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【2026神奈川公立入試】志願倍率1.11倍で過去最低!「公立離れ」加速の背景と人気校の明暗

入試情報

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2026.03.19

2026.03.19

神奈川県の公立高校受験の仕組みや選抜方法

2月9日,神奈川県公立高入試の志願確定状況が発表されました。
どんな特徴があったのか見ていきましょう。

詳しくはこちらのページをご覧ください。
令和8年度神奈川県公立高等学校入学者選抜一般募集共通選抜等の志願者数(志願変更締切時)について

全日制の志願状況

全日制の共通選抜の募集人員39,431人に対し,1月30日までの志願者数は43,852人で志願倍率は1.11倍,前年度(1.17倍)より0.06ポイントダウン。過去最低を記録しましたが,この下げ幅は過去の推移から見ても異様な下がり方であり,受検生の公立離れがこれまでにないほど顕著に表れる結果となりました。
この時点で志願者数が募集人員に達していない定員割れの学校は52校で,欠員の数は2,395人で初めて2,000人を超えました。前年度は48校1,801人だったので一気に約600人も増加したことになります。

志願変更を行ったのは3,151人で志願変更率は7.2%。前年度より0.2ポイントダウンしています。志願確定後は42校が定員割れ,欠員は2,021人で,前年度(36校1,438人)と比べると学校数,欠員数ともに増加しています。
志願変更状況をみると,大学科単位では普通科の定員割れ校は23校から17校に減少。クリエイティブスクール(青葉総合を含む)は4校が5校に増加し,欠員数も増えました。専門学科は20校34学科から17校30学科に,単位制普通科は7校から6校に減少しましたが,単位制専門学科は3校5学科から3校6学科に増加,総合学科は2校のままでした。
このように,今回の志願変更では,欠員が多かったにも関わらず志願変更率が上がらなかったことで,定員割れを解消できた学校は減り,解消率も15.6 %で前年度(20.2%)よりも大幅にダウンしました。

学科別の志願状況

普通科の志願倍率は1.16倍となり,前年度の1.22倍から0.06ポイント低下しました。例年,全日制全体の志願率が低下する中でも,普通科は1.2倍台を維持してきましたが,今年度は大幅に下がっています。単位制普通科においても,前年度の1.13倍から0.1ポイント低下し1.03倍になりました。倍率がアップしたのは神奈川総合「国際文化コース」県立川崎厚木清南市立戸塚「一般コース」の4校のみで,その他の13校は倍率がダウンしています。
専門学科でも全体的に倍率が下がりました。農業科では,前年度倍率が低かった影響か相原で志願者が増加しましたが,中央農業が定員割れに戻り,学科全体の倍率が下がりました。工業科では人気の高い神奈川工業「デザイン」市立川崎総合科学「情報工学」,同校の「デザイン」などの倍率が下がっています。しかし,商業科の倍率は上昇しており,前年度志願者減になった平塚農商小田原東厚木王子などの志願者が増えています。
単位制専門学科では例年高倍率になりやすい体育科国際科舞台芸術科といった特色ある学科でも倍率が低下しており,単位制専門学科全体における倍率ダウンの要因になりました。

今回は,普通科で大幅な倍率の低下が見られただけでなく,専門学科においても倍率が下がっています。この要因として,就学支援金の拡大が大きく影響しており,公立高校を第一志望としていた層が,私立高校の推薦入試や単願入試へ流れる動きが顕著に現れました。

学力向上進学重点校とエントリー校の志願状況

学力向上進学重点校とそのエントリー校では,それぞれ別の特徴が見られました。学力向上進学重点校の志願者数は4,029人で,前年度より99人増加しました。倍率には,志願者が増えたり減ったりする動きが見られており,今年度は志願者が増加する年に当たっています。学校別に見ると,倍率が低下したのは小田原と定員増の影響があった川和のみで,その他のすべての学校で倍率が上昇する結果となりました。一方,エントリー校の志願者数は3,813人で,前年度より93人減少しました。エントリー校は2024(R6)年度から志願者が増加傾向にありましたが,今年度は一転して減少に転じています。特に平塚江南大和での志願者減少が目立っており,この2校の動きがエントリー校全体の倍率低下に影響を与えています。

圧倒的な人気を誇る横浜翠嵐は,昨春,東大合格者70名超という極めて高い実績を残したものの,志願確定者は736人(前年度比4人増)とほぼ横ばいでした。例年続く高倍率に対する敬遠に加え,二次試験を廃止し志願者が急増した慶應義塾などの私立へ流れたと考えられます。川和も志願者数452人と前年並みでしたが,募集定員の1学級増により倍率がダウンしました。同校では志願変更で20人以上が動いており,締切時の倍率を見て移動する受検生が増えていると考えられます。
そのほか「前年度の反動」があった学校も目立ちました。厚木は前年度の倍率が低かった反動で35人増(1.25倍)となった一方で,高倍率だった平塚江南は65人の大幅減(1.17倍)となりました。近隣の鎌倉や茅ケ崎北陵へ流れた可能性があります。大和も前年度の高倍率が敬遠され57人が減少。競合校の厚木へ流れたほか,私立にも流出したと考えられます。

選考基準の変更が影響したのが小田原光陵です。小田原は特色検査の比率引き上げ(1→2)が敬遠材料となり,隔年現象による増加予想に反して24人減(1.16倍)となりました。そして,2024(R6)年度より調査書と学力を同等(5:5)に評価していた光陵では,今年度は学力重視(4:6)に戻し,学力検査に自信のある層を惹きつけ,26人増と志願者数を伸ばしています。

今回の入試で志願率が過去最低を記録した大きな要因のひとつは,中堅層から通信制と競合する学力層の学校において,志願者数が大幅に減少したことにあります。
特に二宮(205人→84人),(271人→162人),横浜桜陽(264人→191人),厚木西(269人→204人),白山(285人→224人)などで志願者が激減しており,就学支援金による私立志向や,通信制志向の影響が見られます。

倍率ごとの校数の変化

上のグラフは,単位制普通科,クリエイティブスクールを含んだ,全日制普通科の倍率別における学校数を示したものです。今年度は極端な低倍率が目立ち,二宮0.35倍をはじめ,津久井0.37倍),三浦初声0.43倍),釜利谷0.47倍)など0.50倍を下回る学校が複数現れました。また,定員割れ(1.0倍未満)と1.2倍未満の学校が,2024(R6)年度の53校から74校へと大きく膨れ上がりました。これは,全体の志願者数が減少したほかに,高倍率を嫌った受検生が広範囲に分散したためと考えられます。特に前年度高い倍率になった学校が影響を受けており,相模原弥栄が1.38倍から1.04倍追浜が1.41倍から1.10倍へと低下したほか,横浜清陵(1.35→1.09倍),藤沢西(1.43→1.19倍),上矢部(1.26→1.02倍)などで著しい倍率低下が見られました。
一方で,1.5倍以上の高倍率を維持する学校は減少してはいるものの,急激な変化は見られません。2026(R8)年度入試で1.5倍以上の高倍率を記録した横浜翠嵐(2.14→2.04→2.05倍),多摩(1.63→1.67→1.76倍),湘南(1.63→1.61→1.65倍),神奈川総合「個性化コース」(1.58→1.69→1.56倍)の4校すべてがこの3年間で高倍率を維持しています。

普通科全体の志願率が低下し,1.2倍未満の学校が増加する一方で,特定の人気校は揺るぎない支持を集めている状況です。こうした高倍率校には,学力向上進学重点校やそのエントリー校などの指定校が多くを占めている点も,今年度の志願動向における特徴と言えるでしょう。

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