を増やしているため実質倍率がそれほど上がらないのです。特に女子は男子のように上がらず逆に下がってしまいました。
【国立大学附属応募者数(男子)】
2019年 | 2020 | 2021年 | 2022年 | |
---|---|---|---|---|
筑波大学附属駒場 | 141 | 143 | 143 | 165 |
筑波大学附属 | 393 | 405 | 341 | 418 |
東京学芸大学附属 | 537 | 479 | 411 | 535 |
計 | 1,071 | 1,027 | 928 | 1,118 |
【国立大学附属応募者数(女子)】
2019年 | 2020 | 2021年 | 2022年 | |
---|---|---|---|---|
お茶の水女子大学附属 | 371 | 298 | 381 | 440 |
筑波大学附属 | 189 | 191 | 213 | 222 |
東京学芸大学附属 | 442 | 379 | 351 | 384 |
計 | 1,002 | 868 | 945 | 1,046 |
東京工業大学附属科学技術は男女別の応募者が不明のため、別枠での表記になります。2022年度はそれまで実施していた「入学手続き説明会」をなくしたことで公立高校と併願しやすくなり応募者が増加しました。しかし合格者の増やした(181→228人)ため実質倍率は1.29→1.36倍と若干のアップでとどまっています。
2019年 | 2020 | 2021年 | 2022年 | |
---|---|---|---|---|
東京工業大学附属科学技術 | 524 | 455 | 251 | 355 |
私立難関校(男子)
男子の難関進学校では開成が約70人の応募増,実質倍率も上昇(2.62→2.97倍)し厳しい入試になりました。2021年9月より新校舎での生活が始まっており、その効果もあったと思われます。巣鴨は応募者が増加傾向です。特に5科入試を導入した2021年度より急激に増え始めています。2022年度も5科の応募者が約80人増加しました。ただ合格者も増やしており実質倍率(5科のみ1.38→1.43倍)はそれほど上がっていません。城北は応募減になりましたが、前年度に本郷の高校募集停止の影響で応募者が増え実質倍率が上がったのでその反動と考えられます。しかし今年度も実質倍率はそれほど下がって(1.90→1.83倍)いません。桐朋は前々年度の2020年度入試並みの応募者数に戻っていますが,実質倍率は1.29→1.35→1.31→1.44倍と1.4倍台に上がっています。合格者数を前年度並みに絞ったためです。
【私立難関校(男子)応募者数】
2019年 | 2020 | 2021年 | 2022年 | |
---|---|---|---|---|
開成 | 537 | 522 | 498 | 566 |
巣鴨 | 118 | 149 | 245 | 298 |
城北 | 328 | 327 | 360 | 333 |
桐朋 | 256 | 246 | 215 | 240 |
計 | 1,239 | 1,244 | 1,318 | 1,437 |
※巣鴨は一般入試全体の応募数、城北は推薦入試があるが上記は一般のみ
大学附属校
大学附属校の状況を見ていきましょう。ここでも応募増となった学校が多く、前年度の揺り戻しが見られました。
難関大学附属校は一般入試応募者数が増加
次の表の12校では推薦入試の応募者計は前年度よりわずかですが減っています。また一般入試は前年度より約900人増加しましたが、2020年度、2019年度の水準には戻っていません。従って前年度よりは挑戦志向が高まったといえますが、コロナ禍の影響がなくなり通常の志望状況になったとは言えないようです。
【難関大学附属校応募者数(推薦)】
2019年 | 2020 | 2021年 | 2022年 | |
---|---|---|---|---|
慶應義塾女子 | 119 | 113 | 122 | 143 |
早稲田大学高等学院 | 249 | 236 | 236 | 247 |
早稲田実業 | 155 | 132 | 100 | 118 |
明治大学付属明治 | 126 | 117 | 106 | 87 |
明治大学付属中野八王子 | 377 | 425 | 371 | 343 |
明治大学付属中野 | 20 | 20 | 24 | 29 |
中央大学附属 | 424 | 304 | 263 | 307 |
中央大学杉並 | 325 | 408 | 356 | 344 |
中央大学 | 202 | 246 | 188 | 197 |
青山学院 | 231 | 224 | 278 | 248 |
国際基督教大学 | - | - | - | - |
明治学院 | 286 | 388 | 354 | 307 |
計 | 2,514 | 2,613 | 2,398 | 2,370 |
【難関大学附属校応募者数(一般)】
2019年 | 2020 | 2021年 | 2022年 | |
---|---|---|---|---|
慶應義塾女子 | 490 | 471 | 454 | 455 |
早稲田大学高等学院 | 1,841 | 1,850 | 1,507 | 1,848 |
早稲田実業 | 1,080 | 1,101 | 910 | 818 |
明治大学付属明治 | 779 | 581 | 557 | 581 |
明治大学付属中野八王子 | 449 | 553 | 445 | 430 |
明治大学付属中野 | 1,056 | 1,158 | 935 | 988 |
中央大学附属 | 868 | 646 | 556 | 785 |
中央大学杉並 | 974 | 1,115 | 948 | 951 |
中央大学 | 692 | 872 | 681 | 812 |
青山学院 | 909 | 1,020 | 988 | 1,048 |
国際基督教大学 | 416 | 286 | 252 | 299 |
明治学院 | 1,027 | 1,120 | 956 | 1,084 |
計 | 10,581 | 10,773 | 9,189 | 10,099 |
慶應義塾女子は推薦入試の応募者が増加し,豊島岡女子学園の高校募集停止の影響が見られました。その結果、推薦入試の実質倍率は前年度の5.00倍から5.96倍に上がり激戦になりました。一般入試の応募者数は前年度とほぼ同じ、実質倍率も3.37→3.44倍と大きな変化はありませんでした。
早稲田大学高等学院の推薦入試は応募者がやや増えましたが実質倍率はこの3年間2.3倍台で安定しています。一般入試は前年度に約2割の応募減から元の応募者数に戻りました。実質倍率も2.61→2.65→2.30→2.67倍と2020年度以前の水準に上がりました。
早稲田実業は募集人員を減らして募集しました(推薦男女60→40人,一般男子80→50人,女子40→30人)。推薦入試は前年度の応募減、実質倍率ダウン(2.20倍→1.67倍)の反動で応募増、しかも合格者が減ったため実質倍率は2.37倍に上がりました。一方で一般入試の応募者数は約100人減で合格者数も前年度より少なくしたため実質倍率は3.02倍から3.79倍に上がっています。
明治大学付属明治は推薦入試の応募者数が減少傾向です。今年度は男子の応募者が減りました。早稲田実業で男子の推薦応募者が増加しているのでその影響を受けたのかもしれません。一般入試も男子は微減でしかも合格者を増やしたため男子の実質倍率は2.82→1.79倍に下がり、近年にない緩やかな入試になりました。女子の一般入試の実質倍率は2.19→2.36倍とややアップしています。
明治大学付属中野八王子は推薦、一般入試ともに応募者は微減でした。八王子学園八王子「文理特進」の応募者が増えており影響があったようです。ただ一般入試は激戦が続いており、実質倍率は5.52→5.56→4.08→4.32倍と推移しています。今年度は合格者を絞ったため、応募者は減少したものの実質倍率はアップしました。
明治大学付属中野の一般入試は前年度の実質倍率が4.01→3.22倍に下がったこともあり応募増になりましたが、それでも前々年度の1,000人を超える状況には戻っていません。しかし2023年度は約30人の募集人員で推薦入試「推薦入試Ⅰ型(総合)」を導入し、一般入試の募集数が約135人から約105人に削減されるので実質倍率が上がる可能性があり要注意です。
中央大学附属は2021年度に推薦、一般入試ともに応募減で実質倍率も下がり推薦入試は4年ぶり、一般入試は3年ぶりの緩やかな入試でしたが、今年度は揺り戻しがありました。特に一般入試では実質倍率が4倍台まで上がる激戦でした。
中央大学杉並の一般入試は2020年度に1,000人を超える多くの応募者がありましたが、それ以外は900人台で安定しています。実質倍率も2倍台の後半で推移しておりコロナ禍による影響はあまり受けていないように見えます。
中央大学も2020年度に推薦、一般入試ともに応募増となり実質倍率が急激に上がりました(推薦3.42→4.22倍、一般3.10→4.05倍)。2021年度はその反動で応募減、今年度はさらにその揺り戻しという流れで応募者が増えたり減ったりしています。
青山学院も推薦、一般入試ともに応募者が増えたり減ったりする隔年現象のような動きがあります。2021年度はコロナ禍が重なり推薦入試に応募者が集中して近年にない高倍率(2.82→3.59倍)になり、今年度はその揺り戻しで2020年度の状況に戻りました。ただ推薦入試の実質倍率は3.45倍で相変わらず高く、一般入試も3.86→4.28倍と厳しい入試でした。
国際基督教大学は応募者数300人弱、実質倍率2.3~2.5倍が標準的な入試ですが,2021年度はコロナ禍によって応募者数252人、実質倍率2.00倍になり近年にない緩やかな入試でした。しかし今年度は約50人の増となり本来の入試状況に戻っています。
明治学院は推薦入試の応募者が2年連続で減少していますが、本来250人前後が標準的な応募者数なのでまだ多い人数といえます。一般入試は2021年度に5年ぶりに応募者1,000人を切り実質倍率も3.88倍から3.22倍に下がりましたが、今年度はまた1,000人台に回復し実質倍率も3.43倍にアップしています。2022年夏に新校舎が完成する予定なので、人気はさらに上がりそうです。
上位大学附属校は一般入試応募者数がやや減少
次の7校の大学附属校は推薦、一般入試ともに2021年度は応募増になった学校が多く、今年度は減少するところが目立ち上記のグループとは異なっています。受験生が安全志向や挑戦志向によってそれら難関校との間で動いているせいかもしれません。
法政大学の推薦入試の実質倍率は3倍台が標準ですが、2021年度に4倍台(4.23倍)に上がり今年度は3.45倍で元に戻っています。一般入試は4.52→2.91→4.70→3.54倍と上がったり下がったりしています。この流れからすると2023年度は倍率アップする可能性が高いと予想されます。
成蹊の一般入試の実質倍率は1.38→1.25→2.02→1.61倍と推移、2021年度に2倍を超えたのは2020年度が1.2倍台で緩やかな入試になった反動のためと思われます。今年度の1.6倍台は近年では高い方の倍率なので2023年度はさらに応募減になることも考えられます。
國學院久我山は文科系か理科系かを決めて出願する方式をやめました。このため出願しやすくなったように思われましたが、逆に推薦、一般入試ともに応募減,実質倍率も下がり(1.77→1.48倍)、緩やかな入試になりました。2023年度は応募増になると予想されます。
國學院は2021年度に推薦入試の出願基準を上げたため応募減、一般入試も1回(2/10)、2回(2/12)、3回(2/19)とも合わせて250人約2割の応募減になりました。これは推薦入試の出願基準が上がったことが一般入試に波及したというよりも,コロナ禍によって難関校との併願者が減ったためではないかと思われます。2022年度は各回で応募増となり2020年度並みに戻りました。
芝浦工業大学附属は推薦入試の定員を20人から25人に増やし、一般入試を30人から25人に減、推薦と一般で半分ずつの募集に変更しました。その結果,推薦入試では男子の応募者が増加(32→40人)、一般入試は応募者は減ったものの、推薦入試だけで一般入試も含めた募集人員以上の合格者をだしたことから、一般募集人員と同数の合格者しか出せず実質倍率は3.97倍から4.44倍にアップし厳しい入試になりました。
成城学園は2021年度にコロナ禍によって推薦基準を2年生の成績でも可としたため応募増、その結果推薦入試の実質倍率は2倍台(2.75倍)に高騰しましたが、今年度は基準をもとに戻し応募減、実質倍率は2020年度並みの1.4倍で落ち着きました。一般入試は実質倍率が3.12→2.75→3.36→2.56倍と上がったり下がったりしており今年度は倍率ダウンの年でした。
【上位大学附属校応募者数(推薦)】
2019年 | 2020 | 2021年 | 2022年 | |
---|---|---|---|---|
法政大学 | 134 | 134 | 169 | 138 |
成蹊 | 11 | 20 | 39 | 22 |
國學院久我山 | 39 | 45 | 65 | 42 |
國學院 | 311 | 143 | 128 | 285 |
芝浦工業大学附属 | 53 | 34 | 58 | 64 |
成城学園 | 47 | 41 | 55 | 35 |
計 | 595 | 417 | 514 | 586 |
【上位大学附属校応募者数(一般)】
2019年 | 2020 | 2021年 | 2022年 | |
---|---|---|---|---|
法政大学 | 402 | 331 | 431 | 270 |
成蹊 | 197 | 142 | 195 | 173 |
國學院久我山 | 305 | 293 | 296 | 271 |
國學院 | 1,475 | 1,245 | 994 | 1,243 |
芝浦工業大学附属 | 159 | 104 | 123 | 112 |
成城学園 | 151 | 147 | 148 | 122 |
計 | 2,689 | 2,262 | 2,187 | 2,191 |
募集要項や選抜制度の変更で応募者が増減
次の大学附属校は一般入試に併願優遇制度や加点制度を設けている学校です。
これらの学校は優遇制度の出願基準等の変更によって応募者が増減するので、その年の入試の傾向が反映されているかを判断するのは難しいのですが、応募増になった学校が多くあることから併願受験者が増えたことを窺わせます。
帝京大学は2021年度に応募減となりフリー受験も含めて実質倍率がダウン(1.16→1.97倍)し緩やかな入試になりました。今年度はその揺り戻しがきて応募増となり前々年度並みの入試状況(実質倍率1.17倍)に戻っています。
東京都市大学等々力は2020年度に応募者が急増しましたが、これは2019年春に東京大学に初めて現役で合格者がでるなど進学実績が大幅に伸びたことが影響した結果かもしれません。ただこの年は合格者も増やしたため実質倍率は1.18倍とそれほど上がりませんでした。その翌年2021年度からは例年の応募者数に戻っています。
東京農業大学第一は2021年度に推薦入試制度と加点幅の変更を行ったことから応募減となりましたが、今年度は揺り戻しもあって大幅増、特に一般入試の応募者は700人を超え近年では最多となりました。しかし併願者が増えたためか合格者も多く出したので実質倍率は1.45倍から1.51倍へと例年と変わりませんでした。
拓殖大学第一は2021年度に普通(現「進学」)コースの併願基準を変更したことやコロナ禍による優遇を実施したこと、2020年度に応募減になったことなどで一般入試の応募者が増加,そして今年度は進学コースの基準を元に戻したましたが、コロナ禍による優遇措置はそのままとしたこともあり応募者は微減で留まりました。推薦入試の応募増は日本大学第二や明大中野八王子からの移動があったのかもしれません。
桜美林は応募者が大幅減,併願基準のハードルを上げたためです。その結果,進学コースの学力レベルも上がりました。この桜美林の影響が八王子実践「特選」や八王子学園八王子「文理特進」、桐蔭学園などに及んでいます。
専修大学附属は2021年度に上げた併願基準を元に戻したため男子の応募者が増加しましたが、女子はほとんど変わりませんでした。國學院の応募者が増加しておりその影響を受けているのかもしれません。
東洋大学京北は毎年のように選抜方法を変えており推薦応募者は減少傾向です。2020年度は推薦の適性検査を3科計90分から各50分とし加点制度の上限を縮小、併願は私立併願を認めたため応募増になっています。2021年度は推薦入試を内申重視型と適性検査重視型に分けたほか、併願の加点上限を縮小しました。そして今年度は一般①2/10の募集数を70人から100人に拡大したと東洋「特選」の併願基準が上がったことの影響をうけ応募者が増加しています。
明治学院東村山が2021年度の一般入試が応募減になっているのは2020年度の実質倍率が2倍を超え(男女合わせて2.01倍)厳しい入試になった反動と思われます。その2021年度の実質倍率は1.27倍まで下がったため今年度はまた応募増になり1.84倍に上がるという隔年現象になっています。
駒澤大学の2020年度一般入試の応募増は多摩大学目黒が加点制度を変更したことや桐蔭学園が出願基準をアップしたことが影響したためです。2021年度は駒澤大学自身が推薦、
一般入試ともに出願基準のハードルを上げ応募減,2022年度は減少していたフリー受験者が増加しました。
日大系は多くが応募者減少、大学の問題の影響?
次に日本大学系の高校を見てみましょう。
ここでも募集要項の変更で応募者が増減していますが、推薦、一般入試ともに応募減となっている学校が多く、以下の8校合わせた推薦応募者数は前年度より約3割の減、一般入試は2割減となり大学の問題が影を落としているように見えます。
そんな中で日本大学第一は推薦入試の応募者が減少傾向で、今年度はついに募集人員(75人)を割ってしまいました。一方一般入試の応募者は増加,安田学園で進学コースの併願優遇を廃止したことが影響したのかもしれません。しかし合格者を増やしたため(80→122人)、実質倍率は1.68倍から1.39倍に下がり、近年にない緩やかな入試になりました。
日本大学第二は募集人員を推薦、一般各15人ずつ増やして募集しました。一般入試の応募者は微減で留まりましたがA志願の合格者を増やしたため、A志願とB志願合わせた実質倍率は2.45倍から1.70倍へと大幅にダウンしています。
日本大学第三が2021年度の一般入試が応募減になったのは専願入試を導入した日本女子大学附属や麻布大学附属などに移動したためではないかと思われます。そして今年度は日本大学第三で併願優遇制度を導入したため応募増になりました。
日本大学櫻丘の2021年度の推薦応募増は専修大学附属が出願基準を上げたことや、駒澤大学が出願基準から3科の選択肢を廃止したことなどが影響したと思われます。一般入試で2020年度に倍増したのは、入試日に2/12を追加し私立併願も認めたからですが、以降応募者は減少傾向になっています。
日本大学鶴ケ丘は推薦、一般入試ともに比較的安定した応募者数を集めていましたが、今年度はともに応募減、一般入試の300人台は近年になく少ない応募者数です。
日本大学豊山は2021年度に推薦、一般入試とも大幅に応募増となりましたが、これは推薦入試でコロナ禍による特別証明書による加点を設けたこと、一般入試では入試日を2月12日に移動したことがおもな要因と思われます。そのため実質倍率は1.75倍から3.25倍に急騰しました。今年度はその反動もあり応募減になって実質倍率も1.97倍に下がりました。
日本大学豊山女子は推薦入試の応募者が約100人減、B推薦が半減したためです。入試日程を1月22日と23日から22日のみに変更したことで埼玉県からの生徒が受けづらくなったためと思われます。
目黒日本大学は募集人員を減らしたことや推薦入試をⅠ型(面接)とⅡ型(小論文と面接)に分けたこと、一般入試の併願優遇を2月10日のみとしたことで応募者が減少しました。