
前回に続き、2026(R8)年度都立高入試の概況を指定校別にみていきます。
進学指導推進校
進学指導推進校の15校は「私立志向が続いて倍率が伸び悩んでいる学校」「応募者が増加し厳しい入試になった学校」とさまざまでしたが、概して一定の人気を維持した学校が多くありました。その一方で私立志向の影響も随所にみられました。
三田

三田は応募者が減少傾向(393→354→343人)で、しかも受検棄権率も8.7→7.6→12.2%と大幅に上がりました。その結果、実質倍率は1.2倍台に落ち込み、不合格者も半減しています。受検棄権率が上がったことから、私立高へ流出したといえますが、2024年度入試より都立高の入試制度が男女別募集から男女合同募集になったことで女子の入学生が増えており、それも応募減の一因になっているのかもしれません。
豊多摩

豊多摩は前年度入試で応募増(471→538人)になり、実質倍率が上がり200人を超える不合格者がでる激戦でした。今年度はその反動で119人の大幅減(538→419人)。実質倍率は1.4倍台に下がり不合格者も大幅に減少しました。ここまで低い倍率になったのは近年ではなく、人気校の豊多摩としては異例の入試状況になりました。高倍率の反動に私立志向が追い打ちをかけた形です。
竹早

竹早は不合格者が増えて実質倍率も上がり、前年度よりやや厳しい入試になりました。しかし、応募者数は293人で前年度より27人減っています。倍率が上がったのは前年度の増学級が元の6学級募集に戻ったためです。従って2025年度以降、私立志向の影響を受け続けているといえるでしょう。
北園

北園は44人の応募減(465→421人)となり、実質倍率は1.5倍台にダウン。不合格者も減りました。北園としては低い実質倍率と少ない不合格者です。受検棄権率は8.0→7.5→7.1%と少しずつ下がっているようですが高い水準が続いており、私立高への流出は続いているといえるでしょう。
上野

上野は高い人気を維持しており、実質倍率は1.7倍台で安定しています。不合格者数も増減は小幅で、受検生の4割以上が不合格になる激戦が続いており、私立志向の影響はあまり受けていないようにみえます。
江北

江北も高い人気を維持しています。実質倍率は1.5倍台が続き、受検生の3分の1が不合格になる激戦になっています。受検棄権率も6.5→3.6→4.0%と大きな変動はなく、ここも私立志向の影響はあまり受けていないといえるでしょう。
城東

城東は人気の高い学校で、2024年度は実質倍率1.8倍台に上がり、不合格者は230人と受検者の45%を占める激戦でした。その翌2025年度は反動と私立志向によって168人の大幅な応募減(542→374人)。不合格者は半減し、実質倍率も3年ぶりに1.4倍台に落ち込みました。そして今年度はその反動で応募者は39人増、実質倍率も1.5倍台に上がっています。とはいえ、この実質倍率は城東としては低い方なので、私立志向の影響を受け続けているといえるかもしれません。
江戸川

江戸川も2024年度に受検生の約4割が不合格になる激戦になり、翌2025年度は61人の応募減(433→372人)で実質倍率は1.4倍台にダウン。そして2026年度はまた応募増になり、不合格者が増加しました。しかし江戸川としては低い方の実質倍率で留まっており、城東と同じ動きで私立志向の影響を受けているといえます。
墨田川

墨田川は低倍率入試が続きました。応募者は18人増えたものの不合格者が9人増で留まったのは受検棄権率が上がったからです(5.0→7.4%)。7%台の棄権率は6年ぶりで、この上昇は私立志向の高まりを示しています。
日野台

日野台は前年度に私立志向の影響を受け46人の応募減(335→289人)となり、実質倍率は1.10倍にダウン。不合格者の少ない近年でもっとも緩やかな入試になりました。その反動で今年度は64人の応募増となり、実質倍率も1.3倍台を回復しています。日野台としては例年の入試状況に戻った形です。
昭和

昭和も人気の高い学校ですが、2024年度は応募者が99人の大幅減(478→379人)になり、実質倍率が1.4倍台にダウン。昭和としては緩やかな入試でした。しかしその翌年から応募者は増加に転じ、今年度の不合格者は200人を超え、受検生の4割強が涙を呑む激戦になりました。このように私立志向が高まる中でも人気が衰えることはありませんでした。
武蔵野北

武蔵野北は2024年度、2025年度と実質倍率が1.2倍台と比較的緩やかな入試が続きましたが、今年度は22人の応募増になり1.3倍台にアップ。武蔵野北の平均的な入試状況になりました。一見して私立志向の影響はあまり受けていないようですが、受検棄権率が7.8→8.9→10.7%と上昇しており、私学への流出が増えたことがわかります。
小金井北

小金井北は倍率が上がったり下がったりする隔年現象があります。今年度は応募増となり実質倍率がアップ。小金井北としては高い方の倍率になりました。受検棄権率もこれに合わせて6.6→5.7→7.5%と推移しており、私立志向の影響はあまり受けていないようです。
調布北

調布北は実質倍率1.5倍台が続き、受検生の3分の1が不合格になる厳しい入試で、私立志向の影響を受けていないようにみえます。しかし、応募の段階では前年度とまったく同じ1.73倍であったのにもかかわらず、実質倍率が0.06ポイント差がついたのは、受検棄権者が増えて棄権率が7.4→12.0%に上がったためです。従って、私立志向の影響を全く受けなかったとはいえません。
多摩科学技術

多摩科学技術は私立志向の影響を強く受けている学校です。前年度より応募者が減り(252→213→209人)、しかも棄権率も急激にアップ(14.7→28.2→26.8%)しました。その結果、2年連続で受検生全員が合格する全入の状態になっています。