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【2025年度入試】 東京都「都立高校 推薦入試応募状況」

入試情報

2025.02.07

2025.02.07

【2025年度入試】 東京都「都立高校 推薦入試応募状況」

1月20日,東京都教育委員会から都立高推薦入試の応募状況が発表されました。
その特徴をまとめましたのでご参照ください。
なお,各校の応募状況等は以下からご覧いただけます。
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/press_release/2025/release20250120_02.html

2025(R7)年度の都立高全日制推薦入試の募集人員9,407人に対して応募者数は21,467人,応募倍率は2.28倍で前年度より0.2ポイントダウンし,普通科に推薦入試が導入された1995(H7)年度以降で最も低い倍率になりました。
生徒数に対する応募率は27.6%で前年度より0.24ポイント下がり30%を大きく下回っています。

推薦応募倍率と応募率

学科別でみると,普通科は2.61倍で前年度より0.26ポイントダウン,コース制は前年度(2.64倍)より大幅に下がって5年ぶりに1倍台に低迷,単位制普通科も前年度より0.33ポイントダウンし近年にない低い倍率になるなど,普通科では軒並み大幅な倍率ダウンに見舞われました。
一方,専門学科は商業科が1.44倍で前年度と同じ倍率を維持,工業科(単位制除く)も1.25倍から1.23倍へと微減でとどまり,農業科は1.84倍から2.06倍へとアップし,家庭科(単位制除く)産業科が下がったものの専門学科全体では1.56倍から1.52倍と1.5倍台を維持しました。
従って,推薦応募倍率が過去最も低い倍率を記録した原因は普通科の倍率が下がったことにあるといえます。

<おもな学科の応募状況と応募倍率の推移>

おもな学科の応募状況と応募倍率の推移

普通科(コース制,単位制普通科含む)でもっとも高い倍率になったのは前年度と同じ新宿でしたが,応募者数は75人減,前年度2位だった三田は応募者が64人減って4位とふたつ順位を下げ,同じく5位の城東は104人減で8位に順位を落とし,6位の豊島は42人減で7位に後退しました。
このように前年度の高倍率校の多くが大幅な応募減で順位を落としています。

<普通科 高倍率ベスト10>※は文化・スポーツ等特別推薦実施校です。

順位学校名倍率
1新宿5.31
2※大泉桜4.50
3青山4.25
4三田4.08
5駒場4.07
5※南葛飾4.07
7※豊島4.00
8※城東3.97
9※鷺宮3.95
10※東村山3.88

次の表は応募倍率ごとの学校数を割合にし,この3年間を比較したものです。
これをみると,2倍台の学校がもっとも多いのは変わらないものの,4倍以上,3倍台の高倍率校は減少傾向です。そして前年度に減少した1倍台が増え,さらに1倍未満の定員割れ校も増加するなど全体的に倍率が下がっていることがわかります。

倍率ごとの割合

専門学科の最高倍率は工芸の「デザイン」で5.10倍,以下次の表のようになっています。その学校にしか設置されていないような学科に応募者が多く集まる傾向があります。また,工芸が5学科中4学科でベスト10に入りました。残るインテリアは2.20倍でした。

<専門学科高倍率ベスト10>

順位学校名学科倍率
1工芸デザイン5.10
2総合芸術美術5.08
3駒場保健体育5.00
4瑞穂農芸畜産科学3.90
5工芸グラフィックアーツ3.80
6園芸動物3.60
7工芸アートクラフト3.40
8総合芸術舞台表現3.33
9工芸マシンクラフト3.30
10農業食物3.20

進学指導重点校の応募倍率は次のようになりました。
それぞれ動きが異なり共通した傾向というのはないようです。

日比谷は前年度に男女合わせた応募者数が200人を切って(163人)2倍台という日比谷としては低い倍率でしたが,今年度はその反動で応募増となり本来の倍率に戻りました。
戸山はこの3年間の応募者数は210~230人台で安定しており,倍率も3.5倍前後で推移しています。青山は30人弱の応募増となり4倍台にアップ,普通科の高倍率ベスト3に入りました。男女合わせた応募者数238人は推薦枠が10%の時も含めて近年でもっとも多い人数です。
西は前年度に約90人の大幅な応募減となり倍率が低落,今年度は反動が予想されましたが逆に減少し2年連続で2倍台と低迷しています。
八王子東は応募減,前年度に倍率アップした反動と考えられますが,応募者数の変動が大きくなっているようです(2022年度より165→99→145→130人)。
立川は応募増,こちらは前年度倍率ダウンの反動がみられました。八王子東からの移動があったと思われます。
国立は前年度並みの応募者数を維持し安定した応募状況が続いています。

学校名倍率前年度
日比谷3.172.55
戸山3.553.34
青山4.253.79
西2.772.95
八王子東2.032.27
立川(普)3.432.95
国立3.443.55

このほか,大きく動いた学校を挙げてみます。
目黒は応募者156→102人と54人の減,近年にない少ない応募数で倍率は2倍台に下がりました(2.18倍)。
淵江は145→84人で61人の減,応募者数が100人を切るのは4年ぶりで倍率も1倍台に低落しています。
城東は358→254人と104人の大幅減となり倍率は3倍台にダウン,前年度の倍率アップと学級減の影響といえますが,地域の生徒数が減少したことも作用したようです。
篠崎も江戸川区の生徒減の影響を受け174→110人と64人の減となり倍率は1倍台まで落ち込んでいます。
一方で,応募増になり変動が大きかった学校ではまず駒場が挙げられます。新宿からの移動があったのか195→228人で33人増,倍率が4倍台にアップしました。
上野は167→199人で32人増,2022年度以前の200人台まであと1人まで増え倍率も3倍台を回復しました。
五日市は23→45人でほぼ倍増し倍率も1倍台に達しました。学校の伝統を生かした高2からのコース制や近年人気が高まっているボルダリング部があることも応募増に結び付いたのかもしれません。

文化・スポーツ等特別推薦は907人の募集人員で行われますが,応募者は1,729人で倍率は1.91倍,前年度(2.07倍)より下がり前々年度(1.90倍)の水準に戻りました。
文化・スポーツ等特別推薦のみに応募した人数が501人で応募者に対する割合が前年度の25.6%から29.0%にアップ,応募した部活動に対して強い希望をもち,不合格になったら私立高で同じ部活動に入部しようという生徒が増えたと考えられます。
もっとも高い倍率になった学校・種目は東久留米総合の「サッカー」で8.60倍,以下ベスト10は次のようになりました。

<文化・スポーツ等特別推薦 高倍率ベスト10>

順位学校名種目倍率
1東久留米総合サッカー8.60
2東大和サッカー7.00
3南葛飾サッカー6.20
4雪谷硬式野球5.67
5松が谷(普)陸上競技5.50
5清瀬ソフトテニス5.50
7東村山バドミントン5.00
8福生バスケットボール4.50
9サッカー4.00
9杉並吹奏楽4.00
9高島ソフトテニス4.00
9狛江硬式野球4.00
9東大和バスケットボール4.00

例年のベスト10と異なり,人気のサッカーや硬式野球の高倍率校が減り,ソフトテニスやバスケットボールなどもランクインしました。受検生の多様性が現れた形です。

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