
今春の千葉県の公立高入試はどのような入試であったのでしょう。
目次
全体概況|2026年度 千葉県公立高入試のポイント
- 志願確定倍率は上昇傾向から下降に転じ前年度より0.03ポイント低い1.11倍でした。
- 公立高校の収容率(生徒数に対する募集人員の割合)は前年度より1.2ポイント下がった一方で,志願率(生徒数に対する志願者数の割合)はそれを上回る3ポイントダウンしました。
- 普通科をはじめ,農業科や工業科,商業科など多くの学科で倍率が下がっています。
- 不合格者数は約4,700人で前年度より870人の減,今の入試制度になった2021年度の4,340人と同程度まで減少しました。
志願状況|募集人員・収容率・志願率と志願確定倍率の推移
全日制の募集人員28,880人に対し,志願変更後の最終的な志願確定者数は32,008人,倍率は前年度より0.03ポイント下がり1.11倍になりました。
2021年度に前後期制が一本化されて以降,志願倍率は上昇傾向にありましたが,今年度は一転して下がり,本県でも私立高に対する国の就学支援金の年収制限の撤廃と支援金の増額の影響を受けました。
しかし,前年度までの倍率上昇は公立志向が高まっていたのではなく,公立の募集枠が縮小されていたからです。
収容率は毎年のように縮小される一方で志願率は2021年度~2023年度まで横ばいが続きました。2024年度に一度下がりましたが,収容率の低下によって倍率は前年度並みを維持しています。しかし今年度は収容率の減少(1.2ポイント減)以上に志願率が低下(3.0ポイント減)したため倍率低下を招いたのです。就学支援金制度が公立離れに拍車をかけた形です。
| 項目 | 2021(R3)年度 | 2022(R4)年度 | 2023(R5)年度 | 2024(R6)年度 | 2025(R7)年度 | 2026(R8)年度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 生徒数 | 51,370人 | 53,000人 | 53,080人 | 53,190人 | 52,320人 | 51,900人 |
| 募集人員 | 30,920人 | 31,320人 | 30,960人 | 30,680人 | 29,720人 | 28,880人 |
| 収容率 | 60.2% | 59.1% | 58.3% | 57.7% | 56.8% | 55.6% |
| 志願確定数 | 33,517人 | 34,637人 | 34,793人 | 34,478人 | 33,854人 | 32,008人 |
| 志願確定倍率 | 1.08倍 | 1.11倍 | 1.12倍 | 1.12倍 | 1.14倍 | 1.11倍 |
| 志願率 | 65.2% | 65.4% | 65.5% | 64.8% | 64.7% | 61.7% |
※収容率は募集人員÷生徒数の割合,志願率は志願確定者数÷生徒数の割合
学科別志願状況|普通科・専門学科の志願確定倍率
学科別でみると,普通科は前年度より0.03ポイントダウン,専門学科も農業科,工業科,商業科,家庭科など主要な学校で倍率が下がり,公立全体に就学支援金の影響が及びました。総合学科も下がっています。
倍率アップしたのは理数科や水産科(0.35→0.41倍),情報科(1.14→1.31倍)などで少数の学科にとどまっています。
| 学科 | 2021(R3) | 2022(R4) | 2023(R5) | 2024(R6) | 2025(R7) | 2026(R8) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 普通科 | 1.09 | 1.12 | 1.15 | 1.15 | 1.16 | 1.13 |
| 農業科 | 0.89 | 0.75 | 0.83 | 0.78 | 0.82 | 0.79 |
| 工業科 | 0.90 | 0.87 | 0.83 | 0.77 | 0.88 | 0.85 |
| 商業科 | 1.00 | 0.96 | 0.98 | 0.99 | 1.03 | 0.97 |
| 家庭科 | 1.01 | 1.03 | 0.98 | 0.91 | 1.00 | 0.86 |
| 理数科 | 1.19 | 1.24 | 1.11 | 1.60 | 1.34 | 1.46 |
| 体育系学科 | 1.06 | 1.13 | 1.06 | 1.11 | 1.05 | 1.04 |
| 国際系学科 | 1.30 | 1.23 | 1.25 | 1.43 | 1.26 | 1.08 |
| 総合学科 | 1.25 | 1.30 | 1.26 | 1.20 | 1.27 | 1.22 |
| 全日制計 | 1.08 | 1.11 | 1.12 | 1.12 | 1.14 | 1.11 |
倍率ごとの集計|普通科の高倍率校と定員割れ校の割合
次のグラフは普通科の倍率を集計したものです。
その特徴を挙げてみましょう。
- 1.4倍以上の高倍率校が2021年度とほぼ同じ割合(10.7→10.9%)まで減少した。
- 1.2倍台,1.3倍台,1.4倍以上を合わせた割合は2021年度より増加傾向であったが,2025年度に減少に転じ,2026年度はさらに減って,新入試制度初年度の2021年度に近い水準まで減少した(2021年度より25.3→31.1→33.9→36.3→34.7→27.7%)。
- 1.0倍未満,1.0倍台,1.1倍台を合わせた割合が増加し,これも2021年度とほぼ同じ割合になった(2021年度より74.7→69.0→66.0→63.7→65.3→72.3%)。
- 減少傾向にあった定員割れ校(1.0倍未満)が増加に転じた
このように,高倍率校が減って定員割れ校が増加するというような変化により2021年度に近い志願状況になりました。従って今回の授業料支援制度の拡充は,新入試制度になった初年度と同じインパクトを与えたといっていいでしょう。
受検者と合格者|実質倍率1.18倍・不合格者数4,669人
最終的な受検確定者数は31,761人,受検2日目に発表された欠席者数は507人で前年度(360人)より大幅に増加しました。志願はしたものの私立高進学に転じた受検生が増えたことを示しています。
合格者数は27,005人,実質倍率は1.18倍(前年度1.20倍)でした。不合格者数は4,669人で前年度(5,541人)より約870人減り2021年度並みの水準に戻っています。
第二次募集は59校95学科1,875人で実施,前年度(47校76学科1,760人)より115人増えました。
まとめ|2026年度の千葉県公立高入試は2021年度に近い志願状況へ
2026(R8)年度の千葉県公立高入試は,志願確定倍率が前年度より0.03ポイント低い1.11倍となり,2021年度以降の上昇傾向から下降に転じました。収容率が1.2ポイント下がる一方で志願率はそれを上回る3.0ポイント低下し,普通科をはじめ農業科や工業科,商業科など多くの学科で倍率が下がっています。普通科では1.4倍以上の高倍率校が10.9%まで減り,定員割れ校(1.0倍未満)が増加に転じるなど,新入試制度初年度の2021年度に近い志願状況になりました。実質倍率は1.18倍(前年度1.20倍),不合格者数は4,669人で前年度(5,541人)より約870人減っています。