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【2025年度入試】埼玉県「第2回 進路希望調査結果(12月15日現在)」

入試情報

2025.01.24

2025.01.24

埼玉県の公立高校受験の仕組みや選抜方法

1月9日,埼玉県教育委員会から2027(R7)年度入試に向けた,12月15日現在の第2回進路希望調査の結果が発表されました。
詳細は以下のページをご覧ください。
https://www.pref.saitama.lg.jp/e2201/shinrokibou202412.html

昨年の10月に発表された第1回進路希望調査から何か変化があったのでしょうか,また今回の結果から2025(R7)年度の入試はどのような傾向が予想されるのでしょうか。

第1回 埼玉県進路希望調査との比較

まず第1回からの違いを見ていきましょう。
進学希望率が97.2%から98.6%に上がったのは,「進学希望校未定者」が1,125人から290人に減ったためで,これは例年の動きです。
また,公立の希望率が下がり,私立,県外,定時制,通信制が上がりましたが,これは公立高から私立単願への変更など,より現実的な進学先を希望したことを示しています。

※上段は人数,下段は卒業予定者数に対する割合

第1回 埼玉県進路希望調査との比較

<2024年10月15日現在の第1回進路希望調査の結果>

第1回 埼玉県進路希望調査との比較

次に第2回進路希望調査の過去5年間の推移から特徴を挙げてみましょう。
全日制希望率は年々下がってきており,2020(R2)年度と比較すると約3ポイントもダウンしました。その分,通信制希望率が上がっており通信制志向は高まるばかりです。
公立高希望率も下降傾向で今回の調査では前年度同期より0.6ポイントダウンしています。一方で私立高希望率は0.6ポイントアップし2020(R2)年度から3年間続いた18%台に近づき,私立高志向が復活する兆しが見えています。

公立高校学科別希望率

公立高校の学科別希望率を見てみましょう。※<>は実際の入試の志願締め切り時の倍率です。

公立高校学科別希望率

第1回の調査より普通科の倍率が下がり,農業科,工業科,商業科,外国語科,理数科などが上がって普通科から専門学科への移動がありました。これも第1回の調査時から志望校選択が進み,より自分に合った現実的な志望校を選んだ結果といえます。

今回の第2回の調査結果を過去のものと比較すると,全体の倍率は1.12倍で前年度より0.01ポイントダウンしました。しかしこれは例年の状況といえ,これまでの推移から考えると2025(R7)年度入試の志願倍率は2024(R5)年度以前と同じ1.10~1.11倍程度になりそうです。

普通科の倍率は1.21倍でこの5年間でもっとも高くなりました。希望時の倍率と実際の倍率との差が縮まってきているので,入試では1.18倍程度まで上がる可能性があります。

一方で専門学科は例年のことですが大きく動いています。これは募集規模が普通科と比べて小さいためで,多少の希望者の移動で倍率が上下します。
農業科は0.82倍でこの5年間でもっとも低い倍率になりました。ここまで下がると実際の入試時でも低めの倍率になりそうです。
工業科は前年度同期より上がったものの0.9倍台には届かず,13校45学科中7割に該当する32学科が定員割れの状態です。従って実際の入試でも緩やかな入試が続きそうです。
商業科は0.15ポイントのダウン,希望者は前年度同期より約350人,16%の減となりました。定員割れの学科も27学科中17校から21校に増えています。前年度に倍率が上がったことから,今回はやや敬遠された形です。
家庭科は0.02ポイントのダウンでとどまっていますが,逆に定員割れの学科は5学科から3学科に減少しました。
コロナが5類に分類され,通常の社会がもどってくるにつれ外国語科の人気も復活してきています。今回の調査では前年同期より下がったものの,1.1倍台を維持しています。例年の動きからすると実際の入試ではさらに倍率アップしそうです。
理数科はややアップ,高い人気が続きます。各校の状況を見ても市立大宮北が2倍を超えたほか,所沢北,大宮,越谷北などが高倍率になっています。

主な学校の希望状況

次に普通科各校の希望状況を見ていきましょう。最初に各地域を代表する高校の状況です。

主な学校の希望状況

県立浦和は第1回目の希望者数とほとんど変わらず高い倍率を維持しています。倍率が上がったり下がったりする隔年現象の動きがあり,第2回の希望調査の倍率も2022(R4)年度より1.37→1.53→1.33→1.51倍と推移しています。実際の入試でも1.41→1.67→1.46倍と上がったり下がったりしているので今回の入試では2023(R5)年度入試並みの1.6倍程度を覚悟しておいた方がいいでしょう。

浦和第一女子も第1回目とほとんど動きませんでした。倍率は1.23倍と浦和第一女子としては低い倍率です。例年,第2回の希望時より実際の入試の志願者数は増加する傾向にあるため,今回の人数より数十人は増えると見込まれ倍率も1.3倍台に上がる可能性があります。

大宮は第1回より希望者が約50人減少したものの倍率は前年同期より若干アップしました。大宮は実際の入試になると志願者は希望時より減少することが多いので,今回も同様に考えると1.5倍前後の倍率が予想されます。

春日部の希望者は増加傾向で今回も第1回の希望者数を維持し前年度同期を10人上回り,人気は上昇中です。例年,入試の志願者数は希望時より2割程度増加するので,今回もそれを当てはめると倍率は1.5倍程度まで上がる見込みです。

県立川越も第1回の希望者数と変わらず倍率も前年度同期と同じ1.5倍台の高い倍率となっています。例年,希望者数と入試の志願者数に大きな差がないことから,今度の入試でも1.5倍前後の高倍率になりそうです。

一方で川越女子は希望者の減少傾向が続き,今回の調査ではついに1.1倍台まで落ち込みました。ただ,実際の入試の志願倍率は1.3倍台で安定しており,今度の入試でも志願者は増加すると考えられますから油断できません。

熊谷は第1回とほぼ同数で前年度同期と同様,1倍を超えることができませんでした。しかし2024(R6)年度入試では志願者数が希望者数より約50人増加したことから,今回も入試では1倍を超えると見込まれます。

熊谷女子は2024(R6)年度入試で定員割れとなり受検生全員合格となりました。今年度はその反動で希望者が増加すると予想されましたが,1回目も2回目も1倍を超えることなく,前年度同期と同じ状況になっています。このままで推移すると今度の入試での緩やかな入試になりそうです。

越谷北は入試の倍率の変動が激しい学校です。2022(R4)年度入試で志願倍率1.5倍の高倍率となり,翌2023(R5),2024(R6)年度は一転して1.1倍台で緩やかな入試が続きました。第1回の調査では1.4倍台の高倍率,2回目は希望者が減って1.3倍台に下がりましたが,前年度同期を上回っています。例年志願者数は希望時より5%程度減少するので,今回の入試では1.2~1.3倍程度になると見込まれます。

不動岡は第1回から約40人減になったものの近年でもっとも多くの希望者を集めました。入試では1.3倍程度の倍率で安定していますが,例年,希望者数より志願者数が増えることから,1.4倍台まで上がる可能性があります。

松山の志願倍率には隔年現象があり,今度の入試は倍率ダウンの年に当たります。しかし今回の調査では前年度同期とまったく同じ希望者数で,そのような動きはみられませんでした。例年希望者数より志願者数の方が多くなることから,倍率ダウンせず2024(R6)年度並みの倍率になるかもしれません。

の志願倍率には隔年現象があり,2021(R3)年度より1.35→1.47→1.35→1.51倍と上がったり下がったりしています。今度の入試は倍率ダウンの年になりますが,調査では1回目より減ったものの,前年同期とあまり変わらず高倍率を維持しています。例年,志願時になると希望者数より減るため,今後さらに志願者は減少すると見込まれるものの,1.3倍台までは下がらないかもしれません。

市立浦和は1回目の希望調査から100人減少し,前年度同期とほぼ同じ倍率になりました。例年,志願時は希望者数より約2割減少するので,前年度と同じかやや高い1.9倍台まで上がる可能性があります。

前年度激戦校の希望状況

次に上記の学校以外で2024(R6)年度入試で激戦になった学校の希望状況を見ていきましょう。

前年度激戦校の希望状況

浦和西は1回目より希望者が約120人減ったものの,前年度同期よりやや高い倍率となり高倍率入試が続く中でも人気は衰えていません。例年,志願時は希望者数より約15%程度減少することから,それを当てはめると1.5倍程度まで上がる見込みです。

川口は2024(R6)年度入試で近年にない高倍率を記録し100人以上が不合格になる激戦でした。今年度はその反動が予想されましたが,今回の調査では1回目より約30人減ったものの,前年度同期と同じ1.4倍台を維持しました。例年,志願時になると希望者数より減るのが常ですが,その人数は少なくなっています。仮に前年度と同じ5%程度の減とすると1.34倍程度で留まり,川口としては高い倍率での入試になります。
2024(R6)年度入試で高倍率激戦になった川口北の今回の希望者数は1回目から約80人の減となり,2023(R5)年度(423人)とほぼ同じ希望者数になりました。その年は1.3倍程度の志願倍率になったことから,今回も同じような倍率になると予想されます。

川越南は志願倍率1.4倍台の高倍率入試が続く人気校です。今回の調査では1回目より100人以上減少したものの前年度同期と同じ倍率になりました。従って志願倍率も例年の1.4倍台が予想されます。

越ケ谷は1回目から約60人減少し前年同期より倍率ダウンしました。希望者数400人台に減ったのは近年ではありません。実際の入試では希望時より15%程度減少するので,それを当てはめると1.3倍程度となり越ケ谷としては緩やかな入試となります。

越谷南の志願倍率は1.4倍台で推移しています。今回の調査では1回目より約150人減ったものの1.8倍台の高倍率になりました。希望者数が580人以上になったのは近年ではありません。同じように希望者が多かった2022(R4),2023(R5)年度入試では志願時には2割程度減少したので,それを当てはめると1.47倍になります。

所沢は人気が上昇中ですが,2024(R6)年度入試では志願倍率1.5倍台に上がり,受検生の約3割が不合格になる激戦でした。今回の調査では第1回より約90に減少し1.4倍台に下がりました。前年度同期よりも低く,さすがに前年度の激戦が敬遠されたようです。例年志願時は希望者数より数十人減少しますが,今回の希望者数に近い2022(R4)年度入試(514人)を当てはめると1.3倍台の後半で落ち着くと見込まれます。

南稜の志願倍率はこの3年間1.3倍台で安定しています。希望調査でも1回目より約60人減少し,前年度同期とほぼ同じ倍率になりました。従って,今度の入試でも大きな変動はないと見込まれます。

和光国際は2022(R4)年度入試より3年間高倍率で厳しい入試が続きましたが,今回の調査では1.2倍台まで下がりました。例年の高倍率が敬遠された形ですが,2026(R8)年度より和光と統合し新校として生まれ変わることも影響したのかもしれません,希望倍率1.29倍は2021(R3)年度と同じ倍率で,その時の志願倍率は1.13倍でした。

市立川越は毎年高倍率になる人気校です。3学科併設しているため普通科の枠が狭く倍率も上がりやすくなっています。今回の調査では1回目より約180人減少したものの2倍台を維持し人気が衰えていないことを示しました。ただ希望倍率が高くても実際の入試では1.45~1.6倍台まで下がることが多いので,今年度の入試も同程度の倍率になりそうです。

市立大宮北は前年度同期より大幅に倍率が上がりました。1.7倍台は4年ぶりです。しかし,ここまで高倍率になっても実際の入試では1.3~1.4倍台で落ちくことが多く,一方で前年度のように希望倍率が1.4倍で志願倍率も1.4倍を維持することもあり予想しにくい学校です。今後どのように動くかは不透明ですが1.4~1.5倍程度と予想されます。

学級数が増減する学校の希望状況

募集学級が増減する学校の状況を見てみましょう。
まず学級減になる4校の状況です。

学級数が増減する学校の希望状況

鶴ヶ島清風の希望者数は1回目より増加し前年度同期とほぼ同数になりました。学級減のために倍率は上がりましたが定員割れは変わりませんでした。例年,志願時には希望者数よりさらに増加するのですが,今年度も増加すると見込んでも1倍を超えるのは難しいかもしれません。

越谷東は1回目より希望者が増加し前年度同期とほぼ同数までになりました。ここ数年,志願者数は希望時より増えるので,前年度の30人増を当てはめると1.25倍の志願倍率になります。

栗橋北彩は定員割れでの入試が続きます。学級減になりましたが,希望者数は前年度同期より減少し,倍率は変わりませんでした。実際の入試で前年度同様40人の志願者増となっても1倍には達しないため,定員割れの入試が続くと見込まれます。

川口市立は2024(R6)年度入試で珍しく低い倍率での入試になりましたが,今回の調査では前年度同期より100人以上増加し2倍を超える高倍率になりました。実際の入試では志願者は希望時より減少すると見込まれますが,100人減ると2倍となり,200人減っても1.6倍で高倍率入試になりそうです。

学級増になるのは草加西1校のみです。

学級数が増減する学校の希望状況

草加西は1回目より55人増加,前年度同期からも110人増えました。2024(R6)年度入試で定員割れになったことや学級増によって受検生が集まったようです。希望者が300人を超えるのは6年ぶりです。しかし実際の入試での志願者数は希望者数より減ると見込まれるので,志願倍率は1倍を少し超えたところで落ちつくのではないでしょうか。

2026(R8)年度 開校予定校の希望状況

その他,2026(R8)年度に新校として開校する学校を取り上げてみましょう。和光国際は先述した通りです。

2026(R8)年度 開校予定校の希望状況

岩槻北陵と統合する岩槻は,前年度同期より希望者が減り倍率も下がりました。2024(R6)年度入試では倍率ダウンしましたが,その反動は現れていません。2022(R4)年度まで希望倍率は1倍に満たないものの志願時になると志願者は増加,2023(R5)年度は希望倍率が1.3倍台まであがったため志願倍率はダウン,2024(R6)年度は希望倍率と志願倍率はほぼ同じで動きませんでした。これらのことから,今回の1.10倍は岩槻としてはやや低めの倍率といえ,志願時には倍率は若干上がる可能性があると思われます。

皆野と統合する秩父は地域的に高倍率になりにくく,実際の入試では2年連続で定員割れになっています。今回も前年度同期とほぼ同じ倍率なので1倍を超えるのは難しいのではないでしょうか。

鳩山と統合する越生は通信制志向の影響を受け,定員割れの入試が続きます。今回も第1回より増えたものの1倍からは遠く離れており,実際の入試で増えたとしても定員割れからは抜け出せないと思われます。

八潮と統合する八潮南は第1回より減ったものの前年度同期より上がり,3年ぶりに1.2倍台を回復しました。しかし,入試までこの状況を維持するのは難しいと考えられることから1倍前後の倍率が予想されます。

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