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私立高校の奨学金・特待生制度など受験に関わるお金について

入試情報

2021.05.27

  • #私立高校受験

2021.05.27

私立高校入学後の年間学習費用の総額は、文部科学省によると969,911円。公立高校の457,380円に比べて、2倍以上のお金が必要です。

2020年から私立高校でも、国の就学支援金制度が利用できるようになり、授業料が実質無料になりました。それでも、受験料や入学金などの諸費用が必要です。
自治体の奨学金制度を利用すれば、入学金にかかるお金を無利子で借りられることもあります。

ここでは、私立高校を受験したときにかかる受験料や、入学後の授業料など、受験にかかわるお金について解説します。[注1]

[注1]文部科学省:平成30年度子供の学習費調査の結果について

私立高校を受験するときにかかるお金

私立高校を受験するときにかかるお金は、主に2つ。受験料と入学金です。
ここでは、私立高校受験で必要になる受験料と、入学金の目安となる金額について説明します。

受験料(入学考査料)

私立高校受験に必要な受験料は、公立高校よりも高く設定されています。
全日制の公立高校では、一律2,200円です(都道府県によって多少前後します)。
対して、私立高校はそれぞれの学校が決めているため、金額に幅があります。首都圏の私立高校の受験料は、おおよそ10,000円~30,000円程度です。[注2]

[注2]神奈川県:県立高校入学検定料・入学料

入学金

入学金は、入試に合格しその高校に入学するときに支払うお金です。多くの場合は、入学の意思を示すため、期日までに入学金を振り込む必要があります。

全日制の公立高校では、入学金は一律5,650円です。入学金も受験料と同様に、都道府県によって異なる場合がありますので、受験する自治体の入学金をご確認ください。
私立高校の入学金は、首都圏で10万円~35万円程度です。こちらも、高校によって金額差が大きいため、おおよその目安としてください。

第二志望で私立高校を受験した場合は、実際に入学しないときでも、入学金の支払いが必要です。入学金を払ったあとに入学を辞退するときは、一部を返還してもらえることもありますが、一時的に入学金の満額が必要になる点を理解しておきましょう。[注3][注4]

[注3]受験マニアックス:私立高校学費データ神奈川県(2020年度)
[注4]埼玉県:埼玉県立高等学校の授業料・入学料等のあらまし

私立高校入学後に必要になるお金

私立高校を受験し、入学が決まると授業料だけでなく教材費などのお金が必要になります。前もって把握しておかないと、高校入学後にお金が足りないと慌ててしまうことも。
ここでは、私立高校の授業料や教材費、その他費用の金額や必要になる時期について説明します。

授業料

私立高校の年間授業料は、おおよそ20万円~45万円です。学科やコースによっては、これ以上の授業料が必要になるケースもあります。
文部科学省による「子供の学習費調査の結果について(平成30年)」では、私立高校の授業料平均は約23万円でした。

ただし、後述する支援制度や奨学金を利用することで、私立高校の普通科であれば、実質の授業料が無料となることがほとんどです。

教材費

私立高校に限らず、高校に入学すると授業料以外にも諸費用がかかります。教材費として、教科書代や授業で使用する教材にかかるお金が必要です。

文部科学省の調査では、年間の教材費の平均は42,675円。公立高校は41,258円なので、私立高校が特別高いわけではなく、公立高校とほとんど変わりません。

教科外活動費

教科外活動費とは、クラブ活動や体育祭、文化祭、生徒会など、学校行事にかかるお金です。私立高校の平均は、56,224円とこちらも公立高校と大きな差はありませんでした。

私立高校を受験したときに利用できる支援金・奨学金

私立高校を受験したときに利用できる支援金・奨学金

2020年4月から、私立高校の授業料が実質無料化されました。
これまで公立高校が対象だった国の支援制度を見直し、私立高校の授業料に合わせた支援制度です。私立高校を受験したときに利用できる奨学金や制度は、主に下記の3つ。

  • 高等学校等就学支援金制度
  • 高等学校等奨学金
  • 高校生等奨学給付金
  • 私立高等学校等授業料軽減助成金

ここでは、それぞれ利用できる条件や金額について説明します。[注5]

[注5]文部科学省:高等学校等就学支援金制度

高等学校等就学支援金制度

高等学校等就学支援金制度とは、平成26年4月以降の入学者を対象とした国の授業料支援制度です。年収約910万円未満の世帯が対象で、一律118,800円が給付されます。

2020年4月から、対象となる世帯年収が下げられ、給付上限額が396,000円に引き上げられました。例えば、両親のうち一人が働き、高校生と大学生の子がいる場合、世帯年収が約640万円まで支援金の給付対象となります。

通信制の私立高校の場合は、単位ごとに支給され、年間上限が297,000円です。[注6]

[注6]文部科学省:高校生への修学支援リーフレット

高等学校等奨学金

高等学校等奨学金とは、各都道府県の自治体や地方公共団体が募集している奨学金制度です。奨学金のため返済が必要ですが、無利子で借りられる制度もあります。
支給額や条件は自治体によって定められており、日本学生支援機構のホームページから確認できます。[注7]

[注7]文部科学省:その他の修学支援策

高校生等奨学給付金

高校生等奨学給付金とは、平成26年度から始まった高校教育費用の支援補助事業です。
授業料以外にかかるお金(教材費・教科外活動費など)の負担を減らす目的で運用され、生活保護受給世帯や非課税世帯を対象としています。

全日制通信制
生活保護受給世帯52,600円52,600円
非課税世帯(第一子)103,500円38,100円
上記は、私立高校の年間給付額です。[注8]
[注8]文部科学省:高校生等奨学給付金

私立高等学校等授業料軽減助成金

私立高等学校等授業料軽減助成金とは、経済的な負担を軽減させることを目的とした制度です。

対象になる方の条件は、都道府県によって異なります。
東京都を例に挙げると、申請者(保護者)と生徒が令和3年5月1日以前から申請時まで東京都内に住んでいる方が対象になります。

さらに、私立高等学校・私立中等教育学校後期課程・私立特別支援学校の高等部・私立高等専門学校・私立専修学校高等課程のいずれかに在学する生徒の保護者に限られています。

上記のほかにも、対象世帯及び軽減額というものが決められており、これらに該当している場合のみ申請が可能です。

東京都の場合、軽減額の上限は46万7千円です。[注9]

[注9]公益財団法人 東京都私学財団:私立高等学校等授業料軽減助成金事業

私立高校受験で利用できる特待生制度

私立高校では、特待生制度を持っている高校もあります。特待生とは、学力やスポーツ、芸術など学校の定める分野で特に優秀な成績を収めた生徒のことです。特待生として認められると、入学金や授業料など就学にかかる費用が一部、あるいは全額免除されます。

私立高校の特待生制度には、大きく分けて下記の2つのタイプがあります。

  • 受験時に特待生枠が設けられており自ら志願する場合
  • 入試の成績が上位の者に適用される場合

どちらの場合も、1年間の成績が振るわなかったときは特待生制度から外れる可能性があり、成績を一定に維持する必要があります。

私立高校を受験にかかるお金は奨学金や支援制度を上手く使う

文部科学省によると、私立高校を入学した場合、授業料や学校納付金、教材費、教科外活動費などの年間費用は、約70万円がかかるとされています。

2020年4月からは、私立高校を受験した場合でも、国の就学支援金制度が利用できるようになりました。公立高校よりも費用のかかる私立高校に合わせて、上限額が引き上げられ、より利用しやすくなっています。
また、入学金が高額になる私立高校では、入学金の支払いにあてられる奨学金制度もあります。住んでいる地域の制度を調べ、上手く活用しましょう。

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