2月1日に神奈川県私立高等学校の入学者選抜試験志願状況が発表されました。
概要は以下の通りです。
※志願者数と倍率については1月30日時点のものです。また、2023年度の集計はそれぞれ県教委のホームページで発表された時点のものです(2023年2月2日)。
令和6年度私立高等学校の志願状況(公募一般)についての詳細については下記ページをご確認ください。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/v3e/prs/r1728228.html
1.全体の状況(全日制の課程)
2024 | 2023 | 2022 | |
---|---|---|---|
学校数 | 55校 | 54校 | 54校 |
募集人員 | 9,385人 | 9,426人 | 9,453人 |
志願者数 | 45,497人 | 47,238人 | 47,590人 |
志願倍率 | 4.85倍 | 5.01倍 | 5.03倍 |
2023年度の集計時点(2/2)と比較すると、2024年度の募集校は55校、募集人員は41人減、志願者数は1,741人減、倍率は0.16ポイントダウンしました。今回は集計日が前年度よりも3日早いため、志願者数・倍率共に減少しています。
2.高倍率の高校ベスト10
集計日が早いこともあり、全体的に倍率が下がっています。
しかし、前年度とほとんど同じ顔ぶれが並び人気校には大きな変化はありませんでした。その中で新たにランクインしたのは2024(R6)年度より新設された向上(S特進)のほか、中央大学横浜(A方式)、桐蔭学園(アドバンスB方式)となっています。
3.難関校の動向
併願を実施しない難関校では、志願者数が全体で3,017人、前年度(3,080)より63人の微減でした。学校ごとに見ていくと、慶應義塾が144人減となった一方で法政第二は書類の志願者が減少していますが全体で1,158人になり45人増、法政国際は全体で666人、36人増と慶應義塾から法政系への移動が見られています。
4.大学附属校の動向
上記の大学附属校では、志願者が全体で5,799人、前年度(5,868人)より69人減ですが前年と比較して大きな変化はありませんでした。
中央大学付属横浜は志願者が全体で739人になり74人減少。前年度に引き続き志願者数は減っていますが募集定員を10人減らしたことにより倍率は上がっています。県内でも難関校ため、安全志向で志願が敬遠されている可能性があります。
日本大学は志願者数641人で前年度(594人)より47人増加しています。合格のハードルを下げたことで志願者が増加しているようです。同じく日本大学藤沢も志願者は748人で前年度(706人)より42人増加しています。合格のハードルを緩和したこと、加点の制度を変更したことが影響していると思われます。
鶴見大附属は志願者が書類(406→425人)、一般A(109→128人)に増加。全体では553人になり、前年度より38人増加しました。日本大学と鶴見大附属は、後述する横浜創英で大きな入試制度の変更があったため、受験生が流れてきたようです。
5.注目校の志望状況
入試制度の変更や募集定員の増減により、志願者が増減した学校もあります。
横浜創英は併願入試をとりやめ、普通コースを募集停止、特進コースと文理コースの募集人員を減らすなど、大きな入試制度の変更を実施しました。その結果、前年度1,240人だった志願者は240人まで減少し、近隣の高校に影響を与えています。
横浜は募集人員を増やし、合格のハードルを上げましたが、志願者数は全体で668人増加。横浜創英の入試制度の変更の影響もあるのではないでしょうか。オープン入試の志願締切が2/3なので、これ以上に志願者が増えると見込まれます。
白鵬女子も全体の志願者数が554人(前年度441人)で113人増加。進学スタンダードとグローバルスタンダードで合格のハードルを上げましたが志願者は増加しています。大西学園や柏木学園で志願者が大きく減っているため受験生が流れてきているようです。
橘学苑は全体の志願者が755人で、前年度より志願者が337人減りました。特に併願の合格のハードルをアップした総合進学コースで264人減少しています。
横浜清風は特進コースが44人増ですが、総合進学コースは966人で271人減でした。総合進学コースは2年連続で合格のハードルを上げたため敬遠されたようです。
横浜学園では一般入試での面接を廃止するほか大きな変更点はありませんでしたが、全体での志願者数が1,140人で前年度より176人増しています。コースごとに見てみると、アカデミーコースの併願で志願者が154人増加しました。横浜創学館や基準を上げた横浜清風で志願者が減少したことが影響していると考えられます。
武相は一般入試の志願者数が569人で前年度に比べ126人増、書類選考は269人で87人増になりました。合格のハードルを緩和したことと、志願者が大きく減少している横浜清風や橘学苑から受験生が流れていると考えられます。
山手学院は全体で志願者が1,745人、前年度より335人増加しています。日程別に見てみますと、A日程の併願で345人増加、A日程のオープンでは40人減少しており、オープンから受験生が回ってきているようです。合格のハードルをやや緩和したことが影響したと考えられます。
横浜隼人は最も志願者の多かった第1次一般入試の書類選考を廃止したことにより、志願者は普通科と国際語科合わせて1,502人で、前年度と比べて183人減となりました。向上で新設されたS特進コースに流れた可能性があります。
相洋は商業科を募集停止にしたことにより全体としては志願者減ですが、普通科全体の志願者数は1,987人で前年度より111人増加しています。コース別に見てみると、文理(文科コース)が85人増となっています。向上や平塚学園の志願者減が影響していると考えられます。
柏木学園は全体の志願者数が1,612人で、前年度より315人減少しています。学校全体の合格のハードルをアップしたことが原因と考えられます。
向上は2024(R6)年度より難関国立大学への進学を目指すS特進コースを新設。10人という募集人員に163人の受験生が集まりました。その他、合格のハードルを上げた文理コースと特進コースは志願者が150人以上減少しています。