受験勉強のために中学校3年間の英語の項目を一気に復習しようと思うと、かなり膨大な量になってしまいます。
今回は、高校受験対策の英語の勉強方法をご紹介。効率良く進めるためのスケジュールから、合格率アップに向けた学習法まで、詳しく解説していきます。
目次
高校入試で出題される4つのテーマ
高校入試に向けた勉強を始める前に確認しておきたいのが、どのような問題が出題されるのか、という点です。もちろん細かな出題形式などは高校によって異なりますが、「リスニング」「英作文」「文法・語彙」「長文読解」の4つが基本的です。高校入試対策の勉強は、これらの項目を網羅して学習するのがベストです。
志望校が決まっている場合は、過去問を参考にどのような問題が出題されるのかチェックするのも1つの手です。テストの形式や内容を把握することができ、自分に足りない要素や得意分野などを日々の学習に役立てることができます。
段階的な学習スケジュールが入試突破のカギ
ここからは、具体的な勉強の進め方について解説していきます。学習スケジュールの立て方から見ていきましょう。
まずは英単語・英文法の定着からスタート
先ほどご紹介した高校入試で出される4つの要素は、しっかりと英単語を覚えてないと乗り越えることはできません。逆を言えば、英単語がしっかりと身についていれば、ある程度のレベルまでは解答ができるようになります。たとえば、英文を読むときであれば、分かる単語があれば文章の意味を推測できます。
そして、英単語をある程度覚えることができたら、併せて英文法の学習も進めていきましょう。言葉の意味と文章の構成をきちんと把握することで、長文読解力、作文力にもつながります。
また、英語の学習スケジュールは、中3の夏頃までには英単語・英文法を理解しておくのが理想です。長文読解の練習時間を考慮すると、遅くても9月までには学習を終わらせておくのがベストでしょう。
基礎が身についたら長文読解へ
英単語と文法の基礎がしっかりと固まったら、志望校の過去問やテキストを使って長文読解の練習をしましょう。長文読解は配点の高い分野になるため、入試までに問題に慣れて、確実に点数が取れるような対策をしておくことが大切です。
読解を進めていく中で、わからない単語や文法が出てきたら、その都度辞書や教科書を使って調べることで、自分の中に定着させることができます。
英単語は、マスターしたと思っていても、意外と盲点があるもの。また、長文読解を重ねていくうちに、自分の苦手な傾向も分かりやすくなります。不得意なポイントを少しずつ克服するためにも、長文読解の勉強にはできるだけ時間を掛けたほうが無難でしょう。
長文読解のコツは、文章を読む前に設問を確認することです。最初に問題文をチェックすることで、長文を読んでいる間に解答が見つけられるので、解きやすくなる上に時間短縮にもなります。
リスニングで英文に慣れる
通常の筆記問題に気を取られて忘れがちになってしまいますが、英語の試験ではリスニングの対策も欠かせません。文字で読めるようになっていても、発音やアクセントなどがきちんと理解できていないと、言葉を聞き間違えてしまうこともあります。
長文読解の勉強と一緒に日常的に練習しておき、普段から耳を英語に慣れさせておくと良いでしょう。問題集や参考書などに付いているCDなどを使いながら、一つの出題内容が全て理解できるまで繰り返し聴く練習方法は特におすすめです。
今後はスピーキングテスト対策も必須
今のところ都立高校の入試だけが対象となっていますが、従来のライティングとリスニングテストに加えて、英語でのスピーキングテストの導入が検討されています。
すでにプレテストも行われており、本実施となるのは2022年度以降と予定されています。試験の形式としてはタブレットの端末などを使って解答を録音するもので、支給された機器の指示に沿ってテストを進めていきます。
また、過去に数回実施されたプレテストでの大まかな出題内容は、指定された英文を読むだけの音読・英語での一問一答・イラストの内容の英文説明・簡単なスピーチといった4種類です。それぞれのテストにより、発音や英語で自分の考えを伝える能力などが評価されます。
英検対策を活用して慣れておくとベター
日本の高校入試においてはまだ一般化されているものではなく、勉強が難しいと感じるかもしれません。ただし英検3級(中学卒業レベル)以上のテストでは英語での面接があるので、英検の二次試験用の対策を上手く活用するのも良いでしょう。
私立高校入試では、英検取得によるプラスαを行なっている学校は多数存在しています。高校受験において、英検を取得しておくことは何かと有利になるので、受験勉強や入試の練習も兼ねて、事前に英検を取っておくのもおすすめです。
効率的に勉強するためのコツ4選
ここまでは、勉強を進める大まかな流れを解説してきました。学習の計画も大切ですが、実際に勉強する中身も重要です。そこで以下からは、効率良く入試対策ができるおすすめの勉強方法をご紹介していきます。
単語カードを作ってベースを固める
前述にもあるように、まずは英単語や英文法といった暗記から始めることになります。単純な内容を覚えるには、リング形式でまとめられる単語カードを使うのが有効です。
カードの表と裏それぞれに日本語か英語のいずれかを記載し、めくって確認できる形式にしておきます。あわせて派生語・類語・発音なども追記しておくと、リスニングやスピーキングの対策も同時にできたり複数の単語を関連付けて理解できたりと、効率アップにつながります。
単語カードの作り方は、高校入試レベルの英単語集や文法集などを使って、まだ頭に入っていないものをピックアップする方法がおすすめです。
そして大体20~50語を1単位と考えて、日本語から英語・英語から日本語のどちらも迷うことなく覚えられるまで繰り返し、完ぺきになったら次へ、という流れで暗記していくと良いでしょう。また覚えたものから外すようにしていけば、苦手な部分に集中できます。
発声しながら暗記
単語を目で見るだけだと覚えにくいという場合には、実際に英単語や英文法を発声して頭に入れていくのがおすすめです。特に発音とスペルの関係には法則性があるため、読み方もしっかりと身につけていくことで、他の単語のスペルを思い出したい時にも推測できるようになります。この先高校や大学に入ってからも発音とスペルの関係性は重要になるため、今のうちから勉強しておくと今後の学習にも役立つでしょう。
さらに自分で発音して普段から英語を聴いておくことで、リスニングに慣れる意味合いもあります。また書いて覚えるのも良いですが、時間が掛かりやすい上に暗記ではなく作業になってしまう可能性も高いので、声に出したり耳で聴いたりするほうが有効的です。
各分野の問題集で集中して苦手克服
英文法・長文読解・リスニングなど、分野ごとに限定した問題集もたくさん出ています。長文読解の練習にはもちろんですが、作文やリスニングが苦手な場合にも各問題集を使って集中的に勉強するのがおすすめです。
さまざまな形式の出題に慣れておくことで、より理解が深められて英語力も高くなります。また苦手意識があるままだと、どうしても入試本番にまで不安を持ち込んでしまいます。
少しでも克服する工夫をしておくことで、自分自身の気持ちを落ち着かせることにもつながるので、当日までにできるだけ問題演習を積み重ねておくと良いでしょう。
過去問を使って時間を計測しながら練習
入試本番が近づいてきたら、ただ問題を解くだけでなく、時間を意識する必要があります。当日は限られた中で最大限の力を発揮しなければならないので、予行演習として時間計測をしながら過去問を進めるのがおすすめです。
どの問題にどれくらいの時間が掛かるのか把握できるようにもなるため、入試本番でのペース配分を考える意味でも、自分で模擬的なテストを繰り返しておくと良いでしょう。ダラダラと時間を掛けて解いていては、当日の試験でも解答が間に合わなくなってしまう可能性があります。
時間を計って勉強すれば効率的ですし、いざ本番で焦らないための準備にもなります。
順序立てた勉強法で志望校合格へ
高校入試に限ったことではありませんが、英語の学習にはまず言葉に慣れることが大切です。もちろん実践練習は必要ですが、その前に英単語や英文法といった基礎をしっかりと作らなければ、長文読解やリスニングの力にはつながりにくいでしょう。
問題を解くための土台をしっかりと固めるためにも、計画的に勉強を進めるのがおすすめです。きちんと段階を踏んで学習することで、問題演習もスムーズにでき、効率良く受験に向けた準備ができます。
何から始めたら良いのか迷っている場合には、ぜひ本記事を参考にしてみてください。