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2024(令和6)年度 東京都立高等学校最終応募状況について

入試情報

2024.02.28

2024.02.28

東京都立高校受験の仕組みや選抜方法

2月14日、都立高入試で願書差し替え後の最終応募状況が発表されました。

その特徴をまとめましたのでご参照ください。

詳細は東京都教育委員会のホームページをご覧ください。

令和6年度東京都立高等学校入学者選抜応募状況(最終応募状況)|東京都教育委員会ホームページ (tokyo.lg.jp)

一般入試(第一次募集・分割前期募集)の募集人員30,343人(海外帰国生徒募集含む)に対し、願書差し替え後の最終応募者数は42,017人。最終応募倍率は前年度より0.01ポイント高い1.38倍でした。

倍率は若干上がったものの、私立高校に対する授業料の支援制度の拡充により、都立高入試は1.3倍台の低い倍率が続いています。

男女別に募集していた普通科では、今年度より男女合同募集に変更され、その動向が注目されました。東京都からの応募状況の発表が男女別ではなくなったため、男女の動きは不明ながら、島しょ、コース制、単位制、海外帰国生徒募集を除いた普通科の倍率は1.47倍。前年度の男女別募集を男女合算して算出した倍率1.46倍を0.01ポイント上回っていることから、男女合同募集の影響はあまりなかったといえるのではないでしょうか。

単位制普通科は前年度定員割れとなった忍岡(0.98→1.05倍)、板橋有徳(0.89→1.13倍)、大泉桜(0.79→1.12倍)がいずれも1倍を超え定員割れ校はなくなりました。全体でも応募倍率は0.04ポイントアップしています。

専門学科も全体で0.02ポイントアップしましたが、普通科との差は大きいままです。商業科は0.06ポイントアップし、6年ぶりに1倍を超えましたが、全7校中第三商業と第五商業を除いた5校は定員割れです。工業科も0.05ポイントアップしたものの0.7倍台にとどまっています。校名変更、学科改編、IT科目の導入、先端技術の活用など積極的に改革に取り組んでいますが入試の倍率には結びついていません。今年度は全15校中10校が学校全体の募集人員より応募者が少ない状態です(2023年度は15校中14校)。

一方で総合学科は全体で1.3倍台にアップ。晴海総合をはじめ、杉並総合や青梅総合などの人気校に応募者が戻ってきました。多くの選択科目が用意され、多様な進路に対応している学科の特徴が見直されているのかもしれません。しかし、低倍率が続いている学校もあり、高倍率校と低倍率校の差は広がっています。

進学指導重点校の状況

進学指導重点校7校合わせた最終応募者数は2,989人で、前年度の男女合わせた応募者数より約130人の減でしたが、これは日比谷1校で122人減少したことが響いています。

日比谷は前年度に男女とも倍率アップ。しかも男子は近年にない高倍率になり、男女合わせて200人を超える不合格者が出る激戦であったことから敬遠されたようです。日比谷の男女合わせた応募者数が500人に満たなかったのは近年にないことで、前年度の国公立大学への合格実績がダウンしたことも影響したのかもしれません。

戸山は前年度に男女とも応募減になり、今年度は反動が予想されたもののそれほど増えませんでした。倍率も2倍にわずかに届かず、戸山としては前年度と同じ低めの倍率になったといえるでしょう。

青山も同様で前年度に男女とも倍率ダウン。応募者が500人を大幅に切って、同校としては緩やかな入試でした(とはいっても男女合わせて170人が不合格)が、今年度は応募増が予想されたものの微増で留まり、青山としては少ない応募者数が続きました。

西も応募者が減少していますが、これは前年度に女子の応募者が増加し激戦になったことが影響したのかもしれません。しかし、男女合わせた応募者数428人は西としての平均的な人数に近いので、堅調な応募状況といえます。

八王子東は前年度に男女とも大幅な倍率ダウンとなり、今年度はその反動が現れました。しかし、男女合わせた応募者数はそれほど多い人数ではなく、八王子東の本来の応募状況とはまだいえないようです。

立川は創造理数科が開設した2022(R4)年度より普通科の応募者数が減少したように見えますが、志望の順位の指定によるもので実質的にはそれまでの応募状況と変わっていません。前年度も例年の応募数といえます。しかし、今年度は創造理数科の応募者が減少したことから、全体的にもやや少なめの人数となっています。

国立も前年度に男女とも倍率ダウンしたため、今年度は男女合わせた応募者が約20人増えました。国立としてはやや少ないものの、標準に近い応募状況といえるでしょう。

学校名募集人員最終
応募者数
倍率最終応募者数(2023)最終応募者数(2022)
日比谷2534591.81581546
戸山2524991.98490525
青山2214582.07446558
西2524281.70463442
八王子東2523421.36325410
立川(普)2203181.45310285
立川(理数)34922.71128147
国立2523931.56372419
1,7362,9891.723,1153,332
※2023(R5)年度までは男女別募集ですが、男女合わせた応募数を掲載しています。

進学指導特別推進校の状況

次に進学指導特別推進校の応募状況を見てみましょう。

小山台は応募締め切り時に最近の5年間でもっとも少ない318人の応募となり、倍率も1.2倍台の低倍率でしたが、志願変更で21人増え1.3倍台に上がっています。しかし小山台として低めの倍率といえるでしょう。前年度、前々年度と男女とも高めの倍率が続いたのでやや敬遠されたのかもしれません。

一方で、駒場は復調の兆しが見えています。2022年度に男女合わせた応募数が306人と駒場にしては非常に少ない人数でしたが、その後増加に転じ今年度は460人で倍率も2021年度に近い1.83倍に上がりました。久しぶりに駒場らしい応募状況になったといえるでしょう。

小松川は前年度に男女とも1.2倍台と低めの倍率になったことから、今年度は反動が予想されましたが、男女合わせた応募数が321人で倍率は1.2倍台となり、低倍率が続くことになりました。城東が学級増で門戸が広がったことから、そちらへの移動があったのかもしれません。

町田も小松川同様、前年度入試では男女とも倍率ダウンしましたが、今年度は男女合わせた応募数が約50人増加し、人気の高かった2019年度以前の状況に戻りました。

都立唯一の国際科を有する国際は毎年激戦が続いています。コロナ禍で2021年度は2.2倍まで落ち込みましたが、その後復調し、今年度は前年度高倍率の反動で応募者が約40人減少しましたが2.4倍台を維持しています。

普通科でもっとも高い倍率となった新宿は、前年度より応募者が約50人増。2.4倍台は近年にない高倍率です。立地の良さと伸びている進学実績で人気も上がっているようです。

同じ進学重視型単位制の国分寺は私学への移動があったのか、45人の応募減で最近の5年間でもっとも低い1.4倍台に落ち込みました。今年度は例年高倍率になる人気校の倍率が低下するケースが目立ちましたが、国分寺も例外ではなかったようです。

学校名募集人員最終
応募者数
倍率最終応募者数(2023)最終応募者数(2022)
小山台2523391.35383384
駒場2524601.83406306
小松川2533211.27313351
町田2533591.42312328
国際(一般)982372.42279255
新宿2846862.42637670
国分寺2523651.45410429
1,6442,7671.682,7402,723
※2023(R5)年度までは男女別募集ですが、男女合わせた応募数を掲載しています。

進学指導推進校の志望状況

次に進学指導推進校の応募状況を見てきましょう。

三田は前年度入試で男女とも倍率ダウン。特に男子は男女別定員制の緩和の男女合同枠が2割に拡大されたことが影響したのか、近年にない低い倍率になりました。そのため、今年度はその反動で応募増が予想されましたが、男女合わせた応募者数は前年度より12人減ってしまいました。倍率は1.9倍台で高いのですが、これは募集学級数を元の7学級に戻したためです。男女合同募集により敬遠されたのかもしれません。

竹早も男女合わせた応募者数が前年度より25人減。前年度は女子の倍率が2.20倍に上がり、近年にない激戦であったことから敬遠されたのでしょうか。また男女合同募集の影響もあったかもしれません。

上野は逆に応募増。男女合わせた応募者数は前年度より33人増えました。倍率は1.95倍で2倍に迫っています。もともとアドバンス校として進路指導に力を入れていましたが、2023年度から進学指導推進校の指定校になりました。一方で大学合格実績も好調で、前年度は国公立に現役で50人の合格者を出しています。

城東は前年度に男女とも倍率アップ。今年度は学級増が影響したのか、男女合わせた応募者が85人増加し、542人を数えました。人気の高い城東でも、500人を超える応募者を集めたことは近年ではありません。部活動が活発で有名ですが、加えて進学実績も伸びており、前年度は国公立合格者が現役で30人を超えました。このような文武両道を実践していることが人気を支えているようです。

豊多摩も人気の高い学校で、毎年高倍率で激戦となります。今年度は男女合わせた応募者が20人減少しましたが、倍率は1.87倍と高い水準を保っています。しかし、男女合わせた応募者数の471人は近年では少ない方なので、男女合同募集の影響がでたのかもしれません。

北園は前年度に男女とも倍率ダウンしましたが、今年度の応募者数は前年度の男女合わせた人数とほぼ変わらず反動はありませんでした。

江北は前年度は男女とも倍率アップし、厳しい入試になりましたが、今年度はその反動で応募者が男女合わせて95人減少しました。進学実績が好調で特に国公立大学、早慶上理の実績が伸びており、4年制大学への進学率も8割を維持しています。

江戸川の応募者数は前年度の男女合わせた人数とほぼ同じでしたが、募集学級数を9学級から元の8学級に戻したため、1.7倍台の高い倍率になりました。

武蔵野北は応募者が増えたり減ったりする隔年現象が見られ、今年度は応募減の年に当たりました。応募者数は前年度の男女合わせた人数より約40人減となり、普通科の平均倍率(1.47倍)より下がり、緩やかな応募状況になりました。

昭和は前年度、前々年度と続いた激戦の反動で、男女合わせた応募者数が約100人減。倍率は1.50倍で普通科の平均倍率(1.47倍)に近い水準まで下がりました。上野と同様、2023年度より進学指導推進校の指定を受けています。進路はGMARCHなど難関私立大学への合格実績が好調です。

調布北は前年度に男女とも応募減となり倍率ダウンしたため、今年度は反動が予想されましたが、男女合わせた応募者数が17人増と微増で留まりました。

武蔵野北を敬遠した生徒は小金井北に移動したようで、小金井北の応募者数は前年度より約50人増加しました。男女合わせた応募者数が300人を超えたのは4年ぶりで、往年の人気が復活してきたような応募状況になりました。

日野台はこの3年間応募者数の増減が小さく、安定した入試が続いているといえるでしょう。国公立や早慶上理の実績が伸びています。

墨田川は2020、2021年度と1.0倍台で低倍率が続いたものの、その後は隔年現象の動きとなり、今年度は倍率ダウンの年に当たりました。

多摩科学技術は高い人気を維持しています。今年度も応募者数は250人を数え1.7倍台を維持しています。

学校名募集人員最終
応募者数
倍率最終応募者数(2023)最終応募者数(2022)
三田2043931.93405423
竹早1773131.77338383
上野2524911.95458500
城東2845421.91457374
豊多摩2524711.87491533
北園2534501.78457523
江北2523861.53481389
江戸川2534331.71435424
武蔵野北1892551.35296266
昭和2523791.50478481
調布北1882981.59281326
小金井北1893171.68269267
日野台2413351.39344336
墨田川2523231.28346319
多摩科学技術1472521.71265304
※2023(R5)年度までは男女別募集ですが、男女合わせた応募数を掲載しています。

その他の注目校

このほかの注目校を見ていきましょう。

向丘は前年度男女とも応募減で倍率ダウンし、女子は近年にない緩やかな入試になりました。その反動で今年度は男女合わせた応募者数が64人増加、しかも募集学級が8学級から元の7学級に戻ったため、倍率が2倍まで急騰しました。

は前年度に男女とも倍率ダウンしたものの、 1.6倍台の高倍率で厳しい入試に変化はありませんでした。そのため、今年度は前年度に倍率ダウンした本所に移動したようで、男女合わせた応募者数が約50人減となり、普通科の平均倍率(1.47倍)を若干下回る倍率になりました。

人気校の深川は男女合わせた応募者数が約40人減少し、近年では最も少ない人数になっています。例年の高倍率を敬遠して本所や晴海総合に移動しているのかもしれません。

目黒も人気校で毎年高倍率で激戦になります。しかし、今年度は男女合わせた応募者数が約40人減少し、3年ぶりに400人を切りました。次に出てくる田園調布や広尾も応募者は減少しているので、私立高に流れているのかもしれません

田園調布は前年度に男女とも倍率アップした反動で、応募者が36人減となりました。最近の5年間でもっとも少ない応募者数です。競合校の雪谷も応募減になっていることから、私立高に流れたのかもしれません。

広尾も前年度に男女とも応募倍率が2倍を超える高倍率となり激戦でした。今年度は反動がありましたが、男女合わせた応募者数は12人の微減で留まり、応募倍率も2倍台を維持しました。

豊島の人気が上がり続けています。2021年度からの男女合わせた応募者数は、407→452→506人と50人単位で増えていき、今年度はさらに約70人増えて574人になりました。新しい校舎と進学指導・学習指導の刷新など、様々な取組が人気を集めているようです。足立区からの生徒も増加しているようで通学圏も拡大しています。

井草も人気の高い学校ですが、前年度は男女とも応募減で倍率ダウンしました。今年度は反動が予想されましたが、男女合わせた応募者数は約10人増で留まっています。しかし8学級募集から元の7学級募集に戻ったことで、倍率は1.9倍台まで上がりました。

石神井も人気校ですが、今年度の応募者数は男女合わせて112人の大幅減。過去5年間で初めて400人を割りました。8学級募集から7学級募集に戻ったことで高難度を敬遠して、保谷などに移動したのかもしれません。

神代も毎年高倍率になる学校で、前年度は女子の倍率が2年連続で2倍を超えました。今年度は男女合わせた応募者数が前年度より約30人減少しましたが、倍率は1.8倍台と高い倍率を維持しています。

調布南も人気校です。前年度は男子の応募倍率が2倍を超え、女子も1.8倍台と男女とも激戦でしたが、今年度はその反動で男女合わせた応募者数が約60人減少しました。しかし、この320人前後の応募者数が調布南の標準的な人数なので、元の応募状況に戻ったといえます。

小平も人気がありましたが、2021年度から男子の応募者が減少しだしました。2022年度には1.2倍台まで下がり、2023年度も男子は1.2倍台、女子も1.4倍台まで下がりました。今年度はその反動で男女合わせた応募者数が約50人増加し、小平としての標準的な応募者数(280人程度)に近い状態に戻りました。しかし、5学級から6学級募集へと増学級になったことから倍率は1.40倍で留まり、普通科の平均倍率(1.47倍)よりやや低くなりました。

狛江も人気校です。早くから国際理解教育に力を入れている学校ですが、2022年度はコロナ禍の影響か、女子の倍率が1.4倍台まで落ち込みました。2023年度は応募者数も増加に転じ、今年度も男女合わせた応募者数が約30人増えて460人に達しました。しかし、募集学級数を8学級から9学級に増学級したため、倍率は1.6倍で留まっています。

芦花も人気の高い学校です。2021年度からの応募者数は396→424→434人と増加を続け、今年度はさらに約20人増えて455人となり、倍率も2倍を超え、最近の5年間でもっとも高い倍率になりました。

学校名募集人員最終
応募者数
倍率最終応募者数(2023)最終応募者数(2022)
向丘2204402.00376438
2213161.43368397
深川1853181.72357338
目黒1893711.96410434
田園調布1683141.87350325
広尾1573392.16351417
豊島2535742.27506452
井草2214221.91412475
石神井2203731.70485411
神代2524561.81487469
調布南1893271.73391362
小平1893171.68215230
狛江2854601.61434394
芦花2204552.07434424
※2023(R5)年度までは男女別募集ですが、男女合わせた応募数を掲載しています。

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