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【2026年度】神奈川県公立高校入試 上位校・中堅上位校の倍率動向|実質倍率と不合格者数で解説

入試情報

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2026.06.19

2026.06.19

神奈川県の公立高校受験の仕組みや選抜方法

今回は,前回で取り上げた学校以外の上位校と中堅上位校をみていきます。各校の過去5年(2022〜2026年度)の実質倍率と不合格者数をグラフにまとめ,今年度(2026年度)の動きを中心に解説します。

<学力上位校>

前回にみた学力向上進学重点校とエントリー校以外の上位校では志願者減になったところが多くみられました。しかしそれは前年度の倍率アップの反動によるもので,私立志向の影響を受けたと明確にいえる学校は少ないようです。受検棄権者は増えたところが多かったものの受検後取消と合わせると例年を大幅に上回ることはなく,この部分でも私立高への流れはさほどみられませんでした。

神奈川総合

神奈川総合の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

神奈川総合の両コースは募集規模が小さいため(個性化119人,国際文化89人募集),倍率の変動が大きいのですが,個性化はこの3年間は高倍率で安定しています。受検棄権者は3人から8人に増えましたが,受検後取消が4人から1人に減ったので,それほど多いとはいえません。従って,高い人気は衰えていないといえるでしょう。国際文化も実質倍率は個性化より低めですが,この2年間は上昇傾向で今年度は個性化に近いところまで上がりました。受検棄権者と受検後取消の合計は6→4→6人と変動はあまりなく,こちら高い人気を得ているようです。

市ケ尾

市ケ尾の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

市ケ尾の志願者は43人の減でしたが,これは私立志向の影響というより前年度の倍率アップの反動と考えられます。2022年度に倍率アップし,翌2023年度にダウンしたのと同じ動きだからです。受検棄権者は9人から15人に増えたものの受検後取消は9人から5人に減っており,公立入試期間中の私立高等への流出も特に増えたわけではありません。これらのことから市ケ尾が今年度私立志向の影響を受けたとはいえないでしょう。

市立桜丘

市立桜丘の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

市立桜丘の志願倍率はコロナ禍の2021年度入試を境に大きく変わりました。それまでは1.4~1.5倍台で推移していましたが,2021年度から1.2倍前後で推移するようになったのです。2024年度は1.3倍台に上がったもののこの年だけで,今年度も1.2倍に近い倍率でした。以前より低い倍率ですが,落ち着いた入試であったといえます。また受検棄権者と取消人数は12→7→11人で特に増えたとはいえず,私立志向の影響を受けたようにはみえません。

市立金沢

市立金沢の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

市立金沢は2024年度より隔年現象がみられ,今年度は志願者減の年でした。実質倍率は前々年度並みで留まっており,特に私立志向の影響を受けたとはいえません。受検棄権者数(5→6→7人),受検後取消(8→3→5人)も前々年度並みでした。しかし,1.2倍台の実質倍率は市立金沢としては低い方なので,受検者層が私立に流れて薄くなっている可能性があります。

新城

新城の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

新城は前年度の高倍率の反動で志願者は55人減になりましたが,実質倍率は1.55倍で不合格者も受検生の3分の1を占める厳しい入試でした。受検棄権者は前年度の13人から18人に増,受検後取消も5人から7人に増えたものの,最近の5年間の棄権者と取消数は26→22→21→18→25人と今年度特に多いわけではありません。従って,私立志向の高まりの中でも一定の人気を維持したといえるでしょう。

海老名

海老名の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

海老名は22人の志願者減,さらに受検棄権者が2人から12人に増加したこともあり,実質倍率が1.1倍台まで下がりました。実質倍率の推移をみると隔年現象的な動きがあり,今年度は倍率ダウンの年でした。しかし近年にない緩やかな入試になったことから,私立志向の影響があったと考えられます。

相模原弥栄「普」

相模原弥栄「普」の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

相模原弥栄「普」の志願者数は63人の大幅減で191人となり,相模原青陵と統合(2020年度)以降,初めて200人を割り込みました。受検棄権者も前年度はゼロでしたが5人でています。その結果,実質倍率は1.0倍台に落ち込み,不合格者の少ない緩やかな入試になりました。前年度に倍率アップした反動で麻溝台に移動した可能性もありますが,ここまで下がったのは私立志向の影響と考えられます。

市立横浜サイエンス

市立横浜サイエンスの実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

市立横浜サイエンスフロンティアの実質倍率は1.5倍前後で推移し安定した入試が続いています。一方,今年度は受検棄権者が4人から13人へと大幅に増加,受検後取消は6人から2人へ減ったものの合わせて15人が私立高等に流出しました。ただ棄権者と取消数は11→13→15→10→15人と推移しており,今年度だけ特別多いわけではないので私立志向の中でも高い人気を維持しているといえるでしょう。

<中堅上位校>

これから取り上げる中堅上位の13校は,募集学級の増減もあり志願者増になった学校,減になった学校さまざまです。私立高への流出が明らかな学校があれば,一定の人気を保っている学校もあり,共通した傾向というのはみられません。

市立東

市立東の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

市立東の実質倍率は上がったり下がったりする隔年現象がみられます。今年度は下がる年に当たり,実質倍率1.1倍台で市立東としては緩やかな入試になりました。以前は実質倍率1.4倍程度の人気校でしたが,この3年間低めの倍率で推移しており,私立志向の影響を受けていると考えられます。一方,受検棄権者は9人から13人に増えたものの,受検後取消は6人から2人に減りました。この5年間の棄権者と取消数は12→12→11→15→15人で公立入試期間中の私立高等への流出はそれほど増えませんでした。

港北

港北の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

港北の実質倍率をみると,この3年間1.3倍前後で安定しています。2024年度の不合格者が100人を切っているのは,この年は8学級募集で翌2025年度と2026年度の9学級募集より1学級少なく,それに合わせて志願者が減少したからです。受検棄権者は3人から15人に増加,受検後取消は2人から3人に増え前年度より3倍以上の受検生が公立入試の期間中に私立高等に流出しました。これにより私立志向の影響が現れたようにみえますが,過去5年間の棄権者と取消の人数は18→20→19→5→18人と推移しており(むしろ前年度が異常に少ない),今年度が特別多いわけではありません。従って,私立志向の影響はそれほど受けなかったといえるのではないでしょうか。

市立戸塚「一般」

市立戸塚「一般」の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

市立戸塚は前年度に過去最低倍率を記録したことから,今年度は反動で44人の志願者増となり,実質倍率は1.2倍まで上がりました。しかし,市立戸塚としては低い方の倍率なので本来の入試に戻ったとはいえません。また,受検棄権者はゼロから6人に,受検後取消は1人から2人になり,私立高等への流出も増えました。従って,志願者は増えたものの私立志向の高まりの影響を受けての入試になったといえるでしょう。

松陽

松陽の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

松陽は2023年度から2025年度までの3年間,低い実質倍率で不合格者の少ない入試が続きました。しかし今年度は増学級(7→8学級)になったこともあり志願者が97人の大幅増で,実質倍率は1.2倍台にアップ,2022年度に近いやや厳しい入試になりました。近年,鎌倉藤沢地区からの入学生が増えていることから,大船や藤沢西からの移動があったのかもしれません。また受検棄権者は前年度と同じ4人,受検後取消も2→1人と大きな変化はなく,私立高等への流出もみられませんでした。

横浜栄

横浜栄の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

横浜栄は一定の人気を確保しており,大きな変動が少ない学校です。しかし2023年度に過去最高倍率を記録してから実質倍率が下降傾向になっており,今年度はついに1.1倍台に下がって過去最も低くなりました。不合格者数も最少です。また,受検棄権者数は4人で前年度と変わらなかったものの,受検後取消が5人(前年度はゼロ)でて,私立高等への流出も増えました。

市立橘「普」

市立橘「普」の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

市立橘「普」はグラフをみてもわかるように,倍率に隔年現象があり不合格者数も増えたり減ったりしています。今年度は倍率ダウンの年で志願者数は20人減少しました。とはいえ,実質倍率1.40倍は2023年度の倍率アップの年と同じなので,下がったとはいっても高い人気は維持したといえるでしょう。ただ受検棄権者と受検後取消の人数はこの5年間3→2→4→6→8人と増加傾向で私立高等への流出も少しずつ増えていることがわかります。

生田

生田の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

生田は募集学級数を頻繁に変更しています。今年度は1学級増えて10学級で募集しました。その結果,前年度の倍率ダウンの反動で志願者数は33人増えたものの,志願倍率は1.22倍から1.18倍に下がりました。また受検棄権者が15人から26人に増え,受検後取消が5→4人になったことから受検倍率はさらに下がり,実質倍率も1.11倍と近年にない緩やかな入試になりました。棄権者と取消は19→15→12→20→30人と今年度は突出して多く,この部分にも私立志向の影響が現れました。

追浜

追浜の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

追浜は増学級になり8学級で募集しましたが,前年度の高倍率の反動で志願者は45人も減り,実質倍率は1.0倍台まで下がりました。その結果,不合格者数も大幅に減って近年にない緩やかな入試になっています。志願者の一部は横須賀大津へ移動したと考えられます。また入学生の3分の1を占める横浜南部地区の生徒数が減少していることも影響しているでしょう。さらに周辺同レベルの横浜栄や七里ガ浜,藤沢西,大船も志願者は増えていないので私立高への流出が進んだ可能性があります。前年度は受検棄権者も受検後取消もいませんでしたが,今年度は棄権5人,取消3人でており私立高等へ切り替えた生徒も増えました。

七里ガ浜

七里ガ浜の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

七里ガ浜は募集学級数を頻繁に変える学校で,2022年度からの募集学級数は10→9→9→10→9学級と推移しています。今年度は少ない9学級募集であったため志願者数は前年度とほとんど変わらなかった(526→529人)ものの倍率はアップ(1.32→1.48倍)し,実質倍率も1.4倍台を回復。受検生の3割が不合格になる厳しい入試になりました。受検棄権者は3人から8人へ増えた一方で,受検後取消は3人からゼロになりました。この5年間の棄権者と取消数は5→3→9→6→8人で今年度が特に多いわけではありません。従って,私立志向の影響はそれほど受けなかったと思われます。

藤沢西

藤沢西の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

藤沢西も募集学級数の変更が多い学校です。前年度は8学級から7学級に戻し,今年度はまた8学級募集にしました。志願者数は2024年度より417→399→379人と減少傾向ですが,2025年度の実質倍率が上がっているのは1学級少ない7学級募集だったからです。今年度は志願者減と増学級が重なり,13年ぶりに1.1倍台まで落ち込みました。前年度の高倍率の反動による志願者減という面があるものの,ここまで緩やかな入試になったのはやはり私立志向の影響を受けているからでしょう。

大船

大船の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

大船は前年度に志願者が増加し実質倍率がアップ,不合格者は100人を超えました。今年度はその反動で54人の志願者減となり実質倍率は4年ぶりに1.1倍台に下がっています。低倍率が続いていた松陽への移動が考えられますが,共学化した鎌倉国際文理の影響もあったのではないでしょうか。ただ受検棄権者と取消は前年度と同じ11人で,この部分では私立志向の影響はみられませんでした。

座間

座間の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

座間は8学級の増学級で募集。それに合わせるように志願者が53人増加したため志願倍率は変わりませんでした(1.32→1.32倍)。受検棄権者と受検後取消の人数も6人から5人と動きはなく,実質倍率も前年度並みでした。不合格者が増えたのは募集規模が大きくなったからです。これらのことから座間は私立志向の影響は受けなかったといえるでしょう。

麻溝台

麻溝台の実質倍率と不合格者数の推移(2022〜2026年度)

麻溝台は前年度の低倍率の反動で志願者増となり,前々年度の実質倍率に戻りました。相模原弥栄との間で受検生の行き来があり,前年度は相模原弥栄の倍率が上がり,今年度は麻溝台が上がりました。受検権者と受検後取消の人数は4→5→5→7→8人とわずかながら増加傾向ですが,これをもって私立志向の影響を受けているとはいえないでしょう。

まとめ|2026(R8)年度 神奈川県公立高入試 上位校・中堅上位校の動向

2026(R8)年度の神奈川県公立高入試では,上位校・中堅上位校の多くで志願者減がみられましたが,その大半は前年度の倍率アップの反動によるもので,私立志向の影響が明確だといえる学校は限られていました。

高い人気を維持したのは,神奈川総合,新城,市立横浜サイエンスフロンティア,七里ガ浜などです。一方,海老名,相模原弥栄「普」,市立戸塚「一般」,生田,藤沢西などは,緩やかな入試になったり受検棄権・取消が増えたりと,私立志向の影響がうかがえました。志望校を検討する際は,前年度の倍率だけでなく,隔年現象や募集学級数の増減も踏まえ,年単位の推移でみることが大切です。

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