神奈川県の公立高校入試が2024(令和6)年度入試から変わります。
現在の中学2年生からこの新しい入試制度で受検することになります。
どのように変わるのか、ポイントを抑えていきましょう。
全員が受検していた面接が廃止されます
共通選抜と定通分割選抜で実施されていた面接が廃止されます。ただし通信制の検査は「作文または面接」とされ,実際には作文が実施されていたので面接はありませんでした。
面接は特色検査として残し、各校の判断で特色検査として実施できるようになりました。従て面接を実施する学校としない学校がでてくることになります。
そのため、選抜方法が以下のように変わります。
【調査書と学力検査の取扱い】 調査書の評定(A)=2年生9科計+3年生9科計×2=135点満点 なお、3教科の範囲で2倍まで重点化することができます(その場合、満点は変わります)。 学力検査の得点(B)=5教科×100点=500点満点 なお、2教科の範囲で2倍まで重点化することができます(その場合、満点は変わります)。 調査書の第3学年の観点別評価のうち「主体的に学習取り組む態度」を以下のように点数化します。 A=3点、B=2点、C=1点 これを(C)として9教科合計します。 (C)=9教科×3点=27点満点 なお、3教科の範囲で2倍まで重点化することができます(その場合、満点は変わります)。 |
【第1次選考】 AとBをそれぞれ100点満点に換算し、aとbとする。 A×100÷135=a(100点満点) B×100÷500=b(100点満点) aとbに2以上の整数f、gを掛ける。fとgは合計して10になるようにする。 S1=(a×f)+(b×g)=1,000点満点 特色検査(D)を実施する場合は、Dを100点満点に換算したdに1から5の整数iを掛ける。 S1=(a×f)+(b×g)+(d×i) ※iが1のときS1の満点は1,100点,2の場合は1,200点満点になる。 第1次選考は募集人員の90%までS1に基づいて選考する。 |
従来のS1の満点は面接点を含めて1,000点でした。そのため、調査書と学力検査の比率(上記のfとg)は最大6まででしたが、新しい入試制度では「8」まで設定することが可能となり、今まで以上に調査書重視、学力検査重視で選考できるようになります。
「主体的に学習に取り組む態度」が活用されます
第2次選考では、調査書に記載されている第3学年の観点別評価のうち「主体的に学習に取り組む態度」が活用されます。
【第2次選考】 BとCをそれぞれ100点満点に換算し、bとcとする。 B×100÷500=b(100点満点) C×100÷27=c(100点満点) bとcに2以上の整数g、hを掛ける。gとhは合計して10になるようにする。 S2=(b×g)+(c×h)=1,000点満点 特色検査(D)を実施する場合は、Dを100点満点に換算したdに1から5の整数iを掛ける。 S2=(b×g)+(c×h)+(d×i) ※iが1のときS1の満点は1,100点,2の場合は1,200点満点になる 第2次選考は募集人員までS2に基づいて選考する。 |
従来の選抜方法では第2次選考は学力検査と面接の結果,特色検査を実施した場合はその結果によって選考を行ってきました。そこでは調査書は使用されていませんでした。しかし新しい入試制度では第2次選考においても調査書に記載されている観点別評価の「主体的に学習に取り組む態度」が活用されることから調査書の重要性が増すことになります。
定通分割選抜の実施時期を変更、定通分割選抜の二次募集は実施しない
従来、定通分割選抜は共通選抜二次募集と出願・志願変更が同日程でしたが、これが別日程になるようです。
また、定通分割選抜の二次募集は志願者が極めて少ない上,共通選抜から分割選抜の二次募集まで入試期間が長期に及ぶことから、廃止されることになりました。
2022(R4)年度入試の定通分割選抜「二次募集」定時制では募集人員1,240人に対し、志願者は19人で0.02倍、通信制は1,058人の募集人員に18人が志願、倍率は0.02倍でした。
【参照元】
神奈川県教育委員会 「神奈川県公立高等学校 入学者選抜制度改善方針」より