PAGE TOP

【2025年最新】神奈川県公立高校入試、地域別徹底解説!平塚秦野伊勢原・県西・県央・相模原エリアの倍率動向は?

入試情報

NEW!

2025.06.27

2025.06.27

神奈川県の公立高校受験の仕組みや選抜方法

前回に引き続き地域別に神奈川公立高入試状況(おもに普通科高校と単位制普通科高校)を見ていきます。
第3回は平塚・秦野・伊勢原,県西,県央,相模原地区で,神奈川県の公立高入試概況は以上になります。

平塚・秦野・伊勢原

平塚・秦野・伊勢原地域の全体の志願者数は2,675人で前年度から23人の減少にとどまりました。しかし志願倍率は1.10倍となり前年度より0.02ポイント低下しました。これは平塚湘風で募集人員が増えたからです。この地域の中学3年生の在籍数は約270人減少しており,その影響なのか9校中4校が倍率ダウン,アップしたのは2校だけでした。また秦野曽屋(1.05→0.95倍),二宮(1.05→0.86倍),平塚湘風(0.94→0.81倍)などが大幅に下がった一方で,平塚江南伊勢原では過去最高倍率を記録するなど倍率格差が拡大し,この地域の大きな特徴になりました。

平塚江南

平塚江南は,志願者数が47人増加して439人,志願倍率は1.38倍で過去最高倍率を記録しました。前年度に引き続き2年連続でアップしています。過去5年間の平均志願確定倍率は1.26倍で,学力向上進学重点エントリー校の中では例年比較的低い倍率で推移していたことから,安全志向の受検生が集まったようです。また鎌倉小田原に受検生が流れる動きがありましたが,今春は2校とも前年度の高倍率を受けて倍率がダウン,平塚江南に受検生が戻ってきたとも考えられます。倍率アップに比例して不合格者数が100人を超え過去最高の115人に増加しており,合格率も8割を切って73.5%と前年度より10ポイントも下がりました。来年度はこの高倍率を受けて倍率ダウンが見込まれます。

秦野

秦野は志願者数が381人で倍率は1.06倍,ほぼ前年度と同じ倍率になりました。志願締め切りの時点で倍率は0.99倍で1.0倍に届かず,志願変更(+27人)でなんとか超えた形です。以前は1.2倍台が続く人気校でしたが近年では座間海老名などに受検生が流れているようで倍率は下降傾向です。合格率はここ3年間連続で9割を超え,緩やかな入試が続いています。

大磯

大磯は前年度に1.26倍と過去最高倍率を記録したため今年度はその反動がありました。しかし志願者数は338人で13人減,志願倍率は1.21倍で0.05ポイントダウンに留まっています。過去10年間の平均倍率は1.16倍で,それに比べると例年よりも高い倍率を維持したといえるでしょう。生徒の居住地区を見ると約6割の生徒が平塚地域と秦野市からの入学生です。ほか鎌倉・藤沢・茅ヶ崎地域や県西地域から生徒がそれぞれ2割弱入学しており近隣地域からの流入が多い学校です。2024(R6)年度に制服がリニューアルしたことも倍率アップに影響していると考えられます。

伊志田

伊志田は志願者数が310人,倍率は1.15倍で前年度と全く同じ倍率になりました。募集人員の増減が多い学校であるにもかかわらず倍率は1.1倍台になることが多く,合格率もほぼ8~9割で推移しています。入学生の約5割が平塚・秦野・伊勢原地域,約3~4割が県央地域からの生徒です。今春,平塚地域と秦野市で在籍数が約270人減少しており倍率ダウンが懸念されました。それでも倍率を保ったということは地元以外からの流入が多かったと考えられるので,倍率が減少傾向にある厚木王子大和西から流れてきているのではないでしょうか。

伊勢原

伊勢原は志願者が20人増加し倍率が1.29倍に上がり過去最高倍率を記録しました。高倍率にあわせて合格率は8割を切って78.2%までダウン(前年度は83.6%),不合格者も64人になり本校としては厳しい入試になりました。2022(R4)年度より倍率は1.14→1.17→1.20→1.29倍と上昇傾向にあります。倍率が低下傾向にある秦野曽屋などから受検生が移動してきていると考えられます。公立では少ないライフル射撃部があり全国大会出場などの実績を挙げています。また女子バレーボール部は7年連続で関東大会に出場しています。

秦野曽屋

秦野曽屋は志願締切時の倍率が0.85倍で1.0倍に届かず,志願変更を経ても0.95倍で定員割れになりました。志願者数も265人で前年度より約30人減少しています。コロナ禍以降定員割れになることが増え,倍率が上がっても1.0倍台に留まっています。前述の伊勢原に受検生が移動している動きが見られます。また,入学生の約8割が地元からの生徒で,今春は平塚地区と秦野市での在籍数減が大きく影響したようです。その他,近年の支援金制度の拡大による私立志向や,通信制人気の影響などを受けて倍率が下降傾向にあると考えられます。

高浜

高浜は2022年度以降落ち着いた入試が続いており,志願確定倍率は0.96→1.12→1.07→1.09→1.09倍と推移しています。合格率は90%を超え不合格者も多くて20人台です。入学生の約6割が地元の平塚・秦野・伊勢原地域からの生徒ですが,今春,地元地域の在籍数が減少しているにもかかわらず倍率が保てたのは,前年度高倍率を記録した茅ケ崎西浜から受検生が移動したためと考えられます。

二宮

二宮は前年度4年振りに倍率が1.0倍を超えました。その結果不合格者がでたことで敬遠されたのか,今年度は志願者が約50人減少し205人に,倍率は0.86倍と過去最低倍率を記録しています。コロナ禍以前は倍率こそ高くないものの,1倍を超える安定した入試が続いていましたが,近年は定員割れの年が続くようになりました。倍率が上がって敬遠されたことの他に,私立や通信制人気の影響を受けていると考えられるため,来年度も低倍率になることが予想されます。

平塚湘風

平塚湘風は募集人員を頻繁に変更して入試を行っています。今春は1学級増での募集になったものの志願者数はあまり増えず,倍率は0.81倍と前年度より0.13ポイントダウンしました。定員割れは5年連続です。こちらも私立や通信制人気の影響を受けやすい学校なので来年度も倍率が急にアップすることはないでしょう。

県西

県西地域は全体の志願倍率が1.02倍で,前年度より0.08ポイントダウン。志願者も約100人減少しています。学校ごとの倍率を見ると小田原西湘以外は定員割れになっており,全体の倍率が1.0倍を超えたのもこの2校に引っ張られた結果と言えます。地元中心の入試を行う学校が多く,中学3年生の在籍数の増減が倍率に大きな影響を与えます。一方で平塚・秦野・伊勢原地域や鎌倉藤沢地域への流出も多い地域です。今年度は生徒数の増減はほとんどなかったことから,今回の志願者減はこのような他地域への流出が要因のひとつと考えられます。また,学力的に入りやすい学校が多いことから通信制人気の影響も受けたともいえるでしょう。

小田原

小田原は志願倍率1.24倍で志願者数は395人,前年度より26人減少しました。2021(R3)年度より1.25→1.30→1.21→1.32→1.24倍と推移していて隔年現象の動きが見られます。不合格者数は毎年60~100人前後で合格率は70~80%前後が続き比較的高めの倍率で一定の人気を維持しているといえます。入学生は小田原市を含む県西地域よりも平塚・秦野・伊勢原地域が多くなっています。このほか藤沢市や茅ケ崎市からも入学しており,広範囲から受検生が集まっています。今春は平塚地域や秦野市,茅ケ崎市などの在籍数が減少しているため,これも倍率ダウンに影響したと考えられます。

西湘

西湘の今年度の志願者数は357人で倍率は1.16倍,前年度(1.17倍)とほぼ同じ入試になりました。不合格者は39人,合格率は89%で県西地域内では人気の高い学校です。駅から近いことから地元以外の平塚市,秦野市や鎌倉市,藤沢市,茅ケ崎市からも入学生がきています。この通学圏が広いのも同じ地域に属する他の学校と比べて倍率が保たれている要因になっていると考えられます。しかし,ここ5年間の平均倍率は1.13倍なのに対し,その前の5年間の平均倍率1.21倍で倍率は下がっています。就学支援金の拡大による私立志向の影響を受けているのかもしれません。

足柄

足柄は志願倍率が0.85倍,前年度より0.12ポイントダウン。志願者数も約30人減です。2023(R5)年度に1.0倍台を超えましたが,再び定員割れが続く結果になりました。県西地域からの受検生が8~9割を超えており地元の中学校3年生の在籍数の増減が倍率に影響しやすい学校であると言えるでしょう。また,秦野曽屋や伊勢原,高浜など他地域に同レベル校が多いことに加え,通信制人気も受け倍率は上がりにくいようです。しかし2026(R8)年度は開校50周年を記念して新しい制服になるようなので志願者は増える可能性があります。

山北

山北は志願者数が180人で前年度より15人減少しました。倍率も0.91倍で0.07ポイントダウン。依然として定員割れが続いています。入学生のほぼすべてが県西地域からの生徒です。足柄同様,受検生の近隣地域への流出や在籍数の増減に影響を受けやすい学校と言えるでしょう。今春は公立から私立へ移動する動きが多く見られましたが,近隣の相洋や旭丘の志願者数が減少しているため,私立ではなく通信制への移動があったと考えられます。県内で唯一のカヌー部があります。

小田原東

小田原東は普通科と商業科の併置校です。普通科では志願者数が100人から91人に減少。倍率も0.77倍で0.07ポイントダウンしました。2017(H29)年度入試より小田原総合ビジネスから現校名に校名変更し普通科を設置,その後2年間は1.0倍を超えていましたが,2019(H31)年度以降は定員割れが続いています。商業科でも今年度は倍率が0.55→0.49倍にダウン。コロナ禍の2021(R3)年度から志願者数は減少傾向です。

大井

大井は2026(R8)年度より小田原城北工業と統合され,普通科クリエイティブスクールと工業科の併置校「小田原北」として開校予定です。統合後は小田原城北高校の敷地が使用されるためか,2025(R7)年度は敬遠されて志願倍率は0.76倍までダウンしました。また,近年の通信制人気の影響も受けたと考えられます。

県央

県央地域では,全体の倍率が1.09倍で前年度より0.06ポイントダウンしました。志願確定者数は4,577人で244人減少しています。15校中倍率ダウン(0.05ポイント以上の差)したのは約半数の7校,アップは2校だけでした。厚木綾瀬綾瀬西などで前年度倍率が上がった反動により倍率ダウンしたほか厚木清南愛川は例年にない低倍率を記録しています。学力的に入りやすい学校が多く,県西と同様に通信制人気の影響を受けやすい地域のため志願者数が減少していると考えられます。減少した志願者数244人のうち綾瀬から大和東の7校で約7割を占めていることがそれを示しています。

厚木

厚木は前年度の志願倍率が1.41倍で,過去最高倍率を記録しました。今年度はその反動で,志願者数が415人,前年度より91人減少しています。倍率も1.16倍と2013(H25)年度の1.11倍に次ぐ低倍率を記録しました。多い年は100人前後の不合格者が出る学校ですが,今年度は47人と少ない人数で済みました。入学生の居住地区を見てみると,前年度は平塚地域と秦野市の入学生が増加しており,そこからの受検生によって倍率がアップしたと考えられます。一方今年度はそれらの地域の在籍数が減少したことと近隣の大和への移動などから志願者数が減少したようです。

大和

大和は志願者数が436人で前年度より約30人増加,倍率も0.1ポイントアップして1.56倍になりました。合格率も65.6%までダウンし不合格者も増加(117→146人)する厳しい入試になっています。例年1.4~1.5倍台の高い倍率を維持しており,下がっても1.3倍台という人気校です。特に今年度は,前年度に過去最高倍率を記録した厚木が志願者減になったため,その影響を本校が受けたようです。また,2024(R6)年春の進学実績で,国公立大学への進学率が15.0→24.3%に増加したことも人気を集めた要因のひとつと言えるでしょう。県から「教育課程研究開発校」の指定を受けており「総合的な探究の時間」での探究活動が特色のひとつになっています。

海老名

海老名は2021(R3)年度~2024(R6)年度までの志願倍率は1.31→1.23→1.35→1.23倍と推移しており隔年現象の動きがありました。しかし今年度は倍率アップの年でしたが1.24倍と前年度とほぼ変わりませんでした。併願校として利用される向上や麻布大学附属などの推薦応募者が増加しており私立志向によってこれらの私立高へ移動したのかもしれません。しかしそれでも一定の人気を確保しており志願者数は495人と前年度より微増しました。その結果,合格倍率は81.1%,不合格者も90人台まで上りました。最寄りは厚木駅で,海老名駅からも徒歩圏内に位置しており,アクセスが良く,地元の県央地域だけでなく,横浜や川崎,鎌倉地域からも入学者がいる学校です。例年倍率が大きく下がらないのも,これらの地域からの流入で倍率が保たれているためと考えられます。

座間

座間は,前年度1学級減での募集でしたが志願者数は12人増加したことで倍率が大幅にアップしました(1.10→1.30倍)。今年度は反動で倍率は下がるかと思われましたが,志願者数は微増し倍率は1.32倍と高倍率を維持しました。志願者数は2021(R3)年度より338→352→350→362→368人と推移しており,私立志向により公立離れが進む中でも高い人気を維持しています。2017(H29)年度に新校舎の建設が完了したことも志願者が集まる要因になっていると考えられます。

大和西

大和西は志願倍率が1.04倍で前年度より0.1ポイントダウンし,過去最低倍率を記録しました。志願締切時の時点では0.95倍で1.0倍を切っていましたが,志願変更(+24人)でなんとか超えた形です。2021(R3)~2025(R7)年度の平均倍率は1.16倍ですが,2016(H28)~2020(R2)年度までの平均倍率は1.22倍で,コロナ禍以前に比べると倍率は低下傾向です。今年度は相模女子大学や東海大相模の推薦応募者が増加していることから,これらの私立高へ移動したと考えられます。

厚木王子

厚木王子は2024(R6)年度に厚木東と厚木商業が統合し,普通科と商業科の併置校に生まれ変わった学校です。その普通科は6学級から5学級募集に縮小された2021(R3)年度以降の3年間,志願者数220~230人程度で安定していました。しかし2024(R6)年度に210人台に減り今年度も志願者は回復せず前年度並みの緩やかな入試が続くことになりました。商業科は志願者が14人の減となり,倍率は1.09倍から1.01倍に下がりました。統合にともない450人を収容できる「さつきホール」やオープンスペースのあるラウンジ・カフェ,撮影スタジオなどが整備された「商業教育棟」が新設されています。

有馬

有馬はこの5年間の倍率が1.1倍台,志願者数350~370人の範囲で推移しており,比較的安定した入試になっています。今年度は前年度の志願者増(355→379人),倍率アップ(1.12→1.19倍)の反動で前々年度並みの倍率に下がりましたが,例年の動きの範囲内で留まり一定の人気を保っています。通学圏が広く県央地区以外に平塚・秦野・伊勢原地域から約2割,鎌倉・藤沢地域から1割強,相模原地域からも受検生がきています。県内唯一のユネスコスクール加盟校で,ボランティア活動や海外の姉妹校との交流活動を活発に行っています。

厚木西

厚木西は志願倍率が1.13倍で前年度より0.09ポイントアップ。志願者数も269人で前年度より20人増加しました。2021(R3)年度より倍率が1.11→1.08→1.12→1.04→1.13倍と推移しており,隔年現象が見られます。有馬と競合関係にありますが,通学圏は狭く厚木市を中心とした県央地区からの入学生が多いのが特徴です。そしてそれが上がったり下がったりする倍率の動きと関係していると考えられます。

綾瀬

綾瀬の志願確定倍率は,2022(R4)年度より 1.07→0.98→1.08→0.98倍と推移しており,隔年現象が見られます。今春は倍率ダウンの年に当たったため志願者数は344人から313人と約30人減少し,前々年度と同じ0.98倍で定員割れになりました。もともと1.0~1.1倍程度の倍率で緩やかな入試になる学校ですが最近は定員割れになることが増えてきました。他の同レベル校でも倍率が下がるところが目立っており,私立や通信制志向の影響を受けていると考えられます。

厚木北

厚木北は志願確定倍率が1.04倍で,前年度の1.00倍より微増しました。2022年度からの倍率は1.04→1.08→1.00→1.04倍と隔年現象のような動きが見られます。しかし緩やかで落ち着いた入試が続いているといったほうがいいかもしれません。入学生の約8割が厚木市を中心とした県央地域からの生徒ということも変動の小さい入試の要因になっているようです。一方で併置されているスポーツ科学科は今春の志願倍率が1.26倍と前年度より0.34ポイントアップ。前年度は0.92倍で定員割れとなったため,その反動で倍率がアップしました。スポーツ科学科は定員が少ないため,倍率の上下が激しく注意が必要です。部活動が活発で,公立では珍しいゴルフ部は関東大会出場の実績があります。

大和南

大和南は2022(R4)年度に本校としては1.19倍と過去にない高い倍率を記録してました。しかし翌2023

R5)年度以降の3年間1.06倍と全く同じ倍率が続いています。志願者数も3年間ほぼ変わっていません(328→327→328人)。この倍率は本校の過去10年間の平均倍率(1.07倍)とほぼ同じなので,標準的な入試になっているといえるでしょう。大和市と横浜市泉区との境にあり,藤沢市とも近いことから様々な地域から受検生が集まります。これも安定的に志願者を確保する要因になってるようです。

厚木清南

厚木清南の志願者数は70人の大幅減で205人となり過去最低を記録しました。志願確定倍率は1.19倍から0.89倍と0.3ポイントも下がり,こちらも過去にない低倍率です。フレキシブルスクールという特徴のためか,地元の県央地域だけでなく平塚・秦野・伊勢原地域や相模原地域,藤沢・茅ケ崎地域などからも入学生が多い学校です。近年の通信制志向により,これらの地域からの流入が減少した可能性があります。

綾瀬西

綾瀬西の志願者数は2022(R4)年度から2024(R6)年度までの3年間,志願変更で数十人増加していました。前年度は37人の増で定員割れから1倍台に上がっています。しかし今年度は志願締切時は前年度(0.92倍)とほぼ同じ倍率であったものの 8人増でとどまり,過去最も低い倍率を記録することになりました。前年度は厚木清南が倍率アップしたことで本校への移動があるかと思われましたが,両校とも志願者減になっています。近年の通信制志向により受検生が流れていると考えられるでしょう。

愛川

愛川の志願者数は96人で35人減少,初めて100人を割りました。志願倍率は0.52倍と前年度より0.19ポイントダウン,こちらも過去最低倍率を記録しています。定員割れは8年連続です。特に今年度は志願締切の時点でも0.61倍と過去最低倍率になったうえ,志願変更でさらに志願者が減少しました(-15人)。2018(H30)年度から2023(R5)年度までの志願倍率は0.9倍台で推移していましたが,ここ2年は急激に倍率が低下しており,受検生離れが顕著に現れました。例年にない低倍率は近年の通信制志向も影響していると考えられ,今後も大幅に倍率がアップすることは考えにくいでしょう。

大和東

大和東は全日制普通科のクリエイティブスクールです。志願確定者数は242人で前年度より10人減少したものの,志願確定倍率は1.01倍でかろうじて1.0倍台を維持しました。2021(R3)年度より定員割れが続いていましたが,田奈と麻生総合が統合になるということが影響したのか,2024(R6)年度に1.05倍にアップし2年連続で1.0倍を超えました。来年度は逆にこの田奈麻生総合の統合校「青葉総合」開校の影響を受ける可能性があります。

相模原

相模原地域の志願確定倍率は1.10倍で,前年度より0.05ポイントダウン。志願者数も142人減少しています。前年度の高倍率を受けて定員割れになった相模田名をはじめ,橋本相模原城山なども反動で下がっています。一方で,相模原相模原弥栄上溝などが1.3倍台を記録しており,倍率の偏りが大きい入試になりました。進学希望状況によるとこの地域の7割以上の生徒が同じ相模原地域の学校を希望しています。入学生の居住地区を見ても市内からの入学生が7~9割を占める学校が多く,市内の在籍数や公立高校への志願率に倍率が左右されやすい地域と言えるでしょう。

相模原

相模原は志願確定倍率が1.30倍で前年度より0.05ポイントアップしました。志願者数も364人で15人増,倍率アップは2年連続です。コロナ禍以前は1.3倍台で推移することが多い学校でしたが,それ以降は1.2倍台で推移していたため,今年度は受検生が戻ってきたといえます。合格率も4年ぶりに8割を切り厳しい入試になりました。2024(R6)年春の進路実績では,国公立への合格者数が現浪合わせて80人を超えました。このような実績が倍率アップに影響しているようです。文科省のSSHの指定校です。部活動も活発で特に文化部(英語ディベート部,マンドリン部,科学研究部など)が実績を挙げています。

相模原弥栄

相模原弥栄は志願確定倍率が1.38倍で前年度より0.2ポイントアップ。2020(R2)年度の1.40倍に次ぐ高倍率を記録しました。志願者数も254人で前年度より36人増加しています。今年度は単位制普通科で倍率がダウンした学校が目立ちましたが,本校は前年度1.18倍で2017(H29)年度に普通科が開設以来最も低い倍率だったため,その反動があったようです。麻溝台からの移動も考えられます。スポーツ科学科,音楽科,美術科が併設されているところが特徴です。そのため部活動が盛んで文化祭,体育祭などの学校行事も盛り上がります。

麻溝台

麻溝台は1.08倍で前年度より0.07ポイントダウンし過去最低の倍率を記録しました。志願締切時は0.99倍で定員割れでしたが志願変更(+34人)により1倍を超えた形です。2021(R3)年度に1.36倍と最高倍率を記録して以降,倍率,志願者数とも減少傾向で今年度は志願者数が388人と6年振りに400人を下回りました。入学者の約8割が相模原市内からの生徒で,そのうち中央区の生徒が約5割を占めています。今年度は中央区の在籍数が約120人減少しているため,これが倍率低下に影響したと考えられます。

上溝南

上溝南の志願者数は374人で約20人減,倍率も0.05ポイント低下して1.04倍と過去最低倍率になりました。不合格者は前年度よりさらに減って(85→32→11人)います。志願確定倍率は2019(H31)年度より2024(R6)年度まで1.13→1.06→1.19→1.08→1.25→1.09倍と隔年現象が見られましたが,今回は2年連続で倍率が低下しました。併願校として利用される向上,八王子実践,相模女子大学などで推薦入試の応募者数が増加していることから,近年の私立志向を受けてこれらの私立高に移動したのかもしれません。本校の入学生の約8割が相模原市内からの生徒で,そのうちの約5割が中央区からの生徒です。今年度は中央区の在籍数が約120人減少していることから,これも倍率低下に影響したようです。2025(R7)年度入学生より制服がリニューアルされています。また体育館のリニューアル工事が9月に終了する予定です。

橋本

橋本の志願倍率は2022(R4)年度より1.15→1.03→1.20→1.14倍と隔年現象の動きがあります。今年度は倍率ダウンの年に当たっていたことや,前年度は7年ぶりに1.2倍台に上がったことから,大幅なダウンが予想されましたが, 0.06ポイント低い1.14倍で留まり,前々年度のような1.0倍台までは下がりませんでした。2019(H31)年度から2022(R4)年度まで1.2~1.5倍の入試が続いていたので,その頃の入試に戻ったといえます。本校も入学生の約8割を相模原市内の生徒が占める学校ですが,一定の倍率を維持したということは地元の人気が高いことを示しています。

上溝

上溝は志願確定倍率が1.30倍で前年度より0.07ポイントアップ,志願者数も310人で4年ぶりに300人を超える受検生が集まりました。合格率も約79%で8割を切り,ここ5年間で最も多い不合格者数を出しています。コロナ禍以前は合格率が7割まで下がる年も見られましたが,近年では8割を超える年が多かったので以前の厳しい入試が戻ってきたようです。例年,志願締切時に高倍率になり志願変更で倍率が緩和される学校であることから人気の高さがうかがえます。2015(H27)年に新校舎が完成しており,公立高校では珍しく食堂が設置されています。校舎の新しさや施設設備の充実も倍率に影響しているようです。

相模田名

相模田名は志願確定者数が264人で前年度より79人減少し,志願倍率は前年度より0.28下がって0.95倍と定員割れになりました。前年度は募集定員が1学級減になったことで志願確定倍率は1.23倍と過去最高倍率を記録しましたが,今年度は逆に過去最低になっています。志願変更で受検生が大きく増減する学校で今年度も志願者数は志願締切時より53人増加しました。志願締切時の倍率が大幅に上がり,志願変更で下がった上溝からの移動があったようです。

上鶴間

上鶴間は志願確定倍率が1.08倍で前年度より0.11ポイントダウン。志願者数も332人から301人に減少し,前年度と比べて緩やかな入試になりました。前年度は募集定員が1学級減になったため,志願確定倍率が1.19倍と過去最高倍率を記録しており,今年度はその反動があったことになります。募集定員の増減が多い学校で倍率もそれによって上下します。2021(R3)年度からは1.08→1.17→1.08→1.19→1.08倍と隔年現象の動きがみられるため,来年度は倍率アップの可能性があります。上鶴間といえばダンス部が有名ですが,軽音楽,サッカー,料理部なども部員が多く活発に活動しています。今年の11月には体育館の耐震工事が終了する予定です。

相模原城山

相模原城山は志願倍率が1.05倍で前年度より0.14ポイントダウン,志願者数も292人で41人減少しています。2023(R5)年度に城山と相模原総合が統合し新校として開校。前年度は統合前の城山の倍率と合わせても過去最高倍率を記録したため,今年度は反動を受けて倍率がダウンしています。地理的な理由もあり,入学生のほとんどが相模原市内の生徒です。特に緑区から全体の7割の生徒が入学します。人気は地元生に支えられているため,今後市内,特に緑区の在籍数が減少することになれば,志願倍率に影響が出るでしょう。

津久井

津久井は志願確定倍率が0.56倍で前年度とほぼ変わらない倍率になりました。志願者数は89人でこちらも前年度とほぼ同じです。津久井はここ10年間毎年定員割れが続いており,近年5年間の平均倍率が0.61倍,平均志願者数が96.4人,その前の5年間の平均倍率が0.78倍,平均志願者数が149.2で倍率も志願者数も減少傾向にあります。地理的な問題から周辺地域からの流入も少なく,地元生の入学者が9割以上を占めています。近年の通信制人気により受検生が流れている可能性があります。

あなたの条件に合った

志望校検索サイトを
見てみよう!

あなたの条件に合った
志望校検索サイトを
見てみよう!

Research

1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)の志望校探しのお手伝いをいたします。
「単願入試」「併願入試」「都立高校入試」に特化したサイトをはこちらから。