今回と次回で千葉県の公立高校の入試状況についていくつかの学校をとりあげてみていきます。
今回は,進学指導重点校と県立千葉,東葛飾,薬園台,市立千葉です。
目次
千葉県公立高校入試の概況2026|進学指導重点校ほか14校の実質倍率と不合格者数
14校全体の不合格者数と志願者に占める割合

これら14校の不合格者数は増えたり減ったりの増減を繰り返しています。各校の状況を見てもそのような動きを示す学校が多く,前の年の選抜状況を見て受検生が動いているようすがうかがえます。
ただ,増えたり減ったりしながらも徐々に減少しているようにみえ,今年度は増加の年の2024年度や2022年度の不合格者数より少なくなりました。従ってこれらの学校も私立志向の影響を受けているといえるでしょう。それでも志願者数に対する不合格者の割合は26.7%で,志願者の4分の1の生徒が涙をのんでおり,普通科全体の割合(14.7%)と比べるとかなり厳しい状況です。
県立千葉

県立千葉の実質倍率は2022年度をピークに年々下がり続けていたものの,今年度は久しぶりに志願者増(323→331人)となり不合格者も増えました。前年度は地元千葉市のほか隣接学区のうち入学生がもっとも多い9学区の木更津市,市原市の生徒数が減少したことが志願者数に影響を及ぼしたと考えられますが,今年度は同地域の生徒数が横ばいであったことや,学校設定検査を「思考力を問う問題」から作文に変更したことで志願者増につながったと思われます。しかしそれでも県立千葉としては低倍率です。受検棄権率(受検棄権者と志願取消数の志願確定者数に対する割合)が5.4%と高い水準であることからも私立志向の影響も受けているのかもしれません。
千葉東

千葉東は28人の志願者増となり実質倍率がアップ,不合格者数も100人を超えました。2022年度入試には及ばないものの,2021年度以降で2番目に厳しい入試状況です。県立千葉同様,千葉市の生徒数が前年度並みであったほか,学校設定検査を「思考力を問う問題」から小論文に変更したことも志願者増に結びついたようです。
県立船橋

県立船橋は普通科,理数科とも隔年現象があり,2023年度からの志願者数は普通科が569→641→587→618人,理数科が67→87→66→88人と増えたり減ったりしています。今年度は増加の年に当たり,実質倍率は普通科が1.8倍台,理数科は2倍を超え激戦になりました。現在,大規模改修工事中ですが,そのような環境の変化があっても,また今年度のような私立志向の中でも人気は衰えていないようです。
薬園台「普」

薬園台「普」の実質倍率は上昇傾向が続いており,今年度は1.69倍で受検生の約4割が不合格になる激戦になりました。市川市や松戸市,習志野市の生徒数は微減でしたが,入学生の約4割を占める地元船橋市の生徒数がほとんど変わらなかったことで勢いが衰えなかったのかもしれません。また2025年3月に普通教室棟が竣工したことも高い人気を維持している要因になっているようです。
東葛飾

東葛飾は隔年現象があり,2022年度からの志願者数は447→480→466→492→437人と増減を繰り返しています。2025年度に実質倍率が上がらなかったのは,志願取消が21人もでたからです。今年度は志願者減の年で2021年度とほぼ同じ437人でしたが,受検棄権者と志願取消が多かったことから,不合格者は176人ともっとも少なくなりました。私立志向の影響を受けた結果といえるでしょう。
県立柏

県立柏「普」は実質倍率が下降傾向で不合格者も減少しており,今年度は2021年度以降でもっとも緩やかな入試になりました。一方で「理数科」は隔年現象がみられ不合格者数も増えたり減ったりしています。今年度は倍率アップの年で実質倍率は1.3倍台に上がりました。しかし今年度の不合格者数は2024年度の半数程度でとどまっています。私立志向の影響で上がりきらなかったのかもしれません。
佐倉

佐倉にも隔年現象があり「普通科」「理数科」ともに今年度は倍率アップの年でした。前々年度と比較すると普通科はやや下がったものの1.5倍台を維持し,理数科は上がっており両学科とも私立志向の影響を受けているようには見えません。入学生の多い佐倉市や習志野市,八千代市の生徒数が減少している中で高倍率入試になったことからも高い人気を維持しているといえるでしょう。
佐原

※理数科の不合格者数がマイナスになっているのは,普通科から第2志望の受検生を受け入れたため,受検者数より合格者数が多くなったからです。以下,同じような学校がでてきます。
佐原「普」は志願者減となり2021年度以降で初めて定員割れになりました。「理数科」は定員割れが続いており,普通科からの第二志望者を受け入れていましたが,今年度はそれもできず両学科とも多くの欠員が生じました。茨城県からの入学生が多く,全体の4分の1程度を占めていますが,同県でも私立志向によって公立志願者が大幅に減っているので,その影響で佐原の志願者も減少したのかもしれません。
匝瑳

匝瑳は総合学科に改編された2024年度以降,定員割れの入試が続きます。普通科と理数科で募集していた時も理数科は0.2~0.3倍台の低倍率であったため,普通科と合わせた募集規模が大きすぎるのかもしれません。
成東

成東には隔年現象があり,普通科と理数科のくくり募集になった2024年度からの志願者数は250→263→238人と推移,今年度は減少する年で定員割れになり受検者全員が合格しました。通学圏が比較的広く,5学区の旭市や4学区の八街市などからも入学してきます。これらの地域のほか,地元山武市や東金市などの生徒数は前年度とあまり変わっていないので,ここまで減ったのは私立志向の影響と考えられます。
長生

一方,長生は普通科と理数科がくくり募集になった2024年度以降,志願者が増え続け実質倍率も上昇傾向になっています。通学圏も広く千葉市や市原市,東金市などからも入学してきています。2025年度より新しい制服になったことも人気をささえているのかもしれません。
安房

安房はグラフを見てもわかるように,隔年現象があり不合格者がでる年とほぼ全員が合格する年が交互にきています。今年度は不合格者がでない年でしたが,2021年度以降で最も低い倍率に落ち込みました。8学区の生徒は通学圏が限られるため,公立進学者の90%以上は同じ学区の高校に向かいます。にもかかわらず,安房の倍率が過去最も低くなったのは生徒数が微減(5%減)になったほか,私立志向の影響を受けた結果と考えられます。
木更津

木更津「普」は2021年度から隔年現象がみられ,実質倍率は上がったり下がったりしています。今年度は上がる年に当たりましたが,前々年度までの水準には達することができませんでした。受検棄権者も増えたことから,私立志向の影響を受けたものと考えられます。「理数科」は上昇傾向から下降に転じました。こちらは私立志向というより前年度の高倍率の反動にように思えます。
市立千葉

市立千葉は安定した入試が続きます。「普通科」は1.5倍前後,「理数科」は1.7~1.8倍の高倍率入試になっています。受検棄権者もこの学力レベルにしては少ない方で,私立志向の影響はほとんど受けていないようです。
まとめ|2026年度 千葉県公立高校入試(実質倍率・不合格者数)の傾向
2026年度の千葉県公立高校入試では、進学指導重点校など14校の不合格者数は増減を繰り返しながらも徐々に減少し、私立志向の影響がうかがえます。それでも志願者数に対する不合格者の割合は26.7%にのぼり、普通科全体の割合(14.7%)と比べるとなお厳しい状況です。
県立千葉・千葉東・県立船橋・薬園台・佐倉・市立千葉などは高い人気や激戦の実質倍率を維持する一方、東葛飾・県立柏・佐原・匝瑳・成東・安房などは私立志向の影響を受けて倍率が緩んだり定員割れになったりしており、学校ごとに明暗が分かれました。