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2023(令和5)年度 都立高校全日制等志望予定調査の結果について

入試情報

2023.01.27

2023.01.27

東京都立高校受験の仕組みや選抜方法

1月6日、東京都中学校長会から2023(令和5)年度 都立全日制高校志望予定(第一志望)調査の結果が発表されました。

その特徴をまとめましたのでご参照ください。

なお、調査結果は以下からご覧ください。

令和5年度 都立高校全日制等志望予定(第1志望)調査の結果について|東京都教育委員会ホームページ (tokyo.lg.jp)

志望予定調査結果の概要

まず、全体的な志望状況を見ていきましょう。

次の表の右端にあるように都立高志望率は71.60%で前年度(71.19%)より0.41ポイントアップ、下降傾向が続いていた志望率が上昇に転じました。

卒業予定者 全日制
志望予定数
都立高
志望予定数
2023(R5)77,69269,361
(89.3%)
49,362
(71.6%)
2022(R4) 76,40268,969
(90.3%)
48,818
(71.2%)
2021(R3) 72,99166,352
(90.9%)
47,033
(71.4%)
2020(R2) 75,33368,950
(91.5%)
49,445
(72.1%)
2019(H31)76,64170,219
(91.6%)
51,280
(73.5%)
()内は卒業予定者数に占める志望予定数の割合

しかし、これは全日制高校への志望率が89.28%と前年度より0.99ポイントダウンしたことが原因で、卒業予定者に対する割合で計算すると63.54%になり前年度(63.90%)より下がっています。従って都立志望率が上がったといっても都立志向に戻ったとは言えないでしょう。

都立高の学科別志望状況をみてみると、全日制全体では1.22倍で前年度より0.01ポイントダウン、一般入試で過去最も低い応募倍率になった2021(令和3)年度と同じ倍率になりました。

従ってこの志望状況からすると、今春の都立高入試は2021(令和3)年度や2022(令和4)年度入試同様低めの倍率になることが予想されます。

男女別募集の普通科は、男子(1.30→1.29倍)、女子(1.34→1.34倍)ともにほぼ前年度並みの倍率でした。女子は男女別定員制の緩和の男女合同枠が2割に拡大されることから、合格するチャンスが広がる可能性がありますが、倍率は上がりませんでした。

専門学科では、来春から校名を「工科高校」に変更する工業科が0.7倍台に落ち込んだことが目につきました。ここまで下がったのは過去に例がないのではないでしょうか。工科高校は今後新しい学科の設置を含めてさまざまな改革を行っていきますが、今回は受検生や保護者に浸透しなかったようです。

農業科農芸、農産、農業の3校で志望者増となり、学科全体の倍率が1.2倍台に回復しています。

科学技術科は多摩科学技術で男子の志望者が減少(276→233人)したためダウン、前年度同期で定員割れだった科学技術は微増で留まりました(0.97→1.00倍)。

商業科はこれまで商業高校の中で毎年唯一1倍を超えていた第五商業が0.83倍に落ち込んだものの、第四商業(0.72→0.94倍)や葛飾商業(0.80→1.00倍)などで志望者増となり学科全体ではややアップしています。産業科八王子桑志の2校とも志望者減でした。

単位制普通科美原(1.02→1.16倍)、芦花(1.79→1.84倍)、国分寺(1.45→1.53倍)などで志望者増となったものの、忍岡(1.01→0.79倍)、飛鳥(1.11→0.92倍)、大泉桜(1.09→0.75倍)などで志望者減となり全体の倍率は微減でした。

総合学科世田谷総合(0.88→1.04倍)、葛飾総合(0.76→1.04倍)が1倍台にアップ、つばさ総合(1.19→0.95倍)は定員割れに戻ってしまいました。人気の杉並総合は3年連続で定員割れが続いています。晴海総合は3年連続倍率アップ(0.88→0.97→1.33→1.62倍)、前年度の一般入試は1.80倍(応募締切時)という高倍率になったことから、今春はそれ以上の高い倍率になる可能性があり要注意です。

<おもな学科の志望状況>

学科募集人員志望予定者数2023
志望倍率
普通科男子14,53218,6761.29
普通科女子13,27217,7791.34
コース制3202860.89
農業科6307531.20
工業科2,4121,8860.78
科学技術科4205101.21
商業科1,3301,1220.84
ビジネスコミュニケーション3853340.87
産業科4203630.86
単位制普通科2,6533,2811.24
総合学科2,3402,6211.12
全日制計40,20249,0961.22

<おもな学科の志望倍率の推移>

学科2023
志望倍率
2022
志望倍率
2021
志望倍率
2020
志望倍率
2019
志望倍率
普通科男子1.291.30 1.28 1.321.33
普通科女子1.341.341.351.391.38
コース制0.891.110.800.681.06
農業科1.201.081.091.021.27
工業科0.780.870.890.930.90
科学技術科1.211.301.191.081.04
商業科0.840.800.750.860.86
ビジネスコミュニケーション0.870.940.990.891.01
産業科0.861.071.130.991.19
単位制普通科1.241.261.201.141.19
総合学科1.120.991.011.051.00
全日制計1.221.231.221.241.25

進学指導重点校の志望状況

次に各校の志望状況をいくつかのグループに分けで見ていきましょう。最初は進学指導重点校の志望状況です。

日比谷は男子が微増、女子は前年度の倍率ダウンの反動で増加しました。男子は前年度増加して実際の一般入試も応募増となったので、今春も前年度並みの高倍率が予想されます。女子も倍率アップする可能性が高いと見込まれます。

戸山は男女とも志望者減。男子は300人を割って近年では最も少ない志望者数になりました。このままで推移すると応募倍率は2倍を切る可能性があります。女子も減っており男子同様応募倍率は1.8倍程度まで下がるかもしれません。

青山の男子は志望者が増えたり減ったりする隔年現象的な動きがあります。それに連動して実際の入試でも応募倍率は2019(H31)年度より2.26→2.51→1.96→2.30倍と上がったり下がったりしています。従って、今春は倍率ダウンの年に当たるので戸山同様、応募倍率は2倍を切るかもしれません。一方、女子の志望者も減っていますが、一般入試では2倍台を維持すると見込まれます。

西の男子も一般入試の応募倍率は、2019(H31)年度より1.73→1.93→1.56→1.75倍と隔年現象の動きがあり、今春の入試は倍率ダウンの年に当たっています。しかし今回の志望調査の志望者数は微増で留まりました。このままで推移すると今春の入試でも前年度並みの高い倍率を維持すると予想されます。女子の志望者数は最近の5年間で最も多く、志望倍率1.68倍も近年の最高値です。従って女子も高倍率になる可能性が高いでしょう。

一方で八王子東の志望者が大幅に減少し、男子は志望倍率0.95倍と1倍を切りました。2020(令和2)年度の調査時も志望倍率は0.97倍で今回とほぼ同じ志望状況です。その2020(令和2)年度の一般入試の応募倍率は1.30倍、さらに志願変更で最終応募倍率は1.38倍まで上がったので、今回も志望者が増加する可能性があります。しかし重点校としては低めの倍率で推移しそうです。女子の志望者数154人は近年で最も少なく、女子の倍率はかなり下がるかもしれません。しかし男子の倍率が上がって、男女の倍率格差が広がると、男女別定員制の緩和が女子の合格者を削ることで適用される可能性があるので、低倍率が予想されるからといって楽な入試なるとは限りません。

立川の男子は前年度の低倍率の反動で志望者増となり、例年の志望状況に戻りました。一般入試でも高倍率が予想されます。女子は志望調査の結果が実際の入試反映されないこともあり、今回の結果で判断するのは難しいのですが、前年度とほぼ同じ志望者数になっていることから、立川女子としては低めの1.4倍程度の応募倍率が想定されます。創造理数科は2022(令和4)年度入試で高倍率激戦になりましたが、今回の調査ではその反動はほとんど見られず、今春の入試でも厳しい入試になるでしょう。

国立の男子は前年度の倍率アップを受けて志望者減、前々年度(2021(令和3)年度)とほぼ同じ志望者数になりました。実際の入試でも前々年度並みの1.5倍前後の倍率が予想されます。女子の志望者は小幅で増減しながら少しずつ減ってきています。実際の入試でも倍率は下降傾向ですが、1.5~1.6倍台は確保しそうです。

<進学指導重点校の志望状況(志望予定調査)>

学校名【性別】2023志望数2022志望数2021志望数
日比谷 【男子】283(+13)270(+23)247
日比谷 【女子】238(+27)211(-43)254
戸山 【男子】 291(-31)322(-16)338
戸山 【女子】 259(-22)281(+9)272
青山 【男子】240(-52)292(+37)255
青山 【女子】256(-29)285(-6)291
西 【男子】239(+6)233(+16)217
西 【女子】254(+24)230(+28)202
八王子東 【男子】 156(-76)232(+18)214
八王子東 【女子】 154(-56)210(+16)194
立川(普) 【男子】269(+33)236(-54)290
立川(普) 【女子】232(+2)230(+14)216
立川(理数) 【男女】 78(-5)83 ( – )
国立 【男子】225(-44)269(+49)220
国立 【女子】229(-9)238(+12)226
()内は前年比の増減

<進学指導重点校の一般入試応募者数・倍率>

学校名【性別】2022応募者数(倍率)2021応募者数(倍率)
日比谷 【男子】335 (2.54)301 (2.28)
日比谷 【女子】218 (1.79)242 (1.98)
戸山 【男子】 278 (2.11)299 (2.27)
戸山 【女子】 246 (2.02)249 (2.04)
青山 【男子】299 (2.30)255 (1.96)
青山 【女子】269 (2.24)303 (2.53)
西 【男子】231 (1.75)206 (1.56)
西 【女子】210 (1.72)207 (1.70)
八王子東 【男子】 218 (1.65)219 (1.66)
八王子東 【女子】 201 (1.65)167 (1.37)
立川(普) 【男子】135 (1.16)245 (1.86)
立川(普) 【女子】154 (1.45)171 (1.40)
立川(理数) 【男女】 144 (4.50)
国立 【男子】234 (1.77)196 (1.48)
国立 【女子】193 (1.58)198 (1.62)
()内は応募倍率

進学指導特別推進校の志望状況

次に進学指導特別推進校の志望状況を見ていきましょう。

小山台の男子は2021(令和3)年度入試で近年にない低倍率を記録、2022(令和4)年度入試でやや回復し、今回の調査では前年度よりさらに志望者が増えました。このままで推移すると、実際の一般入試では前年度よりやや高い1.5~1.6倍程度の倍率が予想されます。女子は前年度並みの志望者数でした。過去2年間は志望時の倍率より実際の一般入試の応募倍率が上がっていることから、今回も1.4~1.5倍台まで上がる可能性があります。

駒場は人気の非常に高い学校ですが、最近の入試では倍率が大きく変動するようになりました。前年度の2022(令和4)年度入試では男子は1.53倍、女子1.18倍と男女とも駒場にしては低く、しかも男子の倍率が女子より高かったため、男女別定員制の緩和が女子の合格者を絞ることで適用されました。今回の調査では男女とも志望者が大幅に増加しており、志望倍率は男子1.60倍、女子も1.60倍と人気が回復しています。このままで推移すると今春の入試では男女とも高倍率入試が予想されますし、男女の倍率格差が小さければ男女別定員制の緩和の適用も小規模で留まると見込まれます。

小松川に異変が生じています。過去5年間、男子の志望者数が200人に満たなかったことはなく、倍率も1.0倍もありません。女子も同様で150人台は近年になく、倍率は1.01倍でかろうじて募集人員(151人)を上回るという低倍率でした。この倍率をみて城東や竹早の志望者が移動してくる可能性があるので、実際の入試でも低倍率になるとは限りませんが、2022(令和4)年度入試の応募倍率よりは下がるのではないでしょうか。

町田も志望者減となり志望倍率は男子1.02倍、女子1.08倍と男女とも1.0倍台でした。ただ2020(令和2)年度にも1.0倍台になっており、その年の入試では男女とも1.2倍台まで回復しています。今回も実際の入試までには志望者が増加し一定の倍率は維持すると見込まれます。

国際の志望者が増加傾向です。このままで推移すると一般入試では3倍を超える可能性があります。今春の大学合格実績で上智大学に前年度(42人)の倍の86人、早稲田大学にも54人(前年度30人)の合格者をだすなど大幅に飛躍したことが影響しているのかもしれません。

次期の進学指導重点校の指定を目指す新宿も前年度に激増した志望者数をさらに上回る人数を集めました。今春の入試でも激戦は確実で2.5倍程度まで上がるかもしれません。

国分寺も新宿ほどではありませんが、毎年高い人気を得て高倍率入試が続いています。また倍率が上がったり下がったりする隔年現象があり、一般入試の応募倍率は2019(H31)年度より1.89→1.61→1.83→1.66倍と推移しています。これを当てはめると今春の一般入試の倍率は1.8倍程度まで上がりそうです。

<進学指導特別推進校の志望状況(志望予定調査)>

学校名【性別】2023志望数2022志望数2021志望数
小山台 【男子】232(+11)221(+25)196
小山台 【女子】199(+4)195(+14)181
駒場 【男子】264(+47)217(-33)250
駒場 【女子】241(+63)178(-88)266
小松川 【男子】169(-40)209(-36)245
小松川 【女子】153(-43)196(-3)199
町田 【男子】170(-15)185(+2)183
町田 【女子】163(-13)176(-20)196
国際(一般) 【男女】 328(+48)280(+33)247
新宿 【男女】619(+10)609(+158)451
国分寺 【男女】482(+23)459(-72)531
()内は前年比の増減

<進学指導特別推進校の一般入試応募者数・倍率>

学校名【性別】2022応募者数(倍率)2021応募者数(倍率)
小山台 【男子】199 (1.51)166 (1.26)
小山台 【女子】176 (1.44)164 (1.34)
駒場 【男子】178 (1.53)236 (2.05)
駒場 【女子】125 (1.18)226 (2.11)
小松川 【男子】176 (1.33)201 (1.52)
小松川 【女子】175 (1.43)166 (1.36)
町田 【男子】163 (1.23)170 (1.29)
町田 【女子】152 (1.25)164 (1.34)
国際(一般) 【男女】 264 (2.69)220 (2.24)
新宿 【男女】681 (2.40)542 (1.91)
国分寺 【男女】419 (1.66)462 (1.83)
()内は応募倍率

進学指導推進校の志望状況

続いて進学指導推進校の状況です。2023(令和5)年度より上野と昭和が新たに指定され、推進校は15校になります。

まず三田です。ここは今春の要注意校のひとつです。今回の志望者数は男子が34人、女子は12人の減ですが、募集学級を増やしており倍率は男子1.83→1.35倍、女子2.36→1.97倍と大幅に下がっています。実際の入試でも倍率は下がる可能性が高いのですが、例年男女の倍率格差が大きく、男女別定員制の緩和で男子の合格者が募集人員の約9割まで減らされ、男子は受検倍率より実質倍率(受検者÷合格者)が上がっていました。今春は男女合同枠が2割に拡大されることから男子の合格者が8割近くまで削られることも考えられます。そうなると男子の応募倍率は低くても実質倍率はかなり上がる可能性があります。一方で女子は合格者が増え、実質倍率も下がりやすくなるでしょう。

竹早の志望者数は男女とも大幅に減少していますが、募集学級減になるためこの時点での志望倍率は男子1.74→1.72倍、女子2.04→2.09倍と前年度並みを維持しています。実際の入試でも前年度のような高倍率が予想されます。

上野は男女とも毎年高倍率で激戦になる学校です。2022(令和4)年度入試は男女別定員制の緩和も手伝って男子は受検生の約半数が不合格になりました。女子も4割以上の不合格者を出しています。今回の志望調査では男子は微減、女子は27人の減ですが、男女とも高倍率は維持しそうです。

城東は前年度に女子の倍率が大幅にダウンし男女別定員制の緩和が女子の合格者を削ることで適用されました。今回の志望状況では男女とも志望者増ですが、それでも志望倍率は男子1.97倍、女子1.85倍と男子の方が高くなっています。このままで推移すると実際の入試でも男子の倍率が高くなりそうですが、男女間の倍率格差は縮小されるため男女別定員制の緩和の適用も小規模で済むのではないでしょうか。

豊多摩北園ともに一般入試の応募倍率が2倍前後まで上がり毎年激戦を繰り広げている人気校です。両校とも2022(令和4)年度入試では倍率アップし、合格率50%台の激戦でした。しかも男子の合格者数が募集人員の約9割で抑えられたというところも共通しています。今回の志望状況を見ると両校とも志望者数は減少していますが、豊多摩の女子は6人減で留まっており、このままで推移すると実際の入試では男女間の倍率格差は前年度以上に拡大しそうです。そうなると男子の合格者はさらに絞られる可能性がでてきます。北園は男女とも志望者減で一般入試の応募倍率も下がる見込みですが男女間の倍率格差は変わらず、男子の合格者が絞られそうです。

江北の志望者数が大幅に増加しました。志望倍率は男子1.99倍、女子1.70倍でいずれも過去に例のないような高倍率です。できたばかりの新しい校舎と2022年春の国公立大学の合格実績が大幅に向上したことなどが影響したのかもしれません。このままで推移すると一般入試も高倍率で激戦になりそうです。また、例年のように男子の倍率が女子より高くなるのは今春の入試でも変わりそうもなく、男女別定員制の緩和が女子の合格者を減らすことで適用されそうです。

江戸川は1学級増やして募集します。今回の志望状況を見ると男子が減、女子は大幅増ですが、志望倍率は男子は学級増に吸収されて1.62→1.37倍に大幅ダウン、女子は1.47→1.56倍にアップしました。2022(令和4)年度入試では男子の倍率が高かったため、男女別定員制の緩和が女子の合格者を絞ることで適用されましたが、今度の入試では男子の倍率が下がって逆の結果になりそうです。

武蔵野北の男子は一般入試の応募倍率が2019(H31)年度より1.39→1.15→1.61→1.32倍と推移し隔年現象的な動きになっています。今回の志望状況を見ても2022(令和4)年度の倍率ダウンの反動で志願者が大幅に増加しており、今春の入試では高倍率になる可能性があります。一方、女子も多少隔年現象的な動きが見られ、今春は倍率アップの年に当たりますが、今回の志望者数はほぼ前年度並みでした。このままで推移すると男子の倍率が女子を凌ぎ、男女別定員制の緩和では女子の合格者が絞られることになるかもしれません。

昭和は2022(令和4)年度入試では男女とも大幅に応募者が増加し女子の倍率は2倍を超えました。男女別定員制の緩和により合格者を増やしましたが、それでも合格率は56%の激戦になりました。男子も合格者が絞られ合格率は55%で厳しい入試でした。今回の志望状況を見ると男子は微増、女子は18人の減ですが、男女とも高い人気を維持しており、実際の入試でも高倍率になると予想されます。

調布北はここ数年高倍率で安定した入試を行っている人気校です。今回の志望調査では男子が減、女子は前年度並みでした。男子は2022(令和4)年度入試の高倍率の反動と思われ、今春の入試では男子の倍率が下がり、女子は高倍率を維持すると見込まれます。そうなると男女別定員制の緩和により男子の合格者が絞られる可能性があるので応募倍率が下がっても油断できません。

小金井北は男女とも志望者減、特に女子は30人以上減少し、今春の入試では倍率ダウンが予想されます。そうなると男女間の倍率格差は解消され、男女別定員制の緩和が適用されなくなる可能性もあります。

日野台は前年度は男女とも倍率ダウンし比較的緩やかな入試になりました。今回の調査では前年度並みの志望者数でその反動はありませんでした。このままで推移すると男女とも倍率は上がらず日野台としては緩やかな入試が続くかもしれません。

墨田川は2020(令和2)、2021(令和3)年度と2年連続低倍率入試が続きましたが、2022(令和4)年度は応募者が増加し倍率が回復しました。今回の調査では前年度並みの志望者数を維持しているため、実際の入試でも1.3倍前後の倍率になる見込みです。

多摩科学技術は前年度の高倍率の反動で志望者減、2021(令和3)年度並みの数に落ち着きました。このままで推移すると2021(令和3)年度入試と同じ1.7倍台程度になると予想されます。

<進学指導推進校の志望状況(志望予定調査)>

学校名【性別】2023志望数2022志望数2021志望数
三田 【男子】209(-34)243(-33)276
三田 【女子】 278(-12)290(-71)361
竹早 【男子】 200(-37)237(+42)195
竹早 【女子】 222(-35)257(+27)230
上野* 【男子】 271(-8)279(+14)265
上野* 【女子】239(-27)266(-39)305
城東 【男子】 325(+21)304(-22)326
城東 【女子】 280(+34)246(-67)313
豊多摩 【男子】242(-48)290(+18)272
豊多摩 【女子】 265(-6)271(+70)201
北園 【男子】 272(-30)302(+78)224
北園 【女子】 284(-23)307(+61)246
江北 【男子】 329(+82)247(+35)212
江北 【女子】256(+89)167(+13)154
江戸川 【男子】 256(-12)268(-17)285
江戸川 【女子】 266(+43)223(+4)219
武蔵野北 【男子】188(+42)146(-46)192
武蔵野北 【女子】 172(+5)167(-1)168
昭和* 【男子】 300(+9)291(+52)239
昭和* 【女子】 353(-18)371(+139)232
調布北 【男子】 160(-34)194(+12)182
調布北 【女子】 178(+3)175(+2)173
小金井北 【男子】 134(-17)151(+9)142
小金井北 【女子】 146(-31)177(+5)172
日野台 【男子】 235(+5)230(-31)261
日野台 【女子】 197(+1)196(-22)218
墨田川 【男女】349(+2)347(+111)236
多摩科学技術 【男女】299(-43)342(+34)308
()内は前年比の増減  ※「*」の上野と昭和は2022(R5)年度からの新規指定校です。

<進学指導推進校の一般入試応募者数・倍率>

学校名【性別】2022応募者数(倍率)2021応募者数(倍率)
三田 【男子】196 (1.83)238 (2.22)
三田 【女子】 233 (2.35)328 (3.31)
竹早 【男子】 203 (1.86)180 (1.96)
竹早 【女子】 201 (1.99)186 (2.16)
上野* 【男子】 263 (1.99)245 (1.86)
上野* 【女子】247 (2.02)294 (2.41)
城東 【男子】 222 (1.68)256 (1.94)
城東 【女子】 167 (1.37)244 (2.00)
豊多摩 【男子】270 (2.05)267 (2.02)
豊多摩 【女子】 265 (2.17)196 (1.61)
北園 【男子】 264 (2.00)217 (1.64)
北園 【女子】 284 (2.33)211 (1.73)
江北 【男子】 216 (1.64)173 (1.31)
江北 【女子】163 (1.34)132 (1.08)
江戸川 【男子】 246 (1.86)236 (1.79)
江戸川 【女子】 170 (1.39)173 (1.42)
武蔵野北 【男子】131 (1.32)159 (1.61)
武蔵野北 【女子】 132 (1.43)149 (1.62)
昭和* 【男子】 241 (1.83)185 (1.40)
昭和* 【女子】 276 (2.26)181 (1.48)
調布北 【男子】 174 (1.76)151 (1.53)
調布北 【女子】 154 (1.69)159 (1.75)
小金井北 【男子】 130 (1.31)131 (1.32)
小金井北 【女子】 141 (1.53)133 (1.45)
日野台 【男子】 185 (1.47)233 (1.85)
日野台 【女子】 161 (1.39)207 (1.78)
墨田川 【男女】324 (1.29)214 (0.97)
多摩科学技術 【男女】302 (2.05)263 (1.79)
()内は応募倍率  ※「*」の上野と昭和は2022(R5)年度からの新規指定校です。

その他 注目校の志望状況

このほか注目校をいくつか取り上げてみましょう。

向丘は女子の倍率が非常に高い激戦校です。一般入試の応募倍率は2019(平成31)年度より2.00→2.10→1.96→2.39倍と2倍を超えることもしばしばです。一方で男子は1.71→1.21→1.25→1.62倍と変動が大きく、しかも男女の倍率格差が非常に大きくなっています。そのため毎年男子の合格者は男女別定員制の緩和により約9割で留まっています。しかし、今回の志望状況を見ると、女子の志望者数が前年度より100人以上も減少、しかも募集学級数が増えたことから志望倍率は1.19倍まで落ち込んで近年にない低倍率になりました。男子も志望者が28人減って倍率は1.00倍と2021(令和3)年度(1.03倍)並みの低さです。この後、志望者が増えても一般入試は例年とは異なり緩やかな入試になりそうです。

は倍率の変動が激しく、2022(令和4)年度入試の応募倍率は男子が1.06→2.28倍、女子1.10→2.26倍と極端に上がりました。今春はその反動が予想されるところですが、男子は14人減、女子は53人減になりました。1学級増になることから、志望倍率は男子2.05→1.64倍、女子2.12→1.43倍にダウンしています。この倍率は男女とも2020(令和2)年度に近い倍率で、もし実際の入試でもこの年と同じ動きになるとすると男女とも1.5倍前後になる見込みです。

深川は男女で異なる動きになっています。前年度は男子が増、女子が減で男子の倍率が女子より高くなりました。今回の調査では逆に男子が減で女子が増えています。実際の入試でも女子の倍率が上がり、男子は男女別定員制の緩和の適用で合格者が絞られそうです。

目黒も人気校で男女とも激戦が続いています。特に2022(令和4)年度入試では男子の応募倍率が2.5倍台と近年にない高倍率でした。今回の志望状況でも前年度とほぼ同じ志望者数のため一般入試はかなりの高倍率が予想されます。一方、女子は前年度は志望者数が増えたのに応募倍率は変わらなかったので、今回減っているからといって応募倍率も下がるとは限らず要注意です。

田園調布も一般入試の応募倍率が2倍を超えるのが当たり前の人気校ですが、2022(令和4)年度入試では珍しく1倍台に下がりました。しかし今回の志望調査では男女とも志望者が増加しているので、例年の高倍率になると予想されます。

広尾は男子が要注意です。志望者数は男子が大幅に減っており、1学級減になっても志望倍率は1.69→1.42倍に下がりました。実際の入試でも2021(令和3)年度の1.8倍程度で落ち着くかもしれません。しかし女子の志望者数は30人減で留まり2.11→2.33倍に上がっているので、実際の入試でもかなりの高倍率になる見込みです。そうなると男女の倍率格差が拡大し、男女別定員制の緩和が男子の合格者を減らすことで適用され男子の実質倍率が上がりやすくなります。

豊島は男女とも要注意です。志望者数が大幅に増加し、1学級増の募集にもかかわらず男子1.51→2.02倍、女子1.98→2.09倍といずれも2倍を超えました。志望調査の段階で2倍を超えたのは近年になく、今後向丘への移動があるにしても、一般入試ではかなりの高倍率を覚悟しておいた方がよさそうです。

井草も人気の高い学校で2022(令和4)年度入試では男女とも2倍を超え、女子は受検者の半数が不合格になる激戦でした。今春の入試では1学級増になることに加え、志望調査で男女とも志望者減になっていることから倍率は下がる見込みです。

石神井は井草や小平南の高倍率を敬遠した受検生が集まったようで志望者が増加しました。特に男子は100人以上増え、1学級増での募集になったのにもかかわらず志望倍率は1.64→2.06倍と2倍を超えました。女子は1.97→1.92倍と前年度並みを維持しています。今後、武蔵丘や杉並への移動があったとしても一般入試はかなりの高倍率になりそうです。

神代は男子の志望者が48人増えていますが、1学級増のため志望倍率は1.83→1.88倍と前年度とほとんど変わっていません。女子は志望者数は前年度と変わらないものの倍率は2.60→2.26倍に下がりました。とはいってもいずれも高倍率に変わりなく、実際の一般入試でも厳しい入試になりそうです。

調布南は女子より男子の倍率が高い学校ですが、2022(令和4)年度入試では男女とも水増し合格者をだし、男女別定員制の緩和は適用されませんでした。しかし、今回の志望状況をみると、男子の志望者が増加し女子が減ってることから前年度以上に男女の倍率格差が拡大する可能性があります。そうなると女子の合格者が絞られて実質倍率が上がりやすくなるので、実際の入試で応募倍率が下がっても油断できません。

小平も人気校で毎年高倍率になりますが、2022(令和4)年度入試では男女とも倍率ダウン、特に男子は1.19倍まで下がり近年にない緩やかな入試になりました。今春の入試ではその反動が当然予想されるところですが、志望者数は48人減、志望倍率は1.38→0.91倍と1倍を切ってしまいました。今後東大和南や小平南などからの移動があるかもしれませんが、実際の入試でも低めの倍率になりそうです。女子も志望者は減少しており倍率も1.81→1.45倍に下がっています。女子は東大和南も小平南も志望者を減らしているため、倍率はこれ以上あがらないのではないかと予想されます。

狛江も人気校ですが、2022(令和4)年度に女子の倍率が大幅にダウンしました。今回の志望状況をみると、その反動で志望者は増加、2021(令和3)年度の倍率には届かないかもしれませんが、倍率アップする可能性は高いようです。男子は前年度の倍率アップの反動は見られず逆に志望者増、2020(令和2)年度の1.9倍近いところまで上がるかもしれません。

芦花の応募倍率は2019(平成31)年度より1.50→2.05→1.82→2.02倍と隔年現象の動きがみられます。今春の入試は倍率ダウンの年に当たりますが、今回の志望調査では志望者数は13人ですが増加しています。このままで推移すると実際の入試でもかなり高い倍率を維持しそうです。

<その他 注目校の志望状況(志望予定調査)

学校名【性別】2023志望数2022志望数2021志望数
向丘 【男子】165(-28)193(+46)147
向丘 【女子】179(-108)287(+52)235
東 【男子】238(-14)252(+129)123
東 【女子】189(-53)242(+118)124
深川 【男子】210(-31)241(+25)216
深川 【女子】217(+37)180(-66)246
目黒 【男子】241(-1)242(+60)182
目黒 【女子】192(-29)221(+31)190
田園調布 【男子】201(+29)172(-49)221
田園調布 【女子】203(+24)179(-29)208
広尾 【男子】146(-62)208(+67)141
広尾 【女子】210(-30)240(+25)215
豊島 【男子】333(+115)218(-66)284
豊島 【女子】315(+53)262(+65)197
井草 【男子】178(-48)226(+26)200
井草 【女子】229(-47)276(+31)245
石神井 【男子】340(+104)236(-19)255
石神井 【女子】290(+30)260(-11)271
神代 【男子】311(+48)263(+47)216
神代 【女子】342(-1)343(+59)284
調布南 【男子】249(+25)224(+47)177
調布南 【女子】194(-16)210(+91)119
小平 【男子94(-48)142(+8)134
小平 【女子】136(-34)170(-11)181
狛江 【男子】329(+15)314(+45)269
狛江 【女子】252(+37)215(-69)284
芦花 【男女】508(+13)495(+74)421
()内は前年比の増減

<その他 注目校の一般入試応募者数・倍率>

学校名【性別】2022応募者数(倍率)2021応募者数(倍率)
向丘 【男子】188 (1.62)144 (1.25)
向丘 【女子】253 (2.39)210 (1.96)
東 【男子】226 (2.28)105 (1.06)
東 【女子】208 (2.26)101 (1.10)
深川 【男子】197 (2.05)182 (1.90)
深川 【女子】147 (1.65)192 (2.16)
目黒 【男子】250 (2.53)171 (1.73)
目黒 【女子】198 (2.15)197 (2.14)
田園調布 【男子】154 (1.75)197 (2.24)
田園調布 【女子】163 (1.99)187 (2.28)
広尾 【男子】191 (1.95)143 (1.81)
広尾 【女子】231 (2.54)181 (2.48)
豊島 【男子】226 (1.95)243 (2.11)
豊島 【女子】229 (2.16)179 (1.67)
井草 【男子】238 (2.05)195 (1.68)
井草 【女子】265 (2.48)227 (2.12)
石神井 【男子】205 (1.77)262 (2.28)
石神井 【女子】225 (2.12)216 (2.02)
神代 【男子】219 (1.89)209 (1.82)
神代 【女子】272 (2.57)217 (2.03)
調布南 【男子】210 (2.12)136 (1.37)
調布南 【女子】185 (2.01)92 (1.00)
小平 【男子】99 (1.19)117 (1.43)
小平 【女子】125 (1.64)150 (1.97)
狛江 【男子】228 (1.73)221 (1.67)
狛江 【女子】173 (1.42)244 (2.00)
芦花 【男女】445 (2.02)400 (1.82)
()内は応募倍率

工業高校の志望状況

最後に工業高校の動きを見てみましょう。

学科別のところで少し触れましたが、今回の志望調査では校名を変更する工業高校にどれだけの受検生が集まるかということが注目されました。

しかし結果をみると志望者は逆に減少して倍率は0.7倍台まで下がってしまいました。各校の志望状況をみると、中野工科のように志望者増になったところがありますが、明らかに増加したといえるのはこの1校だけで、蔵前工科、墨田工科、杉並工科、荒川工科、北豊島工科、葛西工科、町田工科は前年度とあまり変わらず、練馬工科、足立工科、府中工科、多摩工科、田無工科は数十人単位で志望者数は減っています。

今後、志望者が増えるかは不透明で、場合によると今春の一般入試では工科高校に校名変更した全校が定員割れになるかもしれません。

<工業高校の志望状況(志望予定調査)

学校名【性別】2023志望数2022志望数2021志望数
蔵前工科 【男女】 122(+3)119(-9)128
墨田工科 【男女】 114(-9)123(-35)158
中野工科 【男女】 88(+15)73(-9)82
杉並工科 【男女】 62(-7)69(+1)68
荒川工科 【男女】90(-2)92(+7)85
北豊島工科 【男女】82(-8)90(-4)94
練馬工科 【男女】 151(-36)187(+33)154
足立工科 【男女】 75(-50)125(+9)116
葛西工科 【男女】 152(-9)161(+21)140
府中工科 【男女】 161(-21)182(-44)226
町田工科 【男女】 138(-3)141(+13)128
多摩工科 【男女】 151(-45)196(+2)194
田無工科 【男女】120(-31)151(-2)153
()内は前年比の増減

<工業高校のの一般入試応募者数・倍率>

学校名【性別】2022応募者数(倍率)2021応募者数(倍率)
蔵前工科 【男女】 66 (0.65)69 (0.66)
墨田工科 【男女】 66 (0.57)94 (0.90)
中野工科 【男女】 38 (0.53)49 (0.64)
杉並工科 【男女】 44 (0.41)46 (0.46)
荒川工科 【男女】68 (0.63)55 (0.54)
北豊島工科 【男女】46 (0.47)66 (0.67)
練馬工科 【男女】 106 (1.20)89 (1.01)
足立工科 【男女】 74 (0.80)93 (1.06)
葛西工科 【男女】 110 (1.01)82 (0.78)
府中工科 【男女】 112 (1.07)154 (1.47)
町田工科 【男女】 92 (0.88)67 (0.64)
多摩工科 【男女】 125 (1.19)123 (1.17)
田無工科 【男女】91 (0.87)90 (0.86)
()内は応募倍率

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