前回に続いて2026(R8)年度の都内私立高入試の概況をみていきましょう。
目次
上位大学附属校の状況①
上位の大学附属校の状況をみていきましょう。以下の10校合わせた応募者数は推薦883人(前年度882人),一般6,981人(同7,097人)で,推薦は前年度並み,一般は微減で全体としては,前回の難関校同様,私立志向の影響はみられませんでした。
| 学校名 | 推薦 応募者数 | 一般 応募者数 | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | 2026 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | 2026 | |
| 国際基督教大学 | ― | ― | ― | ― | ― | 299 | 309 | 300 | 254 | 270 |
| 明治学院 | 307 | 393 | 334 | 320 | 328 | 1,084 | 1,316 | 1,286 | 1,092 | 1,257 |
| 成蹊 | 22 | 35 | 22 | 34 | 34 | 173 | 213 | 173 | 169 | 179 |
| 国学院久我山 | 42 | 68 | 61 | 81 | 76 | 271 | 301 | 241 | 292 | 278 |
| 國學院 | 285 | 136 | 129 | 193 | 168 | 2,414 | 2,607 | 2,712 | 3,333 | 3,081 |
| 日本大学第二 | 108 | 98 | 111 | 131 | 142 | 360 | 330 | 448 | 343 | 359 |
| 芝浦工業大学附属 | 64 | 83 | 61 | 66 | 72 | 112 | 138 | 136 | 131 | 131 |
| 東京都市大学等々力 | ― | ― | ― | ― | ― | 218 | 263 | 269 | 350 | 287 |
| 帝京大学 | ― | ― | ― | ― | ― | 427 | 321 | 275 | 266 | 192 |
| 淑徳(推薦は単のみ,一般に併願推薦含む) | 39 | 53 | 53 | 57 | 63 | 1,036 | 976 | 955 | 867 | 947 |
※応募者数は各校公表値。最新年度(2026年度)は色を変えて示しています。
国際基督教大学

国際基督教大学の実質倍率は下降傾向でしたが,今年度は応募増になり2倍台を回復しました。それでもICUとしては低い方の倍率です。難関校だけに,今年度のような安全志向の中では応募者は増えにくいのかもしれません。なお,2027年度入試も一般入試は募集人員80人(国際生含む),検査日2/10で実施される予定です。選考は国数英各100点満点に内申点90(各教科10点)を加えた390点満点で行われます。
明治学院

明治学院の男子の応募者は増えたり減ったりする隔年現象があり,今年度は応募増の年でした,さらに合格者数をやや絞ったことから実質倍率は4倍台にアップし,最近の5年間でもっとも厳しい入試になりました。一方,女子は2023年度をピークに2年連続で応募減になり,実質倍率も下がっていました。しかし今年度は増加に転じ,男子同様合格者も絞ったため実質倍率が上がっています。男女とも厳しい入試になったことから,来年度は反動で応募減になる可能性があります。2027年度は一般2回目の入試日が2/20から2/19に前倒しするほかは大きな変更はありません。推薦不合格者は一般1回目を受験すると10点加点されます。
成蹊

成蹊の男子の応募者は少しずつ減少しています。また今年度は合格者を前々年度並みに増やしたことから実質倍率が下がりました。一方で女子の応募者数と合格者数は変動があるため,実質倍率が大きく動いています。今年度は応募増と合格者が前年度並みであったことから倍率アップし男子より高くなりました。合格者の最低点は男子200→219/300,女子194→221/300と女子の得点が上がりました。
国学院久我山

国学院久我山の一般入試は男子の募集人員(約60人)が女子(約35人)より多いため,応募者数も常に男子の方が多くなります。合格者数も男子を多く出しますが,近年は絞っています。今年度は男女とも実質倍率が下がりましたが,それは男子は棄権者が増加したため(13→18人),女子は応募減にもかかわらず合格者を増やしたためです。その結果,男女の倍率格差は大きいままになっています。2027年度は募集要項に大きな変更はないようです。
國學院

國學院は2回目の応募者数が1回目を超えました。1回目の応募者が140人,10%減ったためで,前年度の実質倍率アップが敬遠された形です。1回目はさらに合格者を増やした(467→520人,繰り上げ合格者除く,以下同じ)ため,実質倍率も下がりました。2回目の応募者数はほぼ前年度並みで,合格者も同じようにだした(274→265人)ものの,実質倍率は下がっています。これは受検棄権者が増加(312→351人)したからです。なお,グラフにはありませんが,2回目の応募者のうち5科受験者の割合が28%から31%へとやや増加しました。3回目は前年度の実質倍率の高騰が敬遠され105人,17%の応募減になったものの実質倍率は10倍を超えており高いままでした。
日本大学第二


日本大学第二は推薦入試の応募者が増加傾向です。しかし,今年度は珍しく15人の不合格者がでました。多くの学校が12月15日以降に実施している中学校との間の入試相談はなく,受験生と保護者対象の推薦入学試験説明会を行っています。選考は9科の評定に作文点や資格部活動等の実績を加点した序列点に面接等を踏まえて判定する方式です。一般入試もA志願・B志願ともに応募増になり,実質倍率もややアップしました。ただ,正規の合格ラインはA志願194点,B志願209点と前年度とかわりませんでした。2027年度は推薦,一般入試とも3年次の欠席日数の出願条件が追加されます。また,募集人員も減少(推薦105→100人,一般105→100人)するので注意が必要です。。
芝浦工業大学附属


芝浦工業大学付属は推薦入試の男子の応募者が増加傾向になっています。一方で女子は減少傾向が続いており,男女の差が広がるばかりです。それにもかかわらず,2027年度は「女子理工系推薦」を導入。出願基準はそれまでの推薦より高い英数理計13and9科37でしかも英検2級などの加点もなく,ハードルはかなり上がります。検査は小論文がなくなり数学と個人面接になりますが,どれだけ女子が集まるか注目されます。一般入試の応募者は男女とも前年と同数でしたが,男子の合格者が絞られたため,実質倍率が上がり,女子より高くなりました。2027年度は数学を基礎(30分100点)と応用(50分100点)を分けて実施していた検査を統合し60分150点満点とします。
東京都市大学等々力

東京都市大学等々力は応募者が増加傾向でしたが,今年度は減少に転じました。実質倍率が前年度並みであったのは受検棄権者が半減(111→59人)したことと,合格者を絞ったためで,難易度は前年度と変わりませんでした。2027年度は単願と併願の出願要件のうち,「内申評定の9科に1,5科に2不可」を「9科に1,2不可」となりハードルがやや上がります。
帝京大学

帝京大学の応募者数は減少傾向で今年度は74人28%の大幅減となりました。ただそれに合わせて合格者も減ったため,実質倍率は変わっていません。八王子学園八王子や桜美林などの応募者が増加していることから,それらの私立高の影響を受けたのかもしれません。併願優遇制度がありますが,加点制度(30点加点)のため,毎年数人の不合格者がでています。来年度はこの併願優遇制度の加点基準を5科24から5科23に変更するため,応募者増になると予想されます。
淑徳


淑徳は単願推薦の応募者(留学コース除く)が増加傾向です。一方で併願推薦の応募者が減少しており,都外生が単願に切り替えているような動きがみられます。一般入試は2回目の2/14入試の応募者が圧倒的に多く,これは私立併願者が多いことを示しています。また14日は一般入試では遅い方の日程になるので,受検棄権者が多く,例年半数程度の応募者が抜けています。難関校との併願校として利用しやすい学校といえます。しかし,2027年度は単願推薦,併願推薦(併願優遇)の基準が上がるので要注意です。一方で漢検2級が加点項目に加わるほか,部活動等の実績も加点対象になる可能性があるなど緩和措置も設けられるので学校との事前相談が必要です。
上位大学附属校の状況②
さらに上位大学附属校の状況をみていきます。以下の学校では応募者が増加しところが目立ちました。14校合わせた応募者数は推薦が175人9%増,一般729人8%増となっており,私立志向の影響を受けたような応募状況です。
| 学校名 | 推薦 応募者数 | 一般 応募者数 | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | 2026 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | 2026 | |
| 拓殖大学第一 | 192 | 142 | 122 | 237 | 244 | 1,927 | 1,614 | 1,346 | 1,635 | 1,475 |
| 明治学院東村山 | 89 | 88 | 67 | 53 | 60 | 202 | 165 | 144 | 175 | 194 |
| 淑徳巣鴨(推薦はAB計) | 194 | 145 | 124 | 220 | 271 | 1,299 | 1,049 | 974 | 1,004 | 1,146 |
| 桜美林 | ― | ― | ― | 30 | 43 | 825 | 888 | 802 | 1,091 | 1,145 |
| 東洋大学京北 | 83 | 132 | 83 | 84 | 110 | 450 | 991 | 538 | 731 | 796 |
| 成城学園 | 35 | 36 | 50 | 43 | 40 | 122 | 208 | 182 | 171 | 157 |
| 日本大学第三 | 82 | 80 | 67 | 63 | 88 | 110 | 104 | 101 | 117 | 130 |
| 駒澤大学 | 309 | 311 | 320 | 342 | 268 | 765 | 721 | 762 | 750 | 815 |
| 東京電機大学 | 33 | 32 | 35 | 76 | 50 | 199 | 244 | 243 | 222 | 207 |
| 文教大学付属 | 73 | 59 | 63 | 57 | 78 | 393 | 317 | 361 | 278 | 525 |
| 日本大学櫻丘 | 273 | 237 | 228 | 212 | 286 | 764 | 819 | 873 | 1,066 | 1,030 |
| 日本大学鶴ケ丘 | 208 | 191 | 160 | 141 | 232 | 372 | 405 | 389 | 683 | 868 |
| 目黒日本大学 | 171 | 240 | 140 | 83 | 114 | 240 | 645 | 453 | 566 | 811 |
| 専修大学附属 | 226 | 237 | 276 | 246 | 178 | 415 | 485 | 596 | 544 | 463 |
※応募者数は各校公表値。最新年度(2026年度)は色を変えて示しています。
拓殖大学第一


拓殖大学第一は今年度,加点制度の項目を削減するなど,ややハードルを上げたものの,推薦入試は前年度とほぼ同じ多くの応募者を集めました。一方で一般入試は1回目,2回目ともに応募減になり,こちらは加点項目削減の影響を受けた形です。2回目は例年,受験棄権率が3割前後に達しており,今年度も156人,27%と私立高との併願者が多くなっています。前年度と異なるところは合格者が100人以上減少したことで(443→294人),実質倍率も1.18倍から1.45倍に上がりました。併願優遇を利用しないフリー受験者が増えたのかもしれません。
明治学院東村山


明治学院東村山の推薦応募者は2024年度,2025年度と出願基準が上がったことから減少が続いていました。しかし今年度は基準の変更がなかったため微増になっています。一方,一般入試は2025年度にS併願を新設したことや第一志望(2)の内申基準をなくしたことなどから,減少傾向であった応募者が増加に転じ,今年度もさらに増えました。ただ,合格者が減っており実質倍率は上がって3年前の水準に戻りました。2027年度は推薦,一般(第一志望・併願)の出願資格のうち,欠席日数の要件が3年次7日以内から10日以内に緩和されます。(推薦では「遅刻5回以内」の要件も削除)。
淑徳巣鴨

淑徳巣鴨の推薦入試(AB計)の応募者数は減少傾向でしたが,2025年度には特進の出願基準を緩和したため増加に転じ,今年度もさらに増加しました。ただ合格者を多く出したため実質倍率はやや下がっています。一般入試はアルティメット(446→529人)と選抜(231→295人)の応募者が増加しましたが,合格者も増やしたため全体の実質倍率は変わりませんでした。2027年度は単願推薦をⅠ(内申点重視型)とⅡ(基礎力重視型)に分け,内申基準をアップするほか特進の併願優遇を廃止するといった大きな変更があるので,応募者はかなり減りそうです。
桜美林

桜美林は前年度に導入した推薦入試の応募者が30人から43人に増加,一般入試も54人5%の増になりました。推薦では3コースとも,一般では国公立と特進の基準が緩和されたためです。2027年度は内申基準に変更はありませんが,一般入試日が①2/10,②2/13,③2/19と②と③が遅くなるため応募者数に影響がでるかもしれません。
東洋大学京北

東洋大学京北は2024年度に条件を厳しくして応募減になってからは増加傾向になっています。特に推薦入試では3年ぶりに100人を超え,人気の高さをうかがわせました。一般入試は2/10と2/13の2日間設けられてますが,2回目の実質倍率が4倍を超え(4.03倍)激戦になりました。2027年度は単願,併願ともに内申重視型の基準が変わります。内申のほかに満たすべき条件として,英語または数学の評定「5」,英検または数検準2級がありますが,このうち1項目を満たすという条件が2項目になります。
成城学園

成城学園は一般入試の応募者が減少傾向です。一方で合格者は増加しているため実質倍率は下がりつづけ,今年度は最近の5年間でもっとも低くなりました。募集人員が少ないため応募者が限定されているのかもしれません。2027年度も募集要項に大きな変更はなく,この傾向に歯止めがかかるか注目されます。
日本大学第三


日本大学第三は減少傾向にあった推薦応募者が増加に転じました。東海大学付属相模からの移動があったのかもしれません。一方で一般入試はA志願,B志願とも前年度並みの応募状況で実質倍率もあまり変わりませんでした。2027年度は併願基準に9科の選択肢が加わるほか,推薦入試で実施していた加点制度を併願でも適用するため,応募者が増加しそうです。
駒澤大学


駒澤大学は増加傾向にあった推薦入試の応募者が減少に転じました。これは出願基準を厳しくしたためです。一般入試も併願優遇の基準を上げたため,応募者は減っています。その代わり一般入試の応募者数は大幅に増加し,併願から一般へとスライドしたような形になりました。また,併願優遇は受検棄権者が増加(棄権率9→16%)したことが影響したのか一般の合格者を大幅に増やしたため,前年度高騰した実質倍率も急降下し2倍を切りました。棄権率のアップは難関校との併願者が増えたことを示しています。2027年度は出願基準に変更はありません。そのため,推薦,併願の応募者は増加する可能性があります。
東京電機大学


東京電機大学の推薦入試は前年度に地域加点を導入したほか,加点制度を拡充したことで応募者が急増しました。しかし今年度は拡充した加点制度を元に戻したことで応募者は減っています。一方で一般入試は男子は前年度並みの応募者を確保したものの,女子は減少傾向が続き,今年度は30人を割りました。合格最低点も男子173点,女子154点と20点ほどの差があり男女間で学力差があるようです。併願基準は推薦と異なり男女同基準のため,女子にとっては応募しにくいのかもしれません。2027年度は募集要項に大きな変更はありません。
文教大学付属


文教大学付属は推薦,一般入試とも応募者が増加しました。推薦は4年ぶりに70人台まで増加しています。一般入試は2回目,3回目の応募者も増えており,私立併願者も増加したようです。特待生選抜を兼ねる3回目の入試は2/19に実施したということもあり,棄権者は約4割に及びます。今年度は合格者が少なく,実質倍率は3倍を超えました(1.13→3.57倍)。2027年度は推薦と一般①の募集人員が減るほか,加点制度の英検の加点が+2から+1に縮小されます。これらの変更により応募者が減少する可能性があります。
日本大学櫻丘


日本大学櫻丘は都内生と都外生で分けていた基準を統一し都外生には緩和になったことから,推薦入試の応募者が増加しました。一般入試はA日程(2/10),B日程(2/12)ともに前年度並みでしたが,単願・併願・OPの内訳には変化がありました。まず,単願応募者が46人14%の減になりました。単願から推薦への移動があったのかもしれません。また,併願が増加(AB合わせて54人36%増)し,オープンの応募者が減少(同44人7%減)しました。これも都内生と外生の基準統一によって基準緩和になった都外生がオープンから併願へと移動したと思われます。2027年度は募集要項に大きな変更はありません。
日本大学鶴ケ丘

日本大学鶴ヶ丘の推薦応募者数は減少傾向にありましたが,今年度は一転して91人65%も増えました。総合進学の基準を緩和したことが原因です。一般入試は前年度に入試日を2日間に増やしたことで応募増になり,今年度もさらに増えました。A日程(2/10),B日程(2/11)それぞれ増加していますが,A日程の48人15%増にくらべB日程は137人38%の増とB日程利用者が急増しました。これは私立併願者が増加したことを示していると思われます。ただ,総合進学の実質倍率はA日程1.18→1.78倍,B日程1.07→1.87倍と上がっているので,併願優遇利用者よりフリー受験者が増えたようです。
目黒日本大学

目黒日本大学は一般入試のフリーの応募者が大幅に増加しました。2/10と2/12の両方に出願した場合,2/12の試験に10点加点されることが影響したと考えられます。一方で併願優遇の応募者は減少しました。日本工業大学駒場「特進」の応募者が大幅に増加しているので,その影響を受けたのかもしれません。2027年度は一般入試日が2/10の1回のみになります。当然10点加点の制度もなくなるので応募者はかなり減りそうです。
専修大学附属


専修大学附属は男女別の基準を統一しました。この結果,推薦は男子が上がることになり,一般は女子が緩和されることになりました。推薦入試の応募者が減少しているのはその影響なのかもしれません。しかし,女子にとって受けやすくなったはずの一般入試は応募減になり,しかも合格者を増やしたことから実質倍率も下がりました。2024年度,2025年度と1.8倍台の高い倍率が続いたため,日本大学鶴ヶ丘や日本工業大学駒場「特進」,駒澤大学「フリー」などに移動したのかもしれません。
2026年度 都内私立高入試(上位大学附属校)のまとめ
2026(R8)年度の都内私立高入試について、上位大学附属校の応募状況をまとめると次のようになります。
- 前半の10校を合わせた応募者数は推薦883人(前年度882人),一般6,981人(同7,097人)で,推薦は前年度並み,一般は微減。前回の難関校と同様,私立志向の影響はみられませんでした。
- 後半の14校では応募者が増加したところが目立ち,合わせた応募者数は推薦が175人9%増,一般729人8%増と,私立志向の影響を受けたような応募状況でした。
- 同じ大学附属校でも学校ごとの動きは大きく異なり,出願基準や加点制度の変更,入試日程の変更が応募者数と実質倍率を左右しています。
- 2027年度は出願基準・募集人員・入試日程の変更が予定されている学校が多く,応募者数が動く可能性があります。志望校選びでは最新の募集要項の確認と学校との事前相談が欠かせません。